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 腫瘍とは、体細胞が何らかの原因で制御のない増殖を営む性質を獲得した細胞群や、これらの細胞群が生体を傷害している状態と「定義」することができます。

 生体における細胞分裂や増殖は、成長期や成体であっても、また障害の回復の際にも、調和のとれた規則正しい統制下で行なわれています。

 従って、ある条件が満たされれば、直ちに分裂はおさまり、過剰な増殖を示すことはないので、生体を構成している各細胞は、整然とした制御下にあるとも換言することができます。

 つまり腫瘍は、このような制御を脱した細胞群であり、この脱制御は2つの事柄を含んでいて、1つは際限のない分裂能力、即ち増殖能力の獲得を意味しています。

 また、もう1つは正常組織細胞に見られる、細胞相互関係の喪失で、正常組織においては、細胞は相互に規則正しく配列して、一定の機能を営んでいます。

 これは細胞相互が接触している時は、静止して動かない接触抑制作用があるからですが、体細胞は、本来どの細胞も自由に運動し分裂する能力を持っていますが、生体では規則正しい配列下で、細胞分裂が抑えられているからです。

 腫瘍細胞は、この接触抑制作用を喪失してしまい、正常配列より離脱して、他の部分に自由に動いていく能力を獲得したものと表現することができます。

 生体内を自由に動いていく分裂能力を持った細胞、これが腫瘍細胞であり、生体内にありながら外部から侵入した細菌や寄生虫のように行動するので、腫瘍を一種の寄生体と考えるのは、このような理由からです。

 外部から侵入した寄生体であれば、これは異物に相当するので生体反応もあり、生体とは異なった代謝を示しますから、診断も治療も処置し易くなります。




 
腫瘍の医学的な定義
リクガメに腫瘍が認められることは希だが、皮膚の柔らかい部分に発症する可能性がある。
比較的に希な疾患だが、甲状腺腫は喉が異常に腫れ上がったように見える疾患である。
腫瘍も初期症状のように軽症であれば、抗生物質を投与することで治療も可能である。
希なケースだが、カルシウム剤の過剰投与が、甲状腺腫を発症させる、誘因剤となる場合がある。
 実際にリクガメの局部的な感染症状を長時間にわたって放置しておくと、その局部は膿によって腫れ上がってしまい、その結果として腫瘍が生じます。

 生体を構成している各々の細胞は、整然とした制御状態にあるわけですが、腫瘍はこのような制御を脱した細胞群、あるいは病的組織の増殖物とも言えます。

 リクガメの皮膚の軟らかい部分には腫瘍が発症する可能性がありますが、最も発症し易いのが耳の鼓膜の部分で、中耳炎や内耳炎を引き起こします。

 リクガメの場合、腫瘍の原因となるのは大抵が細菌感染なので、膨れ上がった皮膚下は「膿」が充満している状態ですから、切開手術によって膿を除去しなくてはなりません。

 腫瘍も初期症状のように軽症であれば、抗生物質を投与することで治療も可能ですが、大抵は外科手術によって治療することになるケースが多いと思います。

 こうした腫瘍を放置しておくと、リクガメは免疫機能を麻痺させてしまい敗血症を引き起こす可能性があり、これは全身感染症ですから時間の問題で命を落とすことになります。

 またリクガメに可能性のある腫れには、人間の「おたふく風邪」のように、喉が異常に腫れ上がったように見える、甲状腺腫という甲状腺が膨れたものがあります。

 この甲状腺腫とは文字通り甲状腺の腫張を指しますが、一般に甲状腺組織の増殖や、肥大化ないし一部の退行変性とも考えられています。

 甲状腺腫に関する原因の詳細は不明ですが、一般に、ヨウ素欠乏説などが考えられており、これは甲状腺腫を引き起こす物質を含む植物が問題となります。

 例えば、キャベツやカリフラワーなどを、単食で長期的に大量摂食を継続していると、甲状腺腫を発症する可能性があることを意味しています。

 カルシウム剤の過剰投与が害になることは希ですが、一例として、腸からヨードを吸収する作用に弊害を引き起こすことがあります。

 過剰投与が原因で、甲状腺腫を発症させる誘因剤になってしまう場合があるので、これは希な症例ですが、何事も過剰投与には注意が必要です。

 何れの場合も、視覚的に腫瘍が認められた場合には、躊躇することなく獣医師の診察をうけて適切な処置を施してもらうのが最善策です。
病的組織の増殖物
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