リクガメ飼育の情報サイト-THE TORTOISE
 全体の形や諸器官が発育障害等の因子によって、正常の形態とは異なる状態になったものを形態異常と称し、これらは同時に機能障害を伴うことが多いのが特徴です。

 医学的な見解からは、その原因因子が先天性のものを「奇形」と分類し、後天性の場合は「変形」に分類して区別しています。

 動物の奇形には手足の指が足りないような欠陥性奇形と、ある部分が余分にある過剰性奇形があります。

 3番目の異態では、前足と後足の位置が逆になったような転座や、雌雄性徴の組合せから、性転換や雌雄モザイクなど、学問的にも興味深いものがあります。
奇形と変形の相違点
皮骨と角鱗が発達して、それぞれ骨質板と角質板となり融合したものが甲羅なので、本来は非常に硬質なものである。
リクガメの甲羅がピラミッド状に盛り上がっているのは、後天性の環境因子によって発症した変形である。
飼育下のリクガメに見られる疾患には、カルシウムとリンのバランスが崩れることで発症する代謝性骨疾患や、カルシウムは十分に供給されているものの、骨や甲羅に沈着しないくる病などがある。
ビタミンD3の過剰摂取は、リクガメの臓器や組織に石灰化という致命的になる場合もある危険なものである。
骨質板と角質板の融合
 リクガメの甲羅は、甲殻類にも認められる動物体を覆う硬質の外被を指しますが、爬虫類は一般に真皮の分泌した骨である皮骨や、表皮の角質形成物である角鱗に覆われています。

 この皮骨と角鱗が発達して、それぞれ骨質板と角質板となり融合したものが甲羅で、このような事々を前提に、自然界で生息するリクガメの甲羅を考察すると、本来は滑らかな曲面を持った非常に硬質なものです。

 従って、甲羅が軟化したり甲羅が変形したものは、飼育下における環境因子を指摘しない訳にはいきません。

 これらの原因は、紫外線照射不足、カルシウム摂取不足であることは明らかで、さらに、栄養価の低いメニューを与えている場合にもあり得るので、リクガメが必要としている栄養素が欠けていることも十分に考えられます。
甲羅の疾患と原因
 飼育下のリクガメに見られる骨や甲羅の疾患を大別すると、カルシウムとリンのバランスが崩れることで発症する「代謝性骨疾患」、カルシウムは十分に供給されているものの、骨や甲羅に沈着しない「くる病」があります。

 また腎機能の低下に因って発症する「腎性骨ジストロフィー」や、医原性に起因する添加剤などの「過剰投与」などがあります。

 現実問題として、草食性リクガメの甲羅をつるっと硬くて丸い甲羅に育てるのは大変なことで、特に幼体から成長期に相当するリクガメの場合、難しい種がいるのも事実です。

 このように一度変形した甲羅は治癒することはないので、甲羅が大きく成長すれば目立たなくなることはあっても、理想通りの甲羅の形状に復元することはありません。

 また軟化した甲羅は、単にカルシウム不足だけの問題ではなく、肝臓や腎臓の一次的な病気から、二次的な病気までを発症させてしまう可能性があります。

 幼体や成長期のリクガメには、ビタミンD3が添加されていないタイプのカルシウム剤を毎日の食餌に微量添加し、成体に近づくにつれて週に2〜3日程度の割合で微量投与すると良いでしょう。

 リクガメの甲羅は丈夫で硬いものの、形状だけが変形した甲羅を有する場合がありますが、これも間違いなく摂食しているメニューに原因があるはずです。

 これは草食性のリクガメに対して、他の生物の配合飼料を与えた場合が多く、例えば九官鳥の餌やドックフードあるいはキャットフード等を主食として与えている場合です。

 リクガメに不必要なタンパク質の過剰摂取はもちろんのことですが、最も危険なのはリクガメが必要としている要求量のビタミンD3を大幅に越えて摂取してしまっていることなのです。
ビタミンD3の過剰摂取
 ビタミンD3の過剰摂取は、リクガメの臓器や組織に石灰化という致命的になる場合もある危険なものなので、ビタミンD3が添加されたカルシウム剤も過剰投与にならないように注意する必要があります。

 このような軟組織にカルシウムが沈着する場合、動脈や気道あるいは消化管の平滑筋に見られることが多く、しかも骨や軟骨の細胞が異常に増殖することもあります。

 繰り返すようですが、リクガメの甲羅がピラミッド状に盛り上がっているのは、後天性の環境因子によって発症した変形であり、決して珍しかったり特殊なわけではなく、不適切な要因によって招いた悲劇的な結果なのです。
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リクガメの飼育法は、まだ確立されてなく、爬虫類の診療ができる動物病院は、限られているのが現状です。病気になってからでは手遅れの場合もあり、早期の発見と治療が重要です。
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