リクガメ飼育の情報サイト-THE TORTOISE
 リクガメ飼育において、その個体が幼体だからといって、離乳食のような特別な物を用意する必要はなく、基本的に成体の個体と同じですから、市販野菜を利用したり、入手できる時期は、可能な限り野草を給餌します。

 例えば、30センチの成体のビルマホシガメであれば、キャベツを半分に切っただけでも、上手に端から食べられますが、小さな幼体の場合、分厚い葉を噛み砕いたり、引き千切ることは、当然のことながらできません。

 普通は、食べ易い大きさに、手で葉を適当に千切れば十分ですが、もう少し気を使うのであれば、幼体の口に入り易い大きさの葉を選んだり、厚みのない薄い葉を選んで置いておけば、給餌内容としては問題ありません。

 食べ難そうだからという理由で、人間の食卓に出すように、細かく切り刻む場合もありますが、適度にクチバシを酷使しないと、まるでオウムのようにクチバシが伸長してしまいますから、こうした手助けが裏目に出ることもあります。

 もともと硬いキャベツの芯の部分や、野草の茎の部分などであれば、適度に手を加えても構いませんが、あまり過保護のように扱ってしまうと、むしろ逆効果になってしまうことも考慮する必要があります。

 食べないから、あるいは食べ難そうだからという理由などで、常に人間の手から食べさせてしまうのも考え物で、人馴れさせる意味で、時おり手から与えるぶんには問題ありませんが、習慣化させてしまうと、癖になってしまうことがあります。

 生粋のワイルド個体のように、人前では警戒して食べないとか、間違っても人間の手から食べない、というのも苦労しますが、手から与えて食べさせないと、自力では食べないという癖がついてしまうと、これも後で苦労することになります。

 大型種の幼体の場合、給餌内容には細心の注意を払って工夫しないと、急成長を促進してしまい、甲羅が歪になるという異変が生じ易いのですが、インドホシガメの幼体は、一度に食べられる量も少なく、いわゆる食が細いタイプです。

 野草を中心に給餌していれば、特に添加剤を考慮する必要はありませんが、市販野菜の場合、カルシウムと食物繊維が不足気味になることが多いので、不足分を補うつもりで、カルシウムなどは適量を添加するとよいでしょう。

 市販野菜の場合、草食性リクガメにとって、栄養過量を懸念することはあっても、各種ビタミンの供給不足を懸念する必要はないほどで、むやみにビタミン剤を添加するなら、野草を給餌した方が、はるかに理想的です。

野草と比較した場合、食物繊維は明らかに不足しているので、しっかりとした糞を排泄させるためにも、食物繊維には注意を払い、市販野菜であればキャベツを取り入れたり、野草であれば、オオバコなどを給餌するとよいでしょう。

 またモロヘイヤなどは、多くのリクガメが、高い嗜好性を示す傾向がありますが、栄養価が高すぎることと、モロヘイヤばかりに興味を持って、他の野菜に興味を示さなくなる個体もいるので、時おり与えるか、まったく与えなくてもよいほどです。

 水分が比較的に多く、それほど栄養価は高くなく、それなりにカルシウムが高い野菜がサニーレタスで、このサニーレタスを給餌する際に、目分量で常にカルシウム剤を添加しておけば、立派な主食となり、これだけでも問題なく成長します。

 ただし、食物繊維だけは、理想どおりに補うことができないので、リクガメの糞は軟便気味になりますから、市販野菜類の中でも食物繊維の多いものを給餌したり、野草が給餌できれば、軟便の問題は間違いなく解決します。
カルシウムと食物繊維を強化
 リクガメ飼育では、カルシウムの供給や、カルシウムが実質的に吸収される、一連のプロセスが重要ですが、このプロセスに不可欠なのがビタミンDで、このビタミンDには、重要な2つのタイプがあります。

 ひとつは植物が作り出す、ビタミンD2のエルゴカルシフェロールで、もうひとつはビタミンD3である、コレカルシフェロールですが、これは直射日光を浴びることによって、皮膚の中に形成され、主に肝臓に蓄積されます。

 ビタミンDは、肝臓や腎臓で代謝されてから、利用し易い活性型ビタミンに変換され、腸でカルシウムやリンの吸収を促進することによって、甲羅や骨の形成をはじめ、これらを維持するのに不可欠なものです。

 このビタミンDが不足すると、血中カルシウム濃度が低下してしまいますが、体の機能は、不足したビタミンDを補おうとするので、俗に言うくる病、即ち、甲羅や骨が脆くなる、骨軟化症と呼ばれている疾患の症状があらわれたりします。

 ビタミンD欠乏症の原因は、ビタミンD不足や、十分に直射日光を浴びていないことが考えられますが、不適切な環境温度下で、腎機能や肝機能障害を起すと、活性型ビタミンに変換できないので、この場合も発症リスクは高まります。

 しかし、ビタミンDの経口投与は、医療行為に相当するので、長期間、大量のビタミンDを毎日摂取すると、過剰症に特有な有害作用があらわれ、血中カルシウム濃度が高まる、高カルシウム血症を引き起こしてしまう危険性もあります。

 大抵の血中カルシウムは、タンパク質のアルブミンという成分と結合して循環するので、このアルブミンと結合したカルシウムは、体機能として直ちに使われるものではないので、必要量が蓄積されることになります。

 アルブミンと結合していない状態は、イオン化カルシウムなので、体機能として重要な役割をしますから、血中カルシウム濃度というものは、イオン化カルシウム濃度に対して増減するので、血中アルブミン濃度が低下しても、イオン化カルシウムが適正値を維持していれば、このような疾患が発症することはありません。
血中カルシウム濃度はイオン化カルシウム濃度に対して増減する
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リクガメの場合、飼育下における生体の必要条件は、成体も幼体も大差なく、環境温度や湿度、また給餌物にしても、幼体だけが何か特別なものを必要としているわけではありません。
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