リクガメ飼育の情報サイト-THE TORTOISE
中央に見られる果実の皮状の部分は、卵の中にいた時の卵殻の内側の痕跡で、成長しても大きさは変わらない。写真はホウシャガメの背甲。
成長期に相当する若い個体ほど成長線は現出し、この成長線が形成されることでリクガメは成長する。写真はアナホリゴファーガメの背甲。
新たに形成されたばかりの成長線は、白色がかって見えるが、次第に既存の甲羅と調和される。写真はテキサスゴファーガメの背甲。
樹木の年輪とは異なり、年に一輪が形成される訳ではないので、成長線の数から個体の年齢は判らない。写真はミナミクモノスガメの背甲。
 リクガメの背甲には、8枚の肋甲板と5枚の椎甲板があり、この各々13枚の甲羅の中央には、亀甲形をした果実の皮のような部分があります。

 これは卵の中にいた時の卵殻の内側の模様で、この部分の大きさは変わらず、この卵殻の内側の模様を中心にして、周囲に堆積しながら甲羅は形成されます。

 新たに形成された甲羅は、主に白色の条線や隆起線として認められ、通常これを成長線と呼称しており、成長期に相当する若い個体ほど頻繁に現出します。

 日本の四季に順化した個体は、主に春から夏頃にかけて成長するので、この時期に新たな成長線が形成されていれば、順調に発育している証になります。

 成長線は同心円状に配列した輪紋なので、樹木の年輪のイメージと重複するかも知れませんが、樹木の一年輪とは異なり、年間を通して何本かの成長線が形成される場合があるので、成長線の数からは正確に年齢は推定できません。

 この成長線が繰り返し形成されることでリクガメは成長するのですが、給餌内容や飼育環境が適切であれば、異様な急成長を遂げたり、その反対に成長が停滞することもないので、健全に育成されたワイルド個体のように、本来の甲羅は非常に滑らかで歪にはならないものです。

 しかし、自然下と異なり飼育下では、給餌内容や飼育環境を自然界と同様に再現することは極めて困難なので、どうしても規則正しい一様な成長ができず、結果的に飼育下では甲羅が歪んでしまう傾向が多々あります。

 
リクガメの甲羅に認められる成長条線
 これは給餌内容物の酸性度が高く、リン酸分を多く含み、一方カルシウム分が非常に不足し、タンパク質のアミノ酸構成に欠陥があるなど、質的に様々な欠点があったり、十分な直射日光が得られていない場合が相当します。

 給餌物に含有されているカルシウムやリンは、両方とも適量である必要があり、このバランスが崩れて、どちらか一方が多くなれば、必然的にカルシウムの吸収は悪くなってしまいます。

 通常、カルシウムの出納は平衡状態なので、吸収された分と同量のカルシウムが排泄され、吸収されたカルシウムは、その貯蔵場所である甲羅や骨に再び蓄積されます。

 一方、日々必用とされるカルシウムは、甲羅や骨から脱出して使用され、腸壁から排泄されています。

 従って、吸収が悪くなれば、相対的に甲羅や骨からのカルシウム脱出が増加し、この状態が続けば甲羅や骨のカルシウム含量が減少するので、甲羅の隆起線は著しくなり、結果的に甲羅は歪になりますし、この症状が進行すると甲羅や骨が軟化してしまいます。

 カルシウムの吸収効率は、そのカルシウムの化合形態によっても異なるので、一般に腸の内容が酸性に傾けば吸収効率は高まります。

 この理由は、摂取物の消化によって遊離したリン酸が、カルシウムとリン酸カルシウムを形成するので、この化合物は中性やアルカリ性では水に溶け難く、酸性では溶け易いからです。

 リン酸は無機リン酸の形態でのみ吸収され、カルシウムの吸収を左右する因子がリン酸の吸収にも影響し、リンを多く含む給餌内容を長期間に及んで与えると、リン酸の排泄量は増加し、血清の無機リンは上昇してしまいます。

 即ち、血清中の無機リンとカルシウムとの間には、その量が逆相関の関係にあるので、血清中の無機リンが増加すれば、カルシウムは減少することになります。

 
給餌内容物の酸性度
 このようにリン酸塩は、体液の酸や塩基平衡の調整と密接な関係があるので、給餌内容の酸性度が高いとアシドーシスと言う酸毒症を起こしてしまいます。

 従って、リン酸の排泄量はより増加し、この為カルシウムのような塩基性物質の排泄量もリン酸につれて増加するので、カルシウム脱出の原因となっています。

 このような状態の場合、糖同化機能は低下するので、酵素系の活力が低下したり、時には不活性化を引き起こしたりします。

 これは骨や甲羅の造成と密着な関係にある、リン酸分解酵素であるフォスファターゼの活力が低下するので、必然的に甲羅や骨の造成機能も低下します。

 また一方では、甲羅や骨を造成する際に、必要なタンパク質を完全に供給することができず、特に発育が盛んな若い個体の場合、甲羅や骨の造成も活発なので、こうした不完全な状態の影響が強く現れます。

 例えば、化骨の際に重要な軟骨増殖層の発育が抑制されて、骨は萎縮像を示すようになりますし、甲羅は滑らかに形成されず歪になります。
体液の酸や塩基平衡の調整
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活性型ビタミン生成
甲羅の成長線
尿酸の生化学
飼育下では、自然界と同様の環境は再現できませんが、飼育者は食物因子や、春夏秋冬の季節変化に伴う、周期性に関与した問題など、試行錯誤をしながら、様々な工夫する必要があります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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甲羅のメラニン色素
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