リクガメ飼育の情報サイト-THE TORTOISE
 リクガメに限らず、多くの動物が土や小石を摂取しますが、これはミネラルを補給したり、消化を助長したりするなど、幾つかの目的があると考えられ、何れも自然界ではよく見られる行為です。

 飼育下のリクガメも屋外で過ごしていると、時おり土を摂取したり、特に白い小石に興味を示し、口に入る大きさであれば瞬時に飲み込んでしまいます。

 このような光景を目にした飼育者も多いかも知れませんが、リクガメの生息地は石灰岩が豊富で、リクガメの生息地と石灰岩は密接な関係があります。

 この石灰岩は、非晶質炭酸カルシウムの集合体ですが、その色は白色、褐色、黒色など様々ですが、白色以外の色は不純物による色なので、白い小石に興味を示すのは野生の本能的な行為なのかも知れません。

 しかし、住宅地の場合は地盤や基礎などの関係から、様々な土砂が搬入されて住宅が建設されたりするので、小石と言っても何が混入しているのか全く予測がつきません。

 大抵の場合、このように摂取した小石は糞に紛れて排泄されたりするものですが、大量摂取したりすると腸内で停滞してしまい、厄介な腸閉塞を引き起こす場合があるので注意を要します。

 誤飲と言えば、ケージ内の床材や、室内に落ちている小物を想像するかも知れませんが、飼育下のリクガメの場合は、屋内飼育も屋外飼育もリクガメが飲み込める大きさの物は、誤飲防止のためにも、徹底的に除去した方が無難なものです。

 リクガメは何か摂取する際、視覚と嗅覚を頼りにするものですが、個体によっては妙に緑色の物に反応し、緑色のサンダルとか洋服に反応したり、口に入る物は異物であっても飲み込んでしまう場合が多々あります。

 特に人工的な物質は体内で停滞してしまう場合が多く、物質によってはレントゲン検査でも視認できず、停滞物が原因で思わぬ障害を引き起こす可能性があります。

 このような理由から、屋内や屋外だけでなくケージ内の床材も含めて、リクガメを飼育する際は、異物として誤飲しそうな大きさの物に十分に配慮し注意したいものです。
 腸閉塞とは、別称を腸不通症とも呼ばれるように、何かの原因で、腸内容が腸管内通過を遮断された状態を指し、発生原因によって、機械的腸閉塞と機能的腸閉塞に大別されます。

 機械的腸閉塞は、単に腸の内外から腸管の一部を閉じることによって起こる閉塞性のものと、同時に腸間膜を締めつけて、腸管の血行障害を伴う絞扼性に分類され、絞扼性の状態が長引くと腸管は壊死に陥る危険性があります。

 機能的腸閉塞には、腸管が刺激によって痙攣を起こすために、一時的に腸の通過障害を起こす痙攣性腸閉塞と、腹膜炎や外傷などによって腸管が麻痺するために、ガスや便が出なくなる麻痺性腸閉塞に分類されます。

 麻痺性腸閉塞では、腸管の運動が停止するため、腸の蠕動や腸の部分的な痙攣による強直が見られないことが、機械的腸閉塞と異なるところです。

 このように腸管内の通過が止まると、閉塞部で腸内に内容物が停滞するだけではなく、腸内にガスが発生し、鼓腸とも呼ばれているガスが充満する状態になります。

 同時にガスも便も排泄されなくなり、衰弱状態から食欲もなくなり、最終的には嘔吐してしまう場合もあり、これは閉塞部位が胃に近いほど嘔吐などの症状は激しく現われ、排泄孔の近くにあるほど緩やかに現われます。

 腸閉塞が腸管の血行障害を伴う絞扼性である場合は、症状は一般に激しく、また全身の衰弱も著しく現われるので、主として腸管膜の静脈が絞扼されるので、腸管壁はうっ血し、さらに腸管内と腸壁から、腹腔内に浸出液が多量に出るようになります。

 状態が悪化すれば体内水分の欠乏が著しくなり、水分補給ができない状態で嘔吐が加わったりすると、水分欠乏から尿量は著しく減少してしまいます。

 また全身の血管内を流れる血液量も減少し、こうした影響から臓器内に流れ込む血液も著しく減少し、結果的には組織は酸素不足となり、生活機能が著しく低下すればショック状態となるので、状態次第では命を落とすことになります。

 しかし、初期症状では診断が困難な場合もあり、個体の異変で飼育者が気づく場合が多いのですが、診断にはレントゲン写真が有効な検査方法とはいえ、全ての物質がレントゲンで視認できるわけではありません。

 幸いにもレントゲン写真では、本来は空隙部であるべき腸内にガスが充満していたり、腸内の浸出液とガスが混合して、ガス像と水平面像として認められる場合があります。

 治療法は、主として開腹手術によって閉塞を解くことですが、開腹手術ということは、リクガメの甲羅を切断しなければ手術は行えないので、このような事態を招く前に、日頃から異物の誤飲に関しては、飼育者が環境を整えて安全な生活場所で過ごさせたいものです。

 腸閉塞の原因となる疾患は種々ありますが、一般的なのは小石の大量摂取が腸に詰まったり、回虫などの寄生虫が大量発生したり、身近な異物を誤飲して発症する腸閉塞です。

 また腸の外側に腫瘤が発症して腸が圧迫されたり、腸管が癒着して起こる閉塞性腸閉塞などがありますが、一般に絞扼性のものが最も厄介な腸閉塞なので、絞扼の程度や時間の経過によって腸管が壊死に陥り、腸切除を要するだけでなく致命的となる場合があります。
診断にはレントゲン写真が有効な検査方法とはいえ、全ての物質がレントゲンで視認できるわけではない。
白い小石に興味を示す?
異物の誤飲による腸閉塞
リクガメは土や小石を摂取するが、これはミネラルを補給したり、消化を助長したりするなど、幾つかの目的があると考えられている。
小石などを大量摂取したりすると腸内で停滞してしまい、厄介な腸閉塞を引き起こす場合があるので注意を要する。
屋内や屋外だけでなく、ケージ内の床材も含めて、リクガメを飼育する際は、異物として誤飲しそうな大きさの物には、十分に配慮し注意したい。
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リクガメの飼育法は、まだ確立されてなく、爬虫類の診療ができる動物病院は、限られているのが現状です。病気になってからでは手遅れの場合もあり、早期の発見と治療が重要です。
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