リクガメ飼育の情報サイト-THE TORTOISE
 乾燥した冬期などに、十分な水分摂取が得られていない場合や、体力が乏しい幼体や若齢個体、あるいは個体が状態を崩した時などに、比較的に発症し易いのが脱水症です。

 これは体内の水分である、体液が不足した状態を指しますが、体内の水和状態が適切に保たれていないと、例えば、眼が開口しなくなったり、他の症状を併発させる場合が多々あります。

 このように脱水は、摂取する水分よりも、失う水分の方が多い場合に起こる症状なので、下痢が原因で脱水を引き起こしたり、他の疾患が原因で併発するケースが多々あります。

 脱水状態は、水分の摂取量が、失った分に追いつけないと、状態がさらに悪化し、尿の排出量が減少したり、必要な量の血液と血圧を維持するため、水分は細胞内から血流へ移動します。

 この状態が続くと、体組織は次第に乾燥し、細胞は萎んで機能を失い、皮膚も弾力性を失い始め、深刻な状態になると、脳細胞が影響を受けて昏睡を引き起こします。

 リクガメの体液には、ナトリウムイオンなどの電解質が含まれていますが、脱水症状が進行した場合、水分欠乏と同時に、通常は、電解質の不足も生じるのが一般的な特徴です。

 動物体内に含まれる、液体成分を総称して体液と呼びますが、この体液は、細胞の内部に含まれる細胞内液と、細胞外に存在する細胞外液とに分類されます。

 細胞外液で代表的なものは、ヘモグロビンを含む血液(血漿)ですが、その他にも間質液や、組織細胞を侵しているリンパ液などがあります。

 また細胞内液の組成は、カリウムイオンが多く、細胞外液にはナトリウムイオンや、塩素イオンが多いのが特徴です。

 脱水状態になると、ナトリウム量は減少しますが、それ以上に水分が失われるので、ナトリウム濃度が上昇するという現象が生じます。

 血液中の電解質である、ナトリウムやカリウムが不足すると、水分が細胞内から血液中へ流れ難くなるので、その結果、血液中の水分量は、十分に補充することができない状態になります。
脱水は体内の水分が不足している状態を指す
乾燥した冬期などに、十分な水分摂取が得られていない場合や、個体が状態を崩した時などに比較的に発症し易いのが脱水症である。
動物体内に含まれる液体成分を体液と称しますが、この体液は、細胞内液と細胞外液とに分類することができる。
体内の水和状態が適切に保たれていないと、眼が開口しなくなったり、他の症状を併発させる場合が多々ある。
脱水症の兆候を判断する1つの指標に、重要なプリンの誘導体である尿酸(2,6,8−トリオキシプリン)の排泄状態がある。
 脱水症は、ナトリウム欠乏性である低張性と、水分欠乏性である高張性、そして、混合性である等張性の3つに分類することができます。

  1.低張性(ナトリウム欠乏性)脱水症
    体液が喪失する際に、水分よりも電解質の方が多く失われると発症する脱水症。

  2.高張性(水欠乏性)脱水症
    低張性脱水症とは反対に、水分喪失の方が電解質よりも多い場合に発症する脱水症。

  3.等張性(混合性)脱水症
    水分と電解質が、ほぼ等量の割合で喪失すると発症する脱水症。

 リクガメに限らず、あらゆる動物を構成している組織細胞は、その周囲に環境として、水を有しており、動物組織を浸している細胞間液を組織液と称しています。

 脊椎動物の血液血漿は、毛細血管より染み出して、組織の細胞間を流れる組織液となり、各々の細胞に酸素と栄養を与え、排出物を運び去るという重要な役割を果たしています。

 このように動物組織の各細胞と直接接して、物質のやり取りをするのは組織液であり、動物体の真の内部環境を形成し、この組織液の大部分は、リンパ管内に入ってリンパ液となり、血管系に戻されます。

 脱水症の兆候を判断する1つの指標に、重要なプリンの誘導体である尿酸(2,6,8−トリオキシプリン)の排泄状態があります。

 通常は、白色のクリーム状を示しますが、体内の水和状態に問題がある場合は、砂混じりのような状態や、固まりかけた粘土のような尿酸を排泄するのが特徴です。

 乾燥した冬期などは、湿度管理も十分に考慮し、温浴効果だけでなく、意識的に水分含有量の多いメニューの比率を高めて、体内の水和状態が保たれるように、水分補給を心掛ける事は大切な要因です。

 脱水症が深刻な状態で進行した場合は、輸注液とも称される輸液を要する場合もあり、これは非経口的経路ないし非経腸的経路に、人工溶液を持続的に注入補給する治療手段の総称です。

 経口や腸管を通じての補給が不十分で、静脈からの栄養補給に頼らざるを得ない場合、水分、塩類である電解質、カロリーなどの補給に輸液は用いられます。

 電解質を配合した基礎液に、10%程度のアミノ酸注射液を混合したり、ビタミン類と微量金属イオンを配合して処方する場合もあります。
低張性・高張性・等張性
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リクガメの飼育法は、まだ確立されてなく、爬虫類の診療ができる動物病院は、限られているのが現状です。病気になってからでは手遅れの場合もあり、早期の発見と治療が重要です。
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