リクガメ飼育の情報サイト-THE TORTOISE
 ビタミンには、多くの種類がありますが、現在では14種類のビタミンが、正常な成長には欠かせないものと考えられています。

 有機化合物であるビタミンは、微量で重要な働きをしますが、各々のビタミンは、化学的には関連性はありません。

 触媒として作用するビタミンは、主にタンパク質と結合することで活性酵素を生成し、体内において様々な化学反応を起こします。
 例えば、シイタケには太陽光に含まれる紫外線によって、ビタミンD2に生成されるエルゴステロールという成分が多く含まれていますが、このエルゴステロールという成分は、摂取しても実質的には、ほとんど吸収されません。

 生シイタケと干シイタケでは、栄養が異なりますが、シイタケを数時間でも、日に当ててから食べた方が良いという理由は、吸収性の高いビタミンD2として摂取しているからです。

 換言すると、これはプロビタミンDであるエルゴステロールが、紫外線照射によって光化学反応を起こし、ビタミンDであるエルゴカルシフェロールに変換されたということです。

 リクガメの皮膚や甲羅には、7−デヒドロコレステロールと呼ばれている、コレステロールが存在しますが、これは有効な波長領域の紫外線照射によって、ビタミンD3に生成される物質です。

 リクガメにとって日光浴という行為は重要で、一般にUVBと呼ばれている波長280〜320nmの有効紫外線によって、プロビタミンD3が、ビタミンD3であるコレカルシフェロールに変換されます。

 
 脂溶性ビタミンであるビタミンDを、人為的な投与で数週間から数ヶ月にわたって、大量に毎日摂取させてしまうと、大抵の場合、有害作用となるほど、血中カルシウム濃度が高くなります。

 体内は危険な状態なほど、カルシウム濃度が高いため、カルシウムは腎臓、血管、肺、心臓に沈着してしまい、腎臓が損傷すると回復し難いので、いわゆる機能不全となってしまいます。

 ビタミンDは、コレステロールから生成されるホルモンの一種で、肝臓や腎臓の働きによって合成されたものですから、この状態でカルシウムを摂取しても、残念ながら吸収作用は行われません。

 脂溶性ビタミンという性質から、ビタミンDの投与は極めて慎重に行う必要があり、これは医療行為に相当することであることを、飼育者は理解する必要があります。

 気道や動脈、あるいは平滑筋などに認められる場合が多々あるだけではなく、骨や軟骨の細胞が異常な状態で増殖する可能性があり、こうした疾患は、外観からは判断ができないからです。

 経口投与されたビタミンDと、体内で生成されたビタミンDは別物なので、この相違点を正しく理解しておかないと、症状が認められた時には、既に手遅れだったとしても不思議ではありません。
触媒として作用する有機化合物のビタミン
プロビタミンとビタミンの相違点とは何か
医療行為に相当するビタミンD3の経口投与
 ビタミンが欠乏してしまうと、代謝機能に障害が起きたりしますが、体内で生成できるのは、ビタミンDだけなので、他のビタミンは全て微量ながら摂取する必要があります。

 ビタミンの分類には、水溶性と脂溶性に大別されますが、脂溶性のビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKは、脂肪の中に蓄積できるので、必ずしも毎日とる必要はありません。

 しかし、水溶性ビタミンである一連のビタミンBとビタミンCは、体内には蓄積することができないので、毎日とった方が望ましいものの、必要以上に摂取してもほとんど吸収されません。

 ビタミンDには2つのタイプがあり、植物が作り出すビタミンD2は、エルゴカルシフェロールとも呼ばれ、ビタミンD3は、コレカルシフェロールと呼ばれ、これは日光を浴びると皮膚中に生成されます。

 このビタミンDは、主に肝臓に蓄積され、肝臓や腎臓で代謝機能が働くと、活性型ビタミンDとなり、腸でカルシウムやリンの吸収作用が促進され、丈夫な甲羅や骨が形成されます。
脂肪に溶けやすい脂溶性のビタミンは、A、D、E、Kがあり、ビタミン類の中で、リクガメ飼育において重要視されているのが、ビタミンDである。
リクガメの皮膚や甲羅には、7デヒドロコレステロールと呼ばれるコレステロールが存在し、これは有効な波長領域の紫外線照射によって、ビタミンD3に生成される物質である。
ビタミンDは、コレステロールから合成されるホルモンの一種であり、最も活性が強いのが、肝臓と腎臓の働きによって合成されたものである。
経口投与されたビタミンDは、消化管による、カルシウムとリンの吸収効率を高めることになるので、結果的に腎臓におけるカルシウムの再吸収率が高まり、血中カルシウム濃度や、血中リン濃度が上昇することになる。
ビタミンDが欠乏すると致命的な障害が発生する
 基本的にリクガメは草食性なので、太陽光を利用してビタミンDを生成する必要があり、このビタミンDが不足してしまうと、体内の血中カルシウムや、リン濃度が低下する現象が起きてしまいます。

 甲羅や骨の形成に不可欠なミネラルを吸収するには、ビタミンDが不可欠ですが、体機能はビタミンD不足を補うため、血中カルシウム濃度を上昇させる、副甲状腺ホルモンを分泌します。

 副甲状腺は皮小体とも呼ばれ、分泌された副甲状腺ホルモンは、消化管からのカルシウム吸収を高め、必要に応じて甲羅や骨に蓄えられているカルシウムを血液中に放出させます。

 しかし、甲羅や骨からの溶出量が多いと、必然的に甲羅や骨は脆くなってしまうので、成体のリクガメでも重大な疾患ですが、幼体や若いリクガメにとっては、致命的な問題となってしまいます。

 血中カルシウム濃度は、副甲状腺ホルモンとカルシトニンによって作用しているので、カルシウム濃度が下がれば、副甲状腺ホルモンが増え、血中カルシウム濃度が上がると減少します。

 甲状腺の細胞で生成されるカルシトニンというホルモンは、甲羅や骨の溶出を遅速させる働きをするので、細胞内や血液中のカルシウム濃度は、正常値を維持することができます。

 血液中のカルシウムは、アルブミンと呼ばれるタンパク質と結合していますが、アルブミンと結合していないイオン化カルシウムが正常であれば、血中カルシウム濃度は問題なく維持されます。

 しかし、代謝機能というものは総合バランスなので、例えば、マグネシウム値が低ければ、副甲状腺ホルモンは減少しますし、腎機能に障害が起きると、ビタミンDを活性化することはできません。
the_tortoise026001.jpg
活性型ビタミン生成
甲羅の成長線
尿酸の生化学
飼育下では、自然界と同様の環境は再現できませんが、飼育者は食物因子や、春夏秋冬の季節変化に伴う、周期性に関与した問題など、試行錯誤をしながら、様々な工夫する必要があります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
草食動物と食物繊維
甲羅のメラニン色素
爪と鱗の組成
雌雄の性別判定
変温動物の体温調整
陸生動物の知覚
リクガメの甲長測定
甲板名称の解説
気候分布の考察
インドの気候
地中海の気候
 
マダガスカルの気候
アフリカ大陸の気候
インフォメーション