渦巻偽典 伝子 伝子は、あらゆる物質の内に存在する原子核の周囲を回るものである。プラスとマイナスの二種類があり、プラスからマイナスに向かって、伝子の束を流してやると、伝気が生じて、機械や装置を動かすエネルギーとなる。 また、伝子は単なるエネルギーだけでなく、意思を疎通させる為の情報伝達媒体としての特性も持っており、これを応用して作られたのが、かの有名な伝話である。 伝話は直接、話し手と受け手を接続させることができ、その伝達速度は、両者の口の動きと、耳の反応に劣らないものだったので、以後、郵便は廃れてしまった。 ただし、伝話は伝線を敷設した区間同士でしか使用することが適わない為、今日でも伝線を引くことのできない地域においては、郵便が用いられている。 だが、最新の研究成果によれば、伝子によって生じた伝波による通信が成功したという話である。 これが本格的に運用されるようになれば、伝線の開通していない地域においても、無線伝波による交信が可能となるであろう。 通信手段としては他に、音波が上げられるが、出力や距離に伴う音波同士の干渉で、伝波より不正確となる。愈々伝子時代の幕明けとなろう。 2001.06.02 |