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おすすめCD: クラシック・現代音楽

最終更新: 2017年9月9日


      Good! おすすめ
      Very good! 非常におすすめ  (この評価はサイト管理者の個人的な好みによるものです。)

 画像作曲家名/タイトル(指揮者・演奏者、録音年)、メモ
 Chants de L'Eglise de Rome: Période byzantine(Anonymous)/Chants de L'Eglise de Rome: Période byzantine (Pérès, 1985)

グレゴリオ聖歌の成立以前の7-8世紀にローマ・カトリック教会で歌われていた聖歌「古ローマ聖歌」の旋律を、19世紀末に発見された写本(ネウマ譜)の解読に基づき、ビザンティン聖歌の唱法を参考にして復元することを試みたアルバム(harmonia mundi)。キングレコードの日本盤のタイトルは「グレゴリオ聖歌前史II〜古ローマ聖歌とビザンツ聖歌の出会い〜」。オリジナルのフランス語タイトルは「古ローマ聖歌:ビザンティン時代」という意味。メリスマを多用した男声の単旋律による宗教声楽。中東の民族音楽のような東方的な趣が特徴。復活祭週間に歌われる聖歌8曲を収録。ギリシア語とラテン語による歌唱。演奏はフランスの音楽学者、マルセル・ペレス(指揮)が創設した古楽演奏グループ、アンサンブル・オルガヌム
 Canto Gregoriano(Anonymous)/Canto Gregoriano (Cuesta, 1973)

グレゴリオ聖歌。スペインのシロス修道院合唱団(サント・ドミンゴ・デ・シロス・ベネディクト派修道士合唱団)演唱、イスマエル・フェルナンデス・デ・ラ・クエスタ指揮。ヒーリング・ミュージックのような効能。1993年以後にどういうわけか世界中で売れまくり、グレゴリオ聖歌ブームの発端となった1枚
 Night Vigil: St. Petersburg Litany(Anonymous)/Night Vigil: St. Petersburg Litany (Priests & Choir of the Cathedral of the Transfiguration, 1994)

《ナイト・ヴィジル》―ロシアン・チャント/サンクトペテルブルクの徹夜祷(DG)。ロシア正教会の典礼音楽。1994年4月、サンクトペテルブルクの「主の顕栄教会」で行われた「棕櫚の日曜日」(復活祭直前の日曜日)の徹夜祷のライヴ録音。楽器の演奏が一切ない、無伴奏の声楽曲で、朗唱部と混声合唱部からなり、古代教会スラヴ語で歌われる。ラフマニノフの「徹夜祷」(作品37)からの3曲を含む。この徹夜祷は3時間以上に及ぶが、このCDはそのほぼ半分を収録。グレゴリオ聖歌と同様に、キリスト教やロシア正教に興味がなくても美しい純音楽として鑑賞できる
 Canticles of EcstasyHildegard von Bingen/Canticles of Ecstasy (Sequentia, 1993)

ヒルデガルト・フォン・ビンゲン「エクスタシーの歌」。中世ドイツのキリスト教神秘家・ベネディクト会系女子修道院長・女流作曲家、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの宗教歌曲集(deutsche harmonia mundi)。自作のラテン語の詩に自身が作曲したシンプルな単旋律を付けたもの。グレゴリオ聖歌に似ているが、高音域の女声のユニゾンで、宗教的な恍惚感のようなものを強く感じさせる。伴奏なしの曲と、中世の弦楽器(フィドル、ハープ、オルガニストルム)の伴奏付きの曲とがある。演奏は中世音楽アンサンブルのセクエンツィア
 Music of the Gothic Era(Various Artists)/Music of the Gothic Era (Munrow, 1975)

「ゴシック期の音楽」。グレゴリオ聖歌に基づく中世フランスのポリフォニー(多声)音楽(11世紀後半〜15世紀前半)の歴史を俯瞰する2枚組CD。「ノートル・ダム楽派」(1160年頃〜1250年。レオニヌス、ペロティヌス作曲)、「アルス・アンティクァ」(中世ラテン語で「旧技法」の意味。1250年頃〜1320年)、「アルス・ノヴァ」(「新技法」。1320年頃〜1400年。ギョーム・ド・マショー他作曲)の3部構成。古楽録音の傑作の一つとして名高い。古臭さや堅苦しさを感じさせない、いきいきとしていて爽やかで透明感のある演奏。ロンドン古楽コンソート演奏、デイヴィッド・マンロウ指揮
 Messe de Nostre DameGuillaume de Machaut/Messe de Nostre Dame (Ensemble Gilles Binchois, 1990)

14世紀フランスの詩人・作曲家、ギヨーム・ド・マショーの「ノートルダム・ミサ曲」(Cantus/Harmonic Records)。男声の多声合唱(ポリフォニー)による宗教声楽。中世音楽の傑作の一つ。通常文のすべてを1人の作曲家が作曲した「通作ミサ曲」としては現存する最古のもの。イソリズムやホケトゥスなど、「アルス・ノヴァ」期の音楽技法を駆使した複雑なリズムと技巧が特徴。この録音はマショーの時代の「聖母マリア被昇天祭」のミサの再現を試みたもので、固有文はグレゴリオ聖歌で補われている。演唱は「アルス・ノヴァ」期の音楽の演唱で知られる声楽アンサンブル、アンサンブル・ジル・バンショワ。指揮はドミニク・ヴェラール
 Le vray remède d'amourGuillaume de Machaut/Le vray remède d'amour (Ensemble Gilles Binchois, 1988)

ギヨーム・ド・マショー「愛の妙薬〜バラード、ロンドー、ヴィルレ、モテットと詩集」。14世紀フランスの詩人・作曲家で、宮廷愛を題材にした多数の世俗歌曲(シャンソン)で知られるギヨーム・ド・マショーの世俗楽曲集(Cantus/Harmonic Records)。トルヴェール(トルバドゥールの影響を受けた12世紀頃の北フランスの吟遊詩人)の様式を継承した単声・多声声楽。ヴィルレ、バラード、ロンドーなどの様々なタイプの世俗歌曲とモテット、詩の朗読を収録。中世特有の広漠な時空感を伴った、柔和で細い独特の声(独唱/合唱、男声/女声)と伴奏(ハープ、パーカッション、ギターン(弦楽器)、フィドル、フルート、バグパイプ)による繊細な声楽が楽しめる。「アルス・ノヴァ」期の音楽の演唱で知られる声楽アンサンブル、アンサンブル・ジル・バンショワによる古典的録音。指揮はドミニク・ヴェラール
 Music of the Crusades(Various Artists)/Music of the Crusades (Munrow, 1970)

「十字軍の音楽」。十字軍(11世紀〜13世紀の中世ヨーロッパでキリスト教国、主にカトリック諸国が聖地エルサレムをイスラム教徒から奪還するという名目で派遣した侵略軍)の時代の哀歌、モテット、コンドゥクトゥス等を収録。ロンドン古楽コンソート演奏、デイヴィッド・マンロウ指揮による、「ゴシック期の音楽」と並ぶ古楽録音の傑作。素朴な旋律と世俗的な雰囲気の心和む音楽
 Dante and the Troubadours(Various Artists)/Dante and the Troubadours (Sequentia, 1993)

「ダンテとトルバドール―ダンテが敬愛した12-13世紀の抒情歌人の歌」(deutsche harmonia mundi)。中世イタリアの詩人で「神曲」の作者、ダンテ・アリギエーリが多大な影響を受け、作品中で言及している中世(12-13世紀)ラングドック地方(現在のフランス南西部)の6人のトルバドゥール(騎士道と宮廷恋愛をテーマにした抒情詩で知られる詩人・歌手)の歌を、古楽アンサンブルのセクエンツィアがバーゼル大学のヴルフ・アルト教授他の協力の下に研究し、演奏した作品集。アルナウト・ダニエルの歌2曲(「心に忍び入る堅き望みは」、「さらさらと軽い歌を詠もう」)、その他の5人のトルバドゥールの歌5曲、器楽曲1曲を収録。歌詞はオック語(ロマンス語の1つ)。女声または男声の独唱にハープ、フィドルの伴奏。東方・アラブ的な趣を含むシンプルな旋律の心和む音楽。アルナウト・ダニエルは有名なトルバドゥールの1人で、ダンテ「神曲」の「煉獄篇」第26歌にも登場している
 In Musica Vivarte(Various Artists)/In Musica Vivarte (Huelgas Ensemble, 1989-1992)

「中世・ルネサンス音楽への招待状」(Sony Classical)。1971年に指揮者・音楽学者・美術史家のパウル・ファン・ネーヴェルが設立したベルギーの古楽アンサンブル、ウエルガス・アンサンブルがソニー・クラシカルのヴィヴァルテ・レーベルで録音した10枚のアルバム(1989-1992年)から選出した11曲からなる編集盤。ウエルガス・アンサンブルによる中世・ルネサンス期のポリフォニー(多声声楽曲)の録音のサンプラーとして有用。宗教・世俗、男声・女声を含む多彩なポリフォニーが楽しめる。「ラス・ウエルガスの写本」より聖歌「輝かしき血統より生まれし」(スペイン)、ソラージュの風変わりなロンドー「くすぶった男が」(フランス。「アルス・スブティリオール」)、アントワーヌ・ブリュメルの12声のミサ曲「エト・エッチェ・テレ・モトゥス(見よ、大地が大きく揺れ動き)」(「地震ミサ」。フランス)より「キリエ」、ニコラ・ゴンベールのシャンソン「私は愛する者たちにいとまごいをする」(フランドル)、チプリアーノ・デ・ローレのモテトゥス・マドリガーレ「軽やかな響きを生み出すカラムスは」(イタリア)、ミヒャエル・プレトリウスのモテトゥス「来たりて主を喜び歌わん」(ドイツ)他収録
 RequiemOckeghem/Requiem (Pérès, 1992)

ルネサンス期のフランドル楽派初期(15世紀後半)の作曲家、ヨハネス・オケゲムの「レクイエム(死者のためのミサ曲)」(harmonia mundi)。ラテン語典礼文にポリフォニーの曲を付けた作品としては現存する最古のもの。感情表現と描写性を押し出したバロック期以降のレクイエムとは異なり、厳粛で地味な曲だが、静かで力強い鎮魂の祈りが込められた美しい多声声楽曲。グレゴリオ聖歌の旋律を歌う最上声部を含む2声から4声のポリフォニーによる。男声合唱に一部ボーイソプラノを導入した、マルセル・ペレス(指揮)とアンサンブル・オルガヌムによるユニークな演唱
 Missa Pange Lingua, Missa La sol fa re miJosquin des Prés/Missa Pange Lingua, Missa La sol fa re mi (The Tallis Scholars, 1986)

ルネサンス期の作曲家、ジョスカン・デ・プレの「パンジェ・リングァ」はグレゴリオ聖歌の旋律を素材にしたミサ曲。ルネサンス期の多声(ポリフォニー)声楽の傑作として知られる。演奏は英国の著名なコーラス・グループ、タリス・スコラーズ。指揮はピーター・フィリップス。女声合唱の透明で美しい響き。ミサ曲「ラ・ソ・ファ・レ・ミ」も収録。英国グラモフォン誌が1987年度の最優秀レコード賞に選出した一枚
 Motets & ChansonsJosquin Desprez/Motets & Chansons (The Hilliard Ensemble, 1983)

ルネサンス期の作曲家、ジョスカン・デ・プレのモテット(宗教多声合唱曲)とシャンソン(世俗多声合唱曲)。透明で天上的な美しさの声と正確な音程で知られる英国の男声声楽グループ、ヒリヤード・アンサンブルの名録音の一つ。モテット、特に「アヴェ・マリア」は心が洗われるような美しさ
 Le Chant des OyseaulxClément Janequin/Le Chant des Oyseaulx (Ensemble Clément Janequin, 1982)

クレマン・ジャヌカン「鳥の歌」。膨大な数の多声世俗シャンソンの作曲者として知られるルネサンス期のフランスの作曲家、クレマン・ジャヌカンのシャンソン曲を収録した作品集(Harmonia Mundi France)。楽曲は風刺を含むユーモラスな曲、美しいラヴソング、性的な描写を含む猥雑な歌など。タイトル曲「鳥の歌」は1528年に楽譜が出版された有名曲で、鳥のさえずりの擬声的な模倣を含む情景描写的な標題音楽。演唱はドミニク・ヴィス率いるフランスの男声声楽アンサンブル、クレマン・ジャヌカン・アンサンブル。カウンターテノール、テノール、バリトン、バスの4重唱。ドミニク・ヴィスの澄んだカウンターテノールが印象的。原曲は無伴奏(アカペラ)だが一部の曲はリュートの伴奏付き。リュートの独奏2曲も収録。即興的な装飾音(トリル)を多用した鮮烈で生き生きとした演唱
 The Tallis Scholars Sing Thomas TallisThomas Tallis/The Tallis Scholars Sing Thomas Tallis (The Tallis Scholars, 1985/1986/1992/1998)

タリス・スコラーズ「トマス・タリスを歌う」。透明で天上的な美しさの高音女声で知られる英国の混声声楽アンサンブル、タリス・スコラーズによる、16世紀イングランドの作曲家、トマス・タリスの作品の録音(1980〜1990年代)を集めた編集盤(Gimell、2枚組CD)。8群の5声からなる40声のモテット「御身よりほかにわれは」は超多層的で荘厳な曲で、グレゴリオ・アレグリの「ミゼレーレ」と並んでルネサンス・ポリフォニーの頂点をなす作品と目される。「エレミアの哀歌」第1部・第2部は5声のための作品で、イギリス・ルネサンス宗教曲の最高傑作の一つ。「大主教パーカーのための詩篇曲」の第3曲の旋律は、ヴォーン・ウィリアムズによって「トマス・タリスの主題による幻想曲」のベースとして使用された
 The Tallis Scholars Sing PalestrinaPalestrina/The Tallis Scholars Sing Palestrina (The Tallis Scholars, 2005)

タリス・スコラーズ「パレストリーナを歌う」(Gimell、2枚組CD)。ローマ楽派を代表するイタリアの後期ルネサンスの作曲家、ジョヴァンニ・ピエルルイジ・ダ・パレストリーナの教会音楽集。ジョスカン・デ・プレ他のフランドル楽派とその通模倣様式を基にした、無伴奏のポリフォニーの声楽。明快な和声と流麗な旋律の融合。劇的な要素を排し、調和と平穏を重んじる音楽。ミサ曲「マリアは天に昇らされたまいぬ」、ミサ曲「わが愛する者はいばらの中のゆりのごとし」、「ミサ・ブレヴィス」、「教皇マルチェルスのミサ」他。演奏は英国の声楽アンサンブル、タリス・スコラーズ。ルネサンスの教会音楽は本来は男声のみによって唱われるが、このCDは男女混声による歌唱
 RequiemVictoria/Requiem (The Tallis Scholars, 1987)

スペインの後期ルネサンス(16世紀)の作曲家・オルガニスト、トマス・ルイス・デ・ビクトリアが皇太后マリアの葬礼のために作曲した、有名な6声(SSATTB)のレクイエムを含む「死者のための聖務曲集」全曲を収録(Gimell)。無伴奏の宗教合唱曲。グレゴリオ聖歌の旋律を基にした各声部が重層的に絡み合う、非常に美しいレクイエムの名作。英国の声楽アンサンブル、タリス・スコラーズによる演唱。12人(各声部2人ずつ)の混声合唱。ピーター・フィリップス指揮。同じくスペインの後期ルネサンスの作曲家、アロンソ・ロボのモテトゥス「わがハープは悲しみの音に変わり」も収録
 The Tallis Scholars Sing William ByrdWilliam Byrd/The Tallis Scholars Sing William Byrd (The Tallis Scholars, 1984/1987/2006)

タリス・スコラーズ「ウィリアム・バードを歌う」。透明で天上的な美しさの高音女声で知られる英国の混声声楽アンサンブル、タリス・スコラーズによる、ルネサンス期イギリスの作曲家、ウィリアム・バードの作品集(Gimell、2枚組CD)。通模倣様式(ジョスカン・デ・プレ以後のルネサンス・ポリフォニーの作曲技法)をベースにした宗教声楽曲で、英国風のホモフォニー寄りの書法、抒情的で柔和な旋律、繊細で美しいハーモニーが特徴。ラテン語典礼文による3つのミサ曲、「3声のミサ曲」「4声のミサ曲」「5声のミサ曲」、ラテン語のモテット、英語のアンセム、英国国教会のための英語による「グレート・サーヴィス(大礼拝曲)」などを収録。派手さや華やかさはないが、落ち着いて静かに聴ける癒しの音楽
 Vespro della Beata VergineMonteverdi/Vespro della Beata Vergine (Gardiner, 1989)

モンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」。17世紀の宗教声楽曲
 MiserereAllegri/Miserere (The Tallis Scholars, 1980)

イタリア・ローマ楽派の作曲家・司祭、グレゴリオ・アレグリの「ミゼレーレ」(Gimell Records)。ラテン語正式名は「ミゼレーレ・メイ、デウス」(Miserere mei, Deus/神よ、我を憐れみたまえ)。旧約聖書詩篇第51篇を元に、ローマのシスティーナ礼拝堂での礼拝のために作曲された無伴奏(アカペラ)の宗教声楽曲。作曲されたのはバロック期(おそらく1630年代)だが、ルネサンス期の多声音楽の典型例として知られる。5声と4声の2つの聖歌隊の交唱。演唱はイギリスの混声声楽アンサンブル、タリス・スコラーズ。指揮はピーター・フィリップス。女声と男声がうまく調和した混声合唱の清澄な響きが美しい。1981年にイギリスHMVのクラシカル・チャートで1位になったヒット作。ムンディの「天の父の声は」とパレストリーナの「教皇マルチェルスのミサ」も収録
Good!Complete Organ MusicBuxtehude/Complete Organ Music (Kraft, 1957)

バロック期のドイツ/デンマークのオルガン奏者・作曲家で、J.S.バッハを含む多くの作曲家に多大な影響を与えた、北ドイツ・オルガン楽派の最大の巨匠、ディートリヒ(ディーテリヒ)・ブクステフーデのオルガン作品全集(Vox)。CD6枚組に87作品(オルガン自由曲、コラール前奏曲、コラール変奏曲、コラール幻想曲)を収録。敬虔な宗教音楽だが、17世紀北ドイツのいわゆる「スティルス・ファンタスティクス」(stylus fantasticus/幻想様式)に基づいた、即興的で形式上の自由度が高い作風が特徴。オリジナル音源は米国のVoxレーベルによる1957年のステレオ録音で、ヴァルター・クラフトがリューベックの聖マリア教会(ブクステフーデ自身がオルガン奏者を務めていた)のオルガンを演奏。リマスター盤CDが2004年にVoxから発売されている。J.S.バッハのオルガン曲を好む方におすすめ
 12 Concerti grossi, op.6Corelli/12 Concerti grossi, op.6 (Pinnock, 1988)

コレッリの合奏協奏曲。後期バロック器楽の規範。中庸と均整の美
 Sonatas for Violin and Basso continuo Op.5 Nos.7-12Corelli/Sonatas for Violin and Basso continuo Op.5 Nos.7-12 (Terakado, 1994)

バロック期のイタリアのヴァイオリニスト・作曲家、アルカンジェロ・コレッリの「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集」作品5の後半6曲(第7-12番)を収録(Denon)。1700年に出版された、バロック器楽の規範として有名な作品集。シンプルで明快な旋律と古典的な均整美。通奏低音はチェンバロ、オルガン、バロック・チェロによる。最後(第12番)のソナタはイベリア半島起源の古い舞曲の主題「ラ・フォリア」に基づく変奏曲。寺神戸亮のバロック・ヴァイオリンの艶やかな音色が印象的な、優美で伸びやかな演奏
 Canon & GiguePachelbel/Canon & Gigue (Hogwood, 1980)

ポピュラーなバロック器楽曲を集めたアルバム。パッヘルベル「カノンとジーグ」、ヴィヴァルディ「4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲」、グルックの歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より2曲(「3人の復讐の女神の踊り」と「精霊の踊り」)、ヘンデルのオラトリオ「ソロモン」より「シバの女王の入城」(シンフォニア)、ヴィヴァルディ「2つのトランペットのための協奏曲」、ヘンデルの歌劇「ベレニーチェ」より3曲(序曲、メヌエット、ジーグ)、ヘンデルの「水上の音楽」より2曲(エア、ホーンパイプ)を収録。クリストファー・ホグウッド指揮、エンシェント室内管弦楽団演奏。古楽器を使用した原曲復原的な演奏
 Songs and AirsPurcell/Songs and Airs (Kirkby, 1982)

パーセル/歌曲集「嘆きの歌」。17世紀イギリス・バロック期の作曲家、ヘンリー・パーセルの代表的な歌曲16曲を収録。オワゾリール(L'Oiseau Lyre)・レーベルからの発売。セミオペラ「妖精の女王」より「嘆きの歌」、歌曲「音楽は愛の糧」、セミオペラ「インドの女王」より「恋の病から」、セミオペラ「テンペスト、または魔法の島」より「愛する素敵な若者よ」、セミオペラ「アテネのタイモン」より「恋人の心配」、宗教的歌曲「夕べの讃歌」他。演奏はエマ・カークビー(ソプラノ)、クリストファー・ホグウッド(オルガン、スピネット)、アントニー・ルーリー(リュート)他。古楽界における女性歌手の第一人者、エマ・カークビーの天使のような透明感のある美声とノン・ヴィブラート唱法が聴きどころ
 Leçons de TénèbresF. Couperin/Leçons de Ténèbres (Rousset, 1997)

フランス・バロック期の作曲家、フランソワ・クープランの宗教声楽曲、「聖水曜日のための3つのルソン・ド・テネブル」。デッカの古楽レーベル、オワゾリール(L'Oiseau Lyre)からの発売。フランス・バロック期の宗教音楽の傑作として知られる。歌詞は旧約聖書の「エレミヤの哀歌」。「ルソン・ド・テネブル」は「暗闇の朗読」の意味。3つのルソンからなり、第1・第2ルソンはソプラノ独唱、第3ルソンはソプラノ二重唱で歌われ、各ルソンはオルガン(通奏低音)の伴奏付き。澄んだソプラノが美しい、穏やかで爽快な音楽。演奏はサンドリーヌ・ピオー(ソプラノ)、ヴェロニク・ジャンス(ソプラノ)、クリストフ・ルセ(オルガン)
 Le Quattro StagioniVivaldi/Le Quattro Stagioni (I Musici, 1982)

ヴィヴァルディの協奏曲集「四季」。バロックの定番。情景描写的な楽想
 6 Concerti for Flauto TraversoVivaldi/6 Concerti for Flauto Traverso (Arita, 1990)

バロック期イタリアのヴェネツィア出身の作曲家、アントニオ・ヴィヴァルディの作品10「フルート協奏曲集」全6曲(DENON)。1729年頃にアムステルダムでフラウト・トラヴェルソ(バロック・フルート)と弦楽合奏のための協奏曲集として出版され、世界初のフルート・コンチェルトとして知られているが、第4番を除く5曲は管楽器パート(オーボエ、ファゴット)を含むオリジナル曲を編曲したもの。このディスクはそのオリジナルの「ヴェネツィア版」の録音。有田正広(フラウト・トラヴェルソ)、東京バッハ・モーツァルト・アンサンブルによる爽やかな躍動感と色彩感あふれる演奏
 Musique de TableTelemann/Musique de Table (Goebel, 1988)

ドイツ・バロック期の作曲家、ゲオルク・フィリップ・テレマン作の室内楽曲集「ターフェルムジーク(食卓の音楽)」の全曲録音(全3集、4枚組CD)。18世紀のブルジョア市民社会の勃興を背景に、テレマン自身が楽譜をヨーロッパ各国で出版(予約販売)した。各集はそれぞれ序曲(組曲)・四重奏曲・協奏曲・トリオ・ソロ・終曲で構成されている。明快で優美な音楽。ヨーロッパのバロック器楽法の集大成。ムジカ・アンティクヮ・ケルン演奏(オリジナル楽器)、ラインハルト・ゲーベル指揮。速いテンポの歯切れの良い演奏
 Twelve Fantasias for Flute SoloTelemann/Twelve Fantasias for Flute Solo (Rampal, 1972)

ドイツ・バロック期の作曲家、ゲオルク・フィリップ・テレマンの「無伴奏フルートのための12の幻想曲(ファンタジー)」(DENON)。バス・パート(通奏低音)を伴わない、フラウト・トラヴェルソ(バロック・フルート)一本のために書かれた曲集。作曲は1727-1728年頃。ロココ風の装飾を多用。多彩な音楽様式が盛り込まれ、テンポは緩急自在で飽きがこない。20世紀フランスの偉大なフルート奏者、ジャン=ピエール・ランパルのモダン・フルートによる古典的演奏。1972年10月30日、埼玉会館大ホールでのデジタル録音
 Pièces de clavecin en concertsRameau/Pièces de clavecin en concerts (Arita, 1991)

フランス・バロック期の作曲家・音楽理論家、ジャン=フィリップ・ラモーの「コンセールによるクラヴサン曲集」(DENON)。1741年に出版されたラモー唯一の室内楽曲。クラヴサン(チェンバロ)を中心に、ヴァイオリン(またはフルート)とヴィオラ・ダ・ガンバ(または第2ヴァイオリン)を加えた合奏曲。「コンセール」はフランス・バロックの合奏曲形式を指す用語。鍵盤楽器が通奏低音の役割を担うイタリアのトリオ・ソナタとは異なり、クラヴサンは両手とも記譜された独立の声部を担っており、編成的にはJ.S.バッハのヴァイオリン・ソナタに近い。繊細かつ華麗で落ち着いて聴ける、心なごむ音楽。演奏は有田千代子(チェンバロ)、若松夏美(バロック・ヴァイオリン)、有田正広(フラウト・トラヴェルソ、ピッコロ)、ヴィーラント・クイケン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 OuverturesRameau/Ouvertures (Rousset, 1996)

ラモー「序曲集」。フランス・バロック期の作曲家・音楽理論家、ジャン=フィリップ・ラモーが作曲したオペラの序曲を集めたもの。デッカの古楽レーベル、オワゾリール(L'Oiseau Lyre)からの発売。ラモーはクラヴサン(チェンバロ)曲とオペラが有名だが、このCDはチェンバロの通奏低音なし、声楽なしの管弦楽曲で、ラモーの和声法と管弦楽法に焦点を当てたもの。「イポリトとアリシ」、「カストールとポリュクス」、「ダルダニュス」、「ゾロアストル」、「優雅なインドの国々」他。オリジナル楽器による壮麗で爽快感のある演奏。クリストフ・ルセ指揮、レ・タラン・リリク演奏
 Sonatas (Horowitz Plays Scarlatti)D. Scarlatti/Sonatas (Horowitz Plays Scarlatti) (Horowitz, 1962/64/68)

イタリアの作曲家、ドメニコ・スカルラッティが作曲した500曲を超えるチェンバロ・ソナタのなかから17曲を選出して収録。近代鍵盤楽器奏法の源流の一つ。初期古典派のように簡素で明快な音楽。ウラディミール・ホロヴィッツの近代ピアノによる演奏
 The Water Music, The Music for the Royal FireworksHändel/The Water Music, The Music for the Royal Fireworks (Hogwood, 1978/81)

ヘンデルの「水上の音楽」と「王宮の花火の音楽」。野外イベント用の爽快な音楽
 MessiahHändel/Messiah (Gardiner, 1982)

ヘンデルのオラトリオ「メサイア」。第2部の「ハレルヤ・コーラス」は有名
 12 Concerti Grossi, Op.6Handel/12 Concerti Grossi, Op.6 (Pinnock, 1981-1984)

ヘンデルの「合奏協奏曲」作品6。ドイツ生まれでイギリスに帰化したバロック期の作曲家、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの「合奏協奏曲」作品6の全曲(12曲)を収録(CD3枚組)。コレッリの合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)の形式(「コンチェルティーノ」と呼ばれる独奏楽器群と「リピエーノ」と呼ばれるオーケストラの総奏からなる合奏)を基にしているが、ヘンデルはリピエーノを拡大して管楽器を追加している。伸びやかで開放的、抒情的で牧歌的な音楽。J.S.バッハの「ブランデンブルク協奏曲」ほど緻密な構成ではないためリラックスして聴ける。「合奏協奏曲ハ長調《アレクサンダーの饗宴》」、「2つの合奏体のための協奏曲」第2番・第3番も収録。トレヴァー・ピノック指揮、イングリッシュ・コンサート演奏
 4 OuverturenJ.S. Bach/4 Ouvertüren (Richter, 1960-1980)

バッハの管弦楽組曲第1〜4番。第3番の第2楽章Airは編曲版「G線上のアリア」として有名
Very good!Brandenburgische Konzerte Nr.1-6J.S.Bach/Brandenburgische Konzerte Nr.1-6 (Leonhardt, 1976/1977)

ブランデンブルク協奏曲(全6曲)。バッハの合奏曲の代表的な作品
Good!ViolinkonzerteJ.S. Bach/Violinkonzerte (Pinnock, 1983)

バッハのヴァイオリン協奏曲集。古楽器による繊細な演奏。透明感あふれる音
 Musical OfferingJ.S. Bach/Musical Offering (Leonhardt/Kuijken, 1974)

「音楽の捧げ物」。プロイセンのフリードリヒ大王への献呈物。対位法による室内楽曲の逸品
Very good!3 Sonatas & 3 Partitas for Violin SoloJ.S. Bach/3 Sonatas & 3 Partitas for Violin Solo (Kremer, 1980)

無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ。クレーメルの知的で精緻な演奏
 Sonaten fur Violine & Cembalo Nos.1-6J.S. Bach/Sonaten für Violine & Cembalo Nos.1-6 (Kuijken/Leonhardt, 1973)

ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ(全6曲)。バロック・ヴァイオリンによる典雅な演奏
Good!Cello SuitesJ.S.Bach/Cello Suites (Casals, 1936/38/39)

カザルスは「無伴奏チェロ組曲」の発掘者。古い録音だけど愛聴してます
 3 Sonaten Für Viola Da Gamba & CembaloJ.S.Bach/3 Sonaten Für Viola Da Gamba & Cembalo (Kuijken/Leonhardt, 1974)

J.S.バッハの「ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ」第1-3番(BWV1027-1029)を収録(deutsche harmonia mundi)。ヴィオラ・ダ・ガンバは16〜18世紀、ルネサンス〜バロック期のヨーロッパで使用された擦弦楽器で、ヴァイオリンに比べて音量が小さく、柔和で繊細な音色を持つ。この曲集は、ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロの右手による2つの独奏パートと、チェンバロの左手による低音旋律からなるトリオ・ソナタ形式を用いている。演奏はヴィーラント・クイケン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)とグスタフ・レオンハルト(チェンバロ)。オリジナル楽器による古典的名録音
Good!Das OrgelwerkJ.S.Bach/Das Orgelwerk (Walcha, 1956-1970)

バッハのオルガン作品全集。「フーガの技法」も収録。峻厳かつ崇高。12枚組CD。オルガン演奏はヘルムート・ヴァルヒャ
Good!The Glenn Gould Edition: J.S. Bach/Italian Concerto, Concerto After Marcello, Fugues on Albinoni Themes, Variations, Fantasies & Fugues, Scarlatti/Sonatas, C.P.E. Bach/SonataThe Glenn Gould Edition: J.S. Bach/Italian Concerto, Concerto After Marcello, Fugues on Albinoni Themes, Variations, Fantasies & Fugues, Scarlatti/Sonatas, C.P.E. Bach/Sonata (Gould, 1959-1980)

グレン・グールド(p)の死後に発売されたアルバムで、グールドが生前に「イタリア様式のバッハ」と呼んでいた企画が元になっている(邦題「未完のイタリアン・アルバム」)。「マルチェルロの主題による協奏曲ニ短調」(BWV974)と「イタリア協奏曲」(BWV971)が特に素晴らしい。「マルチェルロの主題による協奏曲」はイタリアの作曲家、マルチェルロのオーボエ協奏曲をバッハが鍵盤曲に編曲したもの。「イタリア協奏曲」はイタリア発祥の合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)の様式による鍵盤曲として有名
Good!Two-Part Inventions and Three-Part SinfoniasJ.S.Bach/Two-Part Inventions and Three-Part Sinfonias (Gould, 1964)

「インヴェンションとシンフォニア」。ピアノ学習用の教材として有名な曲
Very good!The Well-Tempered Clavier, Book IJ.S. Bach/The Well-Tempered Clavier, Book I (Gould, 1962-1965)

平均律クラヴィーア曲集第1巻。鍵盤楽器音楽の「旧約聖書」的な名作
Good!The Well-Tempered Clavier, Book IIJ.S. Bach/The Well-Tempered Clavier, Book II (Gould, 1966-1971)

平均律クラヴィーア曲集第2巻。かつては異端だったグールド(p)のバッハはもはや古典
Very good!The Goldberg VariationsJ.S. Bach/The Goldberg Variations (Gould, 1981)

バッハの「ゴルトベルク変奏曲」。グレン・グールド(p)晩年の再録音。カイザーリンク伯爵の不眠治療のために作曲されたと伝えられる曲だが、スピードは変幻自在、鮮烈で歯切れがよくまさに目の覚めるような演奏。非常におすすめ
Good!The Six PartitasJ.S. Bach/The Six Partitas (Gould, 1957-1963)

「パルティータ」(全6曲)。バロック期の舞曲形式の古典組曲の集大成
 Die CembalokonzerteJ.S. Bach/Konzerte für Cembalo (BWV1052-1058)/Konzert für 2 Cembali (BWV1060) (Pinnock, 1979/1980)

チェンバロ協奏曲第1〜7番他。古楽器による演奏。第5番の第2楽章は「バッハのアリオーソ」として有名
Very good!Three Keyboard ConcertosJ.S. Bach/Three Keyboard Concertos (BWV1052/55/56) (Takahashi, 1973)

「バッハ:クラヴィーア協奏曲集」。現代音楽の演奏家/作曲家、高橋悠治が東京バッハ・プレイヤーズをバックにピアノ(一部電子ピアノ)でバッハのクラヴィーア協奏曲集第1番ニ短調(BWV1052)、第4番イ長調(BWV1055)、第5番ヘ短調(BWV1056)を演奏
Good!Preludes, Fughettas and FuguesJ.S. Bach/Preludes, Fughettas and Fugues (Gould, 1979-1980)

「小プレリュードとフーガ集」。グレン・グールド(p)晩年の名録音の一つ。1720年頃にバッハが作曲したクラヴィーアのための小品を集めたもの。楽曲自体は「ゴルトベルク変奏曲」ほど鮮烈ではないが、グールドの演奏は絶品。Glenn Gould Editionの「パルティータ」全曲盤(2枚組CD)のディスク2に全曲が収録されているので、「パルティータ」全曲盤を持っている人はこのCDを単品で買う必要はない
Good!Die Kunst der Fuge, Clavierübung IIJ.S. Bach/Die Kunst der Fuge, Clavierübung II (Leonhardt, 1965-1969)

「フーガの技法」はJ.S.バッハの晩年の未完作品。楽器指定なし。バッハの対位法技法の集大成。14曲のフーガと4曲のカノンから成り、未完の最終フーガを除く全てのフーガが同一の主題を変形または転回して用いている。ストローブ=ユイレの映画「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」でバッハ役を演じたことでも知られるオランダの著名な鍵盤楽器奏者、グスタフ・レオンハルト(チェンバロ)による歴史的名演。「クラヴィーア練習曲集第2巻」(パルティータ(フランス風序曲)/イタリア協奏曲/プレリュード、フーガとアレグロ)も収録した2枚組CD。「フーガの技法」が完成された作品であり、チェンバロのために書かれたものであると主張するレオンハルトの解説文も収録
Good!Cantatas BWV4/78/80/140/147/199J.S.Bach/Cantatas BWV4/78/80/140/147/199 (Harnoncourt, 1970-1988)

バッハの教会カンタータの人気曲6曲、BWV4番「キリストは死の縄目につながれたり」、78番「イエスよ、汝はわが魂を」、80番「われらが神は堅き砦」、140番「目覚めよ、と われらに呼ばわる物見らの声」、147番「心と口と行いと生きざまもて」、199番「わが心は血の海に漂う」を収録。アーノンクールとレオンハルトによるバッハのカンタータ全集からの抜粋
 Cantatas BWV106/118b/198J.S.Bach/Cantatas BWV106/118b/198 (Gardiner, 1989)

葬儀・追悼のためのカンタータ3曲を収録。BWV106番「神の時こそいと良き時」他。ジョン・エリオット・ガーディナー指揮。演奏はモンテヴェルディ合唱団とイングリッシュ・バロック・ソロイスツ
 Jagdkantate, BauernkantateJ.S.Bach/Jagdkantate, Bauernkantate (Harnoncourt, 1988)

世俗カンタータの人気曲2曲、BWV208番「楽しき狩こそわが悦び!」(狩りのカンタータ)、212番「わしらの新しいご領主に」(農民カンタータ)を収録。気楽に楽しめる一枚。ニコラウス・アーノンクール指揮
 Kaffee-Kantate, HochzeitskantateJ.S. Bach/Kaffee-Kantate, Hochzeitskantate (Ameling, 1966/1967)

世俗カンタータの人気曲2曲、BWV211番「お静かに、おしゃべりせずに」(コーヒー・カンタータ)、202番「消えよ、悲しみの影」(結婚カンタータ)を収録。「コーヒー・カンタータ」は喜歌劇のような軽妙でコミカルな曲。エリー・アメリングの澄んだソプラノが美しい。演奏はコレギウム・アウレウム合奏団
Good!Matthaus-PassionJ.S. Bach/Matthäus-Passion (Richter, 1958)

「マタイ受難曲」。新約聖書の「マタイ伝」に基づく宗教声楽曲。現代楽器による神々しい演奏
 Johannes-PassionJ.S. Bach/Johannes-Passion (Richter, 1964)

「ヨハネ受難曲」。新約聖書の「ヨハネ伝」に基づく宗教声楽曲。「マタイ」よりも劇的な曲
Good!Messe in H-MollJ.S. Bach/Messe in H-Moll (Richter, 1961)

ミサ曲ロ短調。ラテン語典礼文に基づくミサ曲の集大成。合唱がメインのメロディアスな声楽曲
 Weihnachts-OratoriumJ.S. Bach/Weihnachts-Oratorium (Gardiner, 1987)

「クリスマス・オラトリオ」。祝祭的・世俗的な感覚の宗教声楽曲
 Complete Sonatas and Partita for FluteJ.S. Bach/Complete Sonatas and Partita for Flute (Brüggen, 1975)

フルートのためのソナタとパルティータを5曲収録(BWV1030、1032、1034、1035、1013)。古楽器フラウト・トラヴェルソの柔らかくて繊細な音。BWV1013「無伴奏フルートのためのパルティータ」の他楽器による演奏も収録
 The Four Lute SuitesJ.S. Bach/The Four Lute Suites (Williams, 1974/1975)

「リュート組曲」(全4曲)。ギタリストのジョン・ウィリアムズが6弦ギターでバッハのリュート組曲を演奏したもの。ギターによるバッハ演奏の古典的名演の一つ。組曲第3番イ短調(オリジナルはト短調。BWV995)は無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調(BWV1011)の編曲。組曲第4番ホ長調(BWV1006a)は無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番(BWV1006)の編曲
 Switched-On BachJ.S. Bach/Switched-On Bach (Wendy Carlos, 1968)

「スウィッチト・オン・バッハ」。アメリカの作曲家・シンセサイザー奏者のウェンディ・カーロス(1972年に性転換手術(性別適合手術)を受け性別を女性に変更。手術前の男性名はウォルター・カーロス)が、「G線上のアリア」、「2声のインヴェンション」、「主よ、人の望みの喜びよ」、「前奏曲とフーガ」2番・7番(「平均律クラヴィーア曲集第1巻」より)、「目覚めよと呼ぶ声あり」、「ブランデンブルク協奏曲」第3番他のヨハン・セバスチャン・バッハの楽曲をモーグ・シンセサイザーで演奏し、8トラックのテープレコーダーを使用した多重録音により制作したアルバム(1968年)。50万枚を売りプラチナ認定となった最初のクラシックのアルバムであり、グラミー賞3部門(最優秀クラシックアルバム賞他)も獲得。それまで実験的な現代音楽でしか使われていなかったシンセサイザーを一般に普及させ、後の音楽シーンに多大な影響を与えた作品
 Stabat Mater, Salve ReginaPergolesi/Stabat Mater, Salve Regina (Hogwood, 1988)

「スターバト・マーテル」(ラテン語で「聖母は佇めり」の意味)は18世紀イタリアの作曲家、ペルゴレージが作曲した宗教声楽曲の傑作。イエスが磔にされた十字架のもとに佇む聖母マリアの悲しみを歌ったラテン語の詩に曲を付けたもの。清澄な美しさと繊細な陰翳を湛えた名曲。エマ・カークビー(ソプラノ)、ジェイムズ・ボウマン(カウンターテノール)、エンシェント室内管弦楽団演奏、クリストファー・ホグウッド指揮。「サルヴェ・レジナ」も収録
 The Three Cello ConcertosC.P.E. Bach/The Three Cello Concertos (Suzuki, 1996)

J.S.バッハの次男として生まれたドイツの作曲家、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの協奏曲集(BIS)。この録音はチェロを独奏楽器とする弦楽合奏のヴァージョン(Wq.170/171/172)だが、各曲はいずれも独奏楽器がフルート(Wq.166/167/168)とチェンバロ(Wq.26/28/29)の別ヴァージョンが存在し、どのヴァージョンが最初に作曲されたのかは不明。バロックから古典派への過渡期の作風で、J.S.バッハよりもテレマンに近い、明快で優美な音楽。演奏は鈴木秀美(チェロ、指揮)とバッハ・コレギウム・ジャパン
 Symphonies No.94 'Surprise', No.100 'Military', No.104 'London'Haydn/Symphonies No.94 'Surprise', No.100 'Military', No.104 'London' (Hogwood, 1983/1984)

ハイドンの交響曲第94番「驚愕」、第100番「軍隊」、第104番「ロンドン」を収録。古楽器による18世紀風の演奏
 No.101 The Clock, No.103 Drum RollHaydn/Symphonies No.101 "The Clock", No.103 "Drum Roll" (Brüggen, 1987)

オーストリアの古典派の作曲家、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの交響曲第101番ニ長調『時計』と交響曲第103番変ホ長調『太鼓連打』(Philips)。どちらも典雅にして壮麗、かつユーモラスな古典派交響曲の傑作。第101番は第2楽章の規則正しい伴奏リズムが振り子時計のようであることから『時計』、第103番は第1楽章の冒頭にティンパニの長い連打(ドラムロール)があることから『太鼓連打』の愛称で呼ばれている。フランス・ブリュッヘン指揮、18世紀オーケストラ演奏。古楽器による清新で生き生きとした演奏
 String Quartets, Op.76, Nos.3-4, Hob.III:77 'Emperor', Hob.III:78 'Sunrise'Haydn/String Quartets, Op.76, Nos.3-4, Hob.III:77 "Emperor", Hob.III:78 "Sunrise" (Takács Quartet, 1987/1988)

オーストリアの作曲家、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンは多くの弦楽四重奏曲を作曲し、「弦楽四重奏曲の父」と呼ばれたが、第77番ハ長調(作品76の3)「皇帝」はそのなかでも最もポピュラーな曲。第2楽章はハイドンが作曲したオーストリア帝国の国歌「神よ、皇帝フランツを守り給え」(皇帝讃歌)の変奏曲であり、この曲は現在はドイツ連邦共和国の国歌となっている。演奏はタカーチ弦楽四重奏団。ハイドンの弦楽四重奏曲第78番変ロ長調(作品76の4)「日の出」とドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番ヘ長調作品96「アメリカ」も収録
 Die SchöpfungHaydn/Die Schöpfung (Gardiner, 1995)

ハイドンが英国滞在時にヘンデルの「メサイア」等のオラトリオに触発されて作曲した、3人の独唱者(ソプラノ、テノール、バス)、合唱、管弦楽のためのオラトリオ「天地創造」全曲(ARCHIV、2枚組CD)。旧約聖書の「創世記」とミルトンの「失楽園」を元に書かれた英語のテクストをゴットフリート・ヴァン・スヴィーテン男爵が独訳したものが台本。世界の創造とアダムとイヴの誕生を描いた絵画的で情景描写的な作品。ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮)、モンテヴェルディ合唱団、イングリッシュ・バロック・ソロイスツによる、オリジナル楽器を使用したクリアで繊細な演奏
 Symphonies Nos.25, 29 and 35Mozart/Symphonies Nos.25, 29 and 35 "Haffner" (Bernstein, 1984-1988)

モーツァルトが10代の若い頃に作曲した交響曲の人気曲2曲、第25番イ長調(映画「アマデウス」の冒頭で使われた曲)、第29番イ長調と、後期6大交響曲の第1作、第35番ニ長調「ハフナー」を収録(DG)。第35番はジークムント・ハフナーの爵位授与の祝賀用のセレナーデを交響曲に作り直したもので、祝祭的な雰囲気の壮麗な曲。レナード・バーンスタイン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるゆったりとしたテンポの穏やかな演奏(ライヴ録音)
 Symphony No.36 in C Major (Mozart/Symphony No.36 in C Major ("Linz"), Symphony No.39 in E-Flat Major (Walter, 1960)

モーツァルトの交響曲第36番と第39番(CBS/Sony)。交響曲第36番ハ長調K.425は1783年にリンツのトゥーン・ホーエンシュタイン伯爵の家に滞在中に音楽会のためにわずか4日で作曲された明朗快活な曲。交響曲第39番変ホ長調K.543は晩年の円熟期(1788年)の3大交響曲の最初の作品で、オペラの序曲のような性格を持つ優美な曲。ブルーノ・ワルター指揮、コロンビア交響楽団による遅いテンポの古典的な演奏
Good!Symphonies Nos.40 & 41 'Jupiter'Mozart/Symphonies Nos.40 & 41 'Jupiter' (Blomstedt, 1981)

モーツァルトの晩年の交響曲の2大傑作、第40番と第41番「ジュピター」を収録。第40番は悲愴な旋律美、第41番は宇宙的な感覚
 Eine Kleine Nachtmusik K.525, Divertimenti K.136/137/138Mozart/Eine Kleine Nachtmusik K.525, Divertimenti K.136/137/138 (Koopman, 1988/1989)

優雅で洗練された雰囲気の弦楽合奏曲、セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(ドイツ語で「小夜想曲」の意)は、モーツァルトの作品のなかでも最もポピュラーで親しみやすい曲の一つ。他の室内合奏曲と同様、貴族向けの機会音楽と思われるが作曲の経緯は不明。トン・コープマン(指揮)、アムステルダム・バロック管弦楽団による生気に満ちあふれた躍動的な演奏。ディヴェルティメントK.136、137、138も収録
 Piano Concertos Nos. 20 & 21Mozart/Piano Concertos Nos. 20 & 21 (Gulda/Abbado, 1974)

モーツァルトが全盛期に作曲したピアノ協奏曲の人気曲2曲、第20番ニ短調(K.466)と第21番ハ長調(K.467)のカップリング(DG)。ピアノとオケが一体化した交響的な書法。第20番は短調による最初の協奏曲で、後のロマン派のような作風の暗く激情的な曲。第2楽章の美しいメロディーは映画「アマデウス」のエンディングで使用された。第21番はピアノソロが朗々と流れるように歌う、晴朗で清澄な雰囲気の軽快な曲。演奏はフリードリヒ・グルダ(p)、クラウディオ・アバド(指揮)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 Piano Concertos Nos. 20 & 24Mozart/Piano Concertos Nos. 20 & 24 (Haskil/Markevitch, 1960)

モーツァルトのピアノ協奏曲第20番ニ短調(K.466)と第24番ハ短調(K.491)(Decca)。モーツァルトのピアノ協奏曲の中で短調の作品はこの2曲だけ。ベートーヴェンやロマン派に似た暗く激情的な作風。ベートーヴェンは第20番に傾倒し、カデンツァを自作している。第20番の第2楽章の美しいメロディーは映画「アマデウス」のエンディングで使用された。第24番はオーボエとクラリネットの両方を使用しており、木管楽器の独立した動きが目立つ。演奏は、モーツァルトの演奏・録音で著名なルーマニア出身のピアニスト、クララ・ハスキル(p)、コンセール・ラムルー管弦楽団、イーゴル・マルケヴィチ(指揮)
 Violin Concertos Nos.3-5Mozart/Violin Concertos Nos.3-5 (Kremer/Harnoncourt, 1984/1987)

モーツァルトが若い頃(10代後半)に作曲した5曲のヴァイオリン協奏曲のうち、ポピュラーな3曲(第3・4・5番)を収録(DG)。最も有名なのは第5番で、第3楽章のロンドでトルコの行進曲(軍楽)風の音楽を導入しているため「トルコ風」、「トルコ協奏曲」とも呼ばれている。ギドン・クレーメル(vn)、ニコラウス・アーノンクール(指揮)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による、シャープなタッチのユニークで清新な演奏
 Flute Concertos, Concerto for Flute and HarpMozart/Flute Concertos, Concerto for Flute and Harp (Galway/Marriner, 1995)

モーツァルトの「フルート協奏曲第1番 ト長調」はフルートの音色と音域を活かした優美で華麗な名曲として有名。「フルート協奏曲第2番 ニ長調」は「オーボエ協奏曲 ハ長調」を編曲した作品。「フルートとハープのための協奏曲 ハ長調」は、フルートとハープという珍しい組み合わせによる異色の二重協奏曲。フルートの演奏は北アイルランド出身の名フルート奏者、ジェームズ・ゴールウェイ。サー・ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内管弦楽団演奏。ハープの演奏はマリーサ・ロブレス。発売元はRCA。ゴールウェイはこれらの曲を何回も録音しており、フルート協奏曲は4回目、「フルートとハープ」は5回目の録音
 4 Horn ConcertosMozart/4 Horn Concertos (Baumann, 1973)

モーツァルトのホルン協奏曲(第1番〜第4番)の全曲録音(Teldec)。1780年代から1790年代初頭にかけて、モーツァルトの友人のホルン奏者、ヨーゼフ・ロイトゲープ(ライトゲープ)のために、第2番・第4番・第3番・第1番の順で作曲されたと思われる。ホルンの暖かい音色を活かした牧歌的な楽曲群。「狩りのロンド」と呼ばれる8分の6拍子のリズムのロンド楽章を含む。モーツァルト特有の軽快さの中に憂いを含んだ旋律美も充分。オリジナル楽器のバルブのないナチュラル・ホルンによる初の全曲録音。ホルン演奏はヘルマン・バウマン。ニコラウス・アーノンクール指揮、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス演奏
 String Quintets Nos.3 & 4Mozart/String Quintets Nos.3 & 4 (Alban Berg Quartett/Wolf, 1986)

モーツァルトが晩年(31歳)の1787年に作曲した弦楽五重奏曲の名作2曲、第3番ハ長調(K.515)と第4番ト短調(K.516)を収録(EMI)。弦楽四重奏に第2ヴィオラを加えた編成。このハ長調・ト短調のペアは、翌年に作曲された交響曲の第40番(ト短調)・第41番「ジュピター」(ハ長調)のペアと同じ。第3番は明朗快活で端正な曲。第4番は憂いと悲愴感に満ちた美しい曲で、モーツァルトの、あるいはウィーン古典派の室内楽曲の最高傑作の一つと目される。演奏はアルバン・ベルク四重奏団とマルクス・ヴォルフ(第2ヴィオラ)
 The Complete Piano SonatasMozart/The Complete Piano Sonatas (Gould, 1965-1974)

「ピアノ・ソナタ全集」。モーツァルトのピアノ・ソナタの全曲を収録した4枚組CD。最も有名なのは「トルコ行進曲」として知られる第3楽章を含む第11番。第8番、第10番、第14番も名曲として名高い。装飾音を多用した、ロココ/ギャラント風の軽快で優美な音楽。グレン・グールドの独自の解釈に基づいたユニークな演奏(極端に速かったり遅かったりするテンポ)。幻想曲2曲(K.397、K.475)も収録
 Clarinet QuintetsMozart, Brahms/Clarinet Quintets (Wlach/Vienna Konzerthaus Quartet, 1951)

クラリネットの柔和な音色を活かしたクラリネット五重奏曲の二大名曲(モーツァルトとブラームス)を収録。いずれも弦楽四重奏(ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ)にクラリネットを加えた編成。モーツァルトの作品は憂愁を帯びたメロディーが美しい晩年の傑作。レオポルト・ウラッハ(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の首席クラリネット奏者)とウィーン・コンツェルトハウス四重奏団による古典的名演。1950年代初頭の古い録音だが、オリジナルのマスターテープからリマスターされており音質は良好
 Die ZauberflöteMozart/Die Zauberflöte (Abbado, 2005)

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが最晩年の1791年に作曲した2幕の歌劇「魔笛」(K.620)全曲(Deutsche Grammophon)。ドイツ語の台本はエマヌエル・シカネーダー作。台詞(対話)を含む「ジングシュピール」(歌芝居)形式による、魔術的な世界観のオペラで、庶民向けで親しみやすいメロディーを多く含む。後のドイツ・ロマン派オペラに多大な影響を与えた作品。舞台は古代のエジプト。夜の女王(コロラトゥーラ・ソプラノ)の依頼で、魔法の笛を持つ王子タミーノ(テノール)と魔法の鈴を持つ鳥刺しのパパゲーノ(バリトン)が悪者ザラストロ(バス)にさらわれた夜の女王の娘パミーナ(ソプラノ)を救出しようとする。パパゲーノのアリア「私は鳥刺し」と、非常に高い音域(F6)とコロラトゥーラ・ソプラノの超絶技巧を含む夜の女王の2つのアリア、「ああ、恐れおののかなくてもよいのです、わが子よ!」と「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」はよく知られている。クラウディオ・アバド指揮、アルノルト・シェーンベルク合唱団、マーラー・チェンバー・オーケストラ(古楽器のティンパニ、トランペット、トロンボーンを含む)による、柔和で暖かい雰囲気の演奏。キャストはドロテーア・レシュマン(パミーナ)、エリカ・ミクローシャ(夜の女王)、クロストフ・シュトレール(タミーノ)、ルネ・パーペ(ザラストロ)、ハンノ・ミュラー=ブラハマン(パパゲーノ)他
 Great Mass in C minor, K.427Mozart/Great Mass in C minor, K.427 (Gardiner, 1986)

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの「ミサ曲ハ短調」(K.427)(Philips、約54分)。モーツァルトが1782〜1783年に作曲した未完成の作品(キリエ、グローリア、サンクトゥス、ベネディクトゥスは完成しているが、クレドの大半とアニュス・デイ全体が欠落)。「レクイエム」と並ぶモーツァルトの宗教音楽の最高傑作の1つ。宗教音楽の荘厳さとオペラのような華麗さを併せ持っており、合唱部にはJ.S.バッハやヘンデルの影響が、独唱部にはイタリア音楽の影響が認められる。ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、イギリス・バロック管弦楽団、モンテヴェルディ合唱団による演奏。ピリオド楽器による名演として定評がある録音。アロイス・シュミットによる復元版(1901年)をベースに、ガーディナーが細部を補正している。シルヴィア・マクネアーとダイアナ・モンタギューの2人のソプラノが素晴らしい
 RequiemMozart/Requiem (Gardiner, 1986)

死者の追悼のためのミサ曲「レクイエム」(K.626)はモーツァルトの遺作で未完の作品。いわゆる「モツレク」。モーツァルトの弟子のフランツ・クサヴァー・ジュスマイヤーにより補筆完成されている(ジュスマイヤー版)。ロマン派的な過剰な情念を排した、オリジナル楽器による清新な演奏。清楚な響きの合唱も秀逸。ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、イギリス・バロック管弦楽団、モンテヴェルディ合唱団。モーツァルトのもう一つの印象的な教会作品「キリエ」ニ短調(K.341)も収録
 Kegelstatt-Trio, Duos für Violine und ViolaMozart/Kegelstatt-Trio, Duos für Violine und Viola (Kremer, 1984)

モーツァルトの二重・三重奏曲集(DG)。「ケーゲルシュタット・トリオ」は、原曲は「ピアノ、クラリネットとヴィオラのための三重奏曲 変ホ長調」(K.498)だが、ギドン・クレーメルがクラリネットのパートをヴァイオリンで弾いた珍しい演奏。モーツァルトの2曲の「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲」、ト長調(K.423)と変ロ長調(K.424) はあまり演奏・録音されない曲だが両方とも捨てがたい味のある佳曲。クレーメルとアルメニア系アメリカ人の女流ヴィオラ奏者、キム・カシュカシャンの絶妙なアンサンブルが聴きどころ。典雅で落ち着いた雰囲気の演奏
 Symphonies Nos 5 & 1Beethoven/Symphony No.1 (Järvi, 2006)

ベートーヴェンの交響曲第1番ハ長調Op.21(RCA)。30歳頃(1799-1800年)に作曲した最初の交響曲。ハイドンやモーツァルトのスタイルを踏襲した明朗快活な曲だがハーモニーと軽快なリズムに富んでおり、ベートーヴェンの特質と斬新さがすでに認められる。エストニア出身のアメリカ合衆国国籍の指揮者、パーヴォ・ヤルヴィ指揮、ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン演奏。楽譜はベーレンライター新原典版を使用。弦楽器は第1・第2ヴァイオリンが両サイドの対向(両翼)配置。トランペットとティンパニはピリオド楽器を使用。いわゆるHIP(historically informed performance、歴史的情報に基づく演奏)。CDは交響曲第5番も収録
 Symphony No.3 'Eroica'Beethoven/Symphony No.3 'Eroica' (Furtwängler, 1952)

ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄(エロイカ)」は、その後の長大な交響曲の端緒となった画期的な作品。劇的で勇壮な音楽。第2楽章の葬送行進曲は有名。ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏
 Symphonie Nr.4Beethoven/Symphonie Nr.4 (Kleiber, 1982)

ベートーヴェンの交響曲第4番。第3番・第5番よりも古典回帰的で明朗快活な曲。ロベルト・シューマン曰く、「2人の北欧の巨人に挟まれたギリシアの乙女」。カルロス・クライバー指揮、バイエルン国立管弦楽団による、スーパーカーをかっ飛ばすような超高速の演奏。1982年5月3日、ミュンヘン国立劇場でのライヴ録音
 Symphonien Nos. 5 & 7Beethoven/Symphonie Nr.5 (Kleiber, 1974)

ベートーヴェンの交響曲第5番。日本では「運命」という呼称で有名。緊密な構成。凝縮の産物。速めのテンポの演奏。カルロス・クライバー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏
 Symphony No.6Beethoven/Symphony No.6 (Walter, 1958)

交響曲第6番「田園」。情景描写音楽の傑作。その後の交響詩、標題音楽、映画音楽への影響は大。ブルーノ・ワルター指揮、コロンビア交響楽団演奏
 Symphonien Nos. 5 & 7Beethoven/Symphonie Nr.7 (Kleiber, 1975/1976)

交響曲第7番。全編を強力な舞踏のリズムが支配するスピーディーな曲/演奏。カルロス・クライバー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏
Good!Symphonie Nr.9Beethoven/Symphonie Nr.9 (Furtwängler, 1951)

交響曲第9番「合唱付き」。ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮、エリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)、エリーザベト・ヘンゲン(アルト)、ハンス・ホップ(テノール)、オットー・エーデルマン(バス)、バイロイト祝祭合唱団/管弦楽団。LP時代の必殺の名盤
 Piano Concerto No.5Beethoven/Piano Concerto No.5 "Emperor" (Fischer/Furtwängler, 1951)

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番変ホ長調、作品73(EMI)。「皇帝」の別名でも知られる。ベートーヴェンのピアノ協奏曲中最大規模のもので、ピアノ独奏付きの交響曲のような勇壮かつ壮麗な曲。第1楽章がカデンツァ風のピアノのパッセージで始まり、第1楽章の終わりのカデンツァは禁止されているという、独奏者の即興を排除するかのような異例の形式。ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)とエドウィン・フィッシャー(p)の2人の巨匠による古典的名盤。演奏はフィルハーモニア管弦楽団
 Beethoven/Piano Trio No.7 -Archduke, Schubert/Piano Trio No.1Beethoven/Piano Trio No.7 "Archduke", Schubert/Piano Trio No.1 (Casals Trio, 1926/1928)

ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番変ロ長調作品97(EMI)。1811年作曲。ピアノ三重奏曲(ピアノ、ヴァイオリン、チェロ)史上の傑作の1つであり、ベートーヴェンのピアノ三重奏曲の中でも最も有名な曲。オーストリアのルドルフ大公に献呈されたため、「大公トリオ」の通称でも知られる。全体的にピアノ主導の、優雅さと気品に満ちあふれた曲で、第1楽章の堂々たるピアノの主題が印象的。シューベルトのピアノ三重奏曲第1番変ロ長調D.898は、晩年の1827年に作曲された作品で、シューマンが激賞した第2楽章のロマンティックで美しい旋律が聴きどころ。演奏はアルフレッド・コルトー(ピアノ)、ジャック・ティボー(ヴァイオリン)、パブロ・カザルス(チェロ)のカザルス・トリオ。1926/1928年のノイズ混じりのモノラル録音で音質は悪いが、牧歌的で陶酔感あふれる心地良い演奏
 Violin Concerto in D, Violin Sonata No.9 in A KreutzerBeethoven/Violin Concerto in D, Violin Sonata No.9 in A "Kreutzer" (Heifetz/Munch, 1955/60)

ヴァイオリン協奏曲ニ長調はベートーヴェンの曲の中でも最も旋律が美しい曲の一つ。交響曲のような趣を持った、明るく穏やかな雰囲気の曲。ヤッシャ・ハイフェッツ(vn)、シャルル・ミュンシュ(指揮)、ボストン交響楽団による技巧的で速いテンポの演奏。RCAレコードのステレオ録音初期の古典的名演(ハイフェッツ2度目の録音)。ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調「クロイツェル」も収録
 String Quartet No.9Beethoven/String Quartet No.9 (Alban Berg Quartett, 1978)

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第9番ハ長調(EMI)。ウィーン駐在のロシア大使、ラズモフスキー伯爵の依頼で作曲した3曲の弦楽四重奏曲の3曲目に当たるので「ラズモフスキー第3番」と呼ばれている。初期の古典的・ハイドン的な作風とは異なり、ソナタ形式の自由な拡大、スケールの長大化、劇的な感情表出を特徴とする中期の弦楽四重奏曲の1曲。第2楽章の主題はロシア風。第4楽章はフーガを応用したソナタ形式。アルバン・ベルク四重奏団による最初の弦楽四重奏曲全集録音の内の1曲
 String Quartets Nos.12 & 14Beethoven/String Quartets Nos.12 & 14 (Alban Berg Quartett, 1981/1983)

技巧上の円熟を極めたベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲2曲、第12番変ホ長調作品127と第14番嬰ハ短調作品131を収録。第12番は明るく穏やかな雰囲気の曲、第14番は第13番、第15番と並ぶベートーヴェンの最盛期の作品で、よりロマン的で内省的な曲。アルバン・ベルク四重奏団による最初の弦楽四重奏曲全集録音からの抜粋
 String Quartets Nos.15 & 16Beethoven/String Quartets Nos.15 & 16 (Smetana Quartet, 1983/1985)

技巧上の円熟を極めたベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲2曲、第15番イ短調作品132と第16番ヘ長調作品135を収録。第15番は喜びを湛えた、美しい和音のメロディックな曲で、全5楽章からなり、フリギア旋法(古い教会旋法の一つ)を用いた長い第3楽章が印象的。第16番は最晩年の曲の一つで、ハイドンのような開放的で明るい雰囲気のコンパクトで小規模な曲。スメタナ四重奏団によるデジタル録音の弦楽四重奏曲全集(1976-1985年)からの分売
 Piano SonatasBeethoven/Piano Sonatas Nos.8, 14, 21 & 23 (Backhaus, 1958/1959)

ベートーヴェンのピアノ・ソナタの人気曲4曲、第8番ハ短調(op.13)「悲愴」、第14番嬰ハ短調(op.27)「月光」、第21番ハ長調(op.53)「ヴァルトシュタイン」、第23番ヘ短調(op.57)「熱情」を収録。ロマン的な楽想と無駄のない論理的な曲構成。ヴィルヘルム・バックハウスによる質実剛健な演奏
 Piano Sonatas No.17 Tempest, No.14 Waldstein, No.26 Les AdieuxBeethoven/Piano Sonatas No.17 "Tempest", No.14 "Waldstein", No.26 "Les Adieux" (Gilels, 1972/1974/1981)

ピアノ・ソナタ第21番ハ長調(op.53)「ヴァルトシュタイン」は、第23番「熱情」と並ぶベートーヴェンの中期の傑作の一つ。旧ソ連の巨匠、エミール・ギレリスの晩年の録音。甘さ控えめの骨太な演奏。第17番ニ短調(op.31-2)「テンペスト」、第26番変ホ長調(op.81a)「告別」も収録
 The Complete Sonatas for Piano and CelloBeethoven/The Complete Sonatas for Piano and Cello (Rostropovich/Richter, 1961-1963)

「チェロ・ソナタ全集」。ベートーヴェンが作曲したピアノとチェロのためのソナタ全5曲を収録(2枚組CD)。第1番・第2番は初期の作品。第4番・第5番は後期の内省的な作品。チェロソナタ第3番イ長調(Op.69)は劇的な緊張感にあふれた壮麗な古典的名曲として有名。旧ソヴィエト連邦時代の巨匠コンビ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(cello)とスヴャトスラフ・リヒテル(p)による演奏
Good!Missa SolemnisBeethoven/Missa Solemnis (Klemperer, 1965)

ベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」(荘厳ミサ曲)ニ長調、作品123(EMI)。ベートーヴェンが最晩年に作曲した、4人の独唱者、合唱、オーケストラのための長大な宗教声楽曲。第9交響曲と並ぶ最高傑作との世評が高い。対位法を駆使したポリフォニックな曲。テクストはラテン語の典礼文に則っているが、伝統的なミサ曲とは異なり、単なる教会音楽の枠を超えた、宇宙的な規模を持つ交響的作品。オットー・クレンペラー指揮、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団・同合唱団演奏。遅めのテンポ。古楽器による録音と比べると仰々しく古めかしい演奏だが、古典的名演として定評がある印象的な録音
 FidelioBeethoven/Fidelio (Rattle, 2003)

ベートーヴェンが完成させた唯一の歌劇「フィデリオ」(全2幕)の全曲盤(2枚組CD、EMI)。フランスの劇作家ジャン=ニコラ・ブイイ作のフランス革命期の戯曲「レオノーレまたは夫婦の愛」が出典。主人公のレオノーレが監獄の番人に変装してフィデリオと名乗り、無実の罪で投獄された夫のフロレスタンを救出するという夫婦愛を描いた物語。歌唱はドイツ語。オペラというよりは独唱・合唱付きの交響楽のような作品なので、純粋に音楽として鑑賞できる。「苦悩→歓喜」「闘争→勝利」というベートーヴェンの方程式に従った構成で、最終場は第9交響曲のような高揚感がある。サイモン・ラトル指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、アンゲラ・デノケ(レオノーレ役)、アルノルト・シェーンベルク合唱団他演奏。2003年のザルツブルク復活祭音楽祭での舞台上演後にベルリン、フィルハーモニーザールで行った演奏会形式での上演のライヴ録音
 24 CapricesPaganini/24 Caprices (Midori, 1988)

イタリアのヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニスト/作曲家、ニコロ・パガニーニの「カプリース(奇想曲)」全24曲を収録。ヴァイオリン演奏のあらゆる技法を駆使した難曲として有名。五嶋みどりの17歳のときの録音。卓越した技術と表現力による名演
 Violinkonzerte Nos.1 & 2Paganini/Violinkonzerte Nos.1 & 2 (Accardo, 1975)

ヴァイオリンの超絶技巧で知られるイタリアのロマン派のヴァイオリニスト・作曲家、ニコロ・パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番・第2番(Deutsche Grammophon)。ヴァイオリン協奏曲第1番(ニ長調、作品6)はパガニーニの6曲のヴァイオリン協奏曲の中で最もポピュラーな曲で、明るく華麗なメロディーとフラジオレット(倍音奏法)、スタッカート・ヴォランテ(跳躍的なスタッカート奏法)、ダブルストップ(重音奏法)、左手のピッツィカート等の超絶技巧を含む曲。ヴァイオリン協奏曲第2番(ロ短調、作品7)は、ヴァイオリンのフラジオレットによる鐘の模倣とオーケストラの鐘(ベル)の掛け合いを含む第3楽章「鐘のロンド」で知られる曲。フランツ・リストの「パガニーニによる大練習曲」の第3番「ラ・カンパネッラ」はこの第3楽章の主題を元に編曲された有名なピアノ独奏曲。サルヴァトーレ・アッカルド(ヴァイオリン)、シャルル・デュトワ(指揮)、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団による演奏
 Der FreischutzWeber/Der Freischütz (Kleiber, 1973)

ドイツの作曲家、カール・マリア・フォン・ヴェーバー作曲の3幕のオペラ「Der Freischütz」(「自由射撃」の意味。邦題「魔弾の射手」)は、ベルリオーズ、ヴァーグナー等の後進に多大な影響を与えたドイツ・ロマン派オペラの古典的名作。カルロス・クライバー指揮、グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)、エディット・マティス(ソプラノ)、ペーター・シュライアー(テノール)、テオ・アーダム(バス)他、ライプツィヒ放送合唱団、ドレスデン国立管弦楽団演奏。クライバーの初スタジオ録音アルバム
 Il Barbiere di SivigliaRossini/Il Barbiere di Siviglia (Gui, 1962)

イタリアの作曲家、ジョアッキーノ・アントニオ・ロッシーニの「セヴィリアの理髪師」は、フランスの劇作家ボーマルシェの風刺喜劇を台本にした軽妙洒脱な喜劇的オペラ(オペラ・ブッファ)。ヴィットーリオ・グイ(指揮)、ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ロジーナ役)、セスト・ブルスカンティーニ(フィガロ役)、ルイジ・アルヴァ(アルマヴィーヴァ伯爵役)、カルロ・カーヴァ(バジーリオ役)、イアン・ウォーレス(バルトロ役)、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、グラインドボーン音楽祭合唱団による古典的名演
 L'Elisir d'AmoreDonizetti/L'Elisir d'Amore (complete) (Pidò, 1996)

イタリアの作曲家、ガエターノ・ドニゼッティのポピュラーな歌劇「愛の妙薬」(全曲)。娯楽的な要素と美しい旋律に満ちあふれたロマンティックで喜劇的なオペラ(ブッファ)。エヴェリーノ・ピド指揮、リヨン歌劇場管弦楽団・合唱団による演奏。ロベルト・アラーニャ(テノール)、アンジェラ・ゲオルギュー(ソプラノ)他の歌手陣も好演。第2幕の有名なテノールのアリア「人知れぬ涙」は、ドニゼッティが初演の15年後に書き直したもう一つの楽譜に拠っている
 NormaBellini/Norma (complete) (Callas/Serafin, 1960)

ロッシーニ、ドニゼッティと並ぶ19世紀前半のイタリアのオペラ作曲家、ヴィンチェンツォ・ベッリーニの歌劇「ノルマ」全曲(3枚組CD)。ソプラノ歌手にとっては非常に難易度の高い、イタリアのベルカント・オペラの最高峰。アリア「清らかな女神よ」は美しいメロディーで有名。マリア・カラス(ソプラノ)、トゥリオ・セラフィン(指揮)による2度目のスタジオ録音。演奏はミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団
 Symphonies Nos.5 & 8Schubert/Symphonies Nos.5 & 8 "Unfinished" (Walter, 1958/1960)

オーストリアの作曲家、フランツ・シューベルトの交響曲2曲、第5番変ロ長調D.485(コロンビア交響楽団 演奏)と第8(7)番ロ短調「未完成」(ニューヨーク・フィルハーモニック演奏)を収録。指揮はブルーノ・ワルター。ゆったりとしたテンポで歌い上げる、抒情的で古風な演奏
 Quartet No.14, No.13Schubert/Quartet No.14, No.13 (Alban Berg Quartett, 1984)

シューベルトの弦楽四重奏曲第14番ニ短調「死と乙女」は悲歌のような物悲しい情感に富んだ美しい曲。ロマン主義室内楽曲の傑作として名高い。演奏はアルバン・ベルク四重奏団。弦楽四重奏曲第13番イ短調「ロザムンデ」も収録
 Piano Quintet in A Major The TroutSchubert/Piano Quintet in A Major "The Trout" (Richter, 1980)

シューベルトのピアノ五重奏曲イ長調D.667「鱒」。繊細な詩情を湛えた爽やかな室内楽曲。ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロにコントラバスという編成。第4楽章はシューベルトの初期の歌曲「鱒」の旋律を使用した変奏曲。スヴィアトスラフ・リヒテル(ピアノ)、ボロディン弦楽四重奏団団員、ゲオルク・ヘルトナーゲル(コントラバス)による演奏。1980年、オーストリアのホーエネムス城でのライヴ録音
 Schubert/Wanderer-Fantasie, Schumann/FantasieSchubert/Wanderer-Fantasie, Schumann/Fantasie (Pollini, 1973)

ロマン派のピアノソロ曲(幻想曲)2曲、後期古典派〜初期ロマン派のオーストリアの作曲家、フランツ・シューベルトの「さすらい人幻想曲」作品15と、ドイツ・ロマン派の作曲家、ロベルト・シューマンの「幻想曲」作品17を収録(Deutsche Grammophon)。シューベルトの「さすらい人幻想曲」は4楽章からなる自由な形式のソナタ風の幻想曲で、アルペッジョを多用した華麗で技巧的な曲。第2楽章で自作の歌曲「さすらい人」の主題が引用されている。シューマンの「幻想曲」はシューマンのピアノソロ曲を代表する最高傑作の1つで、ロマンティシズムを湛えた雄大かつ熱情的な曲。ベートーヴェンの連作歌曲「遥かなる恋人に」の主題が第1楽章の終結部で引用されている。マウリツィオ・ポリーニによる清澄かつ明晰な演奏
 Die schöne MüllerinSchubert/Die schöne Müllerin (Matthias Goerne, 2001)

歌曲集「美しき水車小屋の娘」(全20曲)は「冬の旅」、「白鳥の歌」と並ぶフランツ・シューベルトの3大歌曲集の一つでありロマン派リートの傑作。歌詞はドイツの抒情詩人、ヴィルヘルム・ミュラーの詩から採られている。粉挽き職人が水車小屋の美しい娘に失恋し、自殺するという物語。本来はテノールに適した曲だが、しばしば低く移調してバリトンやバスによっても歌われる。ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウやエリーザベト・シュヴァルツコップに師事したドイツのバリトン歌手、マティアス・ゲルネの深々とした響きの美声。ピアノ伴奏はエリック・シュナイダー。発売元はDECCA
 WinterreiseSchubert/Winterreise (Dietrich Fischer-Dieskau, 1972)

オーストリアの作曲家、フランツ・シューベルトの「冬の旅」。ドイツの抒情詩人、ヴィルヘルム・ミュラーの詩による連作歌曲集(全24曲)。失恋をテーマにした陰鬱な音楽。失意と絶望の心象風景。ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)はこの曲を7回も録音しているが、これは1972年のもの(ドイチェ・グラモフォン)。ピアノ伴奏はジェラルド・ムーア
 String QuintetSchubert/String Quintet (Alban Berg Quartett/Schiff, 1982)

後期古典派〜初期ロマン派のオーストリアの作曲家、フランツ・シューベルトの「弦楽五重奏曲」ハ長調D.956(EMI)。晩年に作曲された最後の室内楽曲。弦楽四重奏に第2チェロを加えた編成で、充実した低音部を持つ、弦楽オーケストラ風の長大(50分程度)かつ大規模な作品。哀切と叙情を湛えた流麗なメロディーをたっぷりと含んでいる。激情的な中間部を含む静謐かつ崇高な第2楽章は有名。演奏はアルバン・ベルク弦楽四重奏団とハインリヒ・シフ(チェロ)
 Symphonie No.1Brahms/Symphonie No.1 (Karajan, 1987)

交響曲第1番。ブラームスの交響曲のなかでは比較的ポピュラーな曲。ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏
 Symphony No.4Brahms/Symphony No.4 (Walter, 1959)

ブラームスの交響曲第4番。第1楽章でフリギア旋法(古い教会旋法の一つ)、最終楽章でシャコンヌ/パッサカリア(バロック期の変奏曲形式)を用いるなど、古めかしい印象だがロマン性と感傷的な抒情性(寂莫とした孤独感)を湛えた曲。晩年のブルーノ・ワルター(指揮)とコロンビア交響楽団によるブラームスの交響曲全曲録音の一つ(SONY)
 21 Hungarian DancesBrahms/21 Hungarian Dances (Abbado, 1982)

ドイツの作曲家、ヨハネス・ブラームスの「ハンガリー舞曲集」(全21曲)。第11・14・16番はブラームスのオリジナル、その他はロマ(ジプシー)の民俗音楽をブラームスが編曲したもの。もとはピアノの4手連弾用に書かれたものだが、これは管弦楽用の編曲版。第1・3・10番はブラームス自身の編曲で、それ以外はドヴォルザーク他が編曲したもの。第5番は誰もが知っている超有名曲。クラウディオ・アバド指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏
 Brahms/Piano Concerto No.2, Mozart/Piano Concerto No.27, K595Brahms/Piano Concerto No.2, Mozart/Piano Concerto No.27, K595 (Böhm/Backhaus, 1967/1955)

ブラームスのピアノ協奏曲第2番変ロ長調(作品83)とモーツァルトのピアノ協奏曲第27番変ロ長調(K.595)(Decca)。ピアニストのヴィルヘルム・バックハウスと指揮者のカール・ベームの二大巨匠の競演。オケはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。どちらも美しい旋律に溢れた曲。ブラームスの2番は「ピアノ独奏付き交響曲」のような長大かつ重厚な曲で、バックハウス最晩年の演奏。モーツァルトの27番は清澄な響きと物悲しい雰囲気を湛えた晩年の名曲
 Violin Concerto in D, Op.77Brahms/Violin Concerto in D, Op.77 (Neveu, 1948)

ブラームスのヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77。交響曲のような重厚な響きの曲。フランス人ヴァイオリニスト、ジネット・ヌヴーがハンス・シュミット=イッセルシュテット(指揮)、北ドイツ放送交響楽団と組んだライヴ録音(1948年5月3日、ハンブルク、ムジークハレ)。モノラル録音。ヌヴーの雄渾で力強く、濃密で熱情的なソロが聴きどころ
 ブラームス:弦楽六重奏曲第1番&第2番Brahms/String Sextets op.18 & op.36 (Members of the Berlin Philharmonic Octet, 1966-1973)

ブラームスの「弦楽六重奏曲第1番」変ロ長調(作品18)はロマン派室内楽の名曲の一つ。ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ2による重厚な響き。落ち着いた雰囲気。第2楽章の情熱的でロマンティックな旋律は非常に有名で、ルイ・マルの映画「恋人たち」で使われた曲としても知られている。演奏はベルリン・フィルハーモニー八重奏団員。「弦楽六重奏曲第2番」ト長調(作品36)、「ピアノ五重奏曲」ヘ短調(作品34)、「クラリネット五重奏曲」ロ短調(作品115)も収録
Very good!4 Ballades, Op. 10; 2 Rhapsodies, Op. 79; 10 IntermezziBrahms/10 Intermezzi for Piano (Gould, 1960)

ブラームスの間奏曲集(10曲)。グールド(p)の瞑想的な演奏。傑作です
Good!4 Ballades, Op. 10; 2 Rhapsodies, Op. 79; 10 IntermezziBrahms/Ballades Op.10, Rhapsodies Op.79 (Gould, 1982)

ブラームスの4曲のバラードと2曲のラプソディ。叙情的=ロマン的な性格的小品(キャラクター・ピース)集。グレン・グールド(p)最後の録音
Good!3 Intermezzi Op.117, 6 Klavierstücke Op.118, 4 Klavierstücke Op.119Brahms/3 Intermezzi Op.117, 6 Klavierstücke Op.118, 4 Klavierstücke Op.119 (Afanassiev, 1992)

ブラームス「後期ピアノ作品集」。ロシアの個性派ピアニストで作家としても知られるヴァレリー・アファナシエフの録音。「3つの間奏曲」(作品117)、「6つのピアノ小品」(作品118)、「4つのピアノ小品」(作品119)を収録。時々極端にテンポが遅くなる独特の解釈。寂寞感と静謐感あふれる美しい演奏。「零度のブラームス」。ブラームスの晩年のピアノ小品はグレン・グールドの録音が絶品だがこれもかなりいい
 Ein deutsches RequiemBrahms/Ein deutsches Requiem (Klemperer, 1961)

ブラームスの「ドイツ・レクイエム」(EMI)。混声合唱とオーケストラ、ソプラノ・バリトンの独唱による長大な(約70分)宗教曲。ブラームスはプロテスタントの信者だったため、ラテン語典礼文に基づく通常のカトリックのレクイエムとは異なり、マルティン・ルターが訳したドイツ語版聖書から歌詞を採っている。典礼用ではなく演奏会用の曲。オットー・クレンペラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団・同合唱団演奏による古典的名録音。最盛期のエリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)とディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)という最強コンビによる独唱が聴きどころ
 Symphonie FantastiqueBerlioz/Symphonie Fantastique (Münch, 1967)

ベルリオーズの幻想交響曲。物語性のあるロマン主義的な「標題音楽」の傑作。金管楽器をフルに使用した絢爛たるオーケストレーション。ミュンシュ/パリ管弦楽団による歴史的演奏
 OverturesBerlioz/Overtures (Davis, 1997)

ベルリオーズの「序曲集」(RCA)。フランスのロマン派の作曲家、エクトル・ベルリオーズが作曲した主な序曲7曲を収録。歌劇「ベアトリスとベネディクト」序曲と歌劇「ベンヴェヌート・チェッリーニ」序曲を除く5曲、「宗教裁判官」「ウェイヴァリー」「リア王」「ローマの謝肉祭」「海賊」は本編がない単独の演奏会用序曲。最も有名なのは「ローマの謝肉祭序曲」で、「幻想交響曲」と並ぶベルリオーズの代表的な管弦楽曲の1つ。指揮はベルリオーズの演奏に定評があるイギリスの著名な指揮者、サー・コリン・デイヴィス。演奏はドレスデン・シュターツカペレ
 メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」&第4番「イタリア」Mendelssohn/Symphonien Nos.3 & 4 (Abbado, 1984/1985)

ドイツ初期ロマン派の作曲家、フェリックス・メンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」と第4番「イタリア」。第3番は濃厚なロマンティシズムを湛えた幻想的な曲。第4番は躍動するリズムと明朗快活な旋律の人気曲。クラウディオ・アバド指揮、ロンドン交響楽団によるメンデルスゾーン交響曲全集からの抜粋。序曲「フィンガルの洞窟」も収録
 A Midsummer Night's Dream, incidental musicMendelssohn/A Midsummer Night's Dream, incidental music (Klemperer, 1960)

ドイツ初期ロマン派の作曲家、フェリックス・メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」(作品61、EMI)。シェイクスピアの戯曲のための幻想的な劇付随音楽。メンデルスゾーンが作曲した管弦楽曲の中では、「フィンガルの洞窟」と並んで最もポピュラーなもの。このCDは「夏の夜の夢」序曲(作品21)を含み、メロドラマ部分を除く全曲を収録。ソプラノ、メゾソプラノ独唱と女声合唱が加わる「まだら模様のお蛇さん」(You Spotted Snakes、作品61-3)が美しい。「結婚行進曲」(Wedding March、作品61-9)は結婚式で使われる曲としてよく知られている。演奏はオットー・クレンペラー(指揮)、フィルハーモニア管弦楽団・同合唱団、ヘザー・ハーパー(ソプラノ)、ジャネット・ベイカー(メゾソプラノ)
 12 Etudes, op.10/25Chopin/12 Etudes, op.10/25 (Pollini, 1972)

ショパンの練習曲。ポリーニ(p)の超絶的な技巧
 24 Preludes, op.28Chopin/24 Préludes, op.28 (Pollini, 1974)

ショパンの「24の前奏曲」(作品28)。J.S.バッハの「平均律クラヴィーア曲集」の影響下、長短24の全ての調性を用いたピアノ曲集。優美で情緒的な音楽。第15番変ニ長調「雨だれの前奏曲」(Sostenuto)は特に有名。第7番イ長調(Andantino)は「大田胃散」のCMで使われている曲。演奏はマウリツィオ・ポリーニ
 Ballades, ScherzosChopin/Ballades, Scherzos (Rubinstein, 1959)

ロマン派時代のポーランドの作曲家・ピアニスト、フレデリック・ショパンのソロピアノ曲、「バラード」第1番〜第4番と「スケルツォ」第1番〜第4番を収録(RCA)。6/4または6/8拍子を基調とする4曲のバラードは、ドラマティックな楽想と主観的な表現を含む美しい曲群で、これらの作品でショパンはピアノ音楽における純粋な器楽曲、抽象的な音楽形式としてのバラードというジャンルを確立し、フランツ・リストやヨハネス・ブラームスなどの後代のピアノ・バラードの作曲家たちに影響を与えた。3/4拍子を基調とする4曲のスケルツォは、深刻な情緒と難技巧を含むスケールの大きい作品で、バラードと並ぶピアノ音楽の名作。ポーランド系アメリカ人のピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタインによる、70歳を過ぎた円熟期の古典的録音。過剰な装飾を排した、素朴でおおらかで淡々とした演奏
 Nocturnes No.1-16 & 19Chopin/Nocturnes No.1-16 & 19 (Pollini, 2005)

ロマン派時代のポーランドの作曲家・ピアニスト、フレデリック・ショパンのノクターン(夜想曲)集(Deutsche Grammophon)。マウリツィオ・ポリーニの全曲録音(19曲)から第17番と第18番を除く17曲(第1番〜第16番と第19番)を収録した抜粋版。甘美で感傷的な旋律をたっぷり含んだピアノ独奏曲群。ショパンはこの作品群において、ノクターンの創始者とされるアイルランド出身の作曲家、ジョン・フィールドの様式(アルペッジョの伴奏と歌曲風のメロディー)を継承し、多様な感情表現を含む独自の詩的なピアノ音楽の世界を作り上げた。第2番(Op.9-2)はショパンのノクターンとしては最も有名な曲。第13番(Op.48-1)はショパンの最高傑作の一つと目されるゴージャスで雄大な曲
 Piano ConcertosChopin, Liszt/Piano Concertos (Argerich, 1968)

ショパンのピアノ協奏曲第1番は、青春の甘く切ない思い出を歌い上げるような、繊細な詩情と感傷に満ちあふれた初期ロマン派の名曲。マルタ・アルゲリッチ(p)、ロンドン交響楽団演奏、クラウディオ・アバド指揮。リストのピアノ協奏曲第1番とのカップリング
 Polonaises, Andante Spianato and Grande PolonaiseChopin/Polonaises, Andante Spianato and Grande Polonaise (Rubinstein, 1950/1951)

ポーランドの作曲家・ピアニスト、フレデリック・ショパンのピアノ独奏曲、ポロネーズ7曲と「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」を収録。ポロネーズはポーランド起源の舞曲形式で、緩いテンポの4分の3拍子の曲。第3番イ長調Op.40-1「軍隊」と第6番変イ長調Op.53「英雄」は非常に有名。第7番変イ長調Op.61「幻想ポロネーズ」は晩年の作品で、夢幻的な雰囲気の幻想曲風の曲。「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」は快活で華やかな初期の曲。ポーランドの巨匠、アルトゥール・ルービンシュタインはショパンのポロネーズを3回(1934-1935年のSP(EMI)、1950-1951年のモノラルLP(RCA)、1964年のステレオLP(RCA))録音しているが、これは2回目のもの
 14 Piano WaltzesChopin/14 Piano Waltzes (Lipatti, 1950)

ポーランドの作曲家・ピアニスト、フレデリック・ショパンのワルツ集(第1番〜第14番)。ルーマニアのピアニスト、ディヌ・リパッティの歴史的名演(EMI)。1950年のモノラル録音で音質は良くないが、演奏自体は端正かつ典雅で技術的にも素晴らしく、詩情と哀愁を湛えたショパンのワルツが堪能できる。夜想曲第8番、マズルカ第32番他も収録
 Glenn Gould Edition: Chopin/Mendelssohn/Scriabin/ProkofievThe Glenn Gould Edition: Chopin/Piano Sonata No. 3, Mendelssohn/Songs without Words, Scriabin/Piano Sonatas Nos. 3, 5, Prokofiev/Piano Sonata No. 7 (Gould, 1967-1972)

グレン・グールドのピアノ曲録音集の一つ。ショパンのピアノ・ソナタ第3番は、ピアニストであるにもかかわらずロマン派、特にショパンを毛嫌いしていたグールドがショパンに挑戦した唯一の録音。感情を押し隠すような、堅固なリズムの演奏。プロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番(いわゆる「戦争ソナタ」3部作の第2作)は、打楽器的なピアノ演奏による無調的でモダンな曲。スクリャービンのピアノ・ソナタ第3番・第5番、メンデルスゾーンの「無言歌」からの5曲も収録。個人的にはプロコの第7番がおすすめ
 Piano ConcertosSchumann, Grieg/Piano Concertos (Zimerman/Karajan, 1981/1982)

ロマン派のピアノ協奏曲の人気曲2曲、ロベルト・シューマン(ドイツ)とエドヴァルド・グリーグ(ノルウェー)を収録。クリスティアン・ツィマーマン(p)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による抒情的で詩情あふれる演奏
 Kinderszenen, KreislerianaSchumann/Kinderszenen, Kreisleriana (Argerich, 1983)

シューマンのピアノ小曲集「子供の情景」と「クライスレリアーナ」を収録
 Symphonische Etüden, ArabeskeSchumann/Symphonische Etüden, Arabeske (Pollini, 1981/1983)

19世紀ドイツのロマン派の作曲家、ロベルト・シューマンの「交響的練習曲」と「アラベスク」(DG)。「交響的練習曲」は主題と12の変奏曲形式の練習曲からなり、オーケストラ的な響きと壮大なスケールを持つピアノ曲集。「アラベスク」は繊細なメロディーと穏やかな雰囲気のピアノ曲の小品。マウリツィオ・ポリーニによる、透徹した抒情とシャープな技巧に富んだ名演。「交響的練習曲」は1837年版に基づき、第5と第6練習曲のあいだに削除された5曲のいわゆる「遺作」と呼ばれる変奏曲を挿入している
 Symphonie No.4Schumann/Symphonie No.4 (Furtwängler, 1953)

19世紀ドイツのロマン派の作曲家、ロベルト・シューマンの交響曲第4番ニ短調(DG)。幻想味とロマンティックな詩情をたたえた、交響的幻想曲のような交響曲。楽章間の切れ目がなく、全曲続けて(アタッカで)演奏される。後半の展開はベートーヴェンの第5に似ている。ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。フルヴェン特有の熱く燃えあがるような昂揚感あふれる演奏。古いモノラル録音だが音質は比較的良好で、フルトヴェングラーが残した録音の中でも最高傑作のひとつとして定評がある
 Dichterliebe, Liederkreis, Op.39Schumann/Dichterliebe, Liederkreis, Op.39 (Fischer-Dieskau/Eschenbach, 1974-1976)

19世紀ドイツのロマン派の作曲家、ロベルト・シューマンの歌曲集(Deutsche Grammophon)。シューマンの最も有名な歌曲集「詩人の恋」は、ハインリヒ・ハイネの詩集「歌の本」の中の「叙情的間奏曲」による作品で、愛の喜びと失恋の悲しみを歌った、哀愁と抒情を湛えたロマンティックな連作歌曲の名作。「リーダークライス」作品39はヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフの詩による連作歌曲。リュッカート、ゲーテ、ハイネ、バーンズ他の詩による歌曲集「ミルテの花」作品25からの7曲も収録。演奏はディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)とクリストフ・エッシェンバッハ(ピアノ)。「詩人の恋」はフィッシャー=ディースカウの4度目、「リーダークライス」は2度目の録音
 Klaviersonate h-moll, Nuages Gris, Unstern!-Sinistre, La Lugubre Gondola I, R.W.-VeneziaLiszt/Klaviersonate h-moll, Nuages Gris, Unstern!-Sinistre, La Lugubre Gondola I, R.W.-Venezia (Pollini, 1988/1989)

フランツ・リストの「ピアノ・ソナタ ロ短調」は高度な技巧と複雑な構成で知られるロマン派ソナタの傑作。マウリツィオ・ポリーニの正確無比で彫琢的な演奏。調性感が希薄なリストの晩年のピアノ曲4曲、「灰色の雲」、「凶星!」、「悲しみのゴンドラ I」、「リヒャルト・ワーグナー-ヴェネツィア」も収録
 André Watts Plays LisztLiszt/André Watts Plays Liszt (Watts, 1984/1985)

「リスト:ラ・カンパネラ(ピアノ名曲集)」。アンドレ・ワッツはロマン派、特にフランツ・リストの演奏に定評のあるドイツ出身のピアニスト。リストの「パガニーニによる大練習曲」より第3曲嬰ト短調「ラ・カンパネッラ」〜第4曲ホ長調〜第5曲ホ長調「狩」、「巡礼の年第1年:スイス」より「ワレンシュタット湖畔で」、「巡礼の年第3年」より「エステ荘の噴水」、「ハンガリー狂詩曲第13番イ短調」、「暗い雲」、「調性のないバガテル」、「超絶技巧練習曲第10番ヘ短調」他を収録。EMIから出た2枚のアルバム、「André Watts Plays Liszt: Album 1」と「2」から12曲を抜粋。歌心にあふれた技巧的かつ優美な演奏。特に「ラ・カンパネッラ」は聴きどころ。「暗い雲」と「調性のないバガテル」はリストの晩年の無調的な曲
Good!Fête à la Française(Various Artists)/Fête à la Française (Dutoit, 1987)

19〜20世紀フランスの管弦楽曲の小品集(Decca)。ユーモアとエスプリに富んだ、祝祭的で軽妙な楽曲多数。エマニュエル・シャブリエの狂詩曲「スペイン」と「楽しい行進曲」、ポール・デュカスの交響詩「魔法使いの弟子」、エリック・サティの「2つのジムノペディ」(ジムノペディの第1番と第3番をドビュッシーが管弦楽に編曲したもの)、カミーユ・サン=サーンスの「バッカナール」(歌劇「サムソンとデリラ」より。フィギュアスケートで使用されたことがある有名曲)、ジョルジュ・ビゼーの小組曲「子供の遊び」、アンブロワーズ・トマの歌劇「レーモンあるいは王妃の秘密」序曲、ジャック・イベールの「室内管弦楽のためのディヴェルティスマン」を収録。シャルル・デュトワ(指揮)とモントリオール交響楽団による、色彩感豊かで洗練された音色の演奏
 La TraviataVerdi/La Traviata (complete opera, Callas/Giulini, 1955)

イタリアのロマン派音楽の作曲家、ジュゼッペ・ヴェルディが、アレクサンドル・デュマ・フィスの小説の舞台化作品「椿姫」を基に1853年に作曲した全3幕の歌劇「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」全曲(EMI、2枚組CD)。物語は1850年代のパリを舞台に、高級娼婦のヴィオレッタ・ヴァレリーの悲恋を描いたもの。甘美でキャッチーな旋律が満載の人気オペラ作品。1955年5月28日、ミラノ・スカラ座でのライヴ録音。モノラル録音で音質は良くないが、絶頂期のマリア・カラス(ヴィオレッタ役/ソプラノ)が主演し、カルロ・マリア・ジュリーニが指揮、ルキノ・ヴィスコンティが演出した歴史的名演の記録としては貴重な録音。イタリア語による歌唱
 Messa da RequiemVerdi/Messa da Requiem (Karajan, 1972)

ヴェルディのレクイエム(ミサ曲)。オペラのような劇的な宗教音楽。カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による演奏
 Orchestral WorksWagner/Orchestral Works: Tannhauser, Lohengrin, Tristan und Isolde, Die Meistersinger, The Flying Dutchman, Parsifal (Karajan, 1974)

リヒャルト・ヴァーグナーの管弦楽曲集(CD2枚)。ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。歌劇「タンホイザー」(パリ版)より序曲とヴェーヌスベルクの音楽、歌劇「ローエングリン」第1幕・第3幕への前奏曲、楽劇「トリスタンとイゾルデ」より第1幕への前奏曲と愛の死、楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲、歌劇「さまよえるオランダ人」序曲、舞台神聖祝典劇「パルジファル」第1幕・第3幕への前奏曲を収録。流麗で美しい演奏。音質は良好。ヴァーグナーの管弦楽曲を概観するのには便利な録音
 Tristan und IsoldeWagner/Tristan und Isolde (Böhm, 1966)

リヒャルト・ヴァーグナー作曲の3幕の楽劇「トリスタンとイゾルデ」全曲(CD3枚組)。ロマン主義的な愛の法悦、「愛死」を描いた長大なオペラ(3時間超)。技法的には、メロディーが絡み合い、際限なく展開してゆく「無限旋律」、前奏曲の冒頭に登場する調性の曖昧な「トリスタン和声」、半音階を多用する和声進行で知られる。前奏曲と最後のアリア、通称「イゾルデの愛の死」は有名。カール・ベーム指揮、バイロイト祝祭劇場管弦楽団・合唱団、ヴォルフガング・ヴィントガッセン(トリスタン/テノール)、ビルギット・ニルソン(イゾルデ/ソプラノ)他。1966年のバイロイト音楽祭でのライヴ録音
 ParsifalWagner/Parsifal (Solti, 1971/1972)

作曲者自身が「舞台神聖祭典劇」と呼んだ、リヒャルト・ヴァーグナー最後の楽劇、「パルジファル」の全曲盤。キリスト教神秘主義に基づいた、宗教的な祭儀のような長大なオペラ(4時間超)。ゲオルグ・ショルティ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)、ハンス・ホッター(バス)、クリスタ・ルートヴィヒ(メゾソプラノ)、ルネ・コロ(テノール)、ルチア・ポップ(ソプラノ)、キリ・テ・カナワ(ソプラノ)、ウィーン少年合唱団他の豪華歌手陣が聴きどころ
 Gaîté ParisienneOffenbach/Gaîté Parisienne (Rosenthal, 1976)

バレエ音楽「パリの喜び」全曲(EMI)。ドイツ生まれでフランスに帰化した作曲家、ジャック・オッフェンバックが1850年代〜1870年代(フランス第二帝政期)に作曲したオペレッタの旋律をふんだんに使用して、フランスの指揮者・作曲家のマヌエル・ロザンタールが作編曲したバレエ音楽の人気曲。コミカルにして壮麗かつ狂騒的。「地獄のオルフェ(天国と地獄)」、「パリの生活」、オペラ「ホフマン物語」の「バルカロール(ホフマンの舟歌)」などの有名な旋律が聴きどころ。モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団演奏、マヌエル・ロザンタール指揮の自作自演盤
 Franck/Sonata in A major (Grumiaux)Franck/Sonata in A major (Grumiaux, 1961)

ベルギー出身の作曲家、セザール・フランクの「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」イ長調は、近代フランスのヴァイオリン・ソナタの有名曲。循環形式(複数の楽章に共通の動機を使用することによる楽曲の統一化)による緊密な構成。アルテュール・グリュミオー(vn)とイストヴァン・ハイデュ(p)による演奏
 Ma VlastSmetana/Má Vlast (My Country) (Ančerl, 1963)

チェコの作曲家、スメタナの連作交響詩「わが祖国」(全6曲)。ボヘミアの伝説・歴史・風景を題材にした愛国的な音楽。第2曲「ヴルタヴァ(モルダウ)」は名旋律で有名。カレル・アンチェル指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団演奏
 Symphony No. 4Bruckner/Symphony No. 4 "Romantic" (Böhm, 1973)

オーストリアの作曲家、アントン・ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」(いわゆる1953年の「ノーヴァク版」)。ブルックナーの作品のなかでも最も聴きやすく、とっつきやすい曲の一つ。壮麗でスケールが大きく、自然の崇高美を歌い上げるような、文字通りドイツ・ロマン派的な交響曲。カール・ベーム(指揮)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるゆったりとしたテンポのオーソドックスな演奏
 Symphony No. 7Bruckner/Symphony No. 7 (Asahina, 1975)

リヒャルト・ヴァーグナーの和声法に影響を受けた長大な交響曲で知られるオーストリアの後期ロマン派の作曲家、アントン・ブルックナーの交響曲第7番ホ長調(Victor)。第4番と並んでブルックナーの交響曲としては最も人気のある曲の一つ。比較的親しみやすい楽想の雄大かつ壮麗な曲。第2楽章と第4楽章ではヴァーグナー・テューバを使用。朝比奈隆指揮、大阪フィルハーモニー交響楽団演奏。リンツのブルックナーゆかりの場所、聖フロリアン教会マルモア・ザール(大理石の間)でのライヴ録音。ハース版による遅いテンポの演奏。深い残響に包まれた音
 Die FledermausJ. Strauss II/Die Fledermaus (Kleiber, 1975)

19世紀のオーストリア、ウィーンの作曲家、ヨハン・シュトラウスII世のオペレッタ「こうもり」。3幕からなる喜歌劇(ミュージカル・コメディ)。ヨハン・シュトラウスが作曲したオペレッタとしては最もポピュラーな作品。ウィンナ・ワルツのリズムをふんだんに使用した、コミカルで軽妙な歌劇。カルロス・クライバー指揮、バイエルン国立歌劇場合唱団、バイエルン国立管弦楽団、ヘルマン・プライ(バリトン)、ユリア・ヴァラディ(ソプラノ)、ルチア・ポップ(ソプラノ)、ベルント・ヴァイクル(バリトン)、イヴァン・レブロフ他による名録音。第2幕フィナーレのバレエの場面ではポルカ「雷鳴と電光」が演奏されている
 String Quartets Nos.1 and 2Borodin/String Quartets Nos.1 and 2 (Haydn Quartet, Budapest, 1993)

ロシアの作曲家(本業は化学者)で「ロシア5人組」の一人、アレクサンドル・ポルフィーリエヴィチ・ボロディンの弦楽四重奏曲第1番・第2番。抒情美をたたえたロマンティックな作風。第2番の第3楽章「夜想曲」は非常に有名。ハイドン弦楽四重奏団(ブダペスト)による演奏
 Saint-Saens: Symphony No.3/Debussy: La Mer/Ibert: EscalesSaint-Saëns/Symphony No. 3 in C minor "Organ", Debussy/La Mer, Ibert/Escales (Munch, 1956/1959)

フランスの作曲家、カミーユ・サン=サーンスの交響曲第3番ハ短調「オルガン」は、大編成のオーケストラとオルガン、2台のピアノ(4手連弾)による豪快かつ壮麗な曲。シャルル・ミュンシュ(指揮)、ベルイ・ザムコヒアン(オルガン)、ボストン交響楽団による演奏。RCAレコードのステレオ録音初期の古典的名演。ドビュッシー「海」、イベール「寄港地」も収録
 Coppélia, SylviaDelibes/Coppélia, Sylvia (highlights) (Ansermet, 1957/1959)

オペラやバレエ音楽で知られる19世紀フランス・ロマン派の作曲家、レオ・ドリーブのバレエ音楽の2大名作、「コッペリア」と「シルヴィア」の抜粋を収録(Decca)。「コッペリア」(1867年)はE.T.A.ホフマンの短編小説「砂男」を基にした喜劇的なバレエ。「シルヴィア」(1876年)はトルクァート・タッソの演劇「アミンタ」を基にした3幕のバレエ。どちらも優美さと繊細さを湛えたロマンティック・バレエの先駆的な作品。交響楽的な管弦楽法。エルネスト・アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団による色彩感あふれる精妙な演奏。歴史的録音
 Bruch/Violin Concerto No.1Bruch/Violin Concerto No.1 (Heifetz, 1962)

ドイツの後期ロマン派の作曲家、マックス・ブルッフの「ヴァイオリン協奏曲第1番」ト短調作品26(RCA)。古今のヴァイオリン協奏曲の中でも最も人気のある曲の一つであり、ブルッフの最高傑作と目される作品。抒情的で甘美な旋律を湛えた、典型的にドイツロマン派的な曲。リトアニア生まれのヴァイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツ、サー・マルコム・サージェント(指揮)、ロンドン新交響楽団による技巧的名演
 L'Arlesienne Suites Nos. 1 and 2, Carmen Suites Nos. 1 and 2Bizet/L'Arlésienne Suites Nos. 1 and 2, Carmen Suites Nos. 1 and 2 (Dutoit, 1986)

劇やオペラの付随音楽で知られるフランスの作曲家、ジョルジュ・ビゼーのポピュラーな管弦楽曲集。「アルルの女」第1・第2組曲は、アルフォンス・ドーデ作の戯曲の劇伴音楽を編曲したもの。南仏プロヴァンス地方のクリスマス民謡「三人の王様の行進」を用いた、通俗的で親しみやすい曲。オペラ「カルメン」の組曲版も収録。シャルル・デュトワ(指揮)・モントリオール交響楽団による演奏
 CarmenBizet/Carmen (Karajan, 1982/1983)

劇やオペラの付随音楽で知られる19世紀フランスの作曲家、ジョルジュ・ビゼー作曲のオペラ「カルメン」(全4幕)全曲(Deutsche Grammophon)。親しみやすい旋律を多く含む、スペイン風のエキゾティックな雰囲気のフランス歌劇の傑作。奔放なジプシー女、カルメンが主人公の物語。プロスペル・メリメの小説「カルメン」が原作で、台本はアンリ・メイヤックとリュドヴィク・アレヴィによる。第1幕への前奏曲(管弦楽曲)、スペインの作曲家セバスティアン・イラディエル作曲のハバネラ(キューバの舞曲)「El Arreglito」を使用したカルメンのアリア「ハバネラ:恋は野の鳥」(第1幕)、カスティーリャ(スペイン)の速い3拍子の民族舞曲を使用したカルメンのアリア「セギディーリャ」(第1幕)、闘牛士エスカミーリョのアリア「闘牛士の歌」(第2幕)、龍騎兵の伍長ドン・ホセのアリア「花の歌」、ドン・ホセの許婚のミカエラのアリア(第3幕)は広く知られている有名曲。ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。カラヤンによる「カルメン」の2回目の録音。台詞を含むオリジナルのオペラ・コミック版。演唱はアグネス・バルツァ(カルメン/メッゾ・ソプラノ)、ホセ・カレーラス(ドン・ホセ/テノール)、ジョゼ・ヴァン・ダム(エスカミーリョ/バス)、カーティア・リッチャレッリ(ミカエラ/ソプラノ)、パリ・オペラ座合唱団他。収録時間は約2時間50分(CD3枚組ボックス)
 Pictures at an Exhibition, Night on the Bare Mountain, Khovanshchina PreludeMussorgsky/Pictures at an Exhibition, Night on the Bare Mountain, "Khovanshchina" Prelude (Ansermet, 1959/1964)

「展覧会の絵」はロシア国民楽派の作曲家、モデスト・ムソルグスキー作曲のピアノ曲が原曲の管弦楽版。モーリス・ラヴェルによる色彩豊かなオーケストレーション。19世紀ロシアから20世紀フランスへの音楽的継承の一例。交響詩「禿山の一夜」(ニコライ・リムスキー=コルサコフ編曲)も収録。エルネスト・アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団による演奏
 Mussorgsky/Pictures at an Exhibition, Ravel/Valses nobles et sentimentales pour pianoMussorgsky/Pictures at an Exhibition, Ravel/Valses nobles et sentimentales pour piano (Pogorelich, 1995)

ムソルグスキーのピアノ組曲「展覧会の絵」とラヴェルのピアノ曲「高雅で感傷的なワルツ」を収録(DG)。演奏は旧ユーゴスラヴィアのベオグラード生まれのピアニスト、イーヴォ・ポゴレリチ。極端なデュナーミク(音量の強弱)とアゴーギク(テンポの緩急)が特徴のユニークな演奏。時々極度に遅くなるテンポ。「展覧会の絵」の演奏時間は42分で、これはヴァレリー・アファナシエフ(44分)よりは短いけどかなり遅いテンポ
 Symphonies Nos.4, 5 & 6Tchaikovsky/Symphonies Nos.4, 5 & 6 "Pathétique" (Mravinsky, 1960)

19世紀ロシアの作曲家、チャイコフスキーの交響曲の人気作3曲を収録。特に第6番「悲愴」は有名。哀愁を帯びた美しい旋律とロマン主義的な激情の爆発。エフゲニ・ムラヴィンスキー(指揮)とレニングラード・フィルハーモニー管弦楽団による歴史的録音。豪快な演奏
 Violin ConcertosTchaikovsky, Mendelssohn/Violin Concertos (Heifetz, 1957/1959/1970)

チャイコフスキーとメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲2曲を収録。両方とも甘美なメロディと超絶技巧で非常に有名な人気曲。ロシアのヴィルトゥオーゾ、ヤッシャ・ハイフェッツによる正確無比な演奏
 Violin ConcertosTchaikovsky, Sibelius/Violin Concertos (Chung, 1970)

韓国のヴァイオリニスト、チョン・キョンファ(鄭京和)のデビュー・アルバム。チャイコフスキーとシベリウスのヴァイオリン協奏曲2曲を収録。22歳くらいの頃の若々しくて情熱的な演奏。アンドレ・プレヴィン指揮、ロンドン交響楽団演奏
 Tchaikovsky/Piano Concerto No.1, Rachmaninov/Piano Concerto No.2Tchaikovsky/Piano Concerto No.1, Rachmaninov/Piano Concerto No.2 (Richter, 1959/1962)

チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番はピアノの超絶技巧で知られる雄大かつロマンティックな曲。管弦楽とピアノが交響曲のように精妙に絡み合う。第1楽章と第3楽章では主題にウクライナの民謡を使用。スヴャトスラフ・リヒテル(p)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)、ウィーン交響楽団演奏。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番(指揮はスタニスラフ・ヴィスロツキ)も収録
 Swan LakeTchaikovsky/Swan Lake (Ansermet, 1961)

「白鳥の湖」はバレエ音楽の古典的名作の一つであり、チャイコフスキーの三大バレエのなかでも最も有名な曲。エルネスト・アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団による演奏(短縮版)。均整美あふれるオーケストレーションと生気に満ちたリズムの見事な演奏
 The NutcrackerTchaikovsky/The Nutcracker (Complete Ballet) (Ansermet, 1959)

チャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」の全曲録音。大人も子供も楽しめる愉快な音楽。エルネスト・アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団による歴史的名演。録音は古いけど音質は良好
Good!Dvorak/Symphonie No.9, Smetana/MoldauDvorák/Symphonie No.9, Smetana/Moldau (Karajan, 1985)

ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。スメタナの交響詩「モルダウ」(「わが祖国」より)も収録。ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏
 Slavonic Dances, opp.46 & 72Dvorák/Slavonic Dances, opp.46 & 72 (Kubelik, 1973-1974)

スメタナと並ぶチェコ国民学派/ボヘミア楽派の巨匠、ドヴォルザークの「スラヴ舞曲集」(作品46・作品72、全16曲)。ブラームスの「ハンガリー舞曲集」と同じく元はピアノ連弾用の曲だったが、その後管弦楽曲として編曲された。チェコ、スロヴァキア、ポーランド、ウクライナ、ユーゴスラヴィアの民族舞曲の形式をベースにした汎スラヴ主義的な音楽。第10番(作品72の2)は抒情的・浪漫的な情趣を湛えた有名曲。指揮はチェコ出身のラファエル・クーベリック。演奏はバイエルン放送交響楽団
 Dvorak/Cellokonzert, Tchaikovsky/Rokoko-VariationenDvorák/Cellokonzert, Tchaikovsky/Rokoko-Variationen (Rostropovich/Karajan, 1968)

ドヴォルザークの「チェロ協奏曲」は古今のチェロ協奏曲の中でも最高傑作の一つとして知られる作品。ボヘミアの民俗音楽をアメリカ・インディアンの民謡や黒人霊歌と融合させた、土俗的で野趣のある曲。郷愁に満ちた美しいメロディ。ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による歴史的演奏。チャイコフスキーの「ロココの主題による変奏曲」も収録
 Dvorák/String Quartet Op.96 (No.12) American, Smetana/String Quartet No.1 From My LifeDvorák/String Quartet Op.96 (No.12) "American", Smetana/String Quartet No.1 "From My Life" (Alban Berg Quartett, 1989/1990)

19世紀後半の後期ロマン派・チェコ国民楽派の作曲家、スメタナとドヴォルザークの弦楽四重奏曲の有名曲を収録(EMI)。ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番ヘ長調作品96「アメリカ」はドヴォルザークの室内楽曲中最もポピュラーな曲。黒人霊歌やアメリカ・インディアンの民謡などのアメリカ音楽の語法を使用した、牧歌的で郷愁感あふれる曲で、五音音階を使用した土俗的で親しみやすいメロディーが印象的。スメタナの弦楽四重奏曲第1番ホ短調「わが生涯より」はウィーン古典派の形式に民俗音楽の語法を導入したロマンティックな曲で、スメタナ自身の人生の各時期の素描を含む半自叙伝的な性格を持つ。アルバン・ベルク四重奏団によるウィーンでのライヴ録音。感傷的過ぎない現代的で緻密なアンサンブルによるしなやかで洗練された演奏
 Dvorák/String Quartet No.12 in F Major, Op.96 American, Tchaikovsky/String Quartet No.1 in D Major, Op.11 Andante CantabileDvorák/String Quartet No.12 in F Major, Op.96 "American", Tchaikovsky/String Quartet No.1 in D Major, Op.11 "Andante Cantabile" (Smetana String Quartet, 1966)

ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番ヘ長調作品96「アメリカ」はドヴォルザークの室内楽曲中最もポピュラーな曲で、黒人霊歌やアメリカ・インディアンの民謡などのアメリカ音楽の語法を使用した、土俗的で親しみやすい旋律のポップで感傷的な曲。チャイコフスキーの弦楽四重奏曲第1番ニ長調作品11「アンダンテ・カンタービレ」は繊細で美しい旋律が多い佳曲。第2楽章の冒頭の有名な旋律はウクライナの民謡をもとにしたもので、単独で演奏されることも多い。演奏はスメタナ四重奏団(チェコ)
 Peer Gynt Suites Nos.1 & 2Grieg/Peer Gynt Suites Nos.1 & 2 (Karajan, 1971)

ノルウェーの後期ロマン派/国民楽派の作曲家・ピアニスト、エドヴァルド・グリーグの「ペール・ギュント」第1・第2組曲(DG)。原曲はヘンリック・イプセンの戯曲のための劇伴音楽だが、組曲版(原曲の8曲を使用して各4曲の2つの管弦楽用組曲に編曲したもの)の方が有名。ノルウェーの民族音楽に着想を得た、抒情的かつエキゾティックな音楽。「朝」、「アニトラの踊り」、「ソルヴェイグの歌」は特にポピュラーで耳にする機会が多い。ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏
 Lalo/Symphonie Espagnole, Saint-Saëns/Violin Concerto No.3Lalo/Symphonie Espagnole, Saint-Saëns/Violin Concerto No.3 (Grumiaux/Rosenthal, 1963)

後期ロマン派のフランス人の作曲家2人が19世紀後半に作曲したヴァイオリンと管弦楽のための曲、エドゥアール・ラロの「スペイン交響曲」ニ短調作品21とカミーユ・サン=サーンスの「ヴァイオリン協奏曲第3番」ロ短調作品61を収録(Philips)。両方ともスペインの作曲家・ヴァイオリニスト、パブロ・デ・サラサーテのために作曲された曲。ラロの「スペイン交響曲」はスペイン的な主題を多用したエキゾティックで華麗な曲。交響曲と名付けられているが実質的にはヴァイオリン協奏曲。サン=サーンスの「ヴァイオリン協奏曲第3番」は古典的な構成とロマン派的な抒情性が均衡を保つ優美な曲。演奏は、アルテュール・グリュミオー(ヴァイオリン)、マニュエル・ロザンタール(指揮)、コンセール・ラムルー管弦楽団
 ZigeunerweisenSarasate/Zigeunerweisen (Heifetz/Steinberg, 1951)

ロマン派期のスペインの作曲家・ヴァイオリニスト、パブロ・デ・サラサーテが1878年に作曲した「ツィゴイネルワイゼン」(作品20)は、ロマ(ジプシー)の民族音楽のメロディーを導入し、チャールダーシュ(ハンガリーの民族舞踊)のリズムを多用したヴァイオリンとオーケストラのための曲で、技巧的なヴァイオリン曲の傑作として有名な人気曲。リトアニア生まれの名ヴァイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツ(ヴァイオリン)、ウィリアム・スタインバーグ(指揮)、RCAビクター交響楽団による古典的名演。この録音はRCAから出ている数種のハイフェッツ名演集のアルバムに収録されている
 Rimsky-Korsakov/Scheherazade, Capriccio EspagnolRimsky-Korsakov/Scheherazade, Capriccio Espagñol (Dutoit, 1983)

19世紀後半の「ロシア5人組」の一人、ニコライ・リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」は、華麗な管弦楽法と異国情緒あふれるオリエンタルな趣で知られる人気曲。シャルル・デュトワ(指揮)、モントリオール交響楽団による洗練された瀟洒な演奏。ヴァイオリン独奏はリチャード・ロバーツ。「スペイン奇想曲」も収録
 RequiemFauré/Requiem (Cluytens, 1962)

フランスの作曲家、ガブリエル・フォーレの「レクイエム」。清澄な美しさと優しい祈りの感情を湛えた宗教声楽曲の名作。安息と平安のための音楽。アンドレ・クリュイタンス(指揮)、ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ソプラノ)、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)、エリザベート・ブラッスール合唱団、パリ音楽院管弦楽団による情感のこもった演奏
 The Art of Segovia(Various Artists)/The Art of Segovia (Segovia, 1952-1970)

「セゴビアの芸術」。「現代クラシック・ギター奏法の父」と呼ばれたスペインのギタリスト、アンドレス・セゴヴィアの米国デッカ・レーベルでの録音を集めた編集盤(2枚組CD)。発売元はドイチェ・グラモフォン。フランシスコ・タルレガの「アルハンブラの想い出」、フェルナンド・ソルの「モーツァルトの《魔笛》の主題による変奏曲」、エイトル・ヴィラ=ロボスの「前奏曲」第1番・第3番、ヘンデルの「サラバンド」(ハープシコード組曲第4番ニ短調より)、J.S.バッハの「ブーレ」(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番ロ短調より)、「クーラント」(無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調より)、「ガヴォットとロンド」(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調より)、ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」(「前奏曲集」第1巻・第8曲より)他収録(全41曲)
 Spanish Guitar favorites(Various Artists)/Spanish Guitar Favorites (Williams, 1964/1969)

ジョン・ウィリアムズ「アルハンブラ宮殿の思い出〜スペイン・ギター名曲集」。オーストラリア出身のクラシック・ギター奏者、ジョン・ウィリアムズが20代の頃(1964年、1969年)に録音したスペインのギター音楽の名演奏を集めた編集盤。グラナドスの「スペイン舞曲第5番」、「詩的なワルツ集」、「ゴヤの美女」、タレガの「アルハンブラ宮殿の思い出」、アルベニスの「アストゥーリアス」、「タンゴ」、ファリャの「市長の踊り」と「粉屋の踊り」(「三角帽子」より)、「漁夫の歌」(「恋は魔術師」より)、カタルーニャ民謡「アメリアの遺言」、ロドリーゴの「ファンダンゴ」他。乾いた抒情を湛えた、端正で淡々とした趣の演奏。師匠のアンドレス・セゴヴィアも賞賛した優れた技巧
 Sinfonietta, Taras BulbaJanáček/Sinfonietta, Taras Bulba (Mackerras, 1980)

モラヴィア地方出身のチェコの作曲家、レオシュ・ヤナーチェク作曲の管弦楽曲2曲を収録。「シンフォニエッタ」はモラヴィア地方の民俗音楽をベースにした有名曲で、ブラス・バンド(トランペット9、バス・トランペット2、テナー・チューバ2、ティンパニ)によるファンファーレがフィーチュアされている。「タラス・ブーリバ」はゴーゴリの小説に霊感を得た交響的狂詩曲。サー・チャールズ・マッケラス指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏
 String Quartets No.1 Kreutzer Sonata and No.2 Intimate PagesJanáček/String Quartets No.1 "Kreutzer Sonata" and No.2 "Intimate Pages" (Smetana Quartet, 1979)

モラヴィア地方出身のチェコの作曲家、レオシュ・ヤナーチェクの弦楽四重奏曲2曲、第1番「クロイツェル・ソナタ」と第2番「ないしょの手紙」を収録。第1番はトルストイの同名の小説にインスパイアされた劇的な曲。第2番はテンポとリズムが目まぐるしく変化する狂騒的な曲で、ヤナーチェクより40歳も年下の人妻、カミラ・ストスロヴァーとの長年に渡る精神的な親交に触発されて書かれたもの。どちらもヤナーチェクが晩年(20世紀)に書いた現代的で技巧的な曲。スメタナ四重奏団による4度目の録音。1979年、プラハでのライヴ録音
 Sinfonietta, Tagebuch eines VerschollenenJanáček/Sinfonietta, Tagebuch eines Verschollenen (Abbado, 1987)

モラヴィア地方出身のチェコの作曲家、レオシュ・ヤナーチェクの「消えた男の日記」と「シンフォニエッタ」を収録(Deutsche Grammophon)。「消えた男の日記」はテノール、アルト、女声3部合唱とピアノのための連作歌曲集。若い農夫とジプシーの娘の禁断の恋を描いたオペラ風のドラマティックな歌曲集で、妖艶な官能性を湛えている。新聞に匿名で掲載された、モラヴィアのヴァラシュスコ地方の方言で書かれた詩をテクストに使用している。オリジナルはピアノ伴奏版だが、本ディスクではオーケストラ編曲版が演奏されている。「シンフォニエッタ」はモラヴィア地方の民俗音楽をベースにした有名曲で、ブラス・バンド(トランペット9、バス・トランペット2、テナー・チューバ2、ティンパニ)によるファンファーレがフィーチュアされている。クラウディオ・アバド指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏
 Milhaud/Le Bœuf sur le Toit, Chausson/Poème, Vieuxtemps/Fantasia appassionataMilhaud/Le Bœuf sur le Toit, Chausson/Poème, Vieuxtemps/Fantasia appassionata (Kremer/Chailly, 1980)

ヴァイオリンと管弦楽のための曲を3曲収録。フランス6人組の一人、ダリウス・ミヨーの「屋根の上の牡牛(シネマ・ファンタジー)」はブラジル民謡をベースにしたリズミカルで狂騒的な曲。フランス後期ロマン派の作曲家でフランク門下(フランキスト)のエルネスト・ショーソンの「詩曲」は詩情豊かで抒情的な曲。19世紀ロマン派の作曲家/ヴァイオリニスト(ベルギー)、アンリ・ヴュータンの「ファンタジア・アパッショナータ」も収録。ギドン・クレーメル(vn)、リッカルド・シャイー(指揮)、ロンドン交響楽団演奏
 Cello ConcertosElgar, Delius/Cello Concertos (Du Pré, 1965)

英国の作曲家、サー・エドワード・エルガーとフレデリック・ディーリアスが20世紀初頭に書いたチェロ協奏曲2曲を収録。エルガーのチェロ協奏曲は哀感あふれるメロディーの名曲で、名女流チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレが20歳くらいの時にサー・ジョン・バルビローリ(指揮)、ロンドン交響楽団と録音したもの。ディーリアスのチェロ協奏曲はマルコム・サージェント(指揮)、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団との録音
 Enigma Variations, Pomp and Circumstance MarchesElgar/Enigma Variations, Pomp and Circumstance Marches (Solti, 1974/1976)

近代イギリスの作曲家、エドワード・エルガーの管弦楽曲集。「エニグマ変奏曲」(管弦楽のための独創主題による変奏曲。Op.36)は主題と14の変奏による管弦楽曲。行進曲「威風堂々」(Op.39)は全5番からなる管弦楽のための行進曲。行進曲第1番の旋律は非常に有名で、さまざまな場面で演奏される。ロマン派的で国民主義的な作風。サー・ゲオルグ・ショルティ指揮、シカゴ交響楽団(エニグマ変奏曲)、ロンドンフィルハーモニー管弦楽団(威風堂々)演奏
 I PagliacciLeoncavallo/I Pagliacci (Molinari-Pradelli, 1959)

イタリアの作曲家、ルッジェーロ・レオンカヴァッロ(レオンカヴァルロ)の歌劇「道化師/パリアッチ(I Pagliacci)」の全曲盤。マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」とならぶヴェリスモ(リアリズム)・オペラの初期の代表作の一つ。「カヴァレリア・ルスティカーナ」と一緒に一晩で上演されることが多い(いわゆる「Cav and Pag」)。マリオ・デル・モナコ(テノール)、コーネル・マックニール(バリトン)、ガブリエルラ・トゥッチ(ソプラノ)他、フランチェスコ・モリナーリ=プラデルリ指揮、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団・合唱団による演奏。デル・モナコ44歳の熱唱、特に第1幕の最後の「衣装を着けろ」と第2幕の最後の「もう道化師じゃない」が聴きどころ
 Madama ButterflyPuccini/Madama Butterfly (Callas/Karajan, 1955)

イタリアの作曲家、ジャコモ・プッチーニ作の歌劇「蝶々婦人」(Madama Butterfly)の全曲盤。長崎を舞台にした異国情緒あふれるオペラ。ジョン・ルーサー・ロングの小説に基づくデイヴィッド・ベラスコの戯曲が原作。マリア・カラス(ソプラノ)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)、ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団による演奏。イタリア語による歌唱
 Symphonie No.1Mahler/Symphonie No.1 (Rattle, 1991)

交響曲第1番「巨人」。当初は5楽章からなる交響詩として作曲されたが、後に4楽章の交響曲として改訂されている。マーラーの若き日の苦悩と激情。金管が咆哮する最終楽章の大爆発が聴きどころ。削除された旧第2楽章「花の章」も収録。サイモン・ラトル指揮、バーミンガム市交響楽団演奏(ライヴ録音)
 Symphony No.2Mahler/Symphony No.2 (Solti, 1980)

マーラーの交響曲第2番ハ短調「復活」は、オルガン、舞台裏の楽隊(金管楽器と打楽器)、ソプラノ/アルト独唱、混声合唱を含む大編成のオーケストラによる長大な交響曲(5楽章、80分超)。最終楽章の歌詞はドイツの詩人、クロプシュトックの歌詞による賛歌「復活」を元にマーラーが加筆したもの。サー・ゲオルグ・ショルティ指揮、シカゴ交響楽団演奏。ショルティは1960年代にロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団やロンドン交響楽団とともにマーラーの交響曲全集を録音しているが、1970年〜1983年にシカゴ響と再び全曲録音を行っている
 Symphony No.4Mahler/Symphony No.4 (Klemperer, 1961)

グスタフ・マーラーの交響曲第4番ト長調(EMI)。マーラーの交響曲中もっとも小規模で、親しみやすい楽想とメルヒェン的な雰囲気を持っており、マーラーの交響曲への導入としては手頃な曲。第4楽章はソプラノ独唱によるオーケストラ伴奏付きの歌曲で、歌詞はドイツの民謡詩集「子供の不思議な角笛」から採られている。オットー・クレンペラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団演奏。第4楽章のエリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)の歌唱が聴きどころ
 Symphonie Nr.5Mahler/Symphonie Nr.5 (Sinopoli, 1985)

マーラーの交響曲第5番。第4楽章はルキノ・ヴィスコンティの映画「ベニスに死す」に使われた音楽として有名。ジュゼッペ・シノーポリ指揮、フィルハーモニア管弦楽団演奏
 Symphony No.6Mahler/Symphony No.6 (Tennstedt, 1991)

マーラーの交響曲第6番イ短調。「悲劇的」(Tragische/Tragic)という副題で呼ばれることもある。厭世的な暗さと勇壮な悲劇性。重層的な多声書法。斬新な和声。管楽器と打楽器(ティンパニ、カウベル、低音の鐘、タムタム、グロッケンシュピール、シロフォン、むち、ハンマーを含む)の多用。シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルンも称賛した現代的な曲。クラウス・テンシュテット指揮、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団によるライヴ録音(EMI)
 Symphonie No.8Mahler/Symphonie No.8 (Boulez, 2007)

「千人の交響曲」という別名で知られるグスタフ・マーラーの交響曲第8番変ホ長調。大編成のオーケストラに2つの混声合唱団、児童合唱団、8人の独唱者を加えた、マーラーの作品中最大規模のもので、オラトリオやカンタータのような形式の異色作。中世ラテン語の賛歌「来たり給え、創造主なる聖霊よ」を用いた第1部とゲーテの戯曲「ファウスト」第2部の終末部分を基にしたドイツ語の歌詞の第2部の2部構成。1994年に始まったDGでのピエール・ブーレーズ指揮のマーラー交響曲全曲録音(マーラー・ツィクルス)の掉尾を飾る録音。ブーレーズは1975年にもマラ8をBBC交響楽団とモノラルで録音している。この2007年の録音はベルリン国立歌劇場合唱団、ベルリン放送合唱団、カルヴ・アウレリウス少年合唱団、ベルリン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ベルリン)による演奏
 Symphony No.9Mahler/Symphony No.9 (Abbado, 1999)

オーストリアの後期ロマン派の作曲家、グスタフ・マーラーの交響曲第9番ニ長調(Deutsche Grammophon)。完成された交響曲としては最後のもので、しばしばマーラーの最高傑作と見なされる。自作や他の作曲家の作品(ベートーヴェン、ヨハン・シュトラウス2世、レハール、ブルックナー等)からのコラージュ的な引用の多用が特徴の長大な曲(約80-90分)。4楽章構成。第1楽章は無調的・多声的で後の新ウィーン楽派のような作風。第2・3楽章はシニカルで諧謔的。第4楽章は後期ロマン派の作風を残す、非常にゆったりとしたアダージョ。クラウディオ・アバド(指揮)2回目の録音はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、ライヴ録音だが非常に緻密な演奏。録音もクリアで優秀
 Das Lied von der ErdeMahler/Das Lied von der Erde (Walter, 1952)

マーラーの交響曲「大地の歌」。独唱付き。第3楽章では中国音階を使用。ブルーノ・ワルター指揮、キャスリーン・フェリアー(コントラルト)、ユリウス・パツァーク(テノール)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 による古典的名演(1952年、モノラル)
 Mahler Lieder: Des Knaben WunderhornMahler/Lieder eines fahrenden Gesellen, Kindertotenlieder, 5 Rückertlieder, 5 Gesänge aus "Des Knaben Wunderhorn" (Furtwängler/Kempe, 1952/1955/1978)

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)が歌うグスタフ・マーラーの連作歌曲(リート)集。「さすらう若人の歌」(ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団演奏)と「亡き児をしのぶ歌」(ルドルフ・ケンペ指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏)は感傷的で厭世感あふれるオーケストラ伴奏付き歌曲。ピアノ(ダニエル・バレンボイム)伴奏付き歌曲、歌曲集「子供の不思議な角笛」からの5曲と「リュッケルトの詩による5つの歌」も収録
 La Mer, L'Apres-Midi D'Un Faune, Nocturnes, JeuxDebussy/La Mer, L'Après-Midi D'Un Faune, Nocturnes, Jeux (Boulez, 1966/1968)

ドビュッシーの交響詩「海」、「牧神の午後への前奏曲」、「ノクチュルヌ」、「遊戯」を収録。ピエール・ブーレーズ指揮、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団演奏
 Petite Suite, Danses Sacrée Et Profane, Six Épigraphes Antiques, Trois SonatesDebussy/Petite Suite, Danses Sacrée Et Profane, Six Épigraphes Antiques, Trois Sonates (Laskine/Paillard, 1962/1968)

フランス近代音楽の作曲家、クロード・ドビュッシーの小規模編成の管弦楽曲と室内楽曲を収録(Erato)。「小組曲」(アンリ・ビュッセル編曲)と「6つの古代碑銘」(ジャン=フランソワ・パイヤール編曲)は4手連弾のピアノ曲の管弦楽編曲版。「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」はハープ独奏と弦楽合奏のための曲。3つのソナタ、「チェロ・ソナタ」「フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ」「ヴァイオリン・ソナタ」は最晩年に作曲された室内楽曲の逸品。ジャン=フランソワ・パイヤール指揮、リリー・ラスキーヌ(ハープ)、パイヤール室内管弦楽団他演奏
 Arturo Benedetti Michelangeli Plays DebussyDebussy/Arturo Benedetti Michelangeli Plays Debussy (Michelangeli, 1971/1978/1988)

「アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ・プレイズ・ドビュッシー」。ドビュッシーのピアノ曲、「前奏曲集」第1巻・第2巻、「子供の領分」、「映像」第1集・第2集を収録(CD2枚組)。全音音階とアルペジオの使用、和声の平行進行、多彩なリズムと豊かな色彩感覚が特徴のイマジネイティヴな音楽。イタリアのピアニスト、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリによるマニエリスティックな演奏(ドイチェ・グラモフォン)。「映像」第1集・第2集はおすすめ
 Œuvres pour piano IIIDebussy/Œuvres pour piano III (François, 1968-1970)

フランスのピアニスト、サンソン・フランソワが晩年に録音した、フランスの近代音楽・印象主義音楽の作曲家、クロード・ドビュッシーのピアノ曲集の第3集(EMI)。「子供の領分」、「版画」、「ベルガマスク組曲」、「ピアノのために」、「英雄的な子守歌」を収録。奔放で伸び伸びとした美しい演奏。聴きどころはドビュッシーの曲の中で最もポピュラーな「月の光」を含む「ベルガマスク組曲」で、優れたドビュッシー弾きのアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリがこの曲の録音を残さなかったこともあり、名演と目されている。フランソワのドビュッシーはCD3枚組のボックスセット(EMI)もあります
Very good!Debussy, Ravel/String QuartetsDebussy, Ravel/String Quartets (Alban Berg Quartett, 1984)

印象派の弦楽四重奏の名作として著名なドビュッシーとラヴェルの弦楽四重奏曲のカップリング。演奏はアルバン・ベルク四重奏団
 L'Oeuvre pour OrchestreRavel/L'Oeuvre pour Orchestre: Boléro, La Valse, Rapsodie Espagnole (Cluytens, 1961/1962)

ラヴェルの管弦楽曲集。「ボレロ」は2つの旋律を一定のリズムでひたすら繰り返す偏執的なバレエ音楽。アンドレ・クリュイタンス指揮、パリ音楽院管弦楽団演奏
Good!Piano Concertos, Jeux d'eaux, SonatineRavel/Piano Concertos, Jeux d'eaux, Sonatine (Rogé/Dutoit, 1973/1974/1982)

ラヴェルのピアノ協奏曲2曲はジャズの語法を導入した後期の佳品。「水の戯れ」「ソナチネ」はポピュラーなピアノ曲。演奏はシャルル・デュトワ(指揮)、パスカル・ロジェ(p)、モントリオール交響楽団
Very good!Daphnis et ChloéRavel/Daphnis et Chloé (Dutoit, 1980)

ラヴェルのバレエ音楽「ダフニスとクロエ」の全曲版。近代フランスのバレエ音楽の最高傑作。ロシア・バレエ団のディアギレフの依頼により作曲。神秘的な雰囲気が漂う精緻で色彩的な音楽。シャルル・デュトワ(指揮)・モントリオール交響楽団による名演
 Oeuvres Pour PianoRavel/Oeuvres Pour Piano (Perlemuter, 1973)

ラヴェルのピアノ曲集。ヴラド・ペルルミュテル最晩年の録音。「鏡」「亡き(逝ける)王女のためのパヴァーヌ」「水の戯れ」「夜のガスパール」「ソナチネ」他収録の2枚組
 Cavalleria RusticanaMascagni/Cavalleria Rusticana (Serafin, 1960)

イタリアの作曲家、ピエトロ・マスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」(全曲)。タイトルは「田舎の騎士道」のような意味。レオンカヴァッロの「道化師」とならぶヴェリスモ(リアリズム)・オペラの初期の代表作の一つ。ジョヴァンニ・ヴェルガの同名の小説が題材。シチリアを舞台にした扇情的な愛憎劇。ジュリエッタ・シミオナート(メッゾ・ソプラノ)、マリオ・デル・モナコ(テノール)他、トゥリオ・セラフィン指揮、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団・合唱団による演奏
 Also Sprach Zarathustra, Till Eulenspiegel, Don JuanR. Strauss/Also Sprach Zarathustra, Till Eulenspiegel, Don Juan (Karajan, 1972/1973)

ドイツ後期ロマン派の作曲家、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」は、ニーチェの哲学的著作に着想を得た絢爛豪華な管弦楽曲。スタンリー・キューブリックの映画「2001年宇宙の旅」で使用された冒頭の序奏の部分は非常に有名。ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)、ミシェル・シュヴァルベ(vn)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による演奏。カラヤン2度目の録音。交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」、交響詩「ドン・ファン」、「7つのヴェールの踊り」(楽劇「サロメ」より)も収録
 Eine AlpensinfonieR. Strauss/Eine Alpensinfonie (Karajan, 1980)

ドイツ後期ロマン派の作曲家、リヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」(DG)。演奏者は約125名、ワーグナーチューバやウィンドマシーン、サンダーマシーンなども含む、R・シュトラウスの管弦楽曲としては最大規模の作品。アルプス登山を題材にした、交響詩風の描写的な標題音楽。自然の風景や登山者の心情などの描写を含む、雄大かつ崇高な作品。マーラーの交響曲の影響が窺える。ニーチェ由来の「非キリスト教的な自然」という裏テーマを含んでいる。演奏時間は約50分。ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏
 Ein HeldenlebenR. Strauss/Ein Heldenleben (Karajan, 1985)

ドイツ後期ロマン派の作曲家、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」(DG)。4管編成(100人超)の大規模オーケストラのための雄渾で劇的な作品。ベートーヴェンの交響曲第3番(エロイカ)に似たタイプの曲。拡大されたソナタ形式で、切れ目なく続く6つの部分から成る。第2部はヴァイオリン独奏の超絶技巧を含む。第5部ではシュトラウスの過去作品、「死と変容」「ドン・キホーテ」「ドン・ファン」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」「ツァラトゥストラはかく語りき」「マクベス」他の旋律が引用されている。ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。カラヤン3度目の録音(デジタル録音)
 Vier Letzte LiederR. Strauss/Vier Letzte Lieder (Karajan, 1972)

ドイツ後期ロマン派の作曲家、リヒャルト・シュトラウスの「4つの最後の歌」(DG)。ソプラノのための管弦楽伴奏付歌曲集。R・シュトラウスが最晩年の84歳のときに作曲した有名曲で、R・シュトラウスの歌曲の中では最も人気がある。第1曲〜第3曲(「春」「9月」「眠りにつこうとして」)はヘルマン・ヘッセ、第4曲「夕映えの中で」はヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフの詩に曲を付けたもの。生の疲労と死の予感を詠った歌だが、マーラーのような苦悩や諦念ではなく、満ち足りた人生の終わりに死を受け入れるような穏やかな安らぎの感覚に満ちている。沈みゆく夕日を眺めるような第4曲の前奏が特に美しい。ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)、グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による名録音
 Symphony No.2Sibelius/Symphony No.2 (Bernstein, 1986)

フィンランドの作曲家、ジャン・シベリウスの交響曲第2番は20世紀の交響曲のなかでも屈指の人気曲の一つ。北欧的な風情を感じさせる劇的でロマン派的な曲。レナード・バーンスタイン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による遅いテンポの演奏。ライヴ録音
 Finlandia, The Swan of Tuonela, Valse triste, TapiolaSibelius/Finlandia, The Swan of Tuonela, Valse triste, Tapiola (Karajan, 1984)

フィンランドの作曲家、ジャン・シベリウスの管弦楽曲集。後期ロマン派と民族主義をベースにした清澄で優美な音楽。交響詩「フィンランディア」は愛国的情熱あふれる爽快な国民的頌歌。「トゥオネラの白鳥」はイングリッシュ・ホルンを効果的に使用した幻想的な曲。「悲しきワルツ」は劇音楽「クオレマ(死)」のメランコリックな小曲。最後の交響詩「タピオラ」はフィンランドの森の神秘的な雰囲気を表現した傑作曲。ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。デジタル録音
 Symphonies 4 & 5Nielsen/Symphonies 4 & 5 (Blomstedt, 1987)

デンマークの作曲家、カール・ニールセン(カルル・ネルセン)の交響曲の2大傑作、有名な第4番「不滅」(デンマーク語原題「Det Uudslukkelige」)と最高傑作の呼び声が高い第5番を収録。古典的な交響曲の形式をベースにしつつも独自の現代的なスタイルを確立。「北欧のショスタコーヴィチ」のような作風。打楽器の使い方が印象的で、第4番の最終楽章ではティンパニ2台が激しく連打される。ヘルベルト・ブロムシュテット指揮、サンフランシスコ交響楽団演奏
 Adriana LecouvreurCilea/Adriana Lecouvreur (Capuana, 1961)

イタリアの作曲家、フランチェスコ・チレアの歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」(全曲)。18世紀フランスのコメディ・フランセーズの女優、アドリエンヌ・ルクヴルールの生涯を描いた抒情的で甘美なメロドラマ。ヴェリスモ(リアリズム)・オペラ/新イタリア楽派の佳品。「私は創造の神の卑しい僕」と「あなたの中に母の優しさと微笑みを」は名アリアとして名高い。レナータ・テバルディ(ソプラノ)、マリオ・デル・モナコ(テノール)、ジュリエッタ・シミオナート(メッゾ・ソプラノ)他、フランコ・カプアーナ指揮、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団・合唱団による演奏
Very good!Integrale de la Musique pour PianoSatie/Integrale de la Musique pour Piano (Barbier, 1963/1968/1971)

エリック・サティのピアノ曲全集。「ジムノペディ」「グノシエンヌ」は非常に有名。ピアノ演奏はジャン=ジョエル・バルビエ。4枚組CD
Good!Entr'acte, Sonnerie, Musique d'ameublement, VexationsSatie/Entr'acte, Sonnerie, Musique d'ameublement, Vexations (Constant, 1980)

「バレエ『本日休演』の幕間『映画』のための音楽」(バレエ「本日休演」の幕間に上映されたルネ・クレールの映画「幕間」のための音楽)、「家具の音楽」、「ヴェクサシオン」他。現代の環境音楽、BGM、ミニマリズム等の元祖。マリウス・コンスタン指揮。演奏はアルス・ノヴァ合奏団
Good!Orchestral WorksSatie/Orchestral Works (Parade/Trois Gymnopédies/Mercure/Relâche) (Kaltenbach, 1997)

エリック・サティの管弦楽曲集(Naxos)。「パラード」は、旅芸人の客寄せの大道芸を描いた奇抜でユーモラスなバレエのための音楽で、タイプライターやサイレンなどの非楽器による騒音を導入した曲。「3つのジムノペディ」は有名なピアノ曲のドビュッシーとロラン=マニュエルによる管弦楽編曲版。バレエ音楽「メルキュール」、バレエ音楽「ルラーシュ」(本日休演)も収録。ジェローム・カルタンバック指揮、ナンシー歌劇交響楽団演奏
 Die Lustige WitweLehár/Die Lustige Witwe (The Merry Widow) (Gardiner, 1994)

オーストリアの作曲家、フランツ・レハールの喜歌劇「メリー・ウィドウ」(陽気な未亡人。ドイツ語原題:ディー・ルスティゲ・ヴィトヴェ)全曲。大人の恋がテーマのロマンティックなドラマ。世界各国で上演され、米国で映画化もされた(エルンスト・ルビッチ監督)ウィーン・オペレッタの人気作。ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、モンテヴェルディ合唱団による現代的で上品な演奏。ドイツ語による歌唱
 Lyrische SymphonieZemlinsky/Lyrische Symphonie (Maazel, 1981)

マーラーとシェーンベルクの影響を受け、後期ロマン派と新ウィーン楽派の橋渡し的な役割を担ったオーストリアの作曲家・指揮者、アレクサンダー・フォン・ツェムリンスキーの「抒情交響曲」(管弦楽、ソプラノ、バリトンのためのラビンドラナート・タゴールの詩による7つの歌)(DG)。マーラーの「大地の歌」に触発されて作曲された、エキゾチックで官能的な歌曲付き交響曲。連作歌曲のような形式。弦とトロンボーンのグリッサンドが効果的に使われている。アルバン・ベルクはこの曲の第3楽章の主要主題を「抒情組曲」で引用した。ロリン・マゼール指揮、ユリア・ヴァラディ(ソプラノ)とディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)の夫妻、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による古典的名録音
 Le Divin Poème, Le Poème de l'Extase, RêverieScriabin/Le Divin Poème, Le Poème de l'Extase, Rêverie (Ashkenazy, 1990)

「法悦の詩」(交響曲第4番)はロシアの作曲家・ピアニスト、スクリャービンの最も有名な作品で、「神秘和音」と呼ばれる独特の和声法を用いた、官能的で陶酔的な一種の交響詩。ヴラディーミル・アシュケナージ指揮、ベルリン放送交響楽団演奏。「神聖な詩」(交響曲第3番)、交響的楽章「夢」も収録
 Music of the Russian Avant-Garde 1905-1926(Various Artists)/Music of the Russian Avant-Garde 1905-1926 (Woodward, 2009)

「ロシア・アヴァンギャルドの音楽 1905-1926」。帝政ロシア期から革命を経てソヴィエト連邦の成立に至る、20世紀初頭のいわゆる「ロシア・アヴァンギャルド」期のロシアで作曲されたレアなピアノ曲を収録した作品集(celestial harmonies)。アレクサンドル・スクリャービンの「アルバムの綴り」2曲(1905年、1910年)、スクリャービンの息子で11歳で夭折したジュリアン・スクリャービンの「2つの前奏曲 Op.3」(1918年)と「前奏曲」(1919年)、ニコライ・オブーホフの「レヴェレーション」(1915年)と「6つの心理的絵画」(1915年)、アレクセイ・スタンチンスキーの「前奏曲とフーガ ト短調」(1909年)、ボリス・パステルナーク(「ドクトル・ジバゴ」で知られる詩人・小説家)の「2つの前奏曲」(1906年)、「鉄工場」で知られるアレクサンドル・モソロフの「2つの夜想曲 Op.15」(1926年)他を収録。無調的でモダンな曲多数。スクリャービンからの影響を経て独自の無調様式に到達したオブーホフの諸作品は、後のメシアンや第2次大戦後の現代音楽に通じるような先駆的なもので、本作の聴きどころになっている。演奏はオーストラリアのピアニスト、ロジャー・ウッドワード
 Fantasia on a Theme by Thomas Tallis, The Lark Ascending, Five Variants of Dives and Lazarus, Fantasia on GreensleevesVaughan Williams/Fantasia on a Theme by Thomas Tallis, The Lark Ascending, Five Variants of Dives and Lazarus, Fantasia on Greensleeves (Marriner, 1972)

イギリスの作曲家、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズの管弦楽曲集。イギリスの田園風景を想起させるような素朴で牧歌的な作風。「グリーンスリーヴスによる幻想曲」はヴォーン・ウィリアムズの歌劇「恋するサー・ジョン」の間奏曲をラルフ・グリーヴズが編曲したもので、イギリスの民謡をベースにした旋律が非常に有名。「トマス・タリスの主題による幻想曲(タリス幻想曲)」、「揚げひばり(舞い上がるひばり)」、「《富める人とラザロ》の5つのヴァリアント」も収録。サー・ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ演奏
 Symphony No.2Rachmaninov/Symphony No.2 (Previn, 1973)

後期ロマン派の流れを汲むロシアの作曲家・ピアニスト、セルゲイ・ラフマニノフの交響曲第2番ホ短調作品27の完全全曲版(EMI)。甘美なメロディーとロマンティシズムを湛えた長大な交響曲(約1時間)。特に第3楽章アダージョのメロディーが印象的。通俗的な映画音楽のようなドラマティックな盛り上がりとカタルシスがある、聴きやすい曲。かつてはその長大さのため、短縮された改訂版で演奏されることが多かったが、このアンドレ・プレヴィン指揮、ロンドン交響楽団演奏による全曲版の初録音(プレヴィン2回目の録音)以降、全曲版での演奏が普及した
 Piano Concertos No.2 & No.4Rachmaninov/Piano Concertos No.2 & No.4 (Ashkenazy/Haitink, 1984)

ロシアの作曲家/ピアニスト、セルゲイ・ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」(Op.18)は繊細な美しさを湛えた後期ロマン派の名作。映画「逢びき」「七年目の浮気」「旅愁」に使われた曲としても知られている。第3楽章の第2主題は甘美なメロディーで有名。演奏はヴラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団。ベルナルト・ハイティンク指揮。アシュケナージ3度目の録音。「ピアノ協奏曲第4番ト短調」(Op.40)も収録
Good!Varèse/Amériques, Ives/Symphony No.4, The Unanswered QuestionVarèse/Amériques, Ives/Symphony No.4, The Unanswered Question (Dohnányi, 1992-1994)

フランス生まれの(アメリカに帰化した)作曲家、エドガー・ヴァレーズの「アメリカ」は、2つのティンパニ・セットとサイレンを含む、11人の打楽器奏者を伴う大オーケストラのために書かれた曲で、多彩な音色と切れ味のいいリズムが特色のノイジーな音楽。イタリア未来派とストラヴィンスキーの影響が強い。アメリカの作曲家、チャールズ・アイヴズの交響曲第4番は、賛美歌、行進曲、学生歌などの断片的な引用を集積した超ポリフォニックな曲。マーラーよりもマーラー的。クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮、クリーヴランド管弦楽団、同合唱団による演奏
 Holidays SymphonyIves/Holidays Symphony (Thomas, 1986)

アメリカ合衆国の作曲家、チャールズ・アイヴズの交響曲「ニューイングランドの祝日」、別名「祝日交響曲(ホリデイズ・シンフォニー)」は、1897〜1913年に別々に作曲された4つの管弦楽曲を1つに組み合わせたもので、引用と不協和音を多用した、印象主義的な音詩(tone poem)の連作のような作品。アイヴズが19世紀末にコネチカット州ダンベリーで過ごした幼少期の記憶にインスパイアされたもので、行進曲や賛美歌、愛国歌などの引用を含んでいる。「ワシントンの誕生日」「戦没将兵記念日」「独立記念日(7月4日)」「感謝祭と先祖の日」の4楽章からなる。第3楽章「独立記念日(7月4日)」は、各パートによる別々の曲の演奏が重層的に重なりあう、スキゾフレニックな乱痴気騒ぎの様相を呈している。マイケル・ティルソン・トーマス指揮、シカゴ交響楽団・シカゴ交響合唱団演奏(SONY)
Good!Verklärte Nacht, StreichtrioSchöenberg/Verklärte Nacht, Streichtrio (Lasalle Quartet, 1982)

「浄夜」(弦楽六重奏版)はシェーンベルクの初期の佳曲。末期ロマン派における調性崩壊の予感。弦楽三重奏曲はセリー(音列)技法による晩年の作品。演奏はラサール弦楽四重奏団
 OrchesterwerkeSchoenberg, Berg, Webern/Orchesterwerke (Karajan, 1972-1974)

「新ウィーン楽派管弦楽曲集」(3枚組CD)。シェーンベルクの交響詩「ペレアスとメリザンド」(op.5)は後期ロマン派風の初期作品。シェーンベルクの「管弦楽のための変奏曲」(op.31)は12音技法による最初の管弦楽曲(かっこいいです)。「管弦楽のための3つの小品」(op.6/1929年改訂版)はベルクの唯一の管弦楽曲。他にはシェーンベルクの「浄夜」(弦楽合奏版)、ベルクの「抒情組曲からの3つの小品」(弦楽合奏版)、ヴェーベルンの「管弦楽のためのパッサカリア」(op.1)、「弦楽四重奏のための5つの楽章」(op.5/弦楽合奏版)、「管弦楽のための6つの小品」(op.6)、「交響曲」(op.21)を収録。ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。現代音楽を好まない人にもお勧めできる魅惑的な演奏
Good!Pierrot LunaireSchöenberg/Pierrot Lunaire (Boulez/Schäfer, 1997/1998)

シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」は、語り(「シュプレッヒシュティンメ」と呼ばれる、語りと歌の中間のような唱法の女声)、ピアノ、フルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロのために書かれた、不気味で病的な声楽曲。無調をベースにした表現主義音楽の傑作。ピエール・ブーレーズ指揮、メンバー・オブ・アンサンブル・アンテルコンタンポラン演奏。ブーレーズ3度目の録音。ソプラノ/朗読はクリスティーネ・シェーファー
 Die JakobsleiterSchöenberg/Die Jakobsleiter (Boulez, 1980)

シェーンベルクの「ヤコブの梯子」(SONY)。独唱、合唱と管弦楽のためのオラトリオ。旧約聖書の「創世記」、バルザックの「セラフィタ」、ストリンドベリの「ヤコブの戦い」等にインスパイアされた神秘主義的な声楽曲。12音技法への移行前の表現主義、無調時代の作品で、「月に憑かれたピエロ」と同様の語り風の声楽とヘクサコードを使用。未完に終わったが、第1部のオーケストレーションを弟子のヴィンフリート・ツィリヒが完成させている。ピエール・ブーレーズ指揮、BBC交響楽団、BBCシンガーズによる演奏。初期作品の「室内交響曲第1番」(作品9)、「映画の一場面の伴奏音楽」(作品34)も収録
 GurreliederSchöenberg/Gurrelieder (Rattle, 2001)

シェーンベルクの「グレの歌」。5人のソリスト、語り、合唱と超特大オーケストラによる大規模な歌曲(演奏者は総勢400人)。官能性を湛えた後期ロマン派の亡霊。サイモン・ラトル(指揮)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるライヴ録音
 Moses und Aron, Chamber Symphony No.2Schoenberg/Moses und Aron, Chamber Symphony No.2 (Boulez, 1974/1980)

未完の3幕オペラ「モーゼとアロン」はシェーンベルクの代表作の一つ。12音技法により作曲され、語り(シュプレッヒシュティンメ)、独唱、合唱を含む。ドイツ語の台本は旧約聖書の「出エジプト記」を題材に、ユダヤ人の立場から独自の解釈を加えたもの。第1・2幕はオーケストレーションも含め完成されているが第3幕は未完。弟子のアルバン・ベルクが作曲した「ヴォツェック」に続く無調オペラの傑作の一つ。ピエール・ブーレーズ指揮、BBC交響楽団演奏。「室内交響曲第2番」(作品38)も収録(SONY、2枚組CD)
Good!The Piano MusicSchöenberg/The Piano Music (Pollini, 1974)

シェーンベルクのピアノ作品集。番号付きのピアノ曲をすべて収録。マウリツィオ・ポリーニによるクールで明晰な演奏。「3つのピアノ曲」(op.11)は初期の無調的な作品。「6つのピアノ小品」(op.19)で調性をほぼ完全に放棄し、その後「5つのピアノ曲」(op.23)と「ピアノ組曲」(op.25)で12音技法を確立
Good!Schoenberg/Piano Concerto, Klavierstücke, opp.11 & 19, Berg/Sonata, Webern/VariationsSchoenberg/Piano Concerto, Klavierstücke, opp.11 & 19, Berg/Sonata, Webern/Variations (Uchida/Boulez, 1998/2000)

シェーンベルクがアメリカ合衆国に亡命中の1942年に作曲した「ピアノ協奏曲」(作品42)は、12音技法により作曲された曲だが、「ウィーン古典派・ミーツ・音列技法(セリアリズム)」のような端正かつ古典回帰的な作品。内田光子(p)、ピエール・ブーレーズ(指揮)、クリーヴランド管弦楽団による演奏。シェーンベルクの初期のピアノ独奏曲2曲、「3つのピアノ曲」と「6つのピアノ小品」、ヴェーベルンの「ピアノのための変奏曲」、ベルクの「ピアノ・ソナタ」も収録
Good!Schoenberg, Sibelius/Violin ConcertosSchoenberg, Sibelius/Violin Concertos (Hahn/Salonen, 2007)

12音技法の超難曲として知られ、滅多に演奏・録音されることがないシェーンベルクの「ヴァイオリン協奏曲」(作品36)と、シベリウスのポピュラーな「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」(作品47)というユニークなカップリング(DG)。米国のヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンとエサ=ペッカ・サロネン指揮、スウェーデン放送交響楽団による、後期ロマン派的な抒情を湛えつつも現代的でシャープな演奏。シェーンベルクの「ヴァイオリン協奏曲」でのヒラリー・ハーンの神業的な超絶技巧のヴァイオリン・ソロが聴きどころ。ビルボードのクラシカル・チャートで1位を記録したヒット作
Good!Das Gesamtwerk Opp.1-31Webern/Das Gesamtwerk Opp.1-31 (Boulez, 1967-1972/1932)

ヴェーベルンの作品番号付きの曲を全曲収録した全集。「弦楽四重奏のための5楽章」、「大管弦楽のための6つの小品」、「管弦楽のための5つの小品」、「弦楽三重奏曲」、「弦楽四重奏曲」、「カンタータ」第1番、第2番他。12音技法と音列主義の厳格な適用。極度に純化され圧縮された簡潔な音楽。指揮はピエール・ブーレーズ。演奏はジュリアード四重奏団とロンドン交響楽団。J.S.バッハの「6声のリチェルカーレ」(「音楽の捧げ物」より。ヴェーベルン編曲)とシューベルトの「ドイツ舞曲」(ヴェーベルン編曲・指揮)も収録
Good!Piano Works of New Viennese SchoolSchöenberg, Webern, Berg/Piano Works of New Viennese School (Takahashi, 1977)

「新ウィーン楽派ピアノ作品集」。シェーンベルク、ヴェーベルン、ベルクのピアノ作品全曲を収録。シェーンベルク「ピアノ組曲」(作品25)、ヴェーベルン「変奏曲」(作品27)、ベルク「ピアノ・ソナタ」(作品1)他。日本の現代音楽のピアニスト/作曲家、高橋悠治(p)の演奏。シェーンベルク「4手のための6つのピアノ曲」では坂本龍一が第2ピアノで参加
 Famous Violin PiecesKreisler/Famous Violin Pieces (Perlman, 1975/1976/1978)

クライスラー「ヴァイオリン名曲集」。20世紀前半に活動したオーストリア出身のヴァイオリニスト・作曲家で、甘美な音色と洗練された節回し、親しみやすい旋律のヴァイオリンの小曲で知られるフリッツ・クライスラーが作曲・編曲したヴァイオリン小曲集(EMI)。「ウィーン奇想曲 作品2」、「美しきロスマリン」、「愛の喜び」、「愛の悲しみ」は特に有名なクライスラーのオリジナル曲。編曲は「ロンドンデリー・エア」(アイルランド民謡)、「ハンガリー舞曲 第17番」(ブラームス)、「スラヴ舞曲 第3番」(ドヴォルザークのピアノ4手連弾曲集、作品72、第8番)、「無言歌:5月のそよ風」(メンデルスゾーン)、「アンダンテ・カンタービレ」(チャイコフスキーの「弦楽四重奏曲第1番」)、「スペイン舞曲」(ファリャの歌劇「はかなき人生」より)、「カプリース 第20番」(パガニーニ)他を収録。演奏はイツァーク・パールマン(ヴァイオリン)、サミュエル・サンダース(ピアノ)。クライスラーの歌謡性が堪能できる官能的な演奏
 El Sombrero de Tres Picos, El Amor BrujoFalla/El Sombrero de Tres Picos, El Amor Brujo (Ansermet, 1955/1961)

「三角帽子」はスペインの作曲家、マヌエル・デ・ファリャ作のバレエ音楽の傑作。アラルコンの小説が題材。スペインの民族舞踊のスタイルを用いた、ユーモラスで明るい曲。色彩豊かなオーケストレーション。エルネスト・アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団、テレサ・ベルガンサ(メゾソプラノ)による演奏。アンダルシアのジプシー音楽のスタイルを用いたバレエ音楽「恋は魔術師」と、最初の歌劇「はかなき人生」の間奏曲・舞曲も収録
 Klavierkonzerte Nr.1 & 2Bartók/Klavierkonzerte Nr.1 & 2 (Abbado/Pollini, 1977)

ハンガリー出身の現代音楽の作曲家、バルトークのピアノ協奏曲第1番・第2番。第2番は打楽器のような奏法のピアノと管楽器がメインの傑作として有名。クラウディオ・アバド指揮、シカゴ交響楽団、マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)演奏
 Concerto for Orchestra, Music for Strings, Percussion & CelestaBartók/Concerto for Orchestra, Music for Strings, Percussion & Celesta (Solti, 1981/1989)

バルトークの二大管弦楽曲、「管弦楽のための協奏曲」「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」を収録。ゲオルグ・ショルティとシカゴ交響楽団による豪快な演奏。「弦チェレ」の第三楽章(アダージョ)はホラー映画「シャイニング」のBGMとしても有名
 Bartók/Sonate für 2 Klaviere und Schlagzeug, Ravel/Rapsodie espagnole, Ma Mère l'OyeBartók/Sonate für 2 Klaviere und Schlagzeug, Ravel/Rapsodie espagnole, Ma Mère l'Oye (Argerich/Freire/Sadlo/Guggeis, 1993)

バルトークの「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」は、新古典主義の影響下、東欧の民俗音楽の素材を近代的に再構築した、パーカッシヴで鋭角的な響きの曲。演奏者は、ピアノがマルタ・アルゲリッチとネルソン・フレイレ、打楽器がペーター・ザードロとエドガー・ガッジース。ラヴェルの「スペイン狂詩曲」と「マ・メール・ロワ」の編曲版(2台のピアノと打楽器による演奏)も収録
Good!String Quartets Nos.1-6Bartók/String Quartets Nos.1-6 (Alban Berg Quartett, 1983-1986)

バルトークの弦楽四重奏曲全集(全6曲)。20世紀室内楽の逸品。演奏はアルバン・ベルク四重奏団
Good!Zoltán Kocsis Plays Bartók (The Works for Solo Piano)Bartók/Zoltán Kocsis Plays Bartók (The Works for Solo Piano) (Kocsis, 1991-1999)

「コチシュ・プレイズ・バルトーク〜ピアノ・ソロ作品全曲」。ハンガリーのピアニスト、ゾルターン・コチシュによるバルトークのピアノ独奏作品の全曲録音(CD8枚組)。「14のバガテル」は初期の前衛的な作品。「アレグロ・バルバロ」は「野蛮人」バルトークの代表作。「組曲」(Op.14)は東欧(ハンガリー、ルーマニア)の民俗音楽を素材とする作曲技法を集約した傑作。「ミクロコスモス」は有名なピアノ学習用の練習曲集。その他「6つのルーマニア民俗舞曲」、「子供のために」、「ピアノ・ソナタ」、「戸外にて」、「15のハンガリー農民歌」等を収録
 Choral WorksBartók/Choral Works (Vásárhelyi/Szabó/Doráti, 1966/1970/1971)

ハンガリーの作曲家、バルトーク・ベーラが東欧(ハンガリー、スロヴァキア)の民謡を元に作曲した合唱曲を集めたもの。1994年にハンガリーのフンガロトン(Hungaroton)・レコードから発売されたCD。「4つの古いハンガリー民謡」(無伴奏男声4部合唱、Sz.50、1910年版)、「4つのハンガリー民謡」(無伴奏混声合唱、Sz.93)、「3つの村の情景」(2人のソプラノ、合唱と室内オーケストラ、Sz.79)、「セーケイの歌」(無伴奏男声6部合唱、Sz.99)、「過ぎ去った時より」(無伴奏男声3部合唱、Sz.104)、「オーケストラ伴奏による7つの合唱曲」(Sz.103)を収録。演奏はハンガリー陸軍男声合唱団、スロヴァキア・フィルハーモニー合唱団、ジェール少女合唱団、リスト・フェレンツ音楽院室内合唱団、ブダペスト室内アンサンブル、ブダペスト交響楽団。指揮はソルタン・ヴァシャヘリ、ミクロス・サボー、アンタル・ドラティ。ハンガリー語とスロヴァキア語による歌唱
 Bluebeard's CastleBartók/Bluebeard's Castle (Boulez, 1976)

ハンガリーの作曲家、バルトークの唯一のオペラ「青ひげ公の城」(SONY)。一幕物で、演奏時間は約1時間。暗く禍々しい雰囲気の幻想的なオペラ。民謡的な五音音階(ペンタトニック・スケール)の多用と豊かな色彩感。台本は、詩人のベラ・バラージュがシャルル・ペローの童話「青ひげ」とモーリス・メーテルリンクの戯曲「アリアーヌと青ひげ」を元にして書いたもの。ピエール・ブーレーズ指揮、BBC交響楽団演奏。歌手はジークムント・ニムスゲルン(バス)とタチアーナ・トロヤノス(メゾソプラノ)。ブーレーズはこのオペラを2回録音しているが、これは旧盤の方。オリジナルのハンガリー語の歌詞による演唱
 Háry-János-Suite, Marosszéker Tänze, Tänze aus Galánta, Psalmus hungaricusKodaly/Háry-János-Suite, Marosszéker Tänze, Tänze aus Galánta, Psalmus hungaricus (Fricsay, 1953/1954/1961)

ハンガリーの作曲家、ゾルターン・コダーイの管弦楽曲集。ハンガリー民謡の影響が強い。素朴な民族性と野趣にあふれた音楽。組曲「ハーリ・ヤーノシュ」はオペラ(ジングシュピール)「ハーリ・ヤーノシュ」の編曲版。「マロシュセーク舞曲」、「ガラーンタ舞曲」、「ハンガリー詩編」も収録。フェレンツ・フリッチャイ(指揮)、エルンスト・ヘフリガー(テノール)、ベルリン放送交響楽団による演奏
 Pini di Roma, Feste Romane, Fontane di RomaRespighi/Pini di Roma, Feste Romane, Fontane di Roma (Dutoit, 1982)

イタリアの作曲家、レスピーギの交響詩3曲(ローマ三部作)、「ローマの松」、「ローマの祭り」、「ローマの噴水」を収録。色彩感豊かで華麗な管弦楽法。シャルル・デュトワ(指揮)・モントリオール交響楽団による優雅で美しい演奏
Very good!Le Sacre du printempsStravinsky/Le Sacre du Printemps (Boulez, 1969)

ロシアの作曲家、イーゴリ・ストラヴィンスキーの「春の祭典」(SONY)は、ディアギレフのロシア・バレエ団のために書かれたバレエ音楽。原始的で複雑なリズム、変拍子、不協和音、強烈なブラス・アタックを多用した刺激的な曲。ピエール・ブーレーズ2回目の録音(クリーヴランド管弦楽団、1969年)は、この曲を現代音楽として聴くのに適した、鮮烈で構造分析的な演奏。ストラヴィンスキーのもう一つのバレエ音楽の名作「ペトルーシュカ」も収録
 Stravinsky/The Firebird, Bartók/The Miraculous MandarinStravinsky/The Firebird, Bartók/The Miraculous Mandarin (Boulez, 1971/1975)

ストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」(1910年原典版)とバルトークのバレエ音楽「中国の不思議な役人」(全曲版)を収録。ピエール・ブーレーズ(指揮)、ニューヨーク・フィルハーモニックによる色彩感あふれる鮮やかな演奏。「中国の不思議な役人」はストラヴィンスキーの「春の祭典」に影響された退廃的な曲
 Histoire du SoldatStravinsky/Histoire du Soldat (Markevitch, 1962)

「兵士の物語」。「読まれ、演じられ、踊られる」一種の音楽劇。小説家のシャルル・フェルディナン・ラミューズがロシアの民話「脱走兵と悪魔」を元にしてフランス語で台本を書き、ストラヴィンスキーが7人の演奏者(ヴァイオリン、クラリネット、ファゴット、トランペット、トロンボーン、コントラバス、打楽器)からなる小編成のアンサンブルと語り手と俳優(悪魔、兵士、王女)のために作曲。変拍子を多用し、アメリカのラグタイム/ディキシーランド・ジャズを消化した、奇妙でユニークな音楽。指揮はイーゴリ・マルケヴィチ。演奏はアンサンブル・ド・ソリスト。語り手はフランスの作家/詩人のジャン・コクトー
Good!Stravinsky/Pétrouchka, Prokofiev/Sonate No.7, Webern/Variationen op.27, Boulez/Sonate No.2Stravinsky/Pétrouchka, Prokofiev/Sonate No.7, Webern/Variationen op.27, Boulez/Sonate No.2 (Pollini, 1971/1976)

マウリツィオ・ポリーニが1970年代に録音した20世紀の現代ピアノ曲4作品を収録。ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」からの3楽章やブーレーズの「第2ピアノ・ソナタ」などの超難曲を余裕で弾きこなすポリーニの超人的な技巧が驚異的。プロコフィエフの「ピアノ・ソナタ第7番」とヴェーベルンの「ピアノのための変奏曲」も収録
 Wozzeck, LuluBerg/Wozzeck, Lulu (Böhm, 1965/1968)

オーストリアの作曲家で新ウィーン楽派の一人、アルバン・ベルク作曲の歌劇2作品を収録。ゲオルク・ビュヒナーの戯曲が原作の「ヴォツェック」は12音技法をベースにした無調音楽によるオペラの有名作。カール・ベーム指揮、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(ヴォツェック役)、イヴリン・リアー(マリー役)、フリッツ・ヴンダーリッヒ(アンドレス役)他。「ルル」はフランク・ヴェデキントの戯曲が原作の未完のオペラ(2幕版)
Good!Violin Concerto, Three Orchestral PiecesBerg/Violin Concerto, Three Orchestral Pieces (Kremer, 1983/1984)

アルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲は12音技法による調性的な佳曲。サー・コリン・デイヴィス指揮、ギドン・クレーメル(vn)、バイエルン放送交響楽団演奏
 Mozart 13 BergMozart 13 Berg (Mozart/Gran Partita, Berg/Chamber Concerto) (Boulez/Tetzlaff/Uchida, 2008)

ともに13の管楽器を使用する2作品、モーツァルトの「セレナード第10番変ロ長調《グラン・パルティータ》」とベルクの「ピアノ、ヴァイオリンと13の管楽器のための室内協奏曲」のカップリング(DECCA)。ピエール・ブーレーズ指揮、アンサンブル・アンテルコンタンポラン演奏。ブーレーズのモーツァルト初録音となる「グラン・パルティータ」は清澄な響きの細密画のような演奏。クリスティアン・テツラフ(vn)、内田光子(p)を加えたベルクの「室内協奏曲」は後期ロマン派寄りの解釈。ブーレーズと内田は2000年にシェーンベルクの「ピアノ協奏曲」の名録音で共演しているが、この「室内協奏曲」もかなりいい
Good!The PlanetsHolst/The Planets (Dutoit, 1986)

英国の作曲家、ホルストの組曲「惑星」。シャルル・デュトワ指揮、モントリオール交響楽団による精妙で繊細な演奏
 惑星Holst/The Planets (Tomita, 1976)

日本の作曲家・編曲家・シンセサイザー奏者の冨田勲がグスターヴ・ホルストの管弦楽組曲「惑星」をモーグ・シンセサイザーとメロトロンを使用して演奏した作品。「月の光」(ドビュッシー、1974年)、「展覧会の絵」(ムソルグスキー、1975年)、「火の鳥」(ストラヴィンスキー、1976年)に続いて1977年に米国のRCAレコードから「Tomita」名義でリリースされた4枚目のアルバム。太陽系を横断する宇宙船の旅を模したようなスペクタクルな立体音響作品であり、ロケットの発射音や管制塔との交信音などのSEも使われている。1970年代の電子音楽の黎明期における先駆的な名作の一つ
 Bachianas BrasileirasVilla-Lobos/Bachianas Brasileiras (Capolongo, 1973)

ブラジルの作曲家、エイトル・ヴィラ=ロボスが1930〜1940年代に作曲した全9篇の連作「バッキアーナス・ブラジレイラス(ブラジル風バッハ)」より第2番・第5番・第6番・第9番を収録。バッハの作風(ポリフォニー、対位法)とブラジルの民俗音楽・ポピュラー音楽(ショーロ等)を基にしたもの。管弦楽(第2番)、ソプラノとチェロ8台(第5番)、弦楽合奏(第9番)等の多彩な編成。ポール・カポロンゴ指揮、パリ管弦楽団演奏
 Complete Music for Solo GuitarVilla-Lobos/Complete Music for Solo Guitar (Kraft, 1998-1999)

ヴィラ=ロボス「ギター独奏曲全集」。ブラジルの作曲家、エイトル・ヴィラ=ロボスは膨大な作品数で知られているが、ギターソロ曲は非常に少なく、この1枚のCD(NAXOS)に収録されているのが全て。「ショーロス」第1番、「ブラジル民謡組曲」第1〜5番、「12の練習曲」、「5つの前奏曲」を収録。ブラジルの民俗音楽をベースにした、エキゾチックな情緒と哀愁を湛えた音楽。ギター演奏はカナダのギタリスト、ノーバート・クラフト
 Chants d'Auvergne (selection)Canteloube/Chants d'Auvergne (selection) (Kiri Te Kanawa, 1982-1984)

カントルーブの「オーヴェルニュの歌」(選集)。フランスの作曲家、ジョゼフ・カントルーブが自身の生まれ故郷のオーヴェルニュ地方の民謡にオーケストラ伴奏を付けて編曲した歌集(全5巻27曲)から21曲を収録した選集。フランスの田舎の田園風景のように爽やかで美しい音楽。キリ・テ・カナワ(ソプラノ)、ジェフリー・テイト指揮、イギリス室内管弦楽団演奏
 Stabat Mater, Litany To the Virgin Mary, Symphony No.3Szymanowski/Stabat Mater, Litany to the Virgin Mary, Symphony No.3 (Rattle, 1993)

20世紀前半のポーランドにおける最も著名な作曲家、カロル・シマノフスキの作品集(EMI)。交響曲第3番「夜の歌」(1914-1916年)は、13世紀ペルシアの神秘主義の詩人、ジャラール・アッディーン・ルーミーの詩をテクストとして使用した、混声合唱、テノール独唱、大編成オーケストラのための単一楽章の作品で、スクリャービンやドビュッシー、シェーンベルク等の影響下、無調や半音階、印象主義、神秘主義の要素を導入し、東方・アラブ的な異国趣味と官能性を湛えたユニークな曲。ソプラノ、アルト、バリトン独唱、混声合唱およびオーケストラのための「スターバト・マーテル」(1925-1926年)は、カトリック教会の聖歌のラテン語典礼文のポーランド語訳による神秘的な合唱音楽で、シマノフスキの最高傑作と目され、グレツキやペルトなどの後の作曲家に多大な影響を与えている。ソプラノ、女声合唱、オーケストラのための「聖母マリアへの連祷」(1930-1933年)も収録。サー・サイモン・ラトル指揮、バーミンガム市交響楽団・合唱団による演奏
 EscalesIbert/Escales (Dutoit, 1992)

ジャック・イベールは「6人組」のダリウス・ミヨー、アルテュール・オネゲルと親交が深かった20世紀フランスの作曲家。ユーモアと機知(エスプリ)、新古典主義音楽のような明晰さに富んだ優雅な管弦楽曲集。「寄港地─3つの交響的絵画」、フルート協奏曲、交響組曲「パリ」他を収録。精緻なオーケストレーション。シャルル・デュトワ(指揮)・モントリオール交響楽団による演奏
 Symphony 1, Symphony 5Prokofiev/Symphony 1 "Classical", Symphony 5 (Dutoit, 1988)

プロコフィエフの交響曲第1番「古典」はハイドンの交響曲の現代版のような簡潔で(約15分)小気味のよい曲。交響曲第5番は20世紀の交響曲の最高峰の一つ。モダニズムとロシアの伝統的な叙情性が渾然一体となった壮麗な曲。シャルル・デュトワ(指揮)・モントリオール交響楽団による演奏
Good!Prokofiev/Symphony No.3, Varèse/Arcana, Mosolov/Iron FoundryProkofiev/Symphony No.3, Varèse/Arcana, Mosolov/Iron Foundry (Chailly, 1991/1992)

不協和音とダイナミックなリズムが特徴の1920年代のモダニスティック/アヴァンギャルドな管弦楽曲集(プロコフィエフ、ヴァレーズ、モソロフ)(Decca)。プロコフィエフの「交響曲第3番」はバレエ音楽「炎の天使」の主題と素材を用いた曲で、第3楽章の13声部に分かれた弦楽器群による奇怪なグリッサンドが印象的。ヴァレーズの「アルカナ」は40の打楽器を含む大オーケストラのための作品。モソロフの交響的エピソード「鉄工場」はバレエ音楽「鉄鋼」を編曲した小品(約3分半)で、ロシア・アヴァンギャルドの音楽として有名。オネゲルの「パシフィック231」と同じく機械の律動をモティーフにした作品であり、半音階と機械的なリズム、オスティナート(執拗反復)技法が特徴。リッカルド・シャイー指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団演奏
Good!Romeo and JulietProkofiev/Romeo and Juliet (highlights) (Dutoit, 1990)

シェイクスピアの戯曲を題材とするプロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」は、モダンバレエの最高傑作の一つ。シャルル・デュトワ(指揮)・モントリオール交響楽団による抜粋(ハイライト)盤。激しい打楽器音や不協和音を使用した、鮮烈で躍動的な作品だが、叙情的で美しい音楽も含まれている
 CinderellaProkofiev/Cinderella (the complete ballet) (Ashkenazy, 1983)

プロコフィエフのバレエ音楽「シンデレラ」の全曲盤(DECCA)。シャルル・ペローの童話が原作。50曲の短い曲の連鎖からなる。プロコフィエフによるモダンバレエの傑作「ロメオとジュリエット」よりもロマン派寄りで抒情的、かつ伝統的なバレエ様式に忠実な作風。メロディアスで聴きやすい。ヴラディーミル・アシュケナージ指揮、クリーヴランド管弦楽団演奏。チャイコフスキーのバレエ音楽を好む方におすすめ
 Prokofiev/Piano Concerto No.3Prokofiev/Piano Concerto No.3 (Argerich, 1967)

「ピアノ協奏曲第3番ハ長調」(作品26)はプロコフィエフが作曲した5曲のピアノ協奏曲の中でも最も広く親しまれている作品。ロマン的な抒情性、旋律美と不協和音を多用したモダンな響きとが程よく均衡を保った、ダイナミックで小気味の良い曲。アルゼンチン出身のピアニスト、マルタ・アルゲリッチが若い頃(26歳)にDG(ドイチェ・グラモフォン)でクラウディオ・アバド(指揮)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と録音した鮮烈な演奏。ラヴェルの「ピアノ協奏曲ト短調」、「夜のガスパール」も収録
 Violin Sonatas Nos.1 and 2Prokofiev/Violin Sonatas Nos.1 and 2 (Shoji, 2003)

旧ソ連の社会主義リアリズム政策のもとで書かれたプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ2曲、第1番・第2番を収録。第1番は陰鬱な抒情を湛えた内省的な曲。第2番は古典的な平明さを感じさせる明朗な曲。1999年に史上最年少(16歳)、かつ日本人として初めてパガニーニ国際コンクールで優勝したヴァイオリニスト、庄司紗矢香(vn)と、リトアニア生まれのイスラエル人ピアニスト、イタマール・ゴラン(p)による、繊細なニュアンスにあふれた演奏。ショスタコーヴィチの「4つの前奏曲」と「10の前奏曲」(「24の前奏曲」作品34の曲をドミトリ・ツィガーノフがヴァイオリンとピアノのために編曲したもの)も収録
 5 Symphonies (complete)Honegger/5 Symphonies (complete) (Baudo, 1960/1963/1973)

オネゲル「交響曲全集」。フランス生まれのスイスの作曲家で近代フランス6人組の1人、アルテュール・オネゲルの交響曲全5曲とその他の管弦楽曲3曲を収録した2枚組CD。不協和音を多用した現代的な管弦楽法。古典的な対位法をベースにした、構築的でキビキビとした音楽。ポスト印象派〜新古典主義的な作風。交響曲第2番、第3番「典礼風」、第4番「バーゼルの喜び」、第5番「三つのレ」はよく演奏・録音される人気曲。交響的運動第1番「機関車パシフィック231」は蒸気機関車の動きを表現した管弦楽曲。セルジュ・ボド指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団演奏
Good!Jeanne d'Arc au Bûcher, Une Cantate de NoëlHonegger/Jeanne d'Arc au Bûcher, Une Cantate de Noël (Baudo, 1966/1974)

フランス生まれのスイスの作曲家で近代フランス6人組の1人、アルテュール・オネゲルの劇的オラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」(1935年)と「クリスマス・カンタータ」(1953年)を収録した2枚組CD。「火刑台上のジャンヌ・ダルク」(セルジュ・ボド指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団演奏)は、独唱、語り、児童合唱、混声合唱、オンド・マルトノ(電子楽器)をフィーチュアした、オペラや受難曲のようなスタイルのドラマティックで感動的な舞台作品。オネゲルの遺作となった作品「クリスマス・カンタータ」(セルジュ・ボド指揮、プラハ交響楽団演奏)も非常に印象的な声楽曲
 Mathis Der Maler, Trauermusik, Symphonic Metamorphoses on Themes of WeberHindemith/Mathis Der Maler, Trauermusik, Symphonic Metamorphoses on Themes of Weber (Blomstedt, 1987)

ドイツの作曲家、パウル・ヒンデミットの新古典主義時代の作品集。「画家マチス」は、16世紀ドイツの画家、マティアス・グリューネヴァルトの史実に基づく同名の歌劇の3つの部分をまとめた交響曲で、後期ロマン的な近代和声と古典的な対位法による濃厚な曲。「葬送音楽―ヴィオラと弦楽合奏のための」は英国のキング・ジョージV世の追悼のために書かれた曲。「ヴェーバーの主題による交響的変容」はヴェーバーのピアノ曲と劇付随音楽の主題を用いた交響曲的構成の人気曲。ヘルベルト・ブロムシュテット指揮、サンフランシスコ交響楽団演奏
Good!The 3 Piano SonatasHindemith/The 3 Piano Sonatas (Gould, 1966/1967/1973)

グレン・グールド(p)による現代曲録音の傑作の一つ。ドイツの作曲家、パウル・ヒンデミットのピアノ・ソナタ3曲(1936年出版)、第1番「マイン川」・第2番・第3番を収録。無調的だが明快で叙情性あふれる音楽。グールドが「法悦と理性の融合、すなわち休息」と表現した独特のスタイル。現代曲としては比較的とっつきやすい。おすすめです
Good!Violin Sonatas & ConcertoHindemith/Violin Sonatas & Concerto (Zimmermann, 2009)

ドイツの作曲家、パウル・ヒンデミットが1918-1939年に作曲したヴァイオリンのための作品を収録(BIS)。いずれの曲も不協和音と調性的な曖昧さを含むが、新古典主義またはネオバロックの語法に基づいた体位法的で明晰な安定性があり、抒情的でメロディック。「ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調」(Op.11-1、1918年)、「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」(Op.31-2、1924年)、「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ホ調」(1935年)、「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ハ調」(1939年)、「ヴァイオリンとオーケストラのための協奏曲」(1939年)を収録。ヴァイオリン協奏曲は指揮者のウィレム・メンゲルベルクに委嘱された作品で、ヒンデミットのヴァイオリン作品の最高峰と目される。演奏はフランク・ペーター・ツィンマーマン(ヴァイオリン)、エンリコ・パーチェ(ピアノ)、パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)、フランクフルト放送交響楽団。ツィンマーマンの艶やかで流麗な演奏が聴きどころ
 Carmina BuranaOrff/Carmina Burana (Jochum, 1967)

ドイツの作曲家、カール・オルフの世俗的歌曲「カルミナ・ブラーナ」。主にラテン語で書かれた中世ヨーロッパの詩歌集に基づく世俗カンタータ。単旋律的で反復的でシンプルな音楽。猥雑な歌詞。オイゲン・ヨッフム指揮、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団・合唱団による演奏。独唱(グンドゥラ・ヤノヴィッツ/ソプラノ、ゲルハルト・シュトルツェ/テノール、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ/バリトン)が秀逸
 Gershwin/Rhapsody in Blue, An American in Paris, Grofé/Grand Canyon SuiteGershwin/Rhapsody in Blue, An American in Paris, Grofé/Grand Canyon Suite (Bernstein, 1959/1964)

アメリカの作曲家2人の管弦楽曲集。ジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」(クラシックとジャズを融合した有名曲。ファーディ・グローフェ編曲のオーケストラ版。コロンビア交響楽団演奏)と「パリのアメリカ人」(ニューヨーク・フィルハーモニック演奏)、ファーディ・グローフェの組曲「大峡谷(グランドキャニオン)」(ニューヨーク・フィルハーモニック演奏)を収録。レナード・バーンスタイン指揮
 Piano WorksPoulenc/Piano Works (Rogé, 1986/1989)

プーランク「ピアノ曲集」。フランス近代音楽の作曲家でフランス6人組の一人、フランシス・プーランクのピアノ曲集(CD2枚組)。「ナゼルの夜」、「3つのノヴェレッテ」、「3つの常動曲」、「3つの小品」、「ユモレスク」、「8つの夜想曲」、「2つの間奏曲」他を収録。旋律と和音重視の軽妙洒脱な作風。古典派、特にモーツァルトに似た簡素で明快な音楽。ピアノ演奏はパスカル・ロジェ
 The Copland Collection: Orchestral & Ballet Works 1936-1948Copland/The Copland Collection: Orchestral & Ballet Works 1936-1948 (Copland, 1965-1976)

「コープランド作品集」。アメリカの作曲家、アーロン・コープランドが自身の管弦楽曲を指揮した録音を集めた編集盤(CD3枚組)。アメリカの民謡を取り入れた明快で親しみやすい作風で知られる。「エル・サロン・メヒコ」(タイトルはメキシコ・シティのダンスホールに由来)はメキシコの民謡を素材として使用した有名曲。「ビリー・ザ・キッド」、「ロデオ(4つのダンス・エピソード)」、「アパラチアの春」は西部開拓時代が題材の3大バレエ音楽から抜粋された組曲。「映画のための音楽」は映画音楽「都会」「二十日鼠と人間」「我等の町」から抜粋された組曲。「交響曲第3番」はコープランドの管弦楽曲のアメリカ様式をマーラー風の交響曲の形式で統合したもの。クラリネット奏者のベニー・グッドマンが作曲を依頼した「クラリネット協奏曲」はジャズ語法による曲。演奏はニュー・フィルハーモニア管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、ロンドン交響楽団、ニュー・イングランド音楽院合唱団、コロンビア・シンフォニー・ストリングス、ベニー・グッドマン
 Fighting the Waves: Music of George AntheilGeorge Antheil/Fighting the Waves: Music of George Antheil (Gruber, 1994-1995)

1920年代にストラヴィンスキーやジャズの影響を受けた前衛的でモダンな作風で知られたドイツ系アメリカ人の作曲家・ピアニスト、ジョージ・アンタイルの作品集(RCA)。アンタイルの音楽は、機械の動きを連想させるリズムとモティーフの反復と、ジャズの語法の導入が特徴。「バレエ・メカニーク」はアンタイルの作品中一番有名な曲で、本来はフェルナン・レジェの映画のために作曲されたものだが、映画では使用されず、演奏会用の曲として発表された。原曲は8台のピアノ、4台のシロフォン、自動ピアノ、電気ベル2つ、飛行機のプロペラ2つ、タムタム、4つのバスドラムとサイレンという編成の管弦楽曲だが、このCDは1953年の編曲版(4台のピアノ、電気ベル2つ、飛行機のプロペラ2つ、ティンパニ、グロッケンシュピール、その他の打楽器)を収録している。「ファイティング・ザ・ウェイヴズ(波と戦う)」(テノール独唱、合唱と室内オーケストラのための)はW.B.イェイツの同名の戯曲のための付随音楽。「ジャズ・シンフォニー」(1955年の改訂版を収録)「ジャズ・ソナタ」(室内アンサンブル用の編曲版を収録)はその名の通りジャズ寄りの曲。「ヴァイオリン・ソナタ第1番」、初期作品「リトアニアの夜」(弦楽四重奏のための)、新古典主義的な曲「室内オーケストラのための協奏曲」も収録。演奏はフランクフルト拠点の現代音楽アンサンブル、アンサンブル・モデルン。指揮はHKグルーバー
 Die DreigroschenoperKurt Weill/Die Dreigroschenoper (Lemper/Kollo/Milva/RIAS Berlin/Mauceri, 1988)

「三文オペラ」。ドイツ語でジングシュピール(Singspiel/歌芝居)と呼ばれる一種の音楽劇。ジョン・ゲイのバラッド・オペラ「乞食オペラ」をベルトルト・ブレヒトが翻案し、クルト・ヴァイルが曲をつけたもの。キャッチーな歌が多いポップ志向の作品。「モリタート」(マック・ザ・ナイフ)はジャズのスタンダード曲として有名。歌手はルネ・コロ、ウテ・レンパー、ミルヴァ他。指揮はジョン・モーセリ
 Concierto de AranjuezRodrigo/Concierto de Aranjuez (Yepes/Argenta, 1958?)

スペインの作曲家、ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」はギター協奏曲の名作。物悲しさを湛えた第2楽章の名旋律は有名。名手ナルシソ・イエペス(g)の若い頃の演奏。アタウルフォ・アルヘンタ指揮、スペイン国立管弦楽団演奏
 RequiemDuruflé/Requiem (Corboz, 1984)

20世紀フランスの作曲家・オルガン奏者、モーリス・デュリュフレの「レクイエム」作品9(管弦楽伴奏版、Erato)。ガブリエル・フォーレの「レクイエム」をモデルにして作曲された、清澄な美しさと優しい祈りの感情を湛えた宗教声楽曲で、構成(典礼文)と編成(独唱と混声合唱、オルガン、オーケストラ)はフォーレの「レクイエム」を踏襲している。フォーレの「レクイエム」と異なるのは、グレゴリオ聖歌の旋律をそのまま使用している点で、その擬古趣味と洗練された近代的な和声が相俟って不思議な清新さを醸し出している。ミシェル・コルボ指揮、テレサ・ベルガンサ(メゾ・ソプラノ)、ホセ・ファン・ダム(バリトン)、パリ《アウディテ・ノヴァ》声楽アンサンブル、コロンヌ管弦楽団&合唱団による演奏。「グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテット」(無伴奏混声四部合唱のための、作品10)も収録
 Gayne (the complete ballet)Khachaturian/Gayne (the complete ballet) (Gorkovenko, 1997)

旧ソヴィエト連邦の作曲家、アラム・イリイチ・ハチャトゥリアン(グルジア生まれのアルメニア人)のバレエ音楽「ガイーヌ(ガヤネー)」。1957年のボリショイ劇場版の全曲録音(2枚組CD)。オリジナルのバレエ版よりもオーケストラ用の組曲の方が有名。現代的な管弦楽法によって南コーカサス地方(グルジア、アルメニア、アゼルバイジャン)の民俗音楽が野生的なリズムにあふれた鮮烈なバレエ曲に仕上がっている。「レズギンカ(若者たちの踊り)」(第1幕第1場)はレズギ族(レズギン族)の郷土舞踊をもとにした曲。「剣の舞」(第3幕第7場)はクルド族の出陣の踊りをもとにした有名曲。スタニスラス・ゴルコヴェンコ指揮、サンクトペテルブルク放送交響楽団演奏
 Violin Concerto in D MinorKhachaturian/Violin Concerto in D Minor (Oistrakh, 1965)

旧ソヴィエト連邦の作曲家、アラム・ハチャトゥリアン(グルジア生まれのアルメニア人)の「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」(Melodiya)。20世紀ソヴィエトのヴァイオリン協奏曲の傑作であり、エレヴァン(アルメニア)の民謡を盛り込んだエキゾティックな哀愁メロディーと爽快な疾走感が特徴の人気曲。旧ソ連のヴァイオリニスト、ダヴィッド・オイストラフに献呈され、オイストラフはこの曲のヴァイオリン・パートに関して助言を行い、第1楽章のカデンツァを自作している。この曲はジャン=ピエール・ランパルが編曲したフルート協奏曲としても有名。ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリン)、アラム・ハチャトゥリアン指揮、モスクワ放送交響楽団による演奏。ショスタコーヴィチの「ヴァイオリン協奏曲第2番嬰ハ短調」(ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリン)、キリル・コンドラシン指揮、モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団)も収録
 Khachaturian/Masquerade Suite, Kabalevsky/The Comedians, Tchaikovsky/Capriccio Italien, Rimsky-Korsakov/Capriccio EspagnolKhachaturian/Masquerade Suite, Kabalevsky/The Comedians, Tchaikovsky/Capriccio Italien, Rimsky-Korsakov/Capriccio Espagnol (Kondrashin, 1958)

ロシアの指揮者、キリル・コンドラシン指揮によるロシア・旧ソヴィエトの管弦楽曲集(RCA)。コンドラシンが1958年に米国を訪れた際に米国の在来のオーケストラの選抜メンバーとともに録音。ハチャトゥリアンの組曲「仮面舞踏会」は、オリジナルであるミハイル・レールモントフの戯曲「仮面舞踏会」の付随音楽より5曲を抜粋し管弦楽組曲にしたもの。第1楽章「ワルツ」はフィギュアスケートで使われることがある曲としても知られる。カバレフスキーの管弦楽組曲「道化師」は子供向けの快活で楽しい曲で、第2曲「道化師のギャロップ」は単独で演奏されることが多い(日本では小学校の運動会のBGMとしても有名)。チャイコフスキーの「イタリア奇想曲」とリムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」も収録。演奏はRCAビクター交響楽団、オスカー・シュムスキー(ヴァイオリン)
Good!Symphony No.4Shostakovich/Symphony No.4 (Slatkin, 1989)

ソヴィエト連邦時代のロシアの作曲家、ドミートリイ・ショスタコーヴィチの交響曲第4番ハ短調作品43(RCA)。マーラーの影響を強く受けた大規模で長大な交響曲(演奏時間は約1時間)。1935-1936年に作曲されたが、おそらくはスターリン体制下での作曲者の政治的判断により初演が中止され、スターリン批判を経て1961年に初演された。モダニズム志向が強い先鋭的な作品で、金管と打楽器の多用、混沌とした複雑さと統一性のなさ、クラスター的な音響や不協和音、無調などの現代音楽の要素、引用とパロディー、陳腐で通俗的な書式を含む様々な音楽要素の混在、諧謔性などが特徴。レナード・スラットキン指揮、セントルイス交響楽団演奏
 Symphony No.5, op.47Shostakovich/Symphony No.5, op.47 (Bernstein, 1979)

ソヴィエト連邦時代のロシアの作曲家、ドミートリイ・ショスタコーヴィチの交響曲第5番。セルゲイ・エイゼンシュテインの映画「戦艦ポチョムキン」で使用された音楽としても有名。レナード・バーンスタイン指揮、ニューヨーク・フィルハーモニック演奏、1979年東京文化会館でのライヴ録音。LP時代の名盤
Good!Symphony No.7 'Leningrad'Shostakovich/Symphony No.7 'Leningrad' (Barshai, 1991)

ショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」は、歴史的背景(ナチス・ドイツのソヴィエト侵攻とレニングラード包囲戦)や政治的文脈(スターリン圧政)を抜きにしても鑑賞できるエキサイティングな娯楽大作。ラヴェルの「ボレロ」に似た、スネア・ドラムのリズムによる暴力的な反復楽想(第1楽章の展開部)と、金管のファンファーレをフィーチュアした最終楽章の爆発的なフィナーレが聴きどころ。ルドルフ・バルシャイ(指揮)、ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニーとモスクワ・フィルハーモニー管弦楽団の合同オーケストラによるライヴ録音
 Symphonies No.5 & No.9Shostakovich/Symphonies No.5 & No.9 (Haitink, 1979/1981)

オランダの指揮者、ベルナルト・ハイティンクが英国デッカでロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団と録音したショスタコーヴィチの交響曲全集の中から第5番と第9番を収録。第5番はベートーヴェンの第5番を彷彿させる古典的な構成と均整美、「抑圧の克服から勝利へ」というテーマの人気曲。第9番はスターリンを揶揄するかのような軽妙洒脱で諧謔的な作風の曲で、当時のソヴィエト当局から激しい批判を受け、後のいわゆるジダーノフ批判へとつながった
 Symphonie No.10Shostakovich/Symphonie No.10 (Karajan, 1981)

旧ソ連の作曲家、ショスタコーヴィチの交響曲第10番ホ短調作品93(Deutsche Grammophon)。古典的なソナタ形式に基づいて作曲され、スターリン死後の1953年に発表。暗く悲壮な情念と情熱を湛えた曲で、ショスタコーヴィチの交響曲としては第5番、第7番と並んで人気がある有名曲。遅いテンポの長い第1楽章(モデラート)、スケルツォ風の荒々しい第2楽章(アレグロ)、マーラーの影響が色濃い第3(アレグレット)・第4(アンダンデ〜アレグロ)楽章からなる。第3・第4楽章ではDSCH音型(作曲者の名前のドイツ語式表記、Dimitri Schostakowitschを元にした音楽的モノグラム)が多用されている。ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。カラヤンが録音した唯一のショスタコーヴィチの交響曲。カラヤンはこの曲を2度(1966年と1981年)録音しているが、これは2度目の録音
 Shostakovich/Piano Concerto No.1, Haydn/Piano Concerto No.11Shostakovich/Piano Concerto No.1, Haydn/Piano Concerto No.11 (Argerich, 1993)

ショスタコーヴィチの「ピアノ協奏曲第1番」(ピアノとトランペット、弦楽合奏のための協奏曲ハ短調、作品35)は、サーカスのアクロバットを思わせるような、ユーモアとウィットに富んだリズミカルで狂騒的な曲。自作の引用やベートーヴェンのピアノソナタ第23番「熱情」、「失われた小銭への怒り」(ロンド・ア・カプリッチョ)等の他人の作品のパロディーを多数含んでいる。ストラヴィンスキーを好む方におすすめ。イェルク・フェルバー指揮、マルタ・アルゲリッチ(p)、ギイ・トゥーヴロン(tp)、ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団演奏。ハイドンの「ピアノ協奏曲ニ長調」(Hob.XVIII:11)も収録
 The Jazz AlbumShostakovich/The Jazz Album (Chailly, 1981/1988/1990)

旧ソ連の作曲家、ショスタコーヴィチが西欧のジャズ、というよりポピュラーやダンス音楽などの軽音楽の影響を受けて作曲した、ユーモラスで機知に富んだ軽妙な楽曲を集めた作品集(Decca)。3楽章からなる「ジャズ組曲第1番」(1934年)と8楽章からなる「舞台管弦楽のための組曲」(1950年代。この曲は長い間、失われた「ジャズ組曲第2番」(1938年)と誤認されていたため、このCDでも誤って「ジャズ組曲第2番」と記載されている)は、プロムナード・コンサートのような編成のポップな曲。この録音の「舞台管弦楽のための組曲」の第2ワルツはスタンリー・キューブリックの映画「アイズ・ワイド・シャット」(1999年)のオープニングとエンディングで使用された。「ピアノ協奏曲第1番」(ピアノとトランペット、弦楽合奏のための協奏曲ハ短調、1934年)は、サーカスのアクロバットを思わせるような、ユーモアとウィットに富んだリズミカルで狂騒的な曲。「タヒチ・トロット」(1928年)はヴィンセント・ユーマンス作曲のジャズのスタンダード曲「二人でお茶を」を管弦楽曲に編曲したもの。リッカルド・シャイー指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団演奏
 Varese/Ionisation, Ohana/Quatre Études Chorégraphiques, Kabelac/Huit Inventions, Xenakis/PerséphassaVarese/Ionisation, Ohana/Quatre Études Chorégraphiques, Kabelac/Huit Inventions, Xenakis/Perséphassa (Les Percussions de Strasbourg, 1967/1970/1971)

打楽器中心の現代音楽曲4曲、エドガー・ヴァレーズの「イオニザシオン(電離)」、モーリス・オアナの「4つの舞踏のエチュード」、ミロスラフ・カベラッチの「8つのインヴェンション」、ヤニス・クセナキスの「ペルセファサ」を収録。演奏はストラスブール・パーカッション・グループ
Good!Arcana, Octandre, Offrandes, Intégrales, DésertsVarèse/Arcana, Octandre, Offrandes, Intégrales, Déserts (Lyndon-Gee, 2000)

フランス生まれのアメリカの現代音楽の作曲家、エドガー・ヴァレーズの作品集。ナクソスからのリリース。オーケストラ曲「アルカナ」、ソプラノと室内楽のための「オフランド(捧げ物)」、「オクタンドル(8弁雌雄両性花)」、「アンテグラル(積分)」、14管とピアノと5つの打楽器と2トラックのテープのアンサンブル曲「デゼール(砂漠)」を収録。打楽器の多用による音響とリズムの強調が特徴の、鮮烈でエネルギッシュな音楽。クリストファー・リンドン=ギー指揮、マリーズ・カステ(ソプラノ)、ポーランド国立放送交響楽団演奏
Good!Turangalîla Symphonie, Quatuor pour la fin du tempsMessiaen/Turangalîla Symphonie, Quatuor pour la fin du temps (Rattle, 1986)

フランスの作曲家、オリヴィエ・メシアンの「トゥーランガリラ交響曲」は、オンド・マルトノ(電子楽器)を使用した大規模なオーケストラ曲。現代音楽の傑作の一つ。20世紀管弦楽の記念碑。極彩色の官能美。サイモン・ラトル指揮、バーミンガム市交響楽団演奏。「世の終わりのための四重奏曲」も収録
Good!Vingt Regards sur l'Enfant-JésusMessiaen/Vingt Regards sur l'Enfant-Jésus (Aimard, 1999)

フランスの作曲家、オリヴィエ・メシアンの「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」はカトリシズムをベースにした長大なピアノ組曲(約2時間)。「移調の限られた旋法」、「不可逆的なリズム」、素材としての「鳥の歌」の使用など、メシアン独自の音楽語法が盛り込まれた代表作の一つ。20の楽章から成り、ライトモティーフとして機能する複数の循環主題により全体が有機的に構成されている。フランスのピアニスト、ピエール=ローラン・エマールによる明晰かつ精緻な演奏。素晴らしいです。2枚組CD
Good!Éclairs sur l'Au-Delà...Messiaen/Éclairs sur l'Au-Delà... (Rattle, 2004)

オリヴィエ・メシアンの晩年の大規模な管弦楽曲「彼方の閃光」。1992年のニューヨーク・フィルハーモニックの創立150周年を記念して委嘱された作品で、全11楽章、総勢128名で演奏される大作。カトリシズム(新約聖書の「ヨハネの黙示録」)を題材とする5楽章のあいだに鳥の歌、星の音楽などの楽章が挿入されている。サー・サイモン・ラトル指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるシャープな演奏。メシアンの「トゥランガリーラ交響曲」を好む人におすすめ
Good!Messiaen EditionMessiaen/Messiaen Edition (various artists, 2005/1963-2000)

20世紀フランスの作曲家でオルガン奏者、鳥類学者としても知られるオリヴィエ・メシアンの主な作品を概観するCD18枚組の包括的な作品集。1988年にEratoレーベルがメシアンの80歳を記念してリリースした17枚組CD(国内盤タイトル「メシアンの芸術」)がオリジナルで、これに「トゥランガリーラ交響曲」(ケント・ナガノ指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、Teldec)を加えてWarner Classicsレーベルが2005年に再発したもの。「前奏曲集」、「アーメンの幻影」、「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」、「4つのリズムのエテュード」、「鳥のカタログ」他のピアノ曲、「天上の饗宴」、「主の降誕」、「聖なる三位一体の神秘についての瞑想」他のオルガン曲、「ミのための詩」、「地と天の歌」、「ハラウィ」他の歌曲、合唱曲「5つのルシャン」、室内楽曲「世の終わりのための四重奏曲」、「キリストの昇天」、「トゥランガリーラ交響曲」、「われ死者の復活を待ち望む」、「峡谷から星たちへ…」他の管弦楽曲、ピアノソロとオーケストラのための「7つの俳諧」他を収録。演奏はイヴォンヌ・ロリオ(p)(メシアンの後妻)、ピエール=ローラン・エマール(p)、メシアン自身(org)、マリー=クレール・アラン(org)、マリウス・コンスタン(指揮)、ピエール・ブーレーズ(指揮)、フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団、アルス・ノヴァ合奏団他。18枚目のCDにはメシアンのインタビューを収録。インタビューの完全英訳を含むフランス語・英語のブックレット(311ページ)付属
Good!Adventures in Sound(Various Artists)/Adventures in Sound (Schaeffer/Stockhausen/Xenakis/Varèse/Henry, 1948-1958)

ミュジック・コンクレートと電子音楽の最初期の重要作品を集めたコンピレーション(él/Cherry Red)。汽車やシチュー鍋の音を含むピエール・シェフェールの「5つの騒音のエチュード」(1948年)はミュジック・コンクレート(楽器や声、自然音や騒音などの録音を素材として使用する電子音響音楽)の最初期の作品。トータル・セリエリズムに基づき、正弦波(サイン波)を使用したカールハインツ・シュトックハウゼンの「習作I」(1953年)と「習作II」(1954年)は世界初の電子音楽作品。正弦波とボーイソプラノの歌声を使用したシュトックハウゼンの「少年の歌」(1955-56年)はミュジック・コンクレートと電子音楽を統合した有名作。ヤニス・クセナキスの「ディアモルフォーズ」(1957-58年)はジェットエンジンや自動車の衝突、地震などの騒音を使用したミュジック・コンクレート曲。クセナキスのミュジック・コンクレート曲「コンクレPH」(1958年)とエドガー・ヴァレーズの電子音楽曲「ポエム・エレクトロニク」(1957-58年)は1958年のブリュッセル万国博のフィリップス館のために作曲された曲。ピエール・アンリの「オルフェのヴェイル」(1953年)は、管弦楽、声楽、演説などの録音を混合した交響的なミュジック・コンクレート曲
Good!Music for Keyboard 1935-1948John Cage/Music for Keyboard 1935-1948 (Kirstein, 1969)

「鍵盤楽器のための音楽 1935-1948」。アメリカの実験音楽の作曲家、ジョン・ケージの初期の鍵盤楽器音楽を収録(2枚組CD)。主にプリペアド・ピアノのための曲からなる。「メタモルフォーシス」は音列作法をベースにした曲。「バッカナール」はプリペアド・ピアノを使用した最初の曲。「おもちゃのピアノのための組曲」は制限された音域(9個の白鍵のみ)による曲。ケージ自身が絶賛したジーン・カースティンの演奏(プリペアド・ピアノ、ピアノ、トイ・ピアノ)。2002年に日本で世界初CD化
Good!Sonatas and Interludes for Prepared PianoJohn Cage/Sonatas and Interludes for Prepared Piano (Takahashi, 1975)

ジョン・ケージの「プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード」。ジョン・ケージが考案した「プリペアド(準備された)ピアノ」は、弦と弦のあいだに金属(ボルト、ナット、ねじ)やゴム、プラスティック片を挟み込んだピアノのことで、予測できない偶発的な音色を持ち、打楽器のような音を発する。インド哲学などの東洋思想の影響を受けた玄妙な音楽。ピアノの準備・演奏は高橋悠治
 Sixteen Dances for Soloist and Company of 3John Cage/Sixteen Dances for Soloist and Company of 3 (Ensemble Modern, 1992)

アメリカ合衆国の現代音楽の作曲家、ジョン・ケージの「16のダンス〜ソロと3人の組み合わせのための」(RCA)。振付家のマース・カニンガムが自身と3人のダンサーのために振り付けをしたダンス・プログラムの付随音楽として1951年に作曲されたもので、ケージがチャンス・オペレーション(作曲過程への偶然性の導入)を始める前の最後の作品。断片的な器楽演奏(フルート、トランペット、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、パーカッション)が断続的に鳴り響く、静謐で東洋的な雰囲気の音楽(演奏時間は約50分)。9つのダンスと7つの間奏からなり、各ダンスはヒンドゥー教の古典美学における恒久的な諸感情に対応している。ケージは自身の作曲的な選択を意図的に制限するため、64種の異なる音のテーブル、音のチャートを使用してこの作品を作曲した。演奏はドイツの現代音楽専門の室内合奏団、アンサンブル・モデルン。指揮はインゴ・メッツマッハー
 Britten/The Young Person's Guide to the Orchestra, Prokofiev/Peter and the Wolf, Saint-Saëns/Carnival of the AnimalsBritten/The Young Person's Guide to the Orchestra, Prokofiev/Peter and the Wolf, Saint-Saëns/Carnival of the Animals (Dorati/Henderson, 1960/1965)

イギリスの作曲家、ベンジャミン・ブリテンの「青少年のための管弦楽入門〜パーセルの主題による変奏曲とフーガ」は、少年少女や一般大衆にオーケストラの様々な楽器を紹介する教育映画「オーケストラの楽器」のための音楽で、ヘンリー・パーセルの劇伴音楽「アブデラザール、またはムーア人の復讐」のロンドーを主題として用いている。プロコフィエフの「ピーターと狼」はロシアの民話を翻案した子供のための音楽物語。サン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭〜動物学的幻想曲」は楽器で動物を描写するユーモラスな曲。「青少年のための管弦楽入門」と「ピーターと狼」はロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団演奏、アンタル・ドラティ指揮で語り(英語)は俳優のショーン・コネリー。「動物の謝肉祭」はロンドン交響楽団演奏、スキッチ・ヘンダーソン指揮
 War RequiemBritten/War Requiem (Britten, 1963)

20世紀イギリスの作曲家、ベンジャミン・ブリテンの「戦争レクイエム」(Decca)。第2次大戦中にドイツ軍の空爆で破壊されたコヴェントリー市の聖ミカエル大聖堂が1962年に再建された際の献堂式のために作曲された鎮魂ミサ曲。オーケストラ、室内オーケストラ、独唱(ソプラノ・テノール・バリトン)、混声4部合唱、児童合唱による大規模な編成。ラテン語の典礼文とウィルフレッド・オーウェンの英語の詩をテクストとして使用。戦争の悲しみと平和への祈り。旧ソ連のガリーナ・ヴィシネフスカヤ(ソプラノ)、ドイツのディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)、イギリスのピーター・ピアーズ(テノール。ブリテンの盟友)が参加し、ロンドン交響楽団が演奏、ブリテン自身が指揮をした歴史的録音。録音は古いけど独唱が美しい。2枚組CD(約90分)
 CandideBernstein/Candide (Bernstein, 1989)

アメリカの作曲家・指揮者、レナード・バーンスタインがニューヨークのブロードウェイのために書いたミュージカル「キャンディード」全曲。バーンスタイン自身は「喜劇オペレッタ(comic operetta)」と称していた。ヴォルテールの小説「カンディードまたは楽天主義説」をもとにしたリズミカルで快活な舞台劇。有名な序曲や超絶コロラトゥーラ・ソプラノによる「着飾って煌びやかに(Glitter and Be Gay)」など名曲が盛り沢山。「静かに(Quiet)」は12音技法による曲。バーンスタイン自身が振った演奏会形式による録音(1989年の最終改訂版)。ジェリー・ハドレー(キャンディード/テノール)、ジューン・アンダーソン(クネゴンデ/ソプラノ)他、ロンドン交響楽団・合唱団による演奏
Good!Eonta, Metastasis, PithopraktaXenakis/Eonta, Metastasis, Pithoprakta (Maurice Le Roux/Simonovic, 1965)

ギリシャの現代音楽の作曲家、ヤニス・クセナキスの作品集。初期の管弦楽曲2曲、「メタスタシス」「ピソプラクタ」(モーリス・ル・ルー指揮、フランス国立放送管弦楽団)とピアノと5管の傑作アンサンブル曲「エオンタ」(コンスタンツ・シモノヴィッツ指揮、パリ現代音楽楽器アンサンブル、高橋悠治(p))を収録。統計的確率の理論に基づいた「確率論的」音楽
Good!Iannis XenakisXenakis/Iannis Xenakis (ed. RZ 1015-16) (various artists, 2003/1969-1974)

ギリシャの現代音楽の作曲家、ヤニス・クセナキスの重要曲の歴史的録音(1960年代末〜1970年代前半)を集めた編集盤(2枚組CD)。ドイツの現代音楽のレーベル、EDITION RZから2003年に発売。収録曲の大半はフランスのレーベル、EratoからLPで出ていたものと同じだが、Erato版はCD化されていないので貴重な復刻といえる。ディスク1は「モントリオールのポリトープ」(4つのオーケストラのための音と光の情景。1967年モントリオール万博のフランス館のために作られた曲。マリウス・コンスタン指揮、フランス国立放送アルス・ノヴァ合奏団演奏)、「ノモス・ガンマ」(聴衆の中に分散した98人の音楽家のための。シャルル・ブリュック指揮、フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団演奏)等の管弦楽曲を収録。ディスク2は8トラック・テープのための電子音楽2作品、「ペルセポリス」(ノイジーな轟音ミュージック・コンクレート。ダニエル・タイゲが2003年にベルリン工科大学の電子音楽スタジオでミックス・リマスターしたもの)と「クリュニーのポリトープ」をクリアな音で収録
 Pléiades, PsapphaXenakis/Pléiades, Psappha (Kroumata Percussion Ensemble, 1981/1990)

ギリシャの現代音楽の作曲家、ヤニス・クセナキスの打楽器音楽集。「プレイアデス(プレイヤード)」(1979年)は6人の打楽器奏者のための音楽で、オリジナルの金属楽器「SIXXEN」を使用する「金属/メトー(Métaux)」、3つのヴィヴラフォン・マリンバ・ザイロフォン・ザイロリンバを使用する「鍵盤/クラヴェ(Claviers)」、ボンゴ・タムタム・ドラム等を使用する「太鼓/ポー(Peaux)」、それらのすべての楽器を一度に使用する「混合/メランジェ(Mélanges)」の4楽章(順不同)から構成されている。インドネシアのガムランのような音色。スウェーデンの打楽器演奏グループ、クロウマタ・パーカッション・アンサンブルによる演奏。ゲルト・モルテンセン演奏の「プサッファ」(1975年)も収録
Good!Yuji Takahashi Plays Xenakis/Evryari, Herma, Messiaen/Quatre Études de rythmeXenakis/Evryari, Herma, Messiaen/Quatre Études de rythme (Takahashi, 1976)

高橋悠治によるヤニス・クセナキスとオリヴィエ・メシアンの現代ピアノ独奏曲の演奏。クセナキスの「エヴリアリ」と「ヘルマ」はいずれも人間が演奏することを想定していないような難曲。「エヴリアリ」は数学の「樹形図」に基づく作曲技法による最初の曲で、「枝分かれする線」としてのメロディーとパルス構造が特徴。高橋悠治のために書かれた「ヘルマ」は記号論理学(ブール代数)をベースにした曲で、ピアノの鍵盤の集合の演算により構成されている。メシアンの「4つのリズムのエチュード」も収録
Good!Orchestral WorksXenakis/Orchestral Works (Tamayo, 2000-2006)

クセナキスの「管弦楽作品集」(Timpani)。ギリシャの現代音楽の作曲家、ヤニス・クセナキスのオーケストラ作品を収録したCD5枚組BOXセット。Timpaniから発売された「管弦楽作品集」の第1集〜第5集を一つにまとめたもの。不協和音、弦楽器のグリッサンド、パルス的なリズムを多用した前衛的な音楽。大量の楽器によるクラスター状の音塊がストキャスティック(確率論的)に蠢き、精妙に絡み合う。ホラー映画の音楽のような耳障りな音の洪水だが、一度味を知ると病みつきになる。「ジョンシェ(藺草が茂る土地)」、バレエ音楽「アンティクトン(対地星)」辺りが聴きどころ。「メタスタシス」と「ピトプラクタ」は初期の有名曲。ピアノ協奏曲2曲、「シナファイ」と「エリフソン」(「エリフソン」は世界初録音)はピアニスト泣かせの超難曲(ピアノ演奏は大井浩明)。アルトゥール・タマヨ指揮、ルクセンブルク・フィルハーモニック管弦楽団演奏
 Wien ModernLigeti, Nono, Boulez, Rihm/Wien Modern (Abbado, 1988)

指揮者のクラウディオ・アバドによって1988年に創始された現代音楽の祭典、ウィーン・モデルン(ウィーン現代音楽祭)の第1回の録音。ヴォルフガング・リーム「出発」、ジェルジ・リゲティ「アトモスフェール」「ロンターノ」、ルイジ・ノーノ「愛の歌」、ピエール・ブーレーズ「ノクタシオン I-IV」を収録。リゲティの「アトモスフェール〜大オーケストラのための」は、いわゆる「トーン・クラスター」技法とマイクロポリフォニーによる管弦楽曲として有名。クラウディオ・アバド指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・ジュネス合唱団によるクリアでシャープな演奏
Good!Boulez Conducts Ligeti: Concertos for Cello, Violin & PianoLigeti/Boulez Conducts Ligeti: Concertos for Cello, Violin & Piano (Boulez, 1992/1993)

ルーマニア出身のハンガリー人作曲家、ジェルジ・リゲティの協奏曲集(Deutsche Grammophon)。「チェロ協奏曲」(1966年)はトーンクラスター技法とミクロポリフォニーによる曲で、スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」で使用された「アトモスフェール」や「アヴァンチュール」に似た趣の、静寂の中に緊張感が漲る佳曲。「ピアノ協奏曲」(1985-1988年)は、「ピアノのための練習曲集」(1985年以降)と同様の、サハラ以南のアフリカ音楽のポリリズムやコンロン・ナンカロウの自動ピアノ、フラクタル幾何学などに影響された複雑なリズムの曲で、ハーモニカ、スライドホイッスル、オカリナなどの変わった楽器を導入している。「ヴァイオリン協奏曲」(1990-1992年)は、東欧の民族音楽の要素や微分音、ポリリズム、変則調弦(スコルダトゥーラ)のヴァイオリンとヴィオラ、オカリナ、リコーダーなどを導入した、複雑で混沌とした曲。演奏はピエール・ブーレーズ(指揮)、アンサンブル・アンテルコンタンポラン、ピエール=ローラン・エマール(ピアノ)、ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)、サシコ・ガヴリロフ(ヴァイオリン)
Good!György Ligeti Edition 3Ligeti/György Ligeti Edition 3, Works for Piano: Études, Musica Ricercata (Aimard, 1995/1996)

「リゲティ・エディション3:ピアノのための作品集」。ルーマニア出身のハンガリー人作曲家、ジェルジ・リゲティのピアノ作品集。ポスト・バルトーク的な作風。「ピアノのための練習曲集」(第1巻全6曲(1985)、第2巻全8曲(1988-1994)、第3巻より第15曲「白の上の白」(1995)を収録)は、スカルラッティ、ショパン、シューマン、ドビュッシー、アフリカ音楽、セロニアス・モンクやビル・エヴァンスのジャズピアノの技法、コンロン・ナンカロウの自動ピアノのための作品等にインスパイアされたポリリズミックな曲。「ムジカ・リチェルカータ」は限定された音階を使用した初期(1950年代)の作品。演奏はピエール=ローラン・エマール
 György Ligeti Edition 8, Le Grand MacabreLigeti/György Ligeti Edition 8, Le Grand Macabre (1997 Version) (Salonen, 1998)

ルーマニア出身のハンガリー人作曲家、ジェルジ・リゲティの唯一のオペラ「ル・グラン・マカーブル」の1997年版(CD2枚組、SONY)。第2次大戦後の前衛現代音楽によるオペラとしては人気のある作品の一つ。架空の国、ブリューゲルランドで世界の破滅を預言する死神、ネクロツァールに関するグロテスクで荒唐無稽でシニカルでユーモラスなドラマ。伝統的なオペラと前衛的な「アンチ・オペラ」の双方に対して批評的な「アンチ・アンチ・オペラ」。エサ=ペッカ・サロネン指揮、フィルハーモニア管弦楽団、ロンドン・シンフォニエッタ・ヴォイセズ演奏。1998年2月、フランス、パリのシャトレ劇場でのライヴ録音。英語での上演
Good!African RhythmsLigeti, Reich/African Rhythms (Aimard/Aka Pygmies, 2001-2002)

「アフリカン・リズム―リゲティ、ライヒ、ピグミー音楽のリズムの祭典―」(Teldec)。アフリカ音楽と、アフリカ音楽にインスパイアされたジェルジ・リゲティ、スティーヴ・ライヒの現代音楽曲を、交互に、一枚のアルバムに収録することにより、両者の相互作用を目指した、ピアニストのピエール=ローラン・エマールによるユニークな企画。エマールによるリゲティの「ピアノのための練習曲」第3巻の3曲の録音(第16-18曲。第18曲は世界初録音)と他巻の3曲(第4・8・12曲)の再録音、ライヒの「クラッピング・ミュージック」と「木片のための音楽」(クラベス五重奏の原曲をピアノ曲にアレンジ)、中央アフリカ、アカ・ピグミーのポリフォニックな声楽曲(8曲)を収録。演奏はピエール=ローラン・エマール(クラッピング、ピアノ)とアカ・ピグミーの人たち。エマール自身はこのディスクを「ポリリズムのモザイク」、「リズムとパルスの祝祭」と称している
Good!Como una ola de fuerza y luz, .....sofferte onde serene..., Contrappunto dialettico alla menteNono/Como una ola de fuerza y luz, .....sofferte onde serene..., Contrappunto dialettico alla mente (Pollini/Abbado, 1973/1977)

イタリアの現代音楽の作曲家、ルイジ・ノーノの作品集。テープ録音素材を使用した電子音楽。強烈な政治的メッセージを含む前衛的な音楽。「力と光の波のように」(ソプラノ、ピアノ、管弦楽、テープのための)はチリの革命家ルシアーノ・クルツに捧げられた詩に基づく曲で、マウリツィオ・ポリーニとクラウディオ・アバドの協力により作曲された。演奏はズラフカ・タスコヴァ(ソプラノ)、マウリツィオ・ポリーニ(p)、クラウディオ・アバド(指揮)、バイエルン放送交響楽団。「…苦悩に満ちながらも晴朗な波…」(ピアノ、磁気テープのための)はマウリツィオ・ポリーニ(p)のために作曲された曲で、ポリーニ自身が演奏している。「コントラプント・ディアレッティコ・アラ・メンテ」(「心の弁証法的対位法」?)(磁気テープのための)はマルコムX暗殺に関する詩やベトナム反戦パンフレット等のテクストと電子音ヴォイスによる曲。演奏はリリアーナ・ポリ(ソプラノ)他、ローマRAI室内合唱団、ニーノ・アントネッリーニ(指揮)
Good!Sinfonia, EindrückeBerio/Sinfonia, Eindrücke (Boulez, 1981/1984)

イタリアの現代音楽の作曲家、ルチアーノ・ベリオの「シンフォニア―8人の声とオーケストラのための」は、マーティン・ルーサー・キング牧師の暗殺やパリ5月革命などの1960年代末の社会的事件を背景にした前衛的なオーケストラ作品。第1楽章では構造主義人類学者のクロード・レヴィ=ストロースのテクストを引用。第2楽章はキング牧師へのオマージュ。第3楽章は、マーラーの交響曲第2番「復活」のスケルツォ、バッハ、ベートーヴェン、ドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキー、落書き、スローガン、サミュエル・ベケットの詩など様々な音楽や言葉の断片のコラージュ。ピエール・ブーレーズ指揮。ニュー・スウィングル・シンガーズ/フランス国立管弦楽団演奏
 Complete Piano MusicBerio/Complete Piano Music (Tristano, 2004)

イタリアの現代音楽の作曲家、ルチアーノ・ベリオの全ピアノ独奏曲を収録したピアノ作品全集(Piano Classics)。「小組曲」(1947年)はベリオが青年期にラヴェルやプロコフィエフ、新古典派の影響下で作曲した舞踏組曲。「5つの変奏曲」(1952/53年、1966年改訂)はヴェーベルンの「ピアノのための変奏曲」(作品27)の路線を継承した12音技法による曲。「6つのアンコール」は1965-1990年に作曲された6つの小品を集めたもので、印象派的な抒情を湛えている。「セクエンツァIV」(1965年)は、超絶技巧と複雑性、フリージャズのような拡張技法を導入した器楽独奏と独唱のための14の作品群「セクエンツァ」の4作目。「ラウンズ」(1965/1967年)はチェンバロのための曲を編曲したアヴァンギャルドな小品。「ピアノ・ソナタ」(2001年)は晩年に作曲された約30分の曲で、リストやドビュッシーのような流麗な美しさが印象的。演奏はルクセンブルク出身のピアニスト、フランチェスコ・トリスターノ。「ピアノ・ソナタ」は世界初録音
Good!Le Marteau Sans MaîtreBoulez/Le Marteau Sans Maître (Boulez, 1965)

フランスの現代音楽の作曲家・指揮者、ピエール・ブーレーズの「ル・マルトー・サン・メートル(主なき槌)」(deutsche harmonia mundi)。9楽章からなる、女声アルトと6つの楽器(アルト・フルート、ギター、ヴィブラフォン、ヴィオラ、シロリンバ、打楽器)のための作品。テクストはルネ・シャールのシュルレアリスムの詩集「ル・マルトー・サン・メートル」の3つの詩から採られている。シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」に着想を得て作曲された、ポスト・ヴェーベルン的なトータル・セリエリズムによる現代音楽だが、硬質で非情な音の響きに満ちながらも深い情感を感じさせる美しい作品。1965年5月、ストラスブール祝祭ホールでの録音。演奏はジャンヌ・ドゥルーベ(アルト)他。指揮はピエール・ブーレーズ
Good!The Three Piano SonatasBoulez/The Three Piano Sonatas (Jumppanen, 2004)

フランスの現代音楽の作曲家・指揮者、ピエール・ブーレーズが若い頃に作曲した前衛的なピアノ曲、ピアノ・ソナタ第1番・第2番・第3番を収録。第3番はジョン・ケージの「偶然性の音楽」とマラルメの「書物」の概念にインスパイアされた「管理された偶然性」の手法による作品。演奏はブーレーズ自身がオーディションで選んだフィンランド出身のピアニスト、パーヴァリ・ユンパネン
Good!Répons, Dialogue de l'ombre doubleBoulez/Répons, Dialogue de l'ombre double (Boulez, 1996)

フランスの現代音楽の作曲家・指揮者、ピエール・ブーレーズが1980年代前半にIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)の協力のもとで作曲した2作品を収録(Deutsche Grammophon)。「レポン」(1981-1984年)は6人のソリスト(2ピアノ、ハープ、ヴィブラフォン、シロフォン/グロッケンシュピール、ツィンバロム)、室内オーケストラとライヴ・エレクトロニクスのための電子音響作品で、本来の演奏は、聴衆が室内オーケストラと指揮者を取り囲み、6人のソリストとスピーカーが聴衆を取り囲む空間で行われる。生楽器の音はコンピュータによってリアルタイムで変換処理され、音の反響/応答が万華鏡のような美しい色彩感を生み出す。ピエール・ブーレーズ指揮、アンサンブル・アンテルコンタンポラン演奏。「二重の影の対話」(1985年)はソロのクラリネットの生演奏と事前にテープに録音されたもう一つのクラリネットによる2重演奏。クラリネット演奏はアラン・ダミアン。2000年度グラミー賞(クラシック現代作品部門)受賞作品
Good!Pli selon pliBoulez/Pli selon pli (Boulez, 2001)

フランスの現代音楽の作曲家・指揮者、ピエール・ブーレーズが作曲したソプラノソロとオーケストラのための長大な曲(1時間超)、「プリ・スロン・プリ」(Deutsche Grammophon)。即興性または「管理された偶然性」を導入した静謐で玄妙な音楽。全5楽章。ステファヌ・マラルメの詩を素材にして、その形式的な厳格さを音楽に移植することを意図している。1957年に作曲されたソプラノと打楽器アンサンブルのための2つの「マラルメによる即興」を起点として、その後1989年までに何度も改訂された。ピエール・ブーレーズ指揮、アンサンブル・アンテルコンタンポラン演奏。ソプラノはクリスティーネ・シェーファー。ブーレーズ3度目の録音
Good!Durations I-V, Coptic LightMorton Feldman/Durations I-V, Coptic Light (Ensemble Avantgarde/Morgan, 1992/1994)

アメリカ合衆国の作曲家、モートン・フェルドマンの2作品、室内楽曲の連作「デュレイションズ(持続)」1〜5(1960-1961年)と、最晩年に作曲された管弦楽曲「コプトの光」(1986年)を収録(CPO)。「デュレイションズ」(アンサンブル・アヴァンギャルド演奏)は、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、ヴィブラフォン等の各楽器の微弱な持続音の交錯が奇妙に間延びした時間感覚をもたらす静謐な曲。「コプトの光」(ミハイル・モルガン指揮、ベルリン・ドイツ交響楽団演奏)は、中近東の織物に着想を得た曲で、寄せては返す波のように、様々な楽器群による音のパターンが反復しながら微妙に変化してゆく、ミニマル風の美しい曲。ジョン・ケージの静謐系の作品やスティーヴ・ライヒ等のミニマル・ミュージックを好む方におすすめ
 Messe Pour le Temps PrésentPierre Henry, Michel Colombier/Messe Pour le Temps Présent (Henry/Colombier, 1967)

ミュジック・コンクレートの開拓者として知られるフランスの作曲家、ピエール・アンリの最も有名な作品。収録曲はすべてフランスの振付家、モーリス・ベジャールのバレエのために作曲されたもの。サンプリングやカットアップのような技法を開拓した電子音響音楽の古典。フランスの作編曲家のミシェル・コロンビエとの共作「現代のためのミサ」(Messe Pour le Temps Présent)は、ミシェル・コロンビエによる(ジャーク(jerk)と呼ばれる)ロックバンド風のダンス音楽、金属音、電子音、チューブラーベル、モーグシンセなどを素材として編集加工し制作されている。この曲は1990年代以降のクラブミュージック/テクノの文脈で再評価され、1997年にはこの曲をウィリアム・オービット(William Orbit)、ファットボーイ・スリム(Fatboy Slim)、コールドカット(Coldcut)、ディミトリ・フロム・パリ(Dimitri from Paris)他がリミックスしたアルバム「Métamorphose - Messe Pour Le Temps Présent」が発売された。「緑の女王」(La Reine Verte)、「旅」(Le Voyage)、「扉とため息のためのヴァリエーション」(Variations pour Une Porte et Un Soupir)はピエール・アンリ作のミュジック・コンクレート作品
Good!Eötvös Conducts Stockhausen: Gruppen, PunkteStockhausen/Eötvös Conducts Stockhausen: Gruppen, Punkte (Eötvös, 1997/2004)

ドイツの現代音楽の作曲家、カールハインツ・シュトックハウゼンが1950年代に作曲したオーケストラ作品2つを収録。ハンガリーの作曲家・指揮者、ペーター・エトヴェシュによる録音(BMC)。3群オーケストラのための「グルッペン(群)」(1955-1957年)はセリエリズムと群作法に基づく作品で、3人の指揮者と3つのオーケストラ(演奏者は総勢109名)が「群」として聴衆を半円形(左・前・右)に囲んで演奏する、スペクタクルな立体音響作品。通常のコンサートホールで上演することは困難で、その空間的な広がりのある効果は2chのステレオ録音では擬似的にしか体験できない。この録音では3つのオーケストラをアルトゥーロ・タマヨ(左)、ペーター・エトヴェシュ(前)、ジャック・メルシエ(右)の3人が指揮している。演奏はケルン放送交響楽団。オーケストラのための「プンクテ(点)」(1952/1962年)はセリエリズムと点描主義に基づく作品(ペーター・エトヴェシュ指揮、ケルン放送交響楽団演奏)。シュトックハウゼンはこの作品を1962年に改訂し、1963年の初演の後にも2度改訂しているが、本録音は1993年の決定稿に拠っている
 KontakteStockhausen/Kontakte (Stockhausen, 1960)

シュトックハウゼンの「コンタクテ(接触)」。パルス音を素材とする電子音テープとピアノとパーカッションがぶつかり合う電子音楽
Good!Klavierstücke I-XI, Mikrophonie I & IIStockhausen/Klavierstücke I-XI, Mikrophonie I & II (Kontarsky, 1965)

ドイツの現代音楽の作曲家、カールハインツ・シュトックハウゼンの初期作品(1950年代〜1960年代前半)を収録(SONY、2枚組CD)。「ピアノ曲」I〜IVは点描音楽から群作法に至る過程を示しており、V〜XIは不確定性(計測できない、非合理的な要素)を導入した「可変的形式」または「多元価値的形式」による作品群。ライヴ・エレクトロニック・ミュージックの2作品、「ミクロフォニーI」(タムタム、2本のマイク、2つのフィルターとポテンショメーターのための)と「ミクロフォニーII」(合唱、ハモンド・オルガン、リング変調器のための)も収録。タムタム(銅鑼)の音を素材にした「ミクロフォニーI」はライヴ・エレクトロニック・ミュージックの初期の傑作。演奏はアロイス・コンタルスキー(ピアノ、タムタム)他
 Stimmung (Singcircle Version)Stockhausen/Stimmung (Singcircle Version) (Rose/Singcircle, 1983)

シュトックハウゼンの「シュティムンク」。6声(ソプラノ2部、メゾソプラノ、テノール、バリトン、バス)による瞑想的で神秘的な声楽アンサンブル曲。アステカ、アボリジニ、古代ギリシャなど世界各地のさまざまな神や女神の名前(magic names)を歌う倍音ヴォーカル。演唱はシングサークル(ロンドン拠点の前衛ヴォーカル・グループ)。監修はグレゴリー・ローズ
 涅槃交響曲Toshiro Mayuzumi/Nirvana-Symphony (Iwaki, 1972)

「尾高賞受賞作品1」。尾高賞を受賞した日本の現代音楽作品のアンソロジーの第1弾(NHK交響楽団演奏)。黛敏郎の「涅槃交響曲」(1958年。岩城宏之指揮)は、梵鐘をデータ解析し、その音色をオーケストラで再現する「カンパノロジー・エフェクト」の手法を用い、3群の男性合唱団と管弦楽パートが仏教(禅宗と天台宗)の経文をテクストとして声明のように演奏する、立体的な音響作品。メシアンの「トゥーランガリラ交響曲」を好む方におすすめ。三善晃の「管弦楽のための協奏曲」(1964年。岩城宏之指揮)と間宮芳生の「オーケストラのための2つのタブロー '65」(1965年。外山雄三指揮)も収録
Good! ピアノ音楽集/テープ音楽集Joji Yuasa/Piano Works & Tape Music (Takahashi, 1973)

湯浅譲二「ピアノ音楽集/テープ音楽集」。電子音楽やミュジック・コンクレート、コンピュータ音楽を含む幅広い分野での作曲活動で知られる1929年生まれの日本の現代音楽の作曲家、湯浅譲二の作品集(DENON)。「内触覚的宇宙」(1957年)はメシアンの「移調の限られた旋法」を含むピアノ曲。「プロジェクション・トポロジック」(1959年)は12音技法によるピアノ曲。「オン・ザ・キーボード」(1972年)は、トーン・クラスターを含み、沈黙と強打が交錯するフリージャズのようなピアノ曲。「スペース・プロジェクションのための音楽」(1969年)は大阪万博(1970年)のせんい館の映像と音響のプロジェクションのために作曲されたテープ音楽で、オーケストラ演奏の断片、電子音、変調された人声を含んでいる。「ヴォイセス・カミング」(1969年)は、電話交換手の声、インタビューのフィラー言語、政治演説などの人声を音楽的素材として使用したテープ音楽。「ホワイト・ノイズによる《イコン》」(1966年)は、ホワイト・ノイズのみによって構成された電子音楽の古典的名作。ピアノ演奏は高橋悠治
 November StepsTakemitsu/November Steps, Viola Concerto "A String around Autumn", Requiem for Strings, Ceremonial, My Way of Life (Ozawa, 1989-1996)

オリヴィエ・メシアンやジョン・ケージ等に影響された独自の作風で知られる日本の現代音楽の作曲家、武満徹の作品集。「ノヴェンバー・ステップス 〜尺八、琵琶とオーケストラのための」は和楽器の尺八と琵琶を使用した有名曲。「弦楽のためのレクイエム 〜弦楽オーケストラのための」はストラヴィンスキーが絶賛した初期の作品。晩年の3作品、「ア・ストリング・アラウンド・オータム 〜ヴィオラとオーケストラのための」、「セレモニアル 〜オーケストラと笙のための」、「マイ・ウェイ・オブ・ライフ ─マイケル・ヴァイナーの追憶に─ 〜バリトン、混声合唱、オーケストラのための」も収録。小澤征爾指揮、サイトウ・キネン・オーケストラ演奏
 Peter Serkin Plays the Music of Toru TakemitsuToru Takemitsu/Peter Serkin Plays the Music of Toru Takemitsu (Serkin, 1978-1996)

クロード・ドビュッシーやオリヴィエ・メシアン、ジョン・ケージ等に影響された独自の作風で知られる日本の現代音楽の作曲家、武満徹の主要なピアノ曲を、米国のピアニスト、ピーター・ゼルキンが演奏した作品集(RCA)。全8曲中4曲が作曲者の監修による録音。音と音のあいだの静寂や余韻を活かした、内省的で瞑想的な音楽。遅いテンポの演奏。抒情的で現代音楽としては比較的聴きやすい。「リタニ」は初期作品「2つのレント」の改作。「遮られない休息」I、II、IIIは瀧口修造の詩に題材を採った曲。「ピアノ・ディスタンス」は作曲家・ピアニストの高橋悠治に献呈された曲。「フォー・アウェイ」はインドネシアのガムランから着想を得た曲。「閉じた眼 II」はピーター・ゼルキンに献呈された曲
 Threnody for the Victims of Hiroshima, Canticum Canticorum Salomonis, De Natura Sonoris Nos. 1 & 2Penderecki/Threnody for the Victims of Hiroshima, Canticum Canticorum Salomonis, De Natura Sonoris Nos. 1 & 2 (Penderecki, 1972-1975)

ポーランドの作曲家・指揮者、クシシュトフ・ペンデレツキが自作を指揮した録音(EMIクラシックスのMatrixシリーズのNo.5)。52の弦楽器のための「広島の犠牲者に捧げる哀歌」はトーン・クラスターを駆使した有名曲。「アナクラシス」、「デ・ナトゥーラ・ソノリス」(響きの性質について)第1・第2、弦楽器とオーケストラのための「カプリッチョ」、合唱とオーケストラのための「ソロモンの雅歌」他も収録。不安や緊張感を煽るような音響効果。SF映画やホラー映画のBGMに最適。「アナクラシス」はロンドン交響楽団、その他はポーランド国立放送交響楽団の演奏
 In CTerry Riley/In C (State University Center of Creative and Performing Arts, 1968)

アメリカの作曲家、テリー・ライリーが1964年に作曲した「In C」の最初の録音。ミニマル・ミュージックの方法論を確立した記念碑的な作品。ライリー自身がサックスで参加
 A Rainbow in Curved AirTerry Riley/A Rainbow in Curved Air (Riley, 1967)

アメリカの作曲家、テリー・ライリーの2作目のスタジオ録音アルバム。ミニマルな電子音楽の古典。欧米でベストセラーになり、ミニマル・ミュージックをポピュラーにした作品。ライリー自身が電子オルガン、電子ハープシコード、タンバリン、ソプラノ・サックスなど全ての楽器を演奏
 DrummingSteve Reich/Drumming (Steve Reich and Musicians, 1987)

アメリカ合衆国のミニマル・ミュージックの作曲家、スティーヴ・ライヒの「ドラミング」(Elektra/Nonesuch)。アフリカ音楽(ガーナのエヴェ族の太鼓演奏)に影響された合奏曲だが、ポリリズムではなく、一つの基本的なリズムパターンが様々な打楽器によってズレながら反復されることによる、リズムと音色の漸次的変化が特徴。パート1は4対の調律されたボンゴドラム、パート2は3つのマリンバと2人の女声、パート3は3つのグロッケンシュピール(鉄琴)とピッコロと口笛、パート4は女声を含むそれら全ての楽器による演奏。ミニマル・ミュージック初期の古典的作品。この1987年録音のNonesuch盤は演奏時間が約57分で、1974年録音の旧DG盤(約84分)より短い
Good!Music for 18 MusiciansSteve Reich/Music for 18 Musicians (Steve Reich Ensemble, 1976)

アメリカの作曲家、スティーヴ・ライヒが1974-1976年に作曲した「18人の音楽家のための音楽」の最初の録音(ECM)。反復と漸次的変化の音楽としてのミニマリズムの代表作。チェロ、ヴァイオリン、2つのクラリネット、4つのピアノ、3つのマリンバ、2つのシロフォン、鉄琴、4つの女声のために書かれた作品
Very good!Octet, Music for a Large Ensemble, Violin PhaseSteve Reich/Octet, Music for a Large Ensemble, Violin Phase (various artists, 1980)

アメリカの作曲家、スティーヴ・ライヒの作品集(ECM)。「八重奏曲」(2つのフルート、2つのクラリネット、2つのバスクラリネット、2つのピアノ、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)は「エイト・ラインズ」の原曲。「大アンサンブルのための音楽」(ストリングス、フルート、クラリネット、サックス、トランペット、ピアノ、マリンバ、ヴィブラフォン、シロフォン、2つの女声)はミニマル技法による管弦楽曲の傑作
 Steve Reich/Variations for Winds, Strings and Keyboards, John Adams/Shaker LoopsSteve Reich/Variations for Winds, Strings and Keyboards, John Adams/Shaker Loops (Edo de Waart, 1983)

ミニマリズムによるオーケストラ作品2曲、スティーヴ・ライヒの「管、弦、鍵盤楽器のための変奏曲」とジョン・アダムズの「シェイカー・ループス」を収録(Philips)。エド・デ・ワールト指揮、サンフランシスコ交響楽団演奏
 TehillimSteve Reich/Tehillim (Steve Reich and Musicians, 1981)

ミニマル・ミュージックの開拓者として知られるアメリカ合衆国の作曲家、スティーヴ・ライヒの「テヒリーム」(ECM)。「テヒリーム」(Tehillim)は「詩篇」を意味するヘブライ語(本来の意味は「賛美」)。旧約聖書の「詩篇」から選ばれたヘブライ語のテクストに基づいた4部構成の声楽曲。演奏時間は約30分。この録音は4人の女声(ハイ・ソプラノ、リリック・ソプラノ2、アルト)、6種類の木管楽器、6種類の打楽器、2つの電子ピアノ、5種類の弦楽器による室内楽版で、ヴォイス、木管楽器、弦楽器は増幅されている。他にオーケストラ版による演奏もある。リズムはヘブライ語テクストのリズムに基づいており、柔軟に変化する拍子を持つ。メロディーはユダヤの伝統的な旋律を使用せずに自由に作曲されている。音楽は「ハレルヤ」が繰り返し歌われる最後のパート4で最高潮に達する。非常に聴きやすく、高揚感を与える爽快な曲。演奏はスティーヴ・ライヒ(percussion)他。プロデュースはマンフレート・アイヒャー
Good!Different Trains, Electric CounterpointSteve Reich/Different Trains, Electric Counterpoint (Kronos Quartet/Pat Metheny, 1987-1988)

アメリカの作曲家、スティーヴ・ライヒが1980年代後半に作曲したミニマル作品2曲、クロノス・クァルテット演奏の「ディファレント・トレインズ」とパット・メセニー(g)演奏の「エレクトリック・カウンターポイント」を収録(Nonesuch)
 Music with Changing PartsPhilip Glass/Music with Changing Parts (Philip Glass, 1971)

アメリカ合衆国の作曲家、フィリップ・グラスの初期の代表作の1つ、「変化する部分を持つ音楽」(Nonesuch)。1トラックで61分。エレクトリック・オルガン、フルート、エレクトリック・ヴァイオリン、サックス、ヴォイス他による、純粋にミニマリズムの形式に基づいた作品。同一テーマの反復と微妙な変化が催眠的な陶酔感をもたらす。演奏はフィリップ・グラス(electric organ, alto flute)他。1994年にデジタルリマスター盤CDがリリースされている
 Einstein on the BeachPhilip Glass/Einstein on the Beach (Robert Wilson/Philip Glass Ensemble, 1993)

「浜辺のアインシュタイン」。ミニマル技法をベースにした長大なオペラ。作詞作曲は現代音楽の作曲家、フィリップ・グラス。演出は舞台演出家のロバート・ウィルソン。初演は1976年。1993年に録音された全曲盤(190分超)。3枚組CD。演奏はフィリップ・グラス・アンサンブル。指揮はマイケル・リーズマン
 Sen no OngakuJo Kondo/Sen no Ongaku (Linear Music) (Yuji Takahashi and others, 1974)

近藤譲「線の音楽」。1947年東京生まれの日本の現代音楽の作曲家、近藤譲の初LP(ALM)。独自の実験的な作曲方法論「線の音楽」に基づいた作品集。「線の音楽」とは一音単位に細かく分節=連接(articulate)された音の列なりを指し、際限のないパルスとしての持続を有する。「線の音楽」は音に隙間を与え、音楽を音とその影との関係の場に変える。作曲者はその「音の影付け」の手法を「音のメタ音化」と呼び、メタ音化の手段として、「ORIENT ORIENTATION」(ハープの多重録音)と「STANDING」(フルート、マリンバ、ピアノ)では楽器間のアタックのずれを、「FALLING」(2本のヴィオラ、コントラバス、電気ピアノ)では持続的に推移する音の運動性のずれを、「CLICK CRACK」(ピアノ)と「PASS」(バンジョー、2本のギター、大正琴、ハープ、ハーモニカ)ではハーモニクス(倍音)をそれぞれ用いている。演奏は高橋悠治(ピアノ)、篠崎史子(ハープ)、高橋アキ(ピアノ、大正琴、電気ピアノ)他。オリジナルのLPは1974年に発売。2014年に初CD化。近藤譲は1979年に本作と同名の初の音楽理論書「線の音楽」も出版している
 HunisuccleJo Kondo/Hunisuccle (Bernas, 1994)

近藤譲作品集「忍冬」。1947年東京生まれの日本の現代音楽の作曲家、近藤譲の作品集(Fontec)。「スレッドベア・アンリミテッド(8弦楽器のための)」(1979年)は、「線の音楽」の方法論(1本の旋律線から曲全体の構造を導き出す)に基づいて和音を扱った曲で、弱音から始まってクレッシェンドして強音に至る音の組み合わせで構成されている。「左岸(13楽器のための)」(1981年)と「忍冬(14楽器のための)」(1984年)は、和声法(和音とその進行)の研究のために書かれた大規模アンサンブルのための曲で、前者では諸和音の併置、後者では諸和音のオーヴァーラップに焦点を当てている。「二折(5楽器のための)」(1983年)と「地峡(7楽器のための)」(1985年)は半音階への傾斜を強めた短い小品。「セレナータ・セッカ・コン・オブリガート(フルートと13楽器のための)」(1991年)は、パリのアンサンブル2E2Mに委嘱されて作曲された、無調的で協奏曲風の曲。「忍冬」と「セレナータ・セッカ・コン・オブリガート」はリチャード・バーナス指揮、ミュージック・プロジェクツ・ロンドン演奏。その他はNHKの音源。ジョン・ケージ(John Cage)やモートン・フェルドマン(Morton Feldman)を好む方におすすめ
 Tabula RasaArvo Pärt/Tabula Rasa (Gidon Kremer/Keith Jarrett, 1977/1983/1984)

エストニアの作曲家、アルヴォ・ペルトの作品集(ECM)。シンプルで静謐で冥想的な音。「フラトレス」「ベンジャミン・ブリテンへの追悼歌」「タブラ・ラサ」を収録。演奏はギドン・クレーメル(vn)、キース・ジャレット(p)他
 Passio Domini Nostri Jesu Christi secundum JoannemArvo Pärt/Passio Domini Nostri Jesu Christi secundum Joannem (The Hilliard Ensemble, 1988)

エストニアの作曲家、アルヴォ・ペルトの「ヨハネ受難曲」(ECM)。ヨハネ福音書(18章・19章)のラテン語訳のテクストを用いた長大な宗教声楽曲(約70分)。バス独唱(イエス)、テノール独唱(ピラト)、4重唱(福音史家)、合唱とヴァイオリン、オーボエ、チェロ、ファゴット、オルガンによる簡素な編成の伴奏。中世・ルネサンスの音楽、特にグレゴリオ聖歌や東方教会の単旋聖歌の影響を受けており、作曲者が「ティンティナブリ(鈴鳴らし)様式」と呼んだスタイルによる、簡素な3和音に基づいた短い旋律の反復で構成される単旋律中心の曲。J.S.バッハの受難曲のような劇的な要素はない。かなり単調な音楽だが、荘厳かつ清澄な響きに満ちており、時間が停止したかのような静的な性格が特徴。ポール・ヒリアー指揮、ヒリヤード・アンサンブル(イギリスの男声クァルテット)演唱
 Symphony No.3Gorecki/Symphony No.3 (Zinman/Upshaw, 1991)

ポーランドの作曲家、ヘンリク・グレツキの交響曲第3番(悲歌のシンフォニー)(Nonesuch)。「holy minimalism」と称される、スローテンポの宗教的な音楽。デイヴィッド・ジンマン指揮、ロンドン・シンフォニエッタ演奏。ドーン・アップショウの澄んだソプラノが美しい。欧米で大ヒットした1枚
Good!Kremer Plays Schnittke: Concerto grosso No.1/Quasi una sonata/Moz-Art à la Haydn/A PaganiniSchnittke/Kremer Plays Schnittke: Concerto grosso No.1/Quasi una sonata/Moz-Art à la Haydn/A Paganini (Kremer, 1984/1988)

ラトヴィア出身のヴァイオリニスト・指揮者、ギドン・クレーメルによる、旧ソ連の作曲家、アルフレット・シュニトケの作品集(DG)。「合奏協奏曲第1番」(2つのヴァイオリン、ハープシコード、プリペアド・ピアノと弦楽オーケストラのための、1976-77年)はポストモダニズム的な「多様式主義」(新旧の様々な様式の複合的な使用)による有名曲で、協和音と不協和音が交錯し、バロック様式やタンゴなども導入した、調性的で美しい曲。クレーメル2度目の録音。ヴァイオリンと室内オーケストラのための「クアジ・ウナ・ソナタ(ソナタ風)」(ヴァイオリンソナタ第2番の編曲)、「モーツ-アルト・ア・ラ・ハイドン(ハイドン風モーツァルト)」、「ア・パガニーニ」も収録
Good!Book of DaysMeredith Monk/Book of Days (Meredith Monk and Vocal Ensemble, 1989)

1942年生まれのアメリカの女流作曲家/ヴォイス・パフォーマー/演出家/映画作家/振付師で、「拡張された声楽技術(extended vocal technique)」、「総合パフォーマンス(interdisciplinary performance)」の開拓者の一人として知られるメレディス・モンクが1989年にECM New Series(ECMのクラシカル/現代音楽シリーズ)の一枚として録音したアルバム。非常に美しい、透明感あふれるミニマル的な声楽アンサンブル。映像と音楽のための作品で、中世のユダヤ教徒を登場人物とする同名の自主映画も制作されている
Good!Mom'sCarl Stone/Mom's (Carl Stone, 1992/1986-1991)

1953年生まれのアメリカ合衆国の電子音楽、コンピュータ音楽の作曲家、カール・ストーンの1992年のアルバム(1986-1991年録音、New Albion Records)。サンプリング/サウンドコラージュ/カットアップ技法を用いた実験的でミニマル的な電子音楽だが、心地良いアンビエント・テクノ、または瞑想的なサイケデリック・ミュージックとしても聞ける。「Mom's」と「Chao Nue」は舞踏家の折田克子のために制作された曲。「Shing Kee」では矢野顕子が英語で歌うシューベルトの歌曲の短い断片(アルバム「BROOCH」(1986年)より)を素材として使用。「Gadberry's」はガムランのような金属的な音色の1989年のライヴ演奏。スティーヴ・ライヒ(Steve Reich)やブライアン・イーノ(Brian Eno)を好む方におすすめ




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