リクガメ飼育の情報サイト-THE TORTOISE
 便秘は、飼育下のリクガメに比較的多く見られる症状ですが、排便が何日認められないと便秘、という明確な定義というものはありません。

 一般に数日間、あるいはそれ以上の日数が経過しても、便通のない状態を便秘と考えていますが、草食動物であるリクガメが食物を摂取し、排泄に至るまでは、相当な時間を要することを事前に考慮する必要があります。

 しかし、便秘によって食欲不振になったり、体力を消耗したように不調な様子を示したり、また便秘が週間単位で続くようであれば検査が必要なので、獣医師の診察を受けた方が無難です。

 生体における排泄という行為は、物質代謝の結果に生じた老廃物を体外に排除することですが、多くの動物の老廃物は、一般に含窒素老廃物の他にも塩分や水があるので、排泄は同時に浸透調節という、重要な役割を果たすことにもなります。

 含窒素老廃物の成分は、動物の種類によって異なるので、硬骨魚類では主成分はアンモニアとなり、両生類や哺乳類では尿素、爬虫類や鳥類では2・6・8-トリオキシプリンである、尿酸として排泄されます。

 しかし、呼吸の結果で生じる二酸化炭素や、食物の残滓物である糞は、物質代謝の産物ではないので、生物学的には老廃物に含めていません。

 糞とは、リクガメが摂取した食物が、消化管内で酵素に因って分解吸収された後の残滓物や、消化管上皮の剥離した細胞を意味しています。

 また腸内のバクテリア、分泌された粘液や、色素等の混合したものを指し、腸管外に排泄されたものだけではなく、腸内停留の消化残滓物も相当します。

 便秘の原因も様々なケースが考えられ、下剤を投与するだけで治癒する場合もあれば、甲羅を切開するような開腹手術を必要とする場合もあり得ます。
飼育下のリクガメには比較的に多い便秘
便秘の主な原因は、不適切な低温環境による未消化、冬季の乾燥期における水分不足、給餌内容の繊維質不足などが考えられる。
リクガメが消化できない異物を摂取しないように注意する必要があるので、屋内や屋外に放す場合も、細心の注意を心がけるようにしたい。
リクガメの便秘を予防したり排泄を促進するために温浴を行う場合があるが、飼育種によっては温浴が不向きな場合もあり、決して強制的に行ってはならない。
給餌内容物はカルシウムやリンの比率だけではなく、食物繊維にも注目して考慮し、多種多様なメニューを考案するとよい。
 便秘の原因は幾つか考えられますが、便が大腸を通過する速度が遅い、通過遅延の状態になると、便秘になり易い傾向があります。

 正常な状態であれば、便が大腸を通過する際に水分が吸収されますが、大腸で便の通過速度が遅くなると、水分吸収が高まり便が乾燥した状態になります。

 脱水症を引き起こしていると、体は便から多くの水分を吸収して、血液中に水分を蓄えようと作用するので、このような場合も便秘になります。

 また草食動物とって食物繊維は重要で、消化され難い食物繊維の摂取が不足していると、便秘が起こりますが、繊維質は便中に水分を蓄えるので排便し易くなります。

    1.不適切な低温環境による未消化

    2.冬季の乾燥期における水分不足

    3.給餌内容のメニューに繊維質が不足していること

    4.総排泄孔の付近に結石が詰まっている場合

    5.消化不可能な異物による消化管閉塞

    6.雌の個体の場合は卵が詰まっていることもあり得ます

 便秘の原因は、幾つかのケースが考えられますが、やはり比較的に多いのが低温環境、水分因子に関与したした水分不足、環境湿度の問題、また食物繊維の摂取不足などです。

 リクガメの便秘を予防したり、あるいは排泄を促進するため、温浴を行う場合がありますが、飼育種によっては温浴が不向きな場合もあります。

 温浴という行為は、決してリクガメ飼育で必要不可欠というものではありませんから、個体の様子を見ながら慎重に判断し、決して温浴を強制的に行ってはいけません。

 個体によっては、温浴時に排泄し習慣化する場合もありますが、強制的な温浴によって個体にストレスを与えたり、場合によっては未消化の状態で排泄してしまうことがあるので注意を要します。

 冬季の乾燥した時期は、水分補給を主な目的として、例えば、市販野菜ならトマトやレタスなどの給餌量を増加したりして、工夫して給餌するだけでも効果はあります。

 いつもと同じ給餌物であっても、水気を多めに残して与えたり、時々霧吹きで野菜を湿らしたりするなど、ちょっとした工夫を施すだけでも効果的です。

 室内は加湿器によって湿度をコントロールしたり、水飲みを常設したり、湿らせたスポンジを設置したり、霧吹きによって湿度を発生させるのも一つの方法です。

 湿度の高い季節は、木製ケージは重宝しますが、低湿度に弱い種や幼体の場合、冬季は水槽の方が湿度を維持し易いので、木製ケージの使用を避けた方が良い場合もあるかも知れません。

 またリクガメが消化できない、異物を摂取しないように注意する必要があるので、リビングやベランダ、あるいは庭に放す場合も細心の注意を心がけるようにしたいものです。

 リクガメによっては、床材を餌と同様に摂取してしまう個体がいるので、もしそのような兆候が見られた場合は、別の床材を早急に検討して取り替える必要があります。 
便秘の原因として考えられること
the_tortoise076001.jpg
 
健康な状態とは
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
リクガメの飼育法は、まだ確立されてなく、爬虫類の診療ができる動物病院は、限られているのが現状です。病気になってからでは手遅れの場合もあり、早期の発見と治療が重要です。
鼻腔からの分泌物
腫瘍の医学的な定義
甲羅の変形
骨軟化症の原因
下痢‐水様性の便
飼育下のストレス
アレルギー性疾患
薬理作用の基礎知識
上皮細胞の剥離
 
 
 
 
 
 
 
血中カルシウム濃度
雌個体の解剖図例
便秘‐便通過遅延
リクガメの眼疾患
リクガメの脱水症
リクガメの寄生虫
熱中症と応急処置
 
 
 
 
 
 
爬虫類の食欲不振
中毒症状と嘔吐
リクガメの尿路結石
異物の誤飲と腸閉塞
放射線医学X線
腎機能障害
 
インフォメーション