リクガメ飼育の情報サイト-THE TORTOISE
角質(ケラチン)
 皮膚の表層をなす表皮は、重層で扁平な上皮ですが、その表面に近い部分は角質(ケラチン)化していて、上皮細胞が水分を失って乾燥し、硬質化しています。

 角質化が進行すると細胞は壊死しますが、しかし表皮はこの変化によって非常に丈夫になり、体内の水分がむやみに蒸発することを防ぐのに大きな効力があります。

 このように爪は角質化した表皮細胞の集まりから出来ていますが、角質化の前提として、上皮細胞の内部にケラトヒアリンという物質の小粒が見られます。

 この小粒は塩基性の色素に濃く染まる性質があり、次いで、この小粒が塩基性の色素に染まらなくなり、互いに合して、一見すると油状を呈するエレイデインというものになり、これが細胞の全体を満たし、核も消失し、角質化は完了します。

 また病理的にもビタミンAが不足すると、角質化が促進されて消化管や他の部分の上皮も、皮膚の上皮のように重層化して、角質化を起こすことが知られています。

 このことからも一般にビタミンAが、上皮の維持に重要なのは周知の事実なので、カロチノイド色素を含む野菜類の適量摂取が重要となります。
表皮細胞群が角質化した爪
 リクガメの爪は、四肢の末端部を保護するのに役立っている、極めて硬質なもので、この爪は表皮細胞群が角質(ケラチン)化したものです。

 爪の細胞の外部には、発煙硝酸にも溶けないケラチンAが多く、内部には発煙硝酸に溶けるケラチンBが多いのですが、その他にもアルブモーゼが多量に含まれています。

 爪の成長帯は表皮の中に埋もれていて、一般にこれを「爪床」と呼称していますが、細胞の角質化もこの辺りで起こるので、爪の末端を失っても細胞が残存していれば、再び爪は押し出されて伸長します。

 また動物の爪を形の上から分類すると、食肉獣類などの「かぎづめ」や、猿類の「ひらづめ」、また馬の「ひづめ」などに大別される場合があります。
鱗は表皮の角質層の変成物
 鱗は皮膚中に生じた硬質の小薄片で、体表の一部や大部分を覆っており、これは内部骨格に対して、外部骨格とも称されます。

 例えば、角鱗は表皮起原で角質化したもので、これに対して骨鱗は、真皮起原の骨質のものですが、表皮起原の部位と真皮起原の部位が合着したものもあります。

 何れの場合も、鱗は鎧や兜のように、体の保護に役立つだけではなく、陸上では体内の乾燥を防ぐことにも役立っています。

 飼育下でも、意外に思えるほどの大きさの鱗が剥がれ落ちる場合もありますが、また新たに鱗は形成されるので
 
心配する必要はありません。魚類の鱗は構造と化学成分の上から4種に大別されていますが、特に爬虫類は鱗を有する著例と言えます。

 例えば、ヘビやトカゲなどの鱗も表皮の角質層の変成物なので、脱皮によって更新されますが、頭骸骨の外に、皮膚骨板を有する種類もあります。

 ワニ類の鱗も角質のものですが、体部によってカイマンの腹面などには骨板も生じていますが、リクガメの甲羅は、表面に表皮性で角質層の鱗板があり、その下に真皮性で硬質な骨板があります。
顎の骨が角質で覆われた嘴
 嘴(クチバシ)と言われて思い浮かべるのは、おそらく大抵の人が鳥類かも知れませんが、爬虫類であるリクガメにもクチバシはありますし、海ガメの仲間もクチバシを持っています。

 クチバシの語源は、口の端という意味から来ていて、食物摂取のために特殊化した口、即ち、動物の口器を指しており、上下の顎の骨が角質層で覆われ、突出した部分がクチバシです。

 例えば、絶滅した恐竜の角竜も、口先にはオウムのクチバシに似たものがありましたが、これは顎骨と呼ばれている部位で、おそらく、餌となる植物を摂取する際、クチバシで噛み切るために用いられていたと考えられています。

 生物進化という視点で考察すると、鳥類は前肢が翼となった生物ですから、クチバシは単なる口だけでなく、手の役割りもしており、鳥がクチバシを上手に使って、羽毛の手入れをしている光景は、決して珍しいものではありません。

 現生の鳥類には歯がなく、クチバシが歯の働きもしているので、木の実を砕いたり、餌を噛み切ったりするだけでなく、特有の形状を巧みに利用して、細く尖ったクチバシで魚を採食したりしています。

 食性に関与した進化では、ガラパゴス諸島に生息するダーウィンフィンチが好例であり、同一種から分化して、種子や昆虫などの食性に適応したクチバシを持っています。

 草食性リクガメの場合、大地に生えている植物の葉や花を引き千切るように採食したり、あるいは、かたい茎を噛み砕くようにして食べるので、長いクチバシでは不便ですから、太くて短く、歯のような縁は鋭く、とても頑丈なクチバシをしてます。

 このような丈夫なクチバシを酷使しなければ、私たちの爪のように、リクガメのクチバシも伸長してしまい、こうした傾向は飼育下のリクガメほど頻繁に見られます。

 飼育個体が、食べ易そうだからという理由で、不必要に切り刻んだり、軟らかい物ばかりを給餌していれば、必然的にクチバシは伸長してしまうので、一見すると食べづらそうに見えても、繊維質を含んだ適度に硬いものも給餌するべきです。
鱗は皮膚中に生じた硬質の小薄片で、体表の一部や大部分を覆っており、これは内部骨格に対して、外部骨格とも呼ばれているものである。
角鱗は、表皮起原で角質化したもので、これに対して骨鱗は、真皮起原の骨質のものだが、表皮起原の部位と、真皮起原の部位が合着したものもある。
皮膚の表層をなす表皮は、重層で扁平な上皮だが、その表面に近い部分は角質化していて、上皮細胞が水分を失って乾燥し、硬質化している。
角質化が進行すると、細胞は壊死するが、しかし、表皮はこの変化によって、非常に丈夫になり、体内の水分がむやみに蒸発することを防ぐのに大きな効力がある。
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飼育下では、自然界と同様の環境は再現できませんが、飼育者は食物因子や、春夏秋冬の季節変化に伴う、周期性に関与した問題など、試行錯誤をしながら、様々な工夫する必要があります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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