リクガメ飼育の情報サイト-THE TORTOISE
 リクガメ飼育では、温度や湿度などの環境セッティングが、思うようにいかないことが意外と多いものですが、いろいろと工夫して解決することは、リクガメ飼育の醍醐味とも言えます。

 しかし、誰にでも失敗はあるとはいえ、相手は命ある尊い生物ですから、失敗を繰り返すわけにはいきませんし、飼育環境は生活の場所なので、万全である必要があります。

 リクガメの飼育環境は、必要な器具を揃えれば、設備が整うとは限らないので、仮に同じケージで、同じ出力の器具を使用しても、住環境や部屋の向きによって異なったりします。

 インドホシガメの飼育では、高温環境を再現するだけでなく、高湿度の環境も作り出す必要がありますが、この湿度管理は、温度管理よりも難しく調整に悩まされるものです。

 加湿器は様々なタイプが市販されていますが、出力が弱ければ効果がなかったり、水を入れるタンクが小さいと、数時間で水切れになったり、次々に問題が起きるかも知れません。

 例えば、スチーム式の場合、効果は高いものの、ケージ内に大量の水滴が溜まり、発生した水滴で保温電球が割れたり、床材の素材によってはカビが発生してしまうこともあります。

 苦労して完璧な環境を整えて、ようやく飼育の出発点になるわけですが、いざ幼体の飼育を始めると、どうも個体の様子がおかしく、たった数日で落ちてしまうことがあります。

 あまりにも呆気ない出来事に、唖然としてしまうかも知れませんが、仮に成体のリクガメが徐々に衰弱するとしたら、幼体が衰弱する時は、数日、あるいは数時間ということもあります。

 最初は元気が良かったという場合もあれば、最初から状態が思わしくなく、結局、1度も食べている姿さえ見ることもなく、呆気なく落ちてしまっても、決して不思議ではありません。

 完璧な環境を整えたはずなのに、何故だろうと悩んでも、肝心な原因を把握することができないので、飼育者として、どうすることもできない問題に直面することがあるかも知れません。

 つまり、成体のリクガメであれば耐えられても、幼体にとっては耐えられない部分が多々あり、その原因となる諸問題が、あまりにも予想外なことの方が多いということです。

 従って、完璧とも言える環境を整えても、思わしくない結果となることもありますが、このような場合、これが限界であり、飼育者の経験や技量が原因とは一概に言えません。

 爬虫類が鳥類のように、卵から孵化した子供を育てれば別問題ですが、現実的にはあり得ないことなので、リクガメの幼体飼育は、個体の生命力しだいとも言える部分があります。
完璧な環境を整えたにもかかわらず・・・
何が原因か把握できないほど呆気なく落ちてしまうこともある
 リクガメを販売する小売店によっては、俗に言う3〜4センチのピンポン球は扱わず、もう少し育った5〜6センチのベビーから扱う場合もあれば、幼体を扱わない小売店もあります。

 国内で繁殖した個体も、海外で繁殖した個体も、時間は異なるものの、輸送を経験しており、環境変化も経験しているわけですから、最初の難関は突破した個体と言えます。

 しかし、良く言えばデリケートと表現することができますが、環境を完璧に整えても、上手くいかないケースの方が多いので、幼体を扱わない方針は、理解し易いものがあります。

 ある程度の年月をかけて飼育された個体は、飼い込みという言葉を用いて表現されますが、たしかに飼い込まれたインドホシガメは丈夫で、臆病さもなく人馴れしています。

 それでも若い個体の場合、安心できるサイズと言い難く、油断して環境に不備があると、たちまち調子を落としてしまうので、飼育経験があった方が望ましいと考えられている理由です。

 この飼育経験者という意味合いは、技術的な問題だけでなく、リクガメを知っていれば、日頃とは違う異変に気がつくのも早く、万一の時の対応も敏速に行なえることを指しています。

 リクガメの場合、突発的な疾患というのは比較的に希で、衰弱する前の過程で、注意信号のような兆候が、必ず事前に認められるので、これを見逃さないのも飼育者の役目です。

 特に幼体は、一日のうち起きている時よりも、寝ている時間の方が長く、しかも、1回に摂取できる量が少ないので、現在の摂食状態を把握するのが難しいものです。

 しかも、熟睡していれば、生きているのか死んでいるのか、見分けが付かないようなこともあるので、個体の状態よりも、甲羅の模様や色合いなどで選択してしまう傾向があります。

 体重計に依存するにしても、排泄前と排泄後では変化が著しく、数グラムの変化を確認することになるので、個体を手で持った感じの重量感の方が、頼りになったりすることさえあります。

 俗に言うピンポン球サイズの時期は、状態が良ければ、ごくわずかな期間だけで、仮に数十頭の幼体がいた場合、必ずと言ってよいほど成長差が生じ、大きさが異なってきます。

 幼体で問題となるのは、餌は摂取しているものの、ほとんど成長していないという状態の個体で、実際にこのような個体は多く、今後の見通しに関しては、何とも言えない部分です。

 このように、餌を食べていても成長していない個体、温浴をしないと餌を食べない個体などは、環境変化に耐えられるとは限らないので、個体を選択する際は考慮するとよいでしょう。

 個体を観察していて、動作が緩慢になったり、餌を食べなくなったりしたら、それは状態が悪化している兆候と解釈できますが、現実的には、既に手遅れのケースの方が多いものです。

 リクガメの幼体が状態を崩すと、大抵の場合、甲羅が軟化するソフトシェルを伴うことが多いので、どの段階で事前の兆候に飼育者が気がつくかという問題も重要です。

 しかし、幼体が状態を落としてしまうと、立ち上げることが困難な場合が多く、治療にも限界があるので、もはや「どうすることもできない・・・」ことの方が多いかも知れません。

 特にインドホシガメのような、デリケートなリクガメの幼体であれば、相応の設備を整えて、細心の注意を払っても、必ずしも成功するとは限らないことを承知しておくべきです。

 別な言い方をすれば、飼育者の腕前よりも、丈夫な個体にめぐり合えることによって、リクガメの幼体飼育が楽しめると表現しても、決して過言ではありません。
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リクガメの場合、飼育下における生体の必要条件は、成体も幼体も大差なく、環境温度や湿度、また給餌物にしても、幼体だけが何か特別なものを必要としているわけではありません。
リクガメの幼体飼育
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