リクガメ飼育の情報サイト-THE TORTOISE
 現在、入手できるリクガメの生体の多くは、主にCBと称される養殖個体が多くなりましたが、本来が野生動物であるリクガメを人工的な環境下で健全に育成することは、意外に難しいものです。

 種によっては、大抵のものがWCと呼ばれる野生下で捕獲されたリクガメであり、何れの場合も本来の生息地と同様の生活環境を忠実に再現することは、実質的に不可能と言えるでしょう。

 日本に生息していない外来種を育成するわけですから、飼育をする際にはリクガメが生活をするための基本環境から整えていくわけですが、変温動物であるリクガメにとって重要な温度、湿度、あるいは昼光照明などは器具と電気が解決してくれます。

 もちろん最近の照明装置が優れているとは言っても過信は禁物であり、可能な限り自然の太陽光の恩恵を最大限に利用することが、リクガメにとって理想的なのは言うまでもありません。

 飼育下で最も問題となるのは、リクガメに与える「給餌物」であり、本来の生息現地と同様に揃えることは不可能なので、市販野菜で代用したり野草を入手して給餌することになります。

 市販野菜はスーパーでも八百屋でも入手できますが、是非とも与えたい安全で衛生的な「野草」となると、居住地や飼育者のライフスタイルなどの都合から必ずしも与えられるとは限りません。

 例えば、居住地の周辺に野草が生えている場所が少なかったり、生えていても工場に隣接していたり、車の排気ガスの影響など、安心して与えられるような場所がないかも知れません。

 また都会から離れているから安全かと言えば、農作物に大規模な農薬噴霧を行っている場合もあるので、全てのリクガメ飼育者が、様々な理由から「野草」を与えられない場合があります。

 特に四季のある日本では、冬季に十分な野草を入手することは極めて困難なので、どうしてもリクガメに与える給餌内容は、市販野菜類に依存する傾向が多くなっても不思議ではありません。
自然下ではクチバシも爪も適度に磨耗されたり、時には折れることさえある。飼育下でも庭に生えた野草を食べる時は、強引に引き千切ったり引き抜いたり逞しい姿を見せる。
リクガメの飼育環境において、温度や湿度、また照明などは装置と電気が解決してくれる問題だが、日常の給餌内容物は飼育者の工夫が必要である。
安全で衛生的な野草をリクガメに定期的に給餌することは、居住地によっては、困難である場合があるかも知れないが、可能な限り主食として取扱いたい。
本来は野生動物であるリクガメを人工環境下で飼育することは思いのほか難しいことである。自然下と同じ環境を再現することは不可能だが、可能なことは積極的に導入したい。
飼育下で実現できることは実行する
カルシウムだけでなく食物繊維も重要である
 リクガメに給餌するメニューを考案する際、成分表などを参考にしながら注目するのは、カルシウムとリンの含有量や、これらの比率に自然と目がいってしまうかも知れません。

 確かに同じサイズの野生個体と、飼育下で育成された個体を比較すると、飼育下の個体は体重は十分にあるものの、甲羅を比較すると頑丈さに欠けるのを実感する場合があります。

 もちろん、あまりにもシュウ酸が多い給餌物は考え物ですが、リクガメに給餌する一般的な野菜類のカルシウムに関しては、市販されている「カルシウム剤」で調整し補うことができるものです。

 カルシウム剤は、リクガメが摂取するのをためらうほど、一度に大量に投与しても無駄なだけで、毎日の食餌にリクガメが気がつかない程度の微量を添加した方が効果的なものです。

 暖かい季節に多くの野草を給餌していると、下痢や便秘とは無縁になるだけでなく、非常にしっかりとした便を排泄するのが特徴で、これは市販野菜では及ばない食物繊維の恩恵です。

 この反対に、冬季ともなれば野草を主食にするのは困難なので、この時期に排泄される便は野草を摂取していた時期に比べると、明らかに軟らかい便を排泄するものです。

 従って、市販野菜を中心に給餌する場合は、カルシウムとリンの比率だけに着目するのではなく、給餌する野菜の食物繊維にも注目し、リクガメに与える給餌メニューを考案したいものです。

 何れにしても、これ一品で全てを補えるという食材などは存在しませんし、各々の野菜には特有の利点もあれば、リクガメにとって好ましくないものもあるので、内容が偏らないようにします。

 そういう意味では、「多種多様な給餌メニュー」というものは非常に重要であり、様々な野菜を給餌することで、不足している成分を補い合うことになり、結果的にバランスが取れることになります。

 また、あまり栄養価の高い野菜ばかりを主食にして、その給餌比率が高まってしまうと、草食性リクガメにとって、必要以上のタンパク質や脂質を摂取することになるので注意を要します。

 毎日の如く尿酸を大量に排泄する場合は、給餌比率を検討する必要があるでしょうし、尿酸が硬めで排泄される場合は、体内の水和状態が適切でないので、水分摂取に注意を要します。

 各々のリクガメは性格が異なるので、著しい偏食を示す個体も中にはいますが、「食べるから与える・・・」や「食べないから与えない・・・」ということは、誰にでもできることです。

 リクガメ飼育で工夫したいのは、「食べないものを如何にして食べるようにするか・・・」ということも大切なので、一度や二度ぐらい与えて食べないからといって諦めたり、その野菜を給餌メニューの一品から除外しないように、根気よく取り組むことも大切です。
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草食性リクガメの食餌
 
自然界と異なり、人工的な管理下でリクガメを健全に育成させることは意外と難しく、不適切な環境下では甲羅が変形したり、また内臓に疾患を発症させたりして、容易く体調を崩してしまいます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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