リクガメ飼育の情報サイト-THE TORTOISE
複素環化合物であるプリン体
 リクガメの排泄物を大別すると、糞、尿、尿酸に分類することが出来ますが、特に尿酸は生物学的に適応進化という意味からも非常に興味深いものです。

 プリン体(purine badies)とは、プリン環と呼ばれる化学構造を有する物質を指し、これらは生体内で分解されると尿酸になります。

 このプリンは縮合したピリミジン環とイミダゾール環を有する複素環化合物で、核酸や補酵素に含まれているアデニンとグアニンは、代謝において重要なプリン誘導体となっています。

 プリンの構造式:互変異性体として存在し、プリン核を持つ化合物にはアデニン、グアニン、キサンチン、尿酸などや、カフェイン、テオブロミンなどのアルカロイドがあります。

 これら誘導体の多くは塩基性であり、プリン塩基とも呼ばれ、生化学上において、重要なものが多いのが特徴です。
 
リクガメの尿酸は窒素代謝の最終生成物
 尿酸は2,6,8−トリオキシプリンにあたるウレイドの一種で、ラクタム型とラクチム型に相当する反応があり、互変異性をなすものと考えられています。

 尿酸は実質的に白色の結晶性化合物であり、爬虫類であるリクガメだけでなく、鳥類なども相当する尿酸排出動物種においては、窒素代謝の最終生成物として排泄されます。
尿酸は健康のバロメーター
 このようにプリン体が生体内で分解されると尿酸になる訳ですが、尿酸の生成や排出の異常から高尿酸血症となり、尿路結石を併発させる場合があります。

 こうした背景には遺伝性素因があるとも考えられていますが、原因は未だに不明な部分が多く、現状では動物性タンパク質のようなプリン体の過剰摂取、尿酸の過剰生成、また腎臓での排出低下による高尿酸血症が根源と考えられています。

 プリン体は、遺伝子の本体である核酸(DNA=デオキシリボ核酸、RNA=リボ核酸)や、生体の代謝に関わるアデノシン3リン酸(ATP)の重要な構成成分となっています。

 この核酸やアデノシン3リン酸は、あらゆる生物の細胞に存在するため、動植物を源とする摂取物には、多かれ少なかれプリン体が含まれています。

 生体内のプリン体は、体内で合成された物と、摂取物から得た物がありますが、古い細胞が壊れたり、アデノシン3リン酸が分解したりすると、このプリン体は増加し、分解されて尿酸が増加することになります。

 例えば、配合飼料などを一切与えることもなく、完全な草食メニューで給餌しているにも関わらず、飼育個体が毎日の如く尿酸を排泄している場合は注意を要します。

 即ち、プリン体の過剰摂取の結果であり、その個体にとって栄養価が高過ぎる給餌内容を意味しているので、摂取物からのプリン体を減少させるためにも、給餌内容を見直し栄養価を抑えたメニューを考案するとよいでしょう。

 また体内の水和状態が適切に保たれた健康なリクガメは、流動性を帯びた白いクリーム状の尿酸を排泄するので、顆粒が混入したような砂混じり状であったり、粘土質のように固化した傾向がある場合は、水分因子について注意する必要があります。

 従って、飼育者は尿酸の排泄頻度、排泄状態、排泄色などを注意深く観察し、排泄された尿酸から飼育個体の健康状態を把握し、尿酸結石が飼育下ならではの特有な疾患であることを理解する必要があります。
 従って、尿酸排泄とは陸生の爬虫類や鳥類が、アンモニアの無毒化と、糸球体濾過速度が比較的に低いため、水分の有効な保存を効果的に行うための適応進化で、尿を尿酸塩で飽和した状態で排泄しています。

 化学式が示すように、尿酸はラクタム型(左)とラクチム型(右)の2式に相当する反応があり、互変異性をなすものと考えられています。 
結石は、発症した位置によって、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石などと呼ばれる。結石が生じる過程は、尿石症、結石症、腎石症などと呼ばれるが、リクガメに発症する結石成分は、ほとんどが尿酸塩である。
結石形成の原因となる塩類によって、尿が過飽和状態になったりすると、結石が形成されると考えられている。クエン酸は結石形成に関与する、カルシウムと結合するので、形成阻止に役立つ因子とされている。
結石があっても、初期症状は無症状の場合が多く、症状が認められた時は、既に大きくなっているケースが圧倒的に多い。小さな個体では、結石を摘出することさえ不可能な場合があり、リクガメにとって結石は厄介な疾患である。
クエン酸カリウムは、尿のアルカリ度を高めるので、尿酸結石であれば、徐々に溶かすことが可能かも知れない。しかし、実際には、閉塞を引き起こしている大きな結石は、外科手術で取り除かなければならない。
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飼育下では、自然界と同様の環境は再現できませんが、飼育者は食物因子や、春夏秋冬の季節変化に伴う、周期性に関与した問題など、試行錯誤をしながら、様々な工夫する必要があります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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