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おすすめCD: ジャズ・フュージョン

最終更新: 2017年10月14日


      Good! おすすめ
      Very good! 非常におすすめ  (この評価はサイト管理者の個人的な好みによるものです。)

 画像アーティスト名/タイトル(録音年)、メモ
 The Entertainer: Classic Ragtime from Rare Piano RollsScott Joplin/The Entertainer: Classic Ragtime from Rare Piano Rolls (1992/1896-1916)

スコット・ジョプリン(1868-1917)はラグタイムの作曲で知られ、「ラグタイム王」(King of Ragtime)とも呼ばれたアメリカ合衆国の作曲家・ピアニスト。ラグタイムは、19世紀末から20世紀初頭にかけてアメリカで流行し、初期のジャズに影響を与えた、主にピアノのためのダンサブルなポピュラー音楽で、ヨーロッパのクラシック音楽やマーチ、アフリカ系アメリカ人の音楽などを母体としており、シンコペイトするリズムが特徴。このCDは、ジョプリン作の14曲のピアノロール(1896-1916年)をスタインウェイのピアノで自動演奏し、デジタル録音したもので、「Maple Leaf Rag」、「Something Doing」、「Weeping Willow Rag」の3曲はジョプリン自身の自演ロール。親しみやすいメロディーと軽快で躍動感のあるリズム。ジョプリンの最初にして最大のヒット曲、「Maple Leaf Rag」はクラシック・ラグの原型。「The Entertainer」は映画「スティング」でも使われた、誰もが聴いたことのある有名曲
 The 75th AnniversaryOriginal Dixieland Jazz Band/The 75th Anniversary (1992/1917-1921)

1910年代後半〜1920年代前半に活動し、1917年に初めてジャズの商業用レコードを録音した、ルイジアナ州ニューオーリンズ出身の白人ジャズバンド、オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンド(Original Dixieland Jazz Band)のビクターでの全録音(23曲)を収録した編集盤(Bluebird RCA)。最も初期のジャズのスタイルであるニューオーリンズ・ジャズ、ディキシーランド・ジャズの鮮明な記録。ブラスバンドの行進曲やフランスのカドリーユ、ラグタイムやブルース等を組み合わせた、ポリフォニックな集団即興演奏を含む、アンサンブル志向のバンド演奏。お祭りやパレードのような雰囲気の、親しみやすくハッピーな音楽。ODJBの楽器編成はコルネット、トロンボーン、クラリネット、ピアノ、ドラム。1〜2曲目の「Livery Stable Blues」と「Dixieland Jass Band One-Step」は、1917年に世界初のジャズのシングル盤として録音された曲。「Tiger Rag」は後に多くのアーティストにカヴァーされジャズのスタンダード曲になった、ODJBのオリジナル曲
 The Complete SetKing Oliver's Creole Jazz Band/The Complete Set (1997/1923-1924)

初期のジャズの最重要人物の一人で、ジャズにおけるミュート奏法の開拓者としても知られるアメリカ合衆国のジャズ・コルネット奏者、バンドリーダーのキング・オリヴァー(King Oliver)と彼のクレオール・ジャズ・バンドによる1923-1924年の録音を収録した2枚組CD(Retrieval)。全41曲。コルネット、クラリネット、サックス、トロンボーン、ピアノ、ダブル・ベース、ドラム、バンジョーを含むバンド演奏。キング・オリヴァーの弟子のルイ・アームストロング(Louis Armstrong)が第2コルネットで参加。ポリフォニックな集団即興演奏とソロを含む、軽快なリズムの聴きやすくて心地良い音楽。「Canal Street Blues」と「Dipper Mouth Blues」は有名曲。オリジナルのニューオーリンズ・ジャズの録音としては必聴盤の一つ。1923年のセッションは黒人(アフリカ系アメリカ人)の音楽家による最初のレコード
 The Essential Bessie SmithBessie Smith/The Essential Bessie Smith (1923-1933)

主に1920年代に活躍し、「ブルースの女帝」とも呼ばれたアメリカの女性ブルース/ジャズ歌手、ベッシー・スミス(Bessie Smith)の重要曲36曲を収録した編集盤(CD2枚組)。「'Tain't Nobody's Bizness If I Do」、「St. Louis Blues」、「Backwater Blues」、「Nobody Knows You When You're Down and Out」、「Shipwreck Blues」、「Need a Little Sugar in My Bowl」他。ベッシー・スミスの歌唱法は後の音楽シーンに広範な影響を及ぼしており、特にビリー・ホリデイ、カーメン・マクレエ、サラ・ヴォーン等の後続のジャズ歌手やアリーサ・フランクリン、ジャニス・ジョプリン等への影響は大。ルイ・アームストロング(tp)、コールマン・ホーキンス(ts)、フレッチャー・ヘンダーソン(p)、ベニー・グッドマン(cl)他の当時のジャズの巨匠が演奏に参加している。コロムビア・レコードのオリジナル原盤からデジタル・リマスターされており、音質は驚くほどクリアーで鮮明
 Snowy Morning BluesJames P. Johnson/Snowy Morning Blues (1930/1944)

ラグタイムからジャズ・ピアノへの過渡期の1920年代に、ハーレム・ストライド・ピアノ奏法(左手が1、3拍でベース音、2、4拍で和音を弾くパーカッシヴな4ビートを持続する)を完成させたアメリカのピアニスト・作曲家、ジェイムズ・P・ジョンソンの録音20曲を収録した編集盤(DECCA)。最初の4曲は1930年にブランズウィック・レーベルで録音された無伴奏ピアノソロ。その他の16曲はドラム伴奏付き。全20曲中、10曲がジョンソンの自作曲(スタンダード曲となった「Old Fashioned Love」他)で、7曲が愛弟子のファッツ・ウォーラーの作曲
 1932-1934Art Tatum/1932-1934 (1932-1934)

セルゲイ・ラフマニノフ、ウラディミール・ホロヴィッツ、アルトゥール・ルービンシュタイン、ジョージ・ガーシュウィンも驚嘆し、「狂ったショパン」(ジャン・コクトー)、「世界の八番目の不思議」(カウント・ベイシー)などと形容された超絶技巧(超高速ストライド奏法)で知られるアメリカのジャズピアニスト、アート・テイタムの最初期の録音。女性歌手、アデレイド・ホールの伴奏4曲とピアノソロ21曲を収録。「Tiger Rag」(2ヴァージョン)、「Liza (All the Clouds'll Roll Away)」収録
 The Fabulous Swing Collection(Various Artists)/The Fabulous Swing Collection (1998/1933-1940)

1930年代後半から1940年代前半のいわゆるスウィング時代にアメリカの大衆音楽の主流形式となったスウィング・ジャズの名曲19曲を収録した編集盤。1998年にRCAビクターの「Fabulous Collection Series」の1つとして発売。ビッグバンドによるポピュラーなダンスミュージックで、軽快なスウィングのリズムと洗練されたハーモニーが特徴。ニューオーリンズ・ジャズ/ディキシーランド・ジャズとは異なり、即興演奏よりも楽曲のアレンジやアンサンブルを重視する。グレン・ミラー・アンド・ヒズ・オーケストラ(Glenn Miller Orchestra and His Orchestra)の「In the Mood」「American Patrol」、デューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ(Duke Ellington and His Famous Orchestra)の「Take the "A" Train"」「Cotton Tail」、ベニー・グッドマン・アンド・ヒズ・オーケストラ(Benny Goodman and His Orchestra)の「Sing, Sing, Sing (With a Swing) Parts 1 & 2"」、アーティ・ショウ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Artie Shaw and His Orchestra)の「Back Bay Shuffle」他のエッセンシャルな有名曲を収録
 Lady Day: The Best of Billie HolidayBillie Holiday/Lady Day: The Best of Billie Holiday (1933-1944)

20世紀最高のジャズ歌手の一人、ビリー・ホリデイのコロムビア・レコードでの初期の録音を網羅した10枚組CD、「Lady Day: The Complete Billie Holiday on Columbia (1933-1944)」から選り抜かれた主要曲36曲を収録したCD2枚組の編集盤。有名な「Strange Fruit」(奇妙な果実)はコロムビアでは録音されていないため未収録。ピアニストのテディ・ウィルソンの楽団やその他のスウィング・ジャズのミュージシャンとの演奏。曲は主に当時の流行歌やスタンダードナンバー。ユニークなフレージングとしわがれ声。管楽器のような独特の歌唱法。ブルース歌手のベッシー・スミスとジャズ・トランペット奏者/ヴォーカリストのルイ・アームストロングの影響は大。気だるくゆったりとした雰囲気の、陶酔感あふれる音楽
 Live at Carnegie Hall: 1938 CompleteBenny Goodman/Live at Carnegie Hall: 1938 Complete (1938)

クラリネット奏者、ベニー・グッドマンによる1938年1月16日、ニューヨークのカーネギー・ホールでの歴史的なライヴ録音の完全盤(2枚組CD)。ベニー・グッドマン率いるビッグバンド(ベニー・グッドマン&ヒズ・オーケストラ)、トリオ、クァルテットによる演奏とジャム・セッションを収録。カウント・ベイシー(p)、テディ・ウィルソン(p)、ジョニー・ホッジス(ss、as)、ハリー・ジェイムス(tp)、レスター・ヤング(ts)、ライオネル・ハンプトン(vib)、ジーン・クルーパ(ds)他参加ミュージシャン多数。「Stompin' at the Savoy」「Sing, Sing, Sing」他。オリジナルの78回転のディスクからのデジタル・リマスター盤。針音ノイズが目立つが音質は良好。スウィング・ジャズ時代の鮮明な記録
 The Genius of the Electric GuitarCharlie Christian/The Genius of the Electric Guitar (1939-1941)

ビバップ・ジャズ誕生前夜のスウィング・ジャズ期に、シングル・トーンによるギターのソロ演奏によりメロディー楽器としてのエレクトリックギターの奏法を確立し、バップ以後のジャズやブルース、ロックなどポピュラー音楽全般に多大な影響を与えたアメリカのジャズ・ギタリスト、チャーリー・クリスチャン(Charlie Christian)の重要な録音を集めた編集盤。1939-1941年に参加したベニー・グッドマンの6重奏団、オーケストラとの演奏を収録。「Seven Come Eleven」、「Royal Garden Blues」、「Blues In B」他。3曲のボーナストラック、「Stompin' At the Savoy」、「Topsy (Swing To Bop)」、「Honeysuckle Rose (Up On Teddy's Hill)」は1941年5月にニューヨークのミントンズ・プレイハウスで行なわれた伝説的なジャム・セッションから採られたもの。ジャズ・ギター愛好者、特にウェス・モンゴメリー(Wes Montgomery)を好む方は必聴
 The World of Nat King ColeNat King Cole/The World of Nat King Cole (2005)

アフリカ系アメリカ人のジャズピアニスト・歌手、ナット・キング・コール(Nat King Cole)の重要曲を収録したCD1枚の編集盤(Capitol)。スウィング・ジャズ時代末期(1930年代後半〜1940年代)にはギターとベースを従えた独特のピアノトリオ演奏でオスカー・ピーターソンやビル・エヴァンスなどの後続のピアニストに影響を与え、1940年代末から1960年代前半はハスキーで滑らかなバリトン・ヴォイスによるクルーニング(ささやくように優しく歌う)唱法でポピュラー歌手としても成功した。「Straighten Up and Fly Right」、「Nature Boy」、「Mona Lisa」、「Too Young」、有名な「Unforgettable」、「Smile」(チャールズ・チャップリンの映画「モダン・タイムス」のテーマ曲(インストゥルメンタル)がオリジナル)、「A Blossom Fell」、「Ramblin' Rose」、「L-O-V-E」他ポピュラーなヒット曲多数収録。このCDにはヴァージョンが数種(US盤・EU盤・日本盤)あり、タイトルとジャケットが同じでも収録曲はそれぞれ異なるので注意が必要
Good!The Savoy Recordings -Master Takes-Charlie Parker/The Savoy Recordings -Master Takes- (1945-1958)

ビ・バップの創始者の一人、チャーリー・パーカー(as)の絶頂期の録音
 Charlie Parker on DialCharlie Parker/Charlie Parker on Dial (1946-1947)

これも最盛期の録音。完全盤はほぼ全てのテイクを収録
 Charlie Parker with StringsCharlie Parker/Charlie Parker with Strings (1949-1950)

ストリングス・セッション集。「Just Friends」「Summertime」他
 Bird and DizCharlie Parker and Dizzy Gillespie/Bird and Diz (1950)

2人のビバップ創始者、チャーリー・パーカー(as)とディジー・ガレスピー(tp)の双頭クインテット(セロニアス・モンク(p)、カーリー・ラッセル(b)、バディ・リッチ(ds))による歴史的録音(Verve)。陽気でハッピーなビバップ・ジャズ。「Bloomdido」、「Leap Frog」、「Mohawk」収録。パーカーがモンクと競演した唯一の録音
 Now's the TimeCharlie Parker/Now's the Time (1952/1953)

晩年の1950年代にヴァーヴ・レコードで行った2回の名セッションを収録。「Chi-Chi」「Now's the Time」「Confirmation」他
 The Bud Powell TrioBud Powell/The Bud Powell Trio (1947/1953)

ビ・バップ・ピアノの創成期の記録。1947年の録音は絶頂期の名演
 The Amazing Bud Powell, Vol. 1Bud Powell/The Amazing Bud Powell, Vol. 1 (1949/1951)

モダンジャズ/ビバップのピアノ演奏のスタイルを確立した、アメリカ合衆国のジャズピアニスト、バド・パウエルの絶頂期の演奏(Blue Note)。オリジナルのLPは12曲収録。2001年のデジタル・リマスター盤再発CDは、別テイクを加えて全20曲を録音順に収録。1941年のセッションはファッツ・ナヴァロ(tp)、ソニー・ロリンズ(ts)参加のクインテット演奏。1951年のセッションはカーリー・ラッセル(b)、マックス・ローチ(ds)とのトリオ演奏。「Bouncing with Bud」「Ornithology」「A Night in Tunisia」「Un Poco Loco」他
Good!Genius of Modern MusicThelonious Monk/Genius of Modern Music (1947-1952)

2001年に日本で発売された完全版。ブルーノート・レーベルでの全6セッションを別テイクも含めて完全収録した2枚組。セロニアス・モンクの特異な音楽性と「Ruby My Dear」「Well You Needn't」「'Round About Midnight」「Straight No Chaser」等の主要なオリジナル曲がすでに完成されている
 Solo on VogueThelonious Monk/Solo on Vogue (1954)

まだ無名で不遇だった時代にパリで録音したピアノ・ソロ。「'Round About Midnight」「Evidence」「Well You Needn't」「Off Minor」他の傑作オリジナル曲を収録
Very good!Brilliant CornersThelonious Monk/Brilliant Corners (1956)

前衛ジャズの祖、セロニアス・モンク(p)の名盤「ブリリアント・コーナーズ」。モンク特有のアヴァンギャルドな音楽性がすぐれたセッション演奏によって見事に表現された希有な作品
 Thelonious HimselfThelonious Monk/Thelonious Himself (1957)

スタンダード曲中心のピアノ・ソロ。遅めのテンポ。訥弁風の演奏
 Thelonious Monk with John ColtraneThelonious Monk with John Coltrane (1957)

セロニアス・モンク(p)とジョン・コルトレーン(ts)の共演を記録した貴重なスタジオ録音(Riverside)。コルトレーンはモンクのクァルテットへの参加によって「シーツ・オブ・サウンド」を生み出すに至ったが、このクァルテットのスタジオ録音はこのディスクに収録されている「Ruby, My Dear」、「Trinkle, Tinkle」、「Nutty」の3曲しかない。「Trinkle, Tinkle」は、モンクの数学的で複雑な楽曲構造とコルトレーンの火を噴くようなインプロヴィゼーションが合体した緊張感あふれる名演
Good!Thelonious Monk Quartet with John Coltrane at Carnegie HallThelonious Monk Quartet with John Coltrane at Carnegie Hall (1957/2005)

ジョン・コルトレーン参加時のセロニアス・モンク・クァルテットによるライヴ・アルバム(Blue Note)。1957年11月29日、ニューヨークのカーネギー・ホールでの録音。アメリカの短波放送ヴォイス・オブ・アメリカが録音したテープが2005年に米国議会図書館で発見され、CDで発売された。モノラルだが音質はかなり良好。他の録音では聴くことができない貴重なライヴ録音であり歴史的な記録。独特の風変わりなスタイルを確立した全盛期のモンク(piano)と、「シーツ・オブ・サウンド」と呼ばれた独自の高速即興演奏のスタイルに移行しつつあったトレーン(tenor saxophone)の絡みがクリアな音で聴ける。「Monk's Mood」、「Evidence」、「Epistrophy」、「Blue Monk」などのモンクのオリジナル曲が中心
 Subconscious-LeeLee Koniz/Subconscious-Lee (1949-1950)

リー・コニッツ(as)とレニー・トリスターノ(p)の1949年の共演はクール時代の代表的演奏
 Birth of the CoolMiles Davis/Birth of the Cool (1957/1949-1950)

アメリカ合衆国のジャズ・ミュージシャン、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)のノネット(九重奏団)が1949年と1950年に録音した3回のセッションから12曲を収録した編集盤(Capitol Records)。ビバップ・ジャズとは異なる他の可能性を探る実験的な試みの産物。即興演奏よりも音色、ハーモニー、アレンジとキャッチーなメロディーの楽曲を重視した、滑らかで流麗な音楽。フレンチ・ホルンやチューバを含む、中音域が中心の厚い音。対位法やポリフォニーなどのクラシック音楽の技法の影響を受けたアレンジ。参加メンバーはマイルス・デイヴィス(trumpet)、リー・コニッツ(alto saxophone)、ジェリー・マリガン(baritone saxophone)、ジョン・ルイス(piano)他。アレンジはギル・エヴァンス、ジェリー・マリガン、ジョン・ルイスが担当。即興演奏の面白さはないが、クール・ジャズや後のウエストコースト・ジャズに影響を与えたジャズ史上の重要作
 Bags GrooveMiles Davis/Bags Groove (1954)

ハード・バップの名演として知られる作品。セロニアス・モンク(p)も参加
 Kind of BlueMiles Davis/Kind of Blue (1959)

アドリブをコード進行から解放したモード奏法。1960年代ジャズの先鞭を付けた作品
 Sketches of SpainMiles Davis/Sketches of Spain (1959/1960)

「アランフェス協奏曲」の原曲はロドリーゴのギター協奏曲の第2楽章。アレンジはギル・エヴァンス
Good!Miles in BerlinMiles Davis/Miles in Berlin (1964)

マイルス・デイヴィスの「第2期黄金クインテット」〜マイルス・デイヴィス(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)による最初の録音。マイルスの古いレパートリー曲の解体と再構築。モーダルかつアヴァンギャルド寄りの演奏。速いテンポの「Milestones」と「So What」。有名なスタンダード曲の「Autumn Leaves」(枯葉)は殆ど原形をとどめないほどに崩した演奏。ドイツ、ベルリン・フィルハーモニックでのライヴ録音
 In a Silent WayMiles Davis/In a Silent Way (1969)

「Bitches Brew」の半年前の録音。電気楽器を本格導入したフュージョン・スタイルの先駆的な作品。エレクトリック・ピアノ2台、オルガン、エレキギターを加えたセッション録音をマイルス・デイヴィスとプロデューサーのテオ・マセロが編集したもの。参加ミュージシャンはマイルス・デイヴィス(tp)、チック・コリア(el-p)、ハービー・ハンコック(el-p)、ジョー・ザヴィヌル(el-p、organ)、デイヴ・ホランド(b)、ジョン・マクラフリン(el-g)、ウェイン・ショーター(ss、ts)、トニー・ウィリアムス(ds)。絵画的な静謐さを湛えたクールで牧歌的な演奏
 Bitches BrewMiles Davis/Bitches Brew (1969)

電化楽器とポリリズムを導入し、1970年代のフュージョンに多大な影響を与えた作品。4人のパーカッショニストによる複雑なリズム。ウェイン・ショーター(ss)、チック・コリア(el-p)、ジョン・マクラフリン(el-g)、ジョー・ザヴィヌル(el-p)他
Good!On the CornerMiles Davis/On the Corner (1972)

スライ&ザ・ファミリーストーンにインスパイアされたファンク・グルーヴ、テープループや多重録音の手法、カールハインツ・シュトックハウゼン等の現代電子音楽の要素をジャズに導入したアヴァンギャルドな作品。延々と繰り返される、ミニマル的で反復強迫的なアフロ・ファンクのリズム。ミュージシャンは、マイルス・デイヴィス(ts)、デイヴ・リーブマン(ss)、カルロス・ガーネット(ss、ts)、チック・コリア(p)、ハービー・ハンコック(p、synths)、ジョン・マクラフリン(el-g)他。電化マイルスの傑作の一つ
 Hi-Fi Ellington UptownDuke Ellington and His Orchestra/Hi-Fi Ellington Uptown (1951/1952)

エキゾチックでカラフルなビッグバンド・ジャズ。ルイ・ベルソンの2ベースドラムをフィーチュアした「Skin Deep」、「The Mooche」、「Take the "A" Train」(ヴォーカルはベティ・ロッシュ)、「Perdido」他の名曲を収録
Good!Ellington at Newport (Complete)Duke Ellington/Ellington at Newport (Complete) (1956/1999)

1930年代〜1960年代を中心にスウィング/オーケストラ・ジャズの分野で歴史的な録音を量産したアメリカ合衆国の作曲家・ピアニスト・バンドリーダー・アレンジャー、デューク・エリントンの傑作ライヴ・アルバム(Columbia)。1956年のニューポート・ジャズ・フェスティバルでのライヴ録音とスタジオ録音で構成されている。オリジナルのLPはモノラルの5曲入りだったが、1999年のリマスター盤の2枚組CD(Complete)はコンサートの全演奏を収録。ビバップの語法を含む1950年代のエリントン・オーケストラのモダンなビッグバンド・ジャズのライヴ演奏が、ステレオに復元された非常にクリアな音で楽しめる。ポール・ゴンザルヴェスの有名な27コーラスのテナー・ソロを含む、すさまじいグルーヴ感の「Diminuendo in Blue and Crescendo in Blue」が聴きどころ
 Money JungleDuke Ellington/Money Jungle (1962)

マックス・ローチ(ds)とチャールス・ミンガス(b)を従えたピアノ・トリオによる録音。ポストバップ風の演奏。重厚かつ攻撃的な音
 The Eminent Jay Jay Johnson, Volume 1J. J. Johnson/The Eminent Jay Jay Johnson, Volume 1 (1953)

1950年代初頭にビバップの語法によるトロンボーンのモダンな奏法を確立したアメリカ合衆国のトロンボーン奏者、J・J・ジョンソンの1953年の録音(Blue Note)。クリフォード・ブラウン(tp)が加わったセクステットによる演奏。サックスやトランペットのように滑らかで素早いテンポのトロンボーンの超絶技巧。2001年の再発CDは「Capri」「Turnpike」「Get Happy」の別テイクをボーナストラックとして収録
 DjangoThe Modern Jazz Quartet/Django (1953-1955)

ディジー・ガレスピー楽団のリズム隊を母体として結成されたグループ、ザ・モダン・ジャズ・クァルテットのオリジナル・メンバーによる唯一のアルバム。ジョン・ルイスのピアノと作編曲、ミルト・ジャクソンのヴァイブラフォンをフィーチュアした典雅で対位的な室内楽風の演奏。タイトル曲「Django」はギタリストのジャンゴ・ラインハルトの死を悼んでジョン・ルイスが作曲した有名曲
 Louis Armstrong Plays W.C. HandyLouis Armstrong and His All-Stars/Louis Armstrong Plays W.C. Handy (1954)

ジャズ・トランペット奏者/歌手のルイ・アームストロングの晩年の名録音。サッチモが「ブルースの父」W.C.ハンディの曲11曲をオールスターズのトラミー・ヤング(tb)、バーニー・ビガード(cl)、ビリー・カイル(p)、アーベル・ショウ(b)、バレット・ディームズ(ds)、ヴェルマ・ミドルトン(vo)とともに演奏する。「St. Louis Blues」収録
 Clifford Brown and Max RoachClifford Brown and Max Roach/Clifford Brown and Max Roach (1954/1955)

トランペッターのクリフォード・ブラウンとドラマーのマックス・ローチを擁する双頭クインテットによるハードバップの名セッションを収録(1954年、55年録音)
 Helen Merrill With Clifford BrownHelen Merrill With Clifford Brown/Helen Merrill With Clifford Brown (1954)

女性歌手のヘレン・メリルがトランペッターのクリフォード・ブラウンと組んだアルバム。メリルは特に日本で人気がある人。独特のハスキー・ヴォイス。「You'd Be So Nice to Come Home To」(コール・ポーター作詞作曲)は有名。編曲・指揮はクインシー・ジョーンズ。ジャズヴォーカルの名盤の一つ
 Chet Baker SingsChet Baker/Chet Baker Sings (1954/1956)

1950年代のウエストコースト/クールジャズのトランペット奏者兼ヴォーカリスト、チェット・ベイカーの一般大衆向けヴォーカル・アルバム。中性的で涼しげなヴォーカルによる繊細でメランコリックな音。主に映画やミュージカルの曲、有名な「My Funny Valentine」(リチャード・ロジャース作曲)等のスタンダード曲を収録。ボサノヴァ、ソフトロック、ネオアコ等を好む人におすすめ
 Sarah Vaughan with Clifford BrownSarah Vaughan/Sarah Vaughan with Clifford Brown (1954)

広い声域の美声で知られる、1924年ニュージャージー州ニューアーク生まれのアメリカ合衆国のジャズ・ヴォーカリスト、サラ・ヴォーンが1954年にトランペット奏者のクリフォード・ブラウンと共演録音したアルバム(EmArcy)。オリジナルのタイトルは「Sarah Vaughan」。「Sarah Vaughan with Clifford Brown」は再発時のタイトル。円熟期のサラ・ヴォーンの変幻自在のヴォイスによる、「Lullaby of Birdland(バードランドの子守唄)」(ジョージ・シアリング作曲)、「April in Paris(パリの四月)」(ヴァーノン・デューク作曲)、「Embraceable You(エンブレイサブル・ユー)」(ジョージ・ガーシュウィン作曲)、「September Song(九月の歌)」(クルト・ヴァイル作曲)他のポップなスタンダード曲の魅惑的な歌唱が存分に楽しめる。スキャットを交えた「バードランドの子守唄」は名演として有名
 Crazy and Mixed UpSarah Vaughan/Crazy and Mixed Up (1982)

アメリカの女性ジャズ歌手、サラ・ヴォーンが晩年にパブロ・レーベルで録音した名盤。幅広い声域とオペラ歌手のような豊かな声量。「Autumn Leaves」(枯葉)は有名なジャズのスタンダード曲をメロディーも歌詞もなしで全編スキャットのみで歌ったユニークな演奏。ジョー・パス(g)参加。「The Island」、「Love Dance」はブラジルのミュージシャン、イヴァン・リンスの曲のカヴァー
 Lennie TristanoLennie Tristano/Lennie Tristano (1955)

クールジャズ、ビバップ、ポスト・バップ、アヴァンギャルド・ジャズの分野で活躍し、対位的でハーモニカルな独自の音楽理論で知られるシカゴ出身の盲目の白人ジャズピアニスト、レニー・トリスターノの代表作の一つ(Atlantic、1955)。邦題は「鬼才トリスターノ」。最初の4曲は、多重録音やテープのピッチを上げるなどの革新的な実験で有名。特に「Line Up」と「Turkish Mambo」は濃密で緊張感にあふれた録音。後半の5曲は弟子のリー・コニッツ(as)を加えたライヴ録音で、よりリラックスした演奏
 Concert by the SeaErroll Garner/Concert by the Sea (1955)

エロール・ガーナー(p)の「コンサート・バイ・ザ・シー」。米国でベストセラーになった人気盤。「ビハインド・ザ・ビート」(左手のビートに対して右手のシングル・ノートが僅かに遅れ気味)と呼ばれた独特のピアノ奏法。サービス精神と無類のスウィング感。ライヴ録音
 Afro-CubanKenny Dorham/Afro-Cuban (1955)

1950/1960年代のバップ〜ハードバップ期に活動したアメリカ合衆国のジャズトランペット奏者、ケニー・ドーハム(Kenny Dorham)の1955年の録音(Blue Note)。1955年に4曲入りの10インチのレコードとして発売。この4曲は、当時アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズに在籍していたミュージシャン〜ケニー・ドーハム(tp)、アート・ブレイキー(ds)、ハンク・モブレー(ts)、ホレス・シルヴァー(p)〜と、キューバ出身のコンガ奏者、カルロス"パタート"ヴァルデス(conga)を含む8重奏団によるもので、ディジー・ガレスピーの「Manteca」(1947年)等に続く、リズミカルでダンサブルなアフロキューバン・ジャズ、ラテン・ジャズの古典的名演。1957年にハードバップの演奏3曲を追加した7曲入りのLPとして発売。1曲目「Afrodisia」は1980年代中頃にイギリスのDJ、ポール・マーフィーによってプレイされ、UKクラブシーンの「アシッド・ジャズ/レア・グルーヴ」の文脈で再評価された
 Pres and TeddyLester Young - Teddy Wilson Quartet/Pres and Teddy (1956)

スウィングジャズの巨匠2人、レスター・ヤング(ts)とテディ・ウィルソン(p)の晩年の録音。ポピュラーなスタンダード曲が中心。適度に抑制が利いた、くつろいだ雰囲気の演奏
 Pithecanthropus ErectusThe Charlie Mingus Jazz Workshop/Pithecanthropus Erectus (1956)

タイトル曲はフリー・ジャズを先取りしたようなエモーショナルな問題作
 Mingus Ah UmCharles Mingus/Mingus Ah Um (1959)

8人編成によるビッグバンド風の演奏。ゴスペル/ブルースを基調とするミンガスの代表曲がまとめて収録されており、他の代表的なアルバムよりも比較的とっつきやすいので初心者にはおすすめ。「Fables of Faubus」(フォーバス知事の寓話)はこれが初録音。故レスター・ヤングへの哀悼歌「Goodbye Pork Pie Hat」は、ジェフ・ベックやスタンリー・クラークなど多くのミュージシャンがカヴァーしているスローなブルースの名曲
Good!Mingus at AntibesCharles Mingus/Mingus at Antibes (1960/1976)

1960年のフランス南東部アンティーブのジャズ・フェスティヴァルでのライヴ演奏(Atlantic)。チャールズ・ミンガス(bass)、テッド・カーソン(trumpet)、エリック・ドルフィー(alto saxophone, bass clarinet)、ダニー・リッチモンド(drums)のレギュラー・クァルテットにブッカー・アーヴィン(tenor saxophone)が加わった3管ピアノレスの編成。スタンダードの「I'll Remember April」(四月の思い出)ではバド・パウエル(piano)が参加。ミンガスは2曲でピアノも弾いている。ゴスペル、ブルースをベースにしたフリー寄りの濃密重厚なアンサンブル。火を噴くような即興ソロを交えたジャム・セッションとしてのミンガスの「ジャズ・ワークショップ」の真髄が堪能できる。ミンガスとドルフィーの共演作の中では「Charles Mingus Presents Charles Mingus」と並ぶ傑作
Good!Charles Mingus Presents Charles MingusCharles Mingus/Charles Mingus Presents Charles Mingus (1960)

ピアノレスのクァルテット編成。フリー寄りだがオーケストラ的にまとまった演奏。エリック・ドルフィー(fl、bcl、as)参加。「Original Faubus Fables」(オリジナル・フォーバス知事の寓話)収録
 The Black Saint and the Sinner LadyCharles Mingus/The Black Saint and the Sinner Lady (1963)

「黒い聖者と罪ある女」。チャールズ・ミンガスのImpulse!レーベルでの録音の一つ。デューク・エリントンの「ジャングル・ミュージック」とスペインの民俗音楽にインスパイアされた、エキゾティックでエロティックなムードのアヴァンギャルドなビッグバンド・ジャズといった趣で、フラメンコ・ギター・ソロが突然挿入されたりする。6部構成のバレエ組曲として作曲され、小オーケストラ(11人編成のバンド)により演奏される。ミンガス自身は「エスニック・フォーク・ダンス・ミュージック」と称していた。多重録音技術を駆使した多層的なオーケストレーションが聴きどころ
 Mingus at Carnegie HallCharles Mingus/Mingus at Carnegie Hall (1974)

チャールズ・ミンガス(bass)、ジョージ・アダムス(tenor saxophone)、ハミエット・ブルイエット(baritone saxophone)、ジョン・ファディス(trumpet)、ジョン・ハンディ(alto/tenor saxophone)、ラサーン・ローランド・カーク(tenor saxophone, stritch)、チャールズ・マクファーソン(alto saxophone)、ドン・ピューレン(piano)、ダニー・リッチモンド(drums)の9人編成によるライヴ録音(Atlantic)。ハード・バップ/ポスト・バップのジャム・セッション。デューク・エリントン・バンドの演奏で知られる有名なスタンダード曲2曲、「C Jam Blues」と「Perdido」を収録(約47分)。ローランド・カークとジョージ・アダムスのフリーク・トーンを駆使したソロが聴きどころ。特に「C Jam Blues」でのローランド・カークの循環呼吸による長音を多用したフリーキーでアヴァンギャルドなソロが印象的。「C Jam Blues」は終結部でリズムが崩壊してノイジーな集団即興演奏になり、フリージャズに近くなっている
 Saxophone ColossusSonny Rollins Four/Saxophone Colossus (1956)

モダン・ジャズの代表的な名盤。ロリンズ作の「St. Thomas」はカリプソ調の佳曲
 East Broadway Run DownSonny Rollins/East Broadway Run Down (1966)

アメリカ合衆国のジャズ・サックス奏者、ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)の1966年のアルバム(Impulse!)。1曲目の「East Broadway Run Down」(約20分)は、ソニー・ロリンズ(tenor saxophone)、フレディ・ハバード(trumpet)、ジミー・ギャリソン(bass)、エルビン・ジョーンズ(drums)のピアノレス・クァルテットによるフリー・ジャズ風のアヴァンギャルドな演奏で、不協和音やロリンズがマウスピースのみを吹くパートなどを含んでいる。2曲目「Blessing in Disguise」(ハード・バップ)と3曲目「We Kiss in a Shadow」(ラテン・ジャズ風)は、ソニー・ロリンズ、ジミー・ギャリソン、エルビン・ジョーンズのピアノレス・トリオによる、よりオーソドックスな演奏で、ロリンズの本来の伸びやかに歌うアドリブが楽しめる。「We Kiss in a Shadow」は、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世によるミュージカル「王様と私」中の1曲
 Modern Jazz Performances Of Songs From My Fair LadyShelly Manne & His Friends/Modern Jazz Performances Of Songs From My Fair Lady (1956)

ブロードウェイ・ミュージカル「マイ・フェア・レディ」の楽曲を、アンドレ・プレヴィン(p)、シェリー・マン(ds)、リロイ・ヴィネガー(b)のトリオ編成でジャズにアレンジして演奏した作品(Contemporary Records)。米国だけで15万枚を売ったベストセラー盤。全体が一つのブロードウェイ・ミュージカルの楽曲のジャズ・アレンジからなるアルバムとしては世界初のもの。軽快なリズムと洗練されたタッチの、端正でエレガントなピアノジャズ。ウェスト・コースト・ジャズのピアノトリオのポピュラーな名盤。なごみとくつろぎの1枚
 Modern ArtArt Pepper Quartett/Modern Art (1956/1957)

ウエストコーストジャズのアルト奏者、アート・ペッパーが1950年代に録音した名作の一つ。適度に抑制された、ロマンティックで叙情的な演奏。冒頭の「Blues In」と最後の「Blues Out」はベース奏者のベン・タッカーとのデュエット
 GroovyThe Red Garland Trio/Groovy (1956/1957)

1950年代にマイルス・デイヴィス・クインテットのメンバーだったピアニスト、レッド・ガーランドのプレステージ・レーベルでの第4リーダー作。ポール・チェンバーズ(b)、アート・テイラー(ds)と組んだトリオ編成。右手のシングルトーンと左手のブロック・コードによる、コロコロと転がるようなスウィンギーな演奏
 The Complete Atomic BasieCount Basie/The Complete Atomic Basie (1957)

1950年代後半に「アトミック・バンド」と呼ばれたカウント・ベイシーのオーケストラの代表作。カウント・ベイシー(p)、フレディ・グリーン(g)、エディ・"ロックジョウ"・デイヴィス(ts)、アル・グレイ(tb)、スヌーキー・ヤング(tp)、ソニー・ペイン(ds)他。軽快にスウィングするリズムと切れ味の鋭いブラスアンサンブルによるポップ志向のビッグバンド・ジャズ。作曲・編曲はニール・ヘフティ
 At NewportDizzy Gillespie/At Newport (1957)

ジャズトランペット奏者のディジー・ガレスピーが1956年に結成した第3期ビッグバンドの絶頂期の名演(Verve)。ベニー・ゴルソン(ts)、ウィントン・ケリー(p)、アル・グレイ(tb)、ビリー・ミッチェル(ts)、リー・モーガン(tp)他参加。ハッピーでノリノリの演奏。「Manteca」はガレスピーが作曲したアフロ・キューバン・ジャズの名曲。エキゾティックな雰囲気の名曲「A Night in Tunisia」はガレスピーが作曲した曲の中でも最も有名な曲で、ジャズのスタンダード曲としても知られている。1957年7月6日、ニューポート・ジャズ・フェスティバルでのライヴ録音
 OverseasTommy Flanagan Trio/Overseas (1957)

1950年代に多数の名録音に参加したピアニスト。バップ風のスウィンギーで軽快な演奏。エルヴィン・ジョーンズ(ds)のブラシ奏法もかっこいい。ストックホルム録音
 Sonny Clark TrioSonny Clark Trio/Sonny Clark Trio (1957)

ソニー・クラーク(p)、ポール・チェンバーズ(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)のトリオによる録音(ブルーノート)。繊細なタッチと軽快なスウィング感のメロディアスなハードバップ。「I Didn't Know What Time it Was」(時さえ忘れて)、「Softly, As in a Morning Sunrise」(朝日のようにさわやかに)、「I'll Remember April」(四月の思い出)などのスタンダード曲が中心のリラックスした演奏
 Cool Struttin'Sonny Clark/Cool Struttin' (1958)

日本人受けする叙情性とマイナー曲調とブルース・フィーリング
 Bass on TopPaul Chambers/Bass on Top (1957)

1955年にマイルス・デイヴィスのクィンテットに加わり、1950年代〜1960年代にサイドマンとして多くの重要な録音に参加したジャズベース奏者、ポール・チェンバースの1957年のリーダー作(Blue Note)。ケニー・バレル(g)、ハンク・ジョーンズ(p)、アート・テイラー(ds)とのクァルテットによる、リラックスした雰囲気のスウィンギーでストレートなハードバップ。ポール・チェンバースのピッツィカート(指弾き)によるウォーキングベースと、エコーがかかったノコギリの音のようなアルコ(弓弾き)ベースの両方が堪能できる
 Kenya: Afro-Cuban JazzMachito/Kenya: Afro-Cuban Jazz (1957)

キューバ出身のコンガ奏者、ラテンジャズのバンドリーダーで、1940年代にアフロ・キューバンのリズムをジャズのインプロヴィゼーション、ビッグバンド・アレンジと融合させたアフロ・キューバン・ジャズの創始者の一人、マチートの1957年の録音(Roulette Records)。マチートのビッグバンドにキャノンボール・アダレイ(alto sax)、カーティス・フラー(trombone)、ジョー・ニューマン(trumpet)他を加えた編成。ラテン・パーカッション(コンガ、ボンゴ、ティンバレス)と鋭いブラスアタック、キャッチーなメロディーを含む、ポップ志向で聴きやすい音楽。ジャズよりも1950年代のアメリカのジャジーな劇伴音楽やエキゾティカの方に近い音
 Palo CongoSabu/Palo Congo (1957)

ディジー・ガレスピー、ホレス・シルヴァー、J.J.ジョンソン、アート・ブレイキー他の録音への参加で知られるアメリカ合衆国のコンガ奏者(コンゲーロ)・打楽器奏者、サブー(サブー・マルティネス)の初リーダー作(Blue Note)。キューバのルンバやソンの様式を含む、アフロ・キューバン音楽/ラテンジャズの古典的名盤。ラテン・パーカッション(コンガ、ボンゴ)によるプリミティヴなリズムとポリリズム、ヴォーカル、チャント、キューバ音楽の巨匠アルセニオ・ロドリゲスのギター(トレス)が中心。モダン・ジャズよりも純粋なアフロ・キューバン音楽やアフリカの儀礼音楽に近い音。サブーがヴォーカルを担当している「El Cumbanchero」(エル・クンバンチェロ)は、プエルトリコの作曲家ラファエル・エルナンデス作曲のポピュラーソングのカヴァー
 Somethin' ElseCannonball Adderley/Somethin' Else (1958)

アルトサックス奏者のキャノンボール・アダレイとマイルス・デイヴィスの共同制作。メンバーはマイルス・デイヴィス(tp)、キャノンボール・アダレイ(as)、ハンク・ジョーンズ(p)、サム・ジョーンズ(b)、アート・ブレイキー(ds)。適度に抑制された、叙情的で美しい演奏。モダン・ジャズ/ハード・バップの屈指の名盤として定評がある。「Autumn Leaves」(「枯葉」。原曲はジョセフ・コスマ作曲のシャンソンの名曲)は名演として名高い
 Moanin'Art Blakey and the Jazz Messengers/Moanin' (1958)

ハード・バップ/ファンキー・ジャズの古典的名盤。メンバーはリー・モーガン(tp)、ベニー・ゴルソン(ts)、ボビー・ティモンズ(p)、ジミー・メリット(b)、アート・ブレイキー(ds)
 SoultraneJohn Coltrane/Soultrane (1958)

「シーツ・オブ・サウンド」奏法完成時の作品。バラード等の選曲の妙とハードなプレイの程良い均衡
Very good!Giant StepsJohn Coltrane/Giant Steps (1959)

ジョン・コルトレーン(ts)の「ジャイアント・ステップス」。フリー寄りになる前の頃。コードの細分化による独自のモード奏法。細かいフレーズを素早く吹きまくる「シーツ・オブ・サウンド」全開の傑作。全曲オリジナル
 My Favorite ThingsJohn Coltrane/My Favorite Things (1960)

タイトル曲はミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の挿入曲のソプラノ・サックスによる演奏
 Africa/BrassJohn Coltrane/Africa/Brass (1961)

米国のジャズサックス奏者、ジョン・コルトレーンのImpulse!レーベル移籍後の初録音。ジョン・コルトレーン(ss、ts)、マッコイ・タイナー(p)、レジー・ワークマン(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)のクァルテットに、フレディ・ハバード(tp)、ブッカー・リトル(tp)、エリック・ドルフィー(as、fl、bcl)他参加のブラスバンドのバッキングを加えた、重厚な音のモーダル・ジャズ。「Africa」はコルトレーンがアフリカまたはアフリカ音楽を素材にした最初の曲。「Greensleeves」は同名のイングランドの民謡がオリジナル。オーケストラの指揮はエリック・ドルフィー。別テイクや未発表音源を含む2枚組CD「The Complete Africa/Brass Sessions」もあります
 A Love SupremeJohn Coltrane/A Love Supreme (1964)

最高傑作とされる完成度の高い作品。モード奏法によるスピリチュアルな演奏
 AscensionJohn Coltrane/Ascension (1965)

ジョン・コルトレーン(John Coltrane)がオーネット・コールマン(Ornette Coleman)のアルバム「Free Jazz: A Collective Improvisation」(1960年)にインスパイアされ、フリージャズの若手ミュージシャンを結集して録音した、アヴァンギャルドなフリージャズの問題作(Impulse!)。3テナー(ジョン・コルトレーン、ファラオ・サンダース、アーチー・シェップ)、2アルト(マリオン・ブラウン、ジョン・チカイ)、2トランペット(フレディ・ハバード、デューイ・ジョンソン)、2ベース(アート・デイヴィス、ジミー・ギャリソン)、ピアノ(マッコイ・タイナー)、ドラムス(エルヴィン・ジョーンズ)の総勢11人による集団即興演奏(約40分)で、集団演奏と各メンバーのソロが交互に来る構成。「Edition I」と「II」の2テイクがあり、CDは両テイクを収録
 Reflections: Steve Lacy Plays Thelonious MonkSteve Lacy/Reflections: Steve Lacy Plays Thelonious Monk (1958)

1950年代前半はディキシーランド・ジャズを演奏、1950年代後半以降はセシル・テイラーやセロニアス・モンクの影響下でアヴァンギャルド・ジャズに傾斜するなど、広範囲な活動で知られるアメリカ合衆国のソプラノ・サックス奏者、スティーヴ・レイシー(Steve Lacy)の2ndリーダー作(Prestige)。スティーヴ・レイシー(soprano saxophone)、マル・ウォルドロン(piano)、ブエル・ネイドリンガー(bass)、エルヴィン・ジョーンズ(drums)のクァルテットによる、セロニアス・モンクの楽曲7曲の録音。モンクの特異な音楽性と美しいメロディーを尊重した演奏で、モンクっぽさは濃厚。「Round Midnight」や「Straight, No Chaser」のような有名なスタンダード曲ではなく、「Four in One」、「Bye-Ya」、「Skippy」のような通好みの曲を選曲している。「Ask Me Now」はバラードの名曲。セロニアス・モンクを好む方には一聴の価値あり
 The Straight Horn of Steve LacySteve Lacy/The Straight Horn of Steve Lacy (1960)

1950年代前半はディキシーランド・ジャズを演奏、1950年代後半以降はセシル・テイラーやセロニアス・モンクの影響下でアヴァンギャルド・ジャズに傾斜するなど、広範囲な活動で知られるアメリカ合衆国のソプラノ・サックス奏者、スティーヴ・レイシー(Steve Lacy)の3rdリーダー作(Candid)。高音のソプラノ・サックスと低音のバリトン・サックス(チャールズ・デイヴィス)の2管のピアノレス・クァルテットという特異な編成。セロニアス・モンクの難曲3曲(「Introspection」、「Played Twice」、「Criss Cross」)、セシル・テイラーの曲2曲(「Louise」、「Air」)、有名な「Donna Lee」(マイルス・デイヴィス作曲。オリジナル録音はチャーリー・パーカー・クインテット)を演奏。スティーヴ・レイシーの透明な音色のソプラノ・サックスによる端正でメロディックなインプロヴィゼーションが聴きどころ
Good!The Forest and the ZooSteve Lacy/The Forest and the Zoo (1966)

1950年代前半はディキシーランド・ジャズを演奏、1950年代後半以降はセシル・テイラーやセロニアス・モンクの影響下でアヴァンギャルド・ジャズに傾斜するなど、広範囲な活動で知られるアメリカ合衆国のソプラノ・サックス奏者、スティーヴ・レイシー(Steve Lacy)の1960年代のフリージャズ期の代表作(ESP-Disk)。クールでアブストラクトなアヴァンギャルド・ジャズ。スティーヴ・レイシー(soprano saxophone)とイタリア人のエンリコ・ラヴァ(trumpet)のフロントラインと、南アフリカ出身の2人、ジョニー・ダイアニ(bass)とルイス・モホロ(drums)のリズムセクションによるフリーフォームの集団即興演奏。アルゼンチンのブエノスアイレスでのライヴ録音
 Left AloneMal Waldron/Left Alone (1959)

ビリー・ホリデイの晩年(1957-1959年)の伴奏者だったピアニストのマル・ウォルドロンが、1959年に逝去したビリー・ホリデイに捧げて録音したアルバム。アルト奏者のジャッキー・マクリーンが参加したタイトル曲「Left Alone」(レフト・アローン)は、物悲しい雰囲気のトーチ・ソングで、日本では非常に有名な人気曲。マル・ウォルドロンがビリー・ホリデイのために作曲し、ビリー・ホリデイが作詞をした曲だが、ビリー・ホリデイ自身はこの曲の録音を残さずにこの世を去った。最後の6トラック目はマル・ウォルドロンがビリー・ホリデイについて語った短いインタビュー。その他の4曲はジュリアン・ユーエル(b)とアル・ドリアーズ(ds)とのトリオ演奏
Good!The Shape of Jazz to ComeOrnette Coleman/The Shape of Jazz to Come (1959)

コード進行を無視した奔放な演奏。フリー・ジャズの先駆的な作品
 Free Jazz (A Collective Improvisation)Ornette Coleman Double Quartet/Free Jazz (A Collective Improvisation) (1960)

ステレオ左右2チャンネルのダブル・クァルテットによる対位的なフリー・インプロビゼーション。左チャンネルがオーネット・コールマン(as)、ドン・チェリー(tp)、スコット・ラファロ(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)。右チャンネルがエリック・ドルフィー(bcl)、フレディー・ハバード(tp)、チャーリー・ヘイデン(b)、エド・ブラックウェル(ds)
 Dancing in Your HeadOrnette Coleman/Dancing in Your Head (1973/1976)

エレキギターとエレキベースを導入した、ロック寄りの混沌とした演奏。リズム、メロディ、ハーモニーの3要素を等価と見なす「ハーモロディクス」理論の実践
 Time OutThe Dave Brubeck Quartet/Time Out (1959)

デイヴ・ブルーベック(p)、ポール・デスモンド(as)在籍のクァルテットによる白人中産階級向けの西海岸ジャズの有名作。大ヒット曲「Take Five」(5/4拍子)、「Blue Rondo a la Turk(トルコ風ブルー・ロンド)」(9/8拍子)など、変拍子の曲多数
 Blues-etteCurtis Fuller/Blues-ette (1959)

J.J.ジョンソンと並ぶ偉大なジャズ・トロンボーン奏者の一人、カーティス・フラーのトロンボーンとベニー・ゴルソンのテナーサックスを中心とするクインテットによる録音。中低音域がメインの、ブルージーでリラックスした雰囲気の演奏。ハード・バップの名作。ベニー・ゴルソン作曲の「Five Spot After Dark」収録
 Blowin' the Blues AwayHorace Silver/Blowin' the Blues Away (1959)

アメリカのジャズピアニスト、作曲家のホレス・シルヴァーがアート・ブレイキーとのバンド、ザ・ジャズ・メッセンジャーズ退団後にブルーノート・レーベルで自身のレギュラー・クインテット(ブルー・ミッチェル(tp)、ジュニア・クック(ts)、ジーン・テイラー(b)、ルイス・ヘイズ(ds))とともに録音したアルバムの一つ。ブルース/ゴスペルをベースにしたファンキーなハードバップ/ソウル・ジャズの好盤。曲は全曲ホレス・シルヴァーのオリジナル。「Blowin' the Blues Away」、「Peace」、「Sister Sadie」収録
 We Insist! Max Roach's Freedom Now SuiteMax Roach/We Insist! Max Roach's Freedom Now Suite (1960)

ドラマーのマックス・ローチが公民権運動の高まりを背景に制作した政治色の強い作品。アビー・リンカーン(vo)、コールマン・ホーキンス(ts)、ナイジェリア出身のドラマー、オラトゥンジ(コンガ)参加。オスカー・ブラウン・ジュニア(作詞)との共作3曲を含む、7部からなる組曲構成。アビー・リンカーンの力強いヴォーカルとアフロ・ポリリズム的なパーカッション・アンサンブルが聴きどころ
 Percussion Bitter SweetMax Roach/Percussion Bitter Sweet (1961)

アメリカ合衆国のジャズ・パーカッション奏者・ドラマー・作曲家、マックス・ローチの1961年のアルバム(Impulse!)。プロテストジャズの有名作「We Insist!」(1960年)と同じく公民権運動を背景にした政治色の強い作品。ポリリズムとアフロキューバン・パーカッション(コンガ、カウベル)によるアフリカ回帰志向の強いハードバップ。ブッカー・リトル(tp)、ジュリアン・プリースター(tb)、エリック・ドルフィー(as、fl、bc)、クリフォード・ジョーダン(ts)、マル・ウォルドロン(p)、アート・デイヴィス(b)とのアンサンブル。2曲がアビー・リンカーンのヴォーカル入り。「Tender Warriors」と「Mendacity」のドルフィーのソロがかっこいい
 Kelly at MidnightWynton Kelly/Kelly at Midnight (1960)

ハード・バップの名手3人、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)によるピアノ・トリオの良作。軽妙なタッチと弾むようなリズムのスウィンギーな演奏
Good!The Incredible Jazz Guitar of Wes MontgomeryWes Montgomery/The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery (1960)

親指によるピッキング。独特の音色。オクターヴ奏法とコード奏法による超絶技巧。トミー・フラナガン(p)も好演
 Full HouseWes Montgomery/Full House (1962)

カリフォルニア州バークレーのコーヒーハウス、ツボでの白熱のライヴ演奏
 Soul StationHank Mobley/Soul Station (1960)

ブルーノート・レーベルのテナーサックス奏者、ハンク・モブレーの代表作の一つ。アート・ブレイキー(ds)、ポール・チェンバース(b)、ウィントン・ケリー(p)の大御所リズムセクションを従えたワンホーン・クァルテットによる良質のハードバップ・アルバム。モブレーの朴訥でゆったりとしたテナー演奏と、ケリーのスウィンギーなピアノが聴きどころ
Good!Out ThereEric Dolphy/Out There (1960)

第2リーダー作。ロン・カーターのチェロを加えたピアノレスのクァルテット編成。新ウィーン楽派(シェーンベルク、ヴェーベルン、ベルク)の弦楽四重奏のような12音技法的な演奏
Very good!Out to LunchEric Dolphy/Out to Lunch (1964)

エリック・ドルフィー(as, bcl, fl)の「アウト・トゥ・ランチ」。フリージャズ/現代音楽寄りの演奏。変拍子と細分化された和声処理
Very good!Last DateEric Dolphy/Last Date (1964)

エリック・ドルフィー(fl、bcl、as)の死の直前の録音。オランダでのスタジオ・セッション
 Back at the Chicken ShackJimmy Smith/Back at the Chicken Shack (1960)

「鶏小屋の裏で」。ハモンドオルガン(B-3)の演奏で知られるアメリカのジャズ・ミュージシャン、オルガン奏者のジミー・スミスのブルーノート・レーベルでの録音。メンバーはスタンリー・タレンタイン(ts)、ケニー・バレル(g)、ドナルド・ベイリー(ds)。ヒットアルバム「Midnight Special」と同一セッションによる録音。ファンキーでブルージーなソウル・ジャズの古典の一つ。リラックスして聴ける一枚
 The Complete Ella in Berlin: Mack the KnifeElla Fitzgerald/The Complete Ella in Berlin: Mack the Knife (1960)

女性ジャズヴォーカリスト、エラ・フィッツジェラルドの名盤。明朗快活でポップ志向の音。ベルリンでのライヴ録音。「Mack the Knife」(クルト・ヴァイル/ベルトルト・ブレヒトの「三文オペラ」より)、「Summertime」(ジョージ・ガーシュウィンのオペラ「ポーギーとベス」より)、「How High the Moon」(モーガン・ルイス/ナンシー・ハミルトン作のジャズのスタンダード曲)他、有名曲の熱唱を多数収録
 Open SesameFreddie Hubbard/Open Sesame (1960)

アメリカのジャズトランペット奏者、フレディ・ハバードの初リーダー作(Blue Note)。ティナ・ブルックス(ts)、マッコイ・タイナー(p)、サム・ジョーンズ(b)、クリフォード・ジャーヴィス(ds)とのクインテットによる演奏。フレディ・ハバードもマッコイ・タイナーも当時はまだ無名だったが、このアルバムはティナ・ブルックスとマッコイ・タイナーの好サポートが光るハードバップの佳品。タイトル曲「Open Sesame」と「Gypsy Blue」は哀愁メロディーが印象的なラテン調の曲。プロデュースはアルフレッド・ライオン。2001年に別テイク2曲追加のデジタル・リマスター盤CDが発売されている
Good!Waltz for DebbyBill Evans Trio/Waltz for Debby (1961)

ビル・エヴァンス(p)、スコット・ラファロ(b)、ポール・モチアン(ds)のトリオのライヴ録音。ハーモニー重視のメロディアスな演奏
 Sunday at the Village VanguardBill Evans Trio/Sunday at the Village Vanguard (1961)

「Waltz for Debby」と同日の演奏のライヴ録音。ビル・エヴァンス(p)とスコット・ラファロ(b)の絡みが中心
 UndercurrentBill Evans & Jim Hall/Undercurrent (1962)

ビル・エヴァンス(p)とジム・ホール(g)の繊細で優美な二重奏。ピアノとギターが1対1で対等に渡り合うインタープレイ。リチャード・ロジャースの「My Funny Valentine」はアップテンポのスウィンギーな演奏。それ以外の曲はミディアム/スローテンポのゆったりとした演奏。落ち着いて聞ける一枚
 With Symphony OrchestraBill Evans Trio/With Symphony Orchestra (1965)

グラナドス、J.S.バッハ、ショパンなど。アレンジはクラウス・オーガマン
Good!The Blues and the Abstract TruthOliver Nelson/The Blues and the Abstract Truth (1961)

アルト/テナー奏者、作編曲家のオリヴァー・ネルソンの録音のなかでも最も評価の高いアルバム。フレディ・ハバード(tp)、エリック・ドルフィー(fl、as)、ビル・エヴァンス(p)他著名なミュージシャンが参加。古典的なブルース形式の現代的な解釈。ドルフィーとエヴァンスのソロが印象的だが統一感のあるアンサンブル。全曲オリヴァー・ネルソンの作編曲
 Ezz-theticsGeorge Russell Sextet/Ezz-thetics (1961)

アメリカ合衆国のジャズ・ピアニスト、作曲家で音楽理論書『調性組織におけるリディアン・クロマティック・コンセプト』の著者としても知られるジョージ・ラッセルの1961年のアルバム(Riverside)。ジョージ・ラッセル(p)、ドン・エリス(tp)、デイヴ・ベイカー(tb)、エリック・ドルフィー(as、bcl)、スティーヴ・スワロー(b)、ジョー・ハント(ds)のセクステットによる演奏。伝統的なジャズ(スウィング、バップ)を現代的にアレンジした、モダンで無調的なアヴァンギャルド・ジャズ。ドルフィーのソロはどの曲も素晴らしい。セロニアス・モンク作の有名曲「'Round Midnight」の異様なアレンジが聴きどころ
 Straight AheadAbbey Lincoln/Straight Ahead (1961)

アメリカ合衆国のジャズ・ヴォーカリスト、アビー・リンカーンの1961年の録音(Candid)。ブッカー・リトル(trumpet)、ジュリアン・プリースター(trombone)、エリック・ドルフィー(alto saxophone, bass clarinet, flute, piccolo)、ウォルター・ベントン(tenor saxophone)、コールマン・ホーキンス(tenor saxophone)、マル・ウォルドロン(piano)、アート・デイヴィス(bass)、マックス・ローチ(drums)参加。「Blue Monk」はセロニアス・モンク作曲のスタンダード曲。「Left Alone」はマル・ウォルドロンが作曲し、ビリー・ホリデイが作詞したトーチソング(だがビリー・ホリデイはこの曲の録音を残さなかった)。メランコリックな楽曲とアビー・リンカーンのブルージーな歌唱が堪能できる1枚。ビリー・ホリデイを好む方、またはマックス・ローチのアルバム「We Insist!」でのアビー・リンカーンの歌唱を好む方におすすめ
 Go!Dexter Gordon/Go! (1962)

テナーサックス奏者のデクスター・ゴードンがブルーノート・レーベルで録音したハード・バップの良作。ゆったりとしたリズムで朗々と歌い上げるアドリブとバラード。ソニー・クラークの軽やかでリズミカルなピアノも好演
 DominoRoland Kirk/Domino (1962)

初期の代表作。雑多な音楽性(アーシーな黒人音楽からモダニズムまで)と多楽器主義(テナー・サックス、ストリッチ、マンゼロ、フルート、サイレン…)
 Rip, Rig & PanicThe Roland Kirk Quartet Featuring Elvin Jones/Rip, Rig & Panic (1965)

ジョン・コルトレーン・グループのエルヴィン・ジョーンズ(ds)、ジャッキー・バイアード(p)、リチャード・デイヴィス(b)との録音。タイトル曲「Rip, Rig & Panic」と「Slippery, Hippery, Flippery」はフリー寄りでかなりアヴァンギャルドな曲
 The Inflated TearRoland Kirk/The Inflated Tear (1968)

ローランド・カークの代表作。アトランティックレコードでの初録音。伝統的なブルースに基づいた、物悲しいような懐かしいような、感傷的で情感のこもった演奏
 Jazz SambaStan Getz-Charlie Byrd/Jazz Samba (1962)

サックス奏者のスタン・ゲッツとギタリストのチャーリー・バードによるボサノヴァ・アルバム。有名なスタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルトの「Getz/Gilberto」の前年にリリースされた、アメリカのジャズ・ミュージシャンによる最初の本格的なボサノヴァ・アルバムであり、商業的にも成功し(全米ポップアルバムチャート1位)、1960年代中頃のアメリカのボサノヴァ・ブームの発火点となった。メランコリックな抒情性を湛えたイージーリスニング・ジャズ風の音。アントニオ・カルロス・ジョビン作曲の2曲、シングル・ヒットとなった「Desafinado」(ディサフィナード)と「Samba de uma Nota So」(ワン・ノート・サンバ)を収録
 Getz/GilbertoStan Getz and João Gilberto/Getz/Gilberto (1963)

テナーサックス奏者のスタン・ゲッツがブラジルのボサノヴァの創始者2人、ギタリスト/歌手のジョアン・ジルベルト、作曲家/ピアニストのアントニオ・カルロス・ジョビンと組んで制作したボサノヴァの定番的名作。ジョアンの妻、アストラッド・ジルベルトもヴォーカルで参加。全米アルバムチャート2位を記録。「The Girl From Ipanema」収録
 The SidewinderLee Morgan/The Sidewinder (1963)

ジャズ・トランペット奏者のリー・モーガンの大ヒットアルバム(Blue Note)。米国ビルボード誌の「ポップ」アルバムチャートで25位を記録。ジョー・ヘンダーソン(as)との2管クインテットによる演奏。有名なタイトル曲「The Sidewinder」は8ビートのリズムによるファンキーなブルース/ソウル・ジャズの名曲。その他の曲は軽快にスウィングするハード・バップ曲
 Let Freedom RingJackie McLean/Let Freedom Ring (1962)

アメリカ合衆国のジャズ・アルトサックス奏者、ジャッキー・マクリーンの1962年のアルバム(Blue Note)。「One Step Beyond」(1963年)と並んで最高傑作の一つと目される作品。ハード・バップをベースに、ジョン・コルトレーン(John Coltrane)やオーネット・コールマン(Ornette Coleman)の影響下、モード・ジャズやフリー・ジャズの要素を導入した、当時としては先進的でモダンな音。ジャッキー・マクリーン(as)、ウォルター・デイヴィス・ジュニア(p)、ハービー・ルイス(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)のワンホーン・クァルテットによる演奏。基本的には正統的なハード・バップだが、高音のフリークトーン(フラジオ)を多用したりなど、ややアヴァンギャルド寄り。「I'll Keep Loving You」はバド・パウエル(Bud Powell)作曲の美しいバラード。その他の3曲はジャッキー・マクリーンのオリジナル。「Melody for Melonae」はセロニアス・モンク(Thelonious Monk)の「Brilliant Corners」に似た佳曲
 One Step BeyondJackie McLean/One Step Beyond (1963)

アメリカ合衆国のジャズ・アルトサックス奏者、ジャッキー・マクリーンの1963年のアルバム(Blue Note)。ジャッキー・マクリーン(as)、グレイシャン・モンカー3世(tb)、ボビー・ハッチャーソン(vibes)、エディー・カーン(b)、17歳でマイルス・デイヴィスの第2黄金クインテットに加入する直前のトニー・ウィリアムス(ds)の2管ピアノレスのクインテットによる録音。ビバップ/ハードバップをベースにしながらもモーダル・ジャズやフリー・ジャズのスタイルを導入した現代的でアヴァンギャルド寄りの音
 Midnight BlueKenny Burrell/Midnight Blue (1963)

アメリカのジャズ・ギタリスト、ケニー・バレルの傑作リーダー作(ブルーノート・レーベル)。ケニー・バレル(g)、メジャー・ホリー(b)、ビル・イングリッシュ(ds)のピアノレス・トリオにスタンリー・タレンタイン(ts)、レイ・バレット(conga)を加えた編成。ミディアム/スローテンポのブルースが中心。ブルージー&スウィンギー。くつろいで聴ける一枚。「Chitlins con Carne」、「Midnight Blue」、「Saturday Night Blues」収録
 Idle MomentsGrant Green/Idle Moments (1963)

アーシーでブルージーなギタープレイとファンキーなシングルノートのメロディーで知られるアメリカのジャズ・ギタリスト、グラント・グリーンの名録音(ブルーノート・レーベル)。ジョー・ヘンダーソン(ts)、ボビー・ハッチャーソン(vibes)、デューク・ピアソン(p)、ボブ・クランショウ(b)、アル・ヘアウッド(ds)参加。タイトル曲「Idle Moments」はデューク・ピアソンのオリジナルで、超スローなテンポのドリーミーな曲。「Django」はザ・モダン・ジャズ・クァルテットの曲(ジョン・ルイス作曲)。リラックスして聴ける、エレガントなハードバップ・ギタージャズの名作
 Jazz Sebastian BachThe Swingle Singers/Jazz Sebastian Bach (1963)

アメリカ合衆国出身のウォード・スウィングルが1962年にフランスのパリで結成した男女混声のア・カペラ・ヴォーカル・グループ、ザ・スウィングル・シンガーズ(The Swingle Singers)のデビューアルバム(Philips)。米国盤のタイトルは「Bach's Greatest Hits」。J.S.バッハの主に鍵盤曲のポリフォニーを、8人のヴォイス(2ソプラノ、2アルト、2テノール、2バス)がスキャットで歌う、イージーリスニング的なヴォーカル・ジャズ。伴奏はダブルベースとドラムだけ。使用楽曲は、「フーガの技法」、シュープラー・コラール集より「目覚めよと呼びわたる物見の声」、管弦楽組曲第2番より「アリア」、平均律クラヴィーア曲集第1巻・第2巻、イギリス組曲第2番、パルティータ第2番、4声のカノン、2声のインヴェンション第1番。アレンジはウォード・スウィングル。1968年にも同様のスタイルのアルバム「Jazz Sebastien Bach, Vol. 2」(米国盤タイトルは「Back to Bach」)が出ている
 Page OneJoe Henderson/Page One (1963)

1960年代以降にソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーンの影響下で独自のモダンなスタイルを確立し、ブルーノートで多くの有名なセッションに参加したことで知られるアメリカ合衆国のジャズ・テナーサックス奏者、ジョー・ヘンダーソン(Joe Henderson)の初リーダー作(Blue Note)。ケニー・ドーハム(tp)、マッコイ・タイナー(p)を含むクインテットによる演奏。新主流派風のメロディックで洗練されたハードバップ。ボサノヴァ/ラテン風の2曲、ケニー・ドーハム作曲の「Blue Bossa」とヘンダーソン作曲の「Recorda Me」はジャズのスタンダード曲となった
 Speak No EvilWayne Shorter/Speak No Evil (1964)

サックス奏者のウェイン・ショーター(ts)がブルーノートで録音した傑作リーダー作の一つ。参加メンバーはフレディ・ハバード(tp)、ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)。神秘的な雰囲気と独特の和声感覚。全曲ウェイン・ショーターのオリジナルで、穏やかなバラード調の曲が多い。モード奏法に基づく「新主流派」ジャズの代表作の一つ
 Spiritual UnityAlbert Ayler Trio/Spiritual Unity (1964)

当初限定プレスで発売され、その後フリージャズの古典的作品として評価されたアヴァンギャルドな作品
Good!In Greenwich VillageAlbert Ayler/In Greenwich Village (1966/1967)

ニューヨークでの2つのライヴ録音を収録した傑作。シンプルで物悲しいメロディと弦/管楽器による濃密な即興演奏。「Truth Is Marching In」はニューオーリンズのマーチングバンド風
 We Get RequestsThe Oscar Peterson Trio/We Get Requests (1964)

カナダのジャズ・ピアニスト、オスカー・ピーターソン(p)とレイ・ブラウン(b)、エド・シグペン(ds)のトリオによる1964年のスタジオ・セッション(Verve)。曲はアントニオ・カルロス・ジョビンのボサノヴァ「Corcovado」「The Girl from Ipanema」、映画音楽「Days of Wine and Roses」(ヘンリー・マンシーニ)、ミュージカル曲「People」(ジュール・スタイン)「Have You Met Miss Jones?」(リチャード・ロジャース)等の当時のポップ・ソングが中心。繊細で上品なピアノタッチによるリズミックでスウィンギーな演奏
 Point of DepartureAndrew Hill/Point of Departure (1964)

特異なメロディセンスと拍子感覚、リズムとハーモニーが複雑な楽曲で知られるアメリカ合衆国のジャズピアニスト・作曲家、アンドリュー・ヒルの4thリーダー作(Blue Note)。ケニー・ドーハム(tp)、エリック・ドルフィー(as、bcl、fl)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、アンドリュー・ヒル(p)、リチャード・デイヴィス(b)、トニー・ウィリアムス(ds)のセクステットによる、セロニアス・モンクのような奇妙なムードのアブストラクトなアヴァンギャルド・ジャズ。ドルフィーの傑作「Out to Lunch」の1ヵ月後、ドルフィーの死の3ヶ月前の録音で、ドルフィーのソロが突出していて印象的
 Compulsion!!!!!Andrew Hill/Compulsion!!!!! (1965)

特異なメロディセンスと拍子感覚、リズムとハーモニーが複雑な楽曲で知られるアメリカ合衆国のジャズピアニスト・作曲家、アンドリュー・ヒルの6thリーダー作(Blue Note)。アフリカン・パーカッション(アフリカン・ドラム、コンガ)とポリリズム、集団即興を導入したフリー寄りのアヴァンギャルド・ジャズ。セシル・テイラーのようなパーカッシヴなタッチのピアノ。フレディ・ハバード(trumpet, flugelhorn)、サン・ラーのアーケストラ(Sun Ra and His Arkestra)への在籍で知られるジョン・ギルモア(tenor saxophone, bass clarinet)、セシル・マクビー(bass)、ジョー・チェンバース(drums)他参加。3曲目「Premonition」はリチャード・デイヴィスのボウイング(アルコ)の微分音ベースをフィーチュアした無調バラードの佳曲
Good!Empyrean IslesHerbie Hancock/Empyrean Isles (1964)

アメリカのジャズピアニスト、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)の4thリーダー作(Blue Note)。「Maiden Voyage」(1965年)と並ぶ初期の傑作の一つ。当時のマイルス・デイヴィス・クインテットのリズムセクション、ハービー・ハンコック(p)・ロン・カーター(b)・トニー・ウィリアムス(ds)にフレディ・ハバード(cornet)を加えたクァルテットによる演奏。伝統的なハードバップとコンテンポラリーな要素の絶妙な均衡。「One Finger Snap」はモーダルな佳曲。「Cantaloupe Island」はスローテンポのファンキー&ブルージーな曲で、1993年にイギリスのジャズ・ラップ・グループ、Us3(アススリー)が「Cantaloop (Flip Fantasia)」でサンプリングした。「The Egg」は現代音楽・フリージャズ寄りの曲。1999年の再発CDは「One Finger Snap」と「Oliloqui Valley」の別テイクをボーナストラックとして収録
Good!Maiden VoyageHerbie Hancock/Maiden Voyage (1965)

新主流派ジャズの逸品。柔軟な音楽性。曲が粒揃い
 Speak Like a ChildHerbie Hancock/Speak Like a Child (1968)

ピアノ・トリオに中低音の3管(フリューゲルホルン、バストロンボーン、アルトフルート)を加えた、シンプルで柔らかい音
 Head HuntersHerbie Hancock/Head Hunters (1973)

1973年録音の大ヒット作。ジェイムズ・ブラウンやスライ・ストーンに影響されたダンサブルなフュージョン/ジャズ・ファンク。エレクトリックピアノ(フェンダーローズ)とシンセの音がかっこいい。「Chameleon」、「Watermelon Man」収録
 FloodHerbie Hancock/Flood (1975)

ハービー・ハンコックがジャズ・ファンク/フュージョン・バンドのザ・ヘッド・ハンターズ(The Headhunters)を率いていた1970年代のエレクトリック/ファンク時代の傑作の一つ。1975年に東京(渋谷公会堂、中野サンプラザ)でライヴ録音され、当初は日本のみの発売だった。1曲目はアコースティック・ピアノのソロによる「Maiden Voyage」だが、その他の曲はタイトなリズム・セクション(ポール・ジャクソン(b)、マイク・クラーク(ds)他)を従えたシャープなファンクの演奏で、有名曲「Watermelon Man」「Chameleon」を含む。ファンク・リスナー必聴の1枚
 Future ShockHerbie Hancock/Future Shock (1983)

クラフトワークに影響された機械的なテクノ・ビートとヒップ・ホップのスクラッチを導入した、ポップ志向のエレクトロ・ファンク。マテリアルのビル・ラズウェル(b)とマイケル・バインホーン(synths)、DJのグランドミキサーD.ST(turntables)、スライ&ロビーのスライ・ダンバー(ds、perc)、バーナード・ファウラー(vo)他参加。グラミー賞(最優秀R&Bインストゥルメンタル部門)を獲得した大ヒット曲「Rockit」収録
Good!ComponentsBobby Hutcherson/Components (1965)

ジャッキー・マクリーンの「One Step Beyond」(1963年)やエリック・ドルフィーの「Out to Lunch」(1964年)等への参加で知られるアメリカ合衆国のジャズ・ヴィブラフォン奏者、ボビー・ハッチャーソン(Bobby Hutcherson)の3rdリーダー作(Blue Note)。フレディ・ハバード(trumpet)、ジェームズ・スポルディング(alt sax, flute)、ボビー・ハッチャーソン(vibes, marimba)、ハービー・ハンコック(piano)、ロン・カーター(bass)、ジョー・チェンバース(drums)の6人編成。コンテンポラリーなポスト・バップの逸品。ボビー・ハッチャーソン作曲の前半4曲はハード・バップ風。3曲目「Little B's Poem」はポピュラーな有名曲。ジョー・チェンバース作曲の後半4曲はアヴァンギャルドで現代音楽寄り。ただし最後の「Pastoral」は美しいバラードの小曲
Good!UnityLarry Young/Unity (1965)

トニー・ウィリアムス・ライフタイムの「Emergency!」(1969年)やマイルス・デイヴィスの「Bitches Brew」(1969年)への参加で知られるアメリカ合衆国のジャズ・オルガン奏者/ピアニスト、ラリー・ヤングのリーダー作としては最も有名なアルバム(Blue Note)。ウディ・ショウ(trumpet)、ジョー・ヘンダーソン(tenor saxophone)、エルヴィン・ジョーンズ(drums)、ラリー・ヤング(organ)による2管ベースレスのクァルテットによる録音。ベースパートはオルガンのベースペダルで演奏。ジョン・コルトレーンの影響下、ジミー・スミスのアーシーなソウルジャズとは異なるハモンドオルガン(B-3)のモーダルでモダンな奏法を開拓した傑作。「Zoltan」はゾルターン・コダーイの組曲「ハーリ・ヤーノシュ」のマーチの引用で始まる。「Monk's Dream」はセロニアス・モンクの曲。「Softly, as in a Morning Sunrise」(朝日のごとくさわやかに)はシグマンド・ロンバーグ作曲のスタンダード曲
Good!Patty Waters SingsPatty Waters/Patty Waters Sings (1965)

1960年代のESP-Diskレーベルへのフリー・ジャズの録音で知られ、オノ・ヨーコ(Yoko Ono)やディアマンダ・ギャラス(Diamanda Galás)に多大な影響を与えたアメリカ合衆国のジャズ・ヴォーカリスト、パティ・ウォーターズ(Patty Waters)の1stアルバム(ESP-Disk)。前半はビリー・ホリデイ(Billie Holiday)の影響が色濃く、スモーキーでささやくようなヴォイスと自身のピアノ伴奏による暗く静謐な7曲の短いバラードからなる。後半はトラディショナル・フォークソングのアヴァンギャルドなカヴァー「Black is the Color of My True Love's Hair」(黒は私の真の恋人の髪の色)(約14分)。パティ・ウォーターズの最も有名な録音で、アルバート・アイラー(Albert Ayler)のフリー・ジャズからの影響を感じさせる。うめき声、ささやき声、叫び声を含むヴォーカル・インプロヴィゼーションとピアノ、ピアノ・ハープ、ベース、パーカッションによる演奏。現代音楽のような美しさを持つ暗黒前衛ジャズの佳品
Good!Unit StructuresCecil Taylor/Unit Structures (1966)

現代音楽の影響が色濃いアヴァンギャルドなピアニスト。3管と2ベースによる無調的でパーカッシヴでアブストラクトな演奏
 Conquistador!Cecil Taylor/Conquistador! (1966)

米国の前衛ジャズピアニスト、セシル・テイラーの1966年のアルバム(Blue Note)。名盤「Unit Structures」の5ヵ月後くらいの録音。セシル・テイラー(p)、ビル・ディクソン(tp)、ジミー・ライオンズ(as)、ヘンリー・グライムス(b)、アラン・シルヴァ(b)、アンドリュー・シリル(ds)の6人編成。「Unit Structures」と同様のよく統率・抑制された理知的な演奏の無調的なフリージャズだが、構成が分かりやすく流麗で、テンポも緩やかなので聴きやすい。個人的には「Unit Structures」の複雑でゴツゴツした音の方が好きですが。アラン・シルヴァによるボウイング奏法のベース(アルコ・ベース)の高音グリッサンドが効果的
 AkisakilaCecil Taylor Unit/Akisakila (1973)

セシル・テイラー(p)、ジミー・ライオンズ(as)、アンドリュー・シリル(ds)によるベースレス・トリオ。1973年5月22日、東京の新宿厚生年金会館大ホールでのライヴ録音。当日のコンサートの第1部(約83分)を収録した2枚組CD。「Bulu Akisakira Kutala(ブル・アキサキラ・クターラ)」(スワヒリ語でBlack、Boiling、Smoothを意味する3つの単語)と題された長大なインプロヴィゼーション。超高速の濃密な集団即興演奏
Good!Silent Tongues: Live at Montreux '74Cecil Taylor/Silent Tongues: Live at Montreux '74 (1974)

1974年のモントルー・ジャズ・フェスティバルでのピアノソロのライヴ録音。ドラム演奏のような打楽器的な音。よく練られた楽曲構成。ノイジーでアヴァンギャルドだけどかっこいいです
 SoundRoscoe Mitchell Sextet/Sound (1966)

アフリカ系アメリカ人のジャズサックス奏者で、前衛ジャズアンサンブルのアート・アンサンブル・オブ・シカゴ(Art Ensemble of Chicago/AEC)やその母体となった非営利組織AACM(Association for the Advancement of Creative Musicians)のメンバーとして知られるロスコー・ミッチェルの初リーダー作(Delmark)。伝統的なジャズ楽器に加えてリコーダーやハーモニカ、口笛、トイ楽器、非音楽的なノイズなどを導入した、現代音楽風のフリージャズ。後のAECのメンバー3人、ロスコー・ミッチェル(alto saxophone, clarinet, flute, recorder)、レスター・ボウイ(trumpet, flugelhorn, harmonica)、マラカイ・フェイヴァース(bass)とモーリス・マッキンタイア(tenor saxophone)、レスター・ラシュリー(trombone, cello)、アルヴィン・フィールダー(percussion)のセクステットによるソロとフリーの集団即興演奏で構成されている。音響と静寂の対比が印象的。AACMのメンバーによる初録音であり、AECの原点と目される作品。1996年発売のCDは「Sound」の2テイク(オリジナルのLPでは1つに編集されていた)と「Ornette」の別ヴァージョン(別アレンジ)も収録
 AMMmusicAMM/AMMmusic (1966)

AMMは1965年にロンドンでエディ・プレヴォー(percussion)、キース・ロウ(electic guitar, transistor radio)、ルー・ゲア(tenor saxophone, violin)によって結成されたイギリスのフリー・インプロヴィゼーション・グループ。実験音楽の作曲家でカールハインツ・シュトックハウゼンの助手を務めていたコーネリアス・カーデュー(piano, cello, transistor radio)参加時に録音された1stアルバム(Elektra Records)。フリー・インプロヴィゼーションによる電子音響音楽。フリーフォームの前衛ジャズの要素と、トランジスタラジオの使用などの「偶然性の音楽」の要素を併せ持っており、ドローンサイケやノイズ/インダストリアル・ミュージックの先駆けのようにも聴こえる。20世紀の前衛音楽・実験音楽・即興音楽の源流の一つ
 Forest Flower: Charles Lloyd at MontereyCharles Lloyd/Forest Flower: Charles Lloyd at Monterey (1966)

アメリカ合衆国のジャズ・サックス/フルート奏者、チャールス・ロイドの1966年のモンタレー・ジャズ・フェスティヴァルでの演奏を収録したライヴアルバム(Atlantic)。チャールス・ロイド(tenor saxophone, flute)、キース・ジャレット(piano)、セシル・マクビー(bass)、ジャック・ディジョネット(drums)のクァルテットによる演奏。ジョン・コルトレーンの影響下でフリー・ジャズの要素を含んだアヴァンギャルド・ジャズだが、メロディックな楽曲と軽快なボサノヴァのリズムを含む、調和感のある聴きやすい音楽。このアルバムは当時ジャズファンよりも若いロックファンに支持され、クロスオーヴァー・ヒットとなった。若き日のキース・ジャレットの湧き出るようなイマジネイティヴな演奏が印象的。最初のタイトル曲2曲は組曲形式によるチャールス・ロイドのオリジナル曲。3曲目と4曲目はスタジオ録音。セシル・マクビー作曲の4曲目はジョン・コルトレーンの「Naima」に似た美しい曲
Good!Dimensions & ExtensionsSam Rivers/Dimensions & Extensions (1967)

アメリカ合衆国のジャズサックス奏者で、マイルス・デイヴィス「Miles in Tokyo」(1964年)、アンドリュー・ヒル「Change」(1966年)、デイヴ・ホランド・クァルテット「Conference of the Birds」(1972年)等の録音への参加で知られるサム・リヴァースの4thリーダー作(Blue Note)。1967年に録音されたが発売されず、1976年にアンドリュー・ヒルの「Change」と一緒に2枚組LP「Involution」として発売、1986年に単独のアルバムとして発売された。サム・リヴァース(tenor/soprano saxophone, flute)、ドナルド・バード(trumpet)、ジュリアン・プリースター(trombone)、ジェームズ・スポールディング(alto saxophone, flute)、セシル・マクビー(bass)、スティーヴ・エリントン(drums)の、4管ピアノレスのセクステットによる演奏。ハードバップに無調と不協和音を導入したアヴァンギャルド・ジャズの逸品。エリック・ドルフィーを好む方におすすめ
 The Real McCoyMcCoy Tyner/The Real McCoy (1967)

エルヴィン・ジョーンズ(ds)とともにジョン・コルトレーンのクァルテットを辞したマッコイ・タイナー(p)のブルーノート・レーベルでの初リーダー作。モーダルかつエネルギッシュな演奏。エルヴィンのグルーヴィーなドラミング、シンバル・レガートがかっこいい。新主流派ジャズの傑作。「Passion Dance」「Four by Five」収録
 SaharaMcCoy Tyner Quartet/Sahara (1972)

1971年に結成されたマッコイ・タイナー(p)のレギュラー・クァルテットによる録音。マイルストーン・レーベルでの第1作。攻撃的でパワフルな曲、琴を使った静謐な曲など
 AtlantisSun Ra and his Astro-Infinity Arkestra/Atlantis (1967-1969)

アメリカ合衆国の前衛ジャズ・ミュージシャン、サン・ラー(Sun Ra)とビッグバンド「Astro-Infinity Arkestra」によるアルバム。オリジナルは1969年にSaturnレーベルから発売。1973年にImpulse!から再発された。最初の5曲は、サン・ラーの電子鍵盤楽器(ホーナー社のクラヴィネット)と民族音楽的でポリリズミックなパーカッションによる録音。3曲目「Yucatan」は1973年の再発時に同名の別の曲で置き換えられたが、CDは両方のヴァージョンを収録。21分のタイトル曲「Atlantis」は、サン・ラーの電子鍵盤楽器(ギブソン・カラマズーのオルガンとクラヴィオリン)と金管・木管楽器をフィーチュアした、実験的で宇宙的なビッグバンド・ジャズ
Good!Live at MontreuxSun Ra and His Arkestra/Live at Montreux (1976)

ジャズ・ピアニスト/バンド・リーダーのサン・ラーとビッグ・バンド「アーケストラ」による1970年代の名録音の一つ。スウィング、バップ、フリー・インプロヴィゼーション、アフリカン等の雑多な要素を盛り込んだアヴァンギャルドな音宇宙。サン・ラーのピアノ、電子オルガン、モーグ・シンセの即興演奏が素晴らしい。1976年スイスのモントルー・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ録音。2003年に日本で世界初CD化
Good!LanquiditySun Ra/Lanquidity (1978)

アメリカ合衆国の前衛ジャズ・ミュージシャン、サン・ラー(Sun Ra)とそのビッグバンドによる1978年の録音(Philly Jazz)。サン・ラーのARPシンセ、エレクトリックピアノ(フェンダー・ローズ)、ハモンドオルガン(B-3)、ミニモーグ、ピアノ他、ジョン・ギルモア(tenor sax)、マーシャル・アレン(alto sax)、エディ・ゲイル(trumpet)、ギター2本にドラマー3人を含む、ファンク・フュージョン寄りのアシッド・サイケなジャズ。パルス的なグルーヴと気だるさを湛えた催眠的で瞑想的な音。「Where Pathways Meet」はファンキーな佳曲。電化マイルスやPファンク、ファラオ・サンダースなどを好む方におすすめ
 Puttin' It TogetherElvin Jones/Puttin' It Together (1968)

元ジョン・コルトレーン・クァルテットのドラマーだったエルヴィン・ジョーンズのブルーノート・レーベルでの初リーダー作。ジョー・ファレル(ts、ss、fl、piccolo)、ジミー・ギャリソン(b)を従えたピアノレス・トリオ。重厚かつ繊細なポリリズミック・ドラムがかっこいい。ジョー・ファレルとジミー・ギャリソンも好演
 Now He Sings, Now He SobsChick Corea/Now He Sings, Now He Sobs (1968)

2nd。ピアノ・トリオ編成。新主流派的な柔軟さ。軽妙且つ清新な音楽性
 Return to ForeverChick Corea/Return to Forever (1972)

チック・コリア(el-p)と彼のフュージョンバンド、リターン・トゥ・フォーエヴァーによる大ヒット作。メンバーはジョー・ファレル(ss、fl)、スタンリー・クラーク(b、el-b)、フローラ・プリム(vo、perc)、アイアート・モレイラ(ds、perc)。電化楽器とアコースティック・サウンド、ラテン・リズムを融合させた、メロディアスで心地良い音楽
 Light as a FeatherChick Corea and Return to Forever/Light as a Feather (1972)

アメリカ合衆国のピアニスト・キーボーディスト・作曲家、チック・コリア(Chick Corea)率いるフュージョン・バンド、リターン・トゥ・フォーエヴァー(Return to Forever)の2ndスタジオ録音アルバム(Polydor)。メンバーはチック・コリア(electric piano)、ジョー・ファレル(tenor sax, flute)、スタンリー・クラーク(bass)、アイアート・モレイラ(drums, percussion)、フローラ・プリム(vocals, percussion)。チック・コリアによるポップでキャッチーなメロディーの楽曲とバンドによる激しいインプロヴィゼーション、フローラ・プリムの涼やかなヴォーカルとブラジリアン・パーカッションによるラテン・リズムをフィーチュアした、前作「Return to Forever」に比肩するフュージョン/ラテン・ジャズの傑作。ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」にインスパイアされてチック・コリアが作曲した楽曲「Spain」は、多くのミュージシャンにカヴァーされ、有名なジャズ・スタンダード曲となった
Good!Crystal SilenceChick Corea-Gary Burton/Crystal Silence (1972)

ジャズ・ピアニストのチック・コリアが4本マレット奏法で知られるジャズ・ヴァイブ奏者のゲイリー・バートンと組んだ最初のデュエット・アルバム(ECM)。硬質なアコースティック・ピアノとメタリックなヴァイブのみによる、透き通った水晶のような音色がユニーク。ラテン・フレーヴァーあふれるコリアのオリジナル「Señor Mouse」はリズミックな名演。タイトル曲「Crystal Silence」はアルバム「Return to Forever」に収録されていたコリアのバラード。ECM初期の名盤の一つ。プロデュースはECMのマンフレート・アイヒャー
Good!For AltoAnthony Braxton/For Alto (1968)

ジャズの伝統(特にサックス奏者のウォーン・マーシュ、ポール・デスモンド、ジョン・コルトレーン、エリック・ドルフィー)と現代音楽の作曲家(ジョン・ケージ、カールハインツ・シュトックハウゼン)の双方に影響を受けた、1945年シカゴ生まれのアメリカの作曲家・アルトサックス奏者・マルチリード奏者、アンソニー・ブラクストン(Anthony Braxton)の第2リーダー作(Delmark)。無伴奏のアルトソロによる前衛的なフリージャズ。2曲目「To Composer John Cage」の、細分化された旋律とフリーク・トーンにブルースの要素を加味した爆裂的なフリー・インプロヴィゼーションが聴きどころ。スティーブ・レイシーやジョージ・ルイス、ジョン・ゾーン等にも影響を与えたフリージャズ史上の重要作
Good!The Complete Machine Gun SessionsPeter Brötzmann Octet/The Complete Machine Gun Sessions (1968/2007)

1941年生まれのドイツのフリージャズ・サックス奏者、ペーター・ブロッツマンの2作目のアルバム。オーネット・コールマン、アルバート・アイラーが開拓したフリージャズの要素、現代音楽の影響、ガレージロックのような攻撃性を含む、ヨーロッパのフリー・ミュージック、前衛ジャズの初期の重要作。ブロッツマンのフリーキーなテナー/バリトンサックスを中心とする、サックス3人、ベース2人、ドラム2人、ピアノの8人編成によるノイジーで破壊的なフリー・インプロヴィゼーション。オリジナルはブロッツマンが自身のBROレーベルからリリースした3曲入りLP。1991年にドイツのFMPレーベルが未発表の別テイク2曲を追加してCDでリリース。2007年にAtavistic Recordsがタイトル曲「Machine Gun」のライヴ・ヴァージョンを追加し「The Complete Machine Gun Sessions」として再発
 African PianoDollar Brand/African Piano (1969)

南アフリカ出身のジャズピアニスト、ダラー・ブランド(その後イスラム名の「アブドゥラ・イブラーヒム」に改名)の無伴奏ピアノソロ。デンマーク、コペンハーゲンでのライヴ録音。アフリカの民俗音楽をベースにしたヨーロピアン・ジャズ的な演奏。アーシーで力強いタッチ。うねるようなリズム。ミニマル的な反復フレーズが生む陶酔感
 Water From an Ancient WellAbdullah Ibrahim/Water From an Ancient Well (1985)

南アフリカのジャズピアニスト・作曲家、アブドゥーラ・イブラヒムの1985年の録音(Tiptoe)。4管の7人編成のアンサンブル、「エカヤ」(Ekaya)による演奏。南アフリカの音楽様式とデューク・エリントン(Duke Ellington)的なアメリカン・ジャズの混合による音楽で、メロディーが美しい、ゆったりとしたテンポのバラードが多い。全曲アブドゥーラ・イブラヒムのオリジナル。「Mandela」は南アフリカの鍵盤楽器の演奏スタイル「マラビ」(Marabi)を導入した曲で、曲名は反アパルトヘイト運動の革命家・政治家のネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)に由来している。「Mannenberg (Revisited)」は、旧名のダラー・ブランド(Dollar Brand)名義でリリースした曲で反アパルトヘイト運動の賛歌として知られる「Mannenberg」(米国でのリリース時のタイトルは「Capetown Fringe」)の短縮ヴァージョン
 Liberation Music OrchestraCharlie Haden/Liberation Music Orchestra (1969)

ジャズ・ベーシスト、チャーリー・ヘイデンの初リーダー作。カーラ・ブレイ(p)、マイク・マントラー(tp)他、前衛ジャズ・グループのJCOA(ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ・アソシエーション)のメンバーが参加。スペイン市民戦争やヴェトナム戦争をテーマにした政治的(反戦、反民族主義)な作品。「Song of the United Front」(連合戦線の歌)はハンス・アイスラーの曲をアレンジしたもの。「El Quinto Regimiento/The Fifth Regiment」(第5連隊)、「Los Cuatro Generales/The Four Generals」(4人の将軍)、「Viva la Quince Brigada/Long Live the Fifteenth Brigade」(第15旅団万歳)はスペインの古謡に新しい歌詞を付けたもの。「Song for Ché」はキューバのゲリラ指導者、チェ・ゲバラに捧げる歌。「War Orphans」(戦争孤児)はオーネット・コールマンの曲。1960年代フリー・ジャズの総決算的な傑作。アレンジはカーラ・ブレイ
 Beyond the Missouri Sky (Short Stories)Charlie Haden & Pat Metheny/Beyond the Missouri Sky (Short Stories) (1996)

チャーリー・ヘイデン(b)とパット・メセニー(g)の初デュエット作品。ベースとアコースティック・ギターの二重奏にシンセ、ギター、キーボードをオーバーダビングした、シンプルで抒情的な音。メロディーが美しい、ゆったりとしたテンポのバラードが中心。チャーリー・ヘイデンの「First Song」、ヘンリー・マンシーニの「Two for the Road」、ジム・ウェッブの「The Moon is a Harsh Mistress」、ロイ・エイカフの「The Precious Jewel」、エンニオ・モリコーネの「Cinema Paradiso (main theme)」他
 KarmaPharoah Sanders/Karma (1969)

晩年のジョン・コルトレーンのグループに参加していたアメリカのジャズ・テナーサックス奏者、ファラオ・サンダースの第3リーダー作(Impulse!レーベル)。ポスト・コルトレーン的なスピリチュアルなフリージャズだが、レオン・トーマスのヨーデル風ヴォーカルや鈴のようなパーカッション、フルートやフレンチホルンなどをフィーチュアした、「ワールド・フュージョン」のような雰囲気の楽園的・開放的な音。シンプルなメロディーの反復による瞑想的なトランス音楽。コルトレーンの「A Love Supreme(至上の愛)」などよりもポップで聴きやすいのでロックファンにもおすすめ
 ExtrapolationJohn McLaughlin/Extrapolation (1969)

トニー・ウィリアムスのライフタイムや「In a Silent Way」以降の電化マイルスのセッションへの参加と、自身のジャズロック・バンド、マハヴィシュヌ・オーケストラの活動で知られる英国のギタリスト、ジョン・マクラフリン(John McLaughlin)の初リーダー作(Marmalade Records)。ライフタイム参加のために渡米する直前に録音されたもので、ジョン・マクラフリンのエレキギターとジョン・サーマンのバリトン&ソプラノ・サックスを中心とするピアノレスのクァルテットによる演奏。ジョン・コルトレーン、エリック・ドルフィーのフリージャズやソフト・マシーン、キング・クリムゾン等のジャズロック、プログレのような抽象的で高踏的な音。ライフタイムや電化マイルス、マハヴィシュヌ・オーケストラといった後のジャズロック/フュージョン作品ほどロック寄りではなく、フリージャズやプログレに近い。曲は全曲ジョン・マクラフリンの自作。1960年代後半の英国ジャズの隠れた名盤
 Emergency!The Tony Williams Lifetime/Emergency! (1969)

マイルス・デイヴィスのクィンテットに参加していたジャズ・ドラマーのトニー・ウィリアムスがジョン・マクラフリン(g。後にマハヴィシュヌ・オーケストラを結成)、ラリー・ヤング(org)とともに結成したトリオ、ライフタイムの1st。ギターとオルガンの歪んだ音が印象的な、サイケデリック・ロックまたはアヴァンギャルドなプログレのような音。1960年代後半の初期のフュージョン/ジャズロックの中でも最も影響力のあったアルバムの一つ
 Foreign IntrigueTony Williams/Foreign Intrigue (1985)

1960年代にマイルス・デイヴィス・クィンテットに参加し、1960年代末以降はロック寄りのフュージョン風のスタイルの演奏でも知られたアメリカ合衆国のジャズドラマー、トニー・ウィリアムスの1985年のリーダー作(Blue Note)。一部エレクトリック・ドラムとドラムマシンを使用しているが、基本はポストバップ/フュージョン風のストレートなアコースティック・ジャズ。ウォレス・ルーニー(trumpet)、ドナルド・ハリソン(alto saxophone)、ボビー・ハッチャーソン(vibes)、マルグリュー・ミラー(piano)、トニー・ウィリアムス(drums, electronic drums, drum machine)による演奏。全曲トニー・ウィリアムスのオリジナル曲。ドラムの音量レヴェルが高い。トニーのシャープでポリリズミックなドラミングと美メロの佳曲の両方が堪能できる。スタンダード曲となった「Sister Cheryl」(初録音)、「Life of the Party」、「Clearways」は特に印象的
 Mu First Part, Mu Second PartDon Cherry/"Mu" First Part, "Mu" Second Part (1969)

オーネット・コールマンとの共演で知られるアフリカ系アメリカ人のジャズ・コルネット/トランペット奏者、ドン・チェリー(Don Cherry)の1969年の録音(BYG)。第1部と第2部はそれぞれ別のLPとして発売されたがCDでは1枚に両方を収録。ドン・チェリー(pocket trumpet, piano, indian flute, bamboo flute, voice, bells, percussion)と、同じくオーネット・コールマンの共演者だったエド・ブラックウェル(drums, percussion, bells)のデュオによる演奏。中東・アフリカ・インド等の民族音楽の影響が強いアヴァンギャルドなフリージャズ。後に「ワールド・ミュージック」または「ワールド・フュージョン」と呼ばれることになるジャンルにおける最も初期のアルバムの一つ
 The Great American SongbookCarmen McRae/The Great American Songbook (1971)

ジャズ歌手のカーメン・マクレエがデューク・エリントンの「Satin Doll」、コール・ポーターの「At Long Last Love」、ヘンリー・マンシーニの「The Days of Wine and Roses」、ジョージ・ガーシュウィンの「But Not for Me」、バート・バカラックの「(They Long to Be) Close to You」他のアメリカのポピュラー・ソングを歌った作品。カリフォルニア州ロス・アンジェルスのジャズ・クラブ「ダンテ」でのライヴ録音。くつろいだ雰囲気の心地良い演奏。ギタリストのジョー・パスも好演。ジャズ・ヴォーカルの名演の一つ
 Facing YouKeith Jarrett/Facing You (1971)

ジャズ、クラシックの両面で活動するアメリカ合衆国のピアニスト・作曲家、キース・ジャレットの初のソロピアノ・アルバム(ECM)。ソロピアノの自由な表現の可能性を開拓した画期的な作品。ゴスペルやフォーク風の曲を含んでおり、「ケルン・コンサート」(1975年)の天上美と比べるとアーシーでポピュラー寄りだが、抒情的で内省的、時として瞑想的で耽美的なキース独特のスタイルは本作ですでに開花している。全曲キースのオリジナル。プロデュースはマンフレート・アイヒャー
 Solo Concerts: Bremen and LausanneKeith Jarrett/Solo Concerts: Bremen and Lausanne (1973)

ポピュラー、クラシカル、現代音楽等の多様な要素を消化した完全即興演奏のピアノ・ソロ。ドイツのブレーメンとスイスのローザンヌでのライヴ録音
Good!The Köln ConcertKeith Jarrett/The Köln Concert (1975)

抒情的で美しい即興演奏のピアノ・ソロ。「Solo Concerts」(ブレーメン、ローザンヌ)ほど冗長ではなく、よりコンパクトな構成。ケルンのオペラ劇場でのライヴ録音
Good!StaircaseKeith Jarrett/Staircase (1976)

パリのダヴー・スタジオで録音された、ピアノソロとしては4作目のアルバム(ECM)。「Staircase(階段)」「Hourglass(砂時計)」「Sundial(日時計)」「Sand(砂)」と題された、それぞれ2つまたは3つのパートからなる4つのオリジナル曲を収録。イマジネイティヴな即興演奏。内省的で抒情的だが静謐で淡々とした演奏。落ち着いて聴ける一枚。録音は優秀。プロデュースはマンフレート・アイヒャー。クラシック愛好者にもおすすめ
 Melody at Night, With YouKeith Jarrett/The Melody at Night, With You (1997)

ジャズ・ピアニストのキース・ジャレットが慢性疲労症候群から回復後の1997年にニュージャージーの自宅のスタジオで録音した、初のピアノソロによるスタンダード曲集(ECM)。オリジナル曲のシンプルなメロディーを活かした、静謐でロマンティックで美しい演奏。ジョージ・ガーシュウィンの「I Loves You Porgy」と「Someone to Watch over Me」、デューク・エリントンの「I Got It Bad and That ain't Good」、オスカー・ハマースタイン2世/ジュローム・カーンの「Don't Ever Leave Me」、サミー・カーンの「Be My Love」、トラディショナル曲の「My Wild Irish Rose」と「Shenandoah」他
Good!Music from Two BassesDave Holland/Barre Phillips/Music from Two Basses (1971)

マイルス・デイヴィス・クインテットへの参加で知られるイギリスのジャズ・ベーシスト、デイヴ・ホランド(bass, cello)とアメリカのジャズ/フリー・インプロヴィゼーション・ベーシスト、バール・フィリップスの2人のみによる、ベース(とチェロ)のインプロヴィゼーション・デュオ・アルバム(ECM)。現代音楽/欧州フリー・インプロヴィゼーション寄りの前衛ジャズ。ピッツィカートとアルコに加えて引っかいたり叩いたりなどのベースの奏法を含む実験的な音だが、抒情的で美しいメロディーも含んでおり、室内楽的な趣がある。最初の2曲は2人による即興演奏。残りの5曲のうち2曲がフィリップス、3曲がホランドの作曲。プロデュースはマンフレート・アイヒャー。2003年に日本で初CD化(邦題「ベーシック・ダイアローグ」)。
Good!Conference of the BirdsDave Holland Quartet/Conference of the Birds (1972)

イギリスのジャズベーシスト、デイヴ・ホランドの初リーダー作(ECM)。サム・リヴァース(reeds, flute)、アンソニー・ブラクストン(reeds, flute)、バリー・アルチュル(perc,. marimba)とのクァルテットによる演奏。ホランドとアルチュルの変幻リズムをベースにソロの即興演奏を交えた、オーネット・コールマン的なフリージャズ。適度に統制されたアンサンブル。全曲デイヴ・ホランドのオリジナル。フリージャズ/アヴァンギャルド・ジャズの古典的傑作の一つ。プロデュースはマンフレート・アイヒャー。3曲目「Conference of the Birds」はメロディーが美しい5拍子の曲で、フルートとマリンバが効果的に使われている
Good!Bap-TizumThe Art Ensemble of Chicago/Bap-Tizum (1972)

1960年代後半にシカゴのAACM(Association for the Advancement of Creative Musicians)から発生した前衛ジャズ・アンサンブル。メンバーは、レスター・ボウイ(tp、フリューゲルホルン、ケルプホルン、ベースドラム、perc、vo)、ロスコー・ミッチェル(sax、cl、ds、perc、vo)、ジョセフ・ジャーマン(sax、アルトフルート、コンガドラム、ヴィブラフォン、perc、vo)、マラカイ・フェイバース(b、ゴング、ログドラム、ホイッスル、vo)、ドン・モイエ(ds、コンガドラム、ベースマリンバ、ゴング、ログドラム、ホイッスル、vo)。アフリカン・パーカッションやヴォイスを織り交ぜた、プリミティヴかつ実験的な即興演奏。1972年、米国の「Ann Arbor Blues and Jazz Festival」でのライヴ録音
 Full ForceThe Art Ensemble of Chicago/Full Force (1980)

1960年代後半にシカゴのAACM(Association for the Advancement of Creative Musicians)から発生した前衛ジャズ・アンサンブル、アート・アンサンブル・オブ・シカゴ(The Art Ensemble of Chicago)のECMレーベルでの2作目。メンバーは、レスター・ボウイ(トランペット)、ジョセフ・ジャーマン(サックス、クラリネット、ピッコロ、フルート、ヴァイブ、チェレスタ、ゴング、コンガ、口笛他)、ロスコー・ミッチェル(サックス、ピッコロ、フルート、クラリネット、ゴング、グロッケンシュピール、コンガ)、マラカイ・フェイヴァーズ(ベース、パーカッション、メロディカ、ヴォーカル)、ドン・モイエ(ドラムス、ベル、コンガ、ティンパニ、ボンゴ、チャイム、ゴング、口笛他)。打楽器を多用したプリミティヴで民族音楽的なフリージャズ。AAOCのアルバムの中でも最も聴きやすいものの一つ。「Charlie M」はチャールズ・ミンガスに捧げたブルージーな曲。プロデュースはECMのマンフレート・アイヒャー
 The Inner Mounting FlameMahavishnu Orchestra With John McLaughlin/The Inner Mounting Flame (1971)

英国のジャズギタリスト、ジョン・マクラフリン主導のフュージョン/ジャズロック・グループ、マハビシュヌ・オーケストラの1stアルバム。2ndの「Birds of Fire」とともにジャズロックの最高傑作の一つとして定評がある。変拍子を多用した高速ハードコアのジャズロック。「Birds of Fire」よりもロック寄りで、超絶技巧の激しい応酬が印象的。ジョン・マクラフリンのギターも凄いけどヤン・ハマーのエレピ、ジェリー・グッドマンのエレキヴァイオリン、ビリー・コブハムのドラムも凄い。ソフト・マシーン(Soft Machine)やキング・クリムゾン(King Crimson)等を好むプログレ愛好者におすすめ
 Birds of FireMahavishnu Orchestra With John McLaughlin/Birds of Fire (1972)

ジョン・マクラフリン主導のフュージョン/ジャズロック・グループ、マハビシュヌ・オーケストラのオリジナル・メンバーによるスタジオ録音アルバムの2作目。オリジナル・メンバーはジョン・マクラフリン(el-g)、ジェリー・グッドマン(vn)、ヤン・ハマー(key)、リック・レアード(b)、ビリー・コブハム(ds)。変拍子を多用した激しいジャズ・ロック。ビリー・コブハムのマシンガン・ドラムとジェリー・グッドマンのヴァイオリン・ソロがかっこいい。キング・クリムゾンの「Lark's Tongues in Aspic」等を好むプログレ愛好者におすすめ
Very good!Open, to LovePaul Bley/Open, to Love (1972)

1950年代末〜1960年代にフリージャズ畑で活動していた、カナダのモントリオール出身のジャズピアニスト、ポール・ブレイの1stソロアルバム(ECM)。初期のECMレーベルの傑作として名高い人気盤。少ない音数で音の間の静寂を活かした、点描的な演奏の抒情的なピアノソロ。研ぎ澄まされた感覚に満ちており、硬質な感触だが、耽美的かつ官能的で恍惚感を感じさせる。録音は優秀。3曲が元妻のカーラ・ブレイの曲、2曲が妻のアネット・ピーコックの曲、2曲がオリジナル。プロデュースはECMのマンフレート・アイヒャー。新ウィーン楽派以降の現代音楽のピアノ曲を好む方におすすめ
 Attica BluesArchie Shepp/Attica Blues (1972)

アフリカ系アメリカ人の前衛ジャズ・サックス奏者、アーチー・シェップの1972年のアルバム(Impulse!)。アッティカ刑務所暴動(1971年)の数ヵ月後に録音された政治的な作品。歌手・管弦楽器・ピアノ・ドラム・ギター・ベース他の総勢39人編成の大アンサンブルによる、R&B/ファンク色の強い音で、ソウル・バラードなどのヴォーカル主導の曲も含む。しぼり出すようなゴスペル風のヴォーカルが印象的なタイトル曲「Attica Blues」は、ガリアーノが「Jus' Reach」でサンプリングした超絶ファンク・チューン
 PreludeDeodato/Prelude (1972)

フュージョン/ポピュラーの分野で活動しているブラジル出身のミュージシャン/アレンジャー/キーボード奏者のエウミール・デオダートが「デオダート」名義でリリースした1stソロアルバム(CTI)。ファンキーなラテン・グルーヴのイージーリスニング/クロスオーヴァー・ジャズの先駆的な名作(全米ポップアルバムチャート3位)。1曲目「Also Sprach Zarathustra」は、映画「2001年宇宙の旅」でも使用されたリヒャルト・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」の導入部をジャズ・ファンク風にアレンジしたもので、全米ポップチャート2位を記録するヒットとなり、グラミー賞のベスト・ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞を受賞した。5曲目「Prelude to the Afternoon of a Faun」はドビュッシーの管弦楽曲「牧神の午後への前奏曲」の編曲。参加ミュージシャンはエウミール・デオダート(p、el-p)、ロン・カーター(b)、スタンリー・クラーク(b)、ビリー・コブハム(ds)、ジョン・トロペイ(g)他。プロデュースはCTIレーベルのクリード・テイラー
Good!SpectrumBilly Cobham/Spectrum (1973)

元マハビシュヌ・オーケストラのジャズ・ドラマー、ビリー・コブハムの初リーダー作。ビリー・コブハムの速射砲のような超絶技巧ドラム、ヤン・ハマーのピアノ、エレキ・ピアノ、モーグ・シンセ、トミー・ボーリンのギターをフィーチュアしたエレクトロなジャズ・ロック
 VirtuosoJoe Pass/Virtuoso (1973)

ジャズ・ギタリスト、ジョー・パスがパブロ・レーベルで録音した無伴奏のギターソロ作品シリーズ、「Virtuoso」(ヴァーチュオーゾ)の第1弾。「Blues for Alican」はオリジナルのブルース曲。それ以外は、コール・ポーターの「Night and Day」(夜も昼も)、ヴィクター・ヤングの「Stella by Starlight」(星影のステラ)、モーガン・ルイスの「How High the Moon」、レイ・ノーブルの「Cherokee」、ジェローム・カーンの「All the Things You Are」他の有名なスタンダード曲の即興演奏。ギター(ギブソンES-175)1本でメロディー、リズム(ベースライン)、ハーモニーのすべてを弾く、オーケストラのような超絶技巧
 彗星パルティータ阿部薫/彗星パルティータ (1973)

1970年代の日本の前衛ジャズ・シーンで活動し、1978年に29歳の若さで夭折した孤高のアルト・サックス奏者。高柳昌行(g)と「解体的交感」(1970年)を録音後、吉沢元治(b)、山下洋輔(p)、近藤等則(tp)、ミルフォード・グレイヴス(ds)、デレク・ベイリー(g)等と共演。これは1973年に録音され、1981年にLP2枚組として発売されたソロアルバム(後にCD2枚組として再発)。アルト演奏のスピードの極限を極めるかのような凶暴かつ濃密なフリー・インプロヴィゼーション。アルバート・アイラーやジョン・ゾーンを好む方におすすめ
 Mister MagicGrover Washington, Jr./Mister Magic (1974)

アメリカのジャズ・サックス奏者、グローヴァー・ワシントン・ジュニアの4thアルバム(Kudu Records)。グローヴァー・ワシントンJr.のテナー/アルト/ソプラノサックスとボブ・ジェームスのピアノ/エレクトリック・ピアノ、エリック・ゲイルのギターをフィーチュアした、ポピュラー/R&B寄りのソウルジャズ/スムーズジャズの傑作。ビルボードのR&Bとジャズの両方のアルバムチャートで1位、ポップアルバムチャートでも10位を記録したヒット作。アレンジ・指揮はボブ・ジェームス。B・ジェームス作曲の1曲目「Earth Tones」はエレクトリック・マイルス的なフュージョン。ビリー・ストレイホーン作の2曲目「Passion Flower」はストリングスを使用したポップバラード。タイトル曲「Mister Magic」はR&Bチャートで16位を記録したファンキーな佳曲
Good!The Jewel in the LotusBennie Maupin/The Jewel in the Lotus (1974)

マイルス・デイヴィスの「Bitches Brew」でのバスクラリネットの演奏やハービー・ハンコックとの共演で知られるアメリカ合衆国のマルチリード奏者、ベニー・モウピンの初リーダー作(ECM)。ベニー・モウピン(saxophones, flute, bass clarinet, voice, glockenspiel)とハービー・ハンコック(acoustic and electric pianos)を中心とするフュージョンだが、当時のハービー・ハンコックのジャズ・ファンクとは異なり、霊妙で独特な雰囲気の音のスピリチュアル・ジャズ。耽美性と瞑想的な心地良さを湛えた、ドリーミーで印象主義的な音風景。プロデュースはマンフレート・アイヒャー。2007年に初CD化
 Winter in AmericaGil Scott-Heron/Brian Jackson/Winter in America (1974)

ソウルとジャズをベースに「語り(スポークン・ワード)」を導入した1970-1980年代の録音で後のヒップホップやネオ・ソウルに多大な影響を与えたアメリカ合衆国の詩人・シンガーソングライター、ギル・スコット・ヘロン(Gil Scott-Heron)とアメリカ合衆国のミュージシャン(キーボード奏者)、ブライアン・ジャクソン(Brian Jackson)によるスタジオ録音アルバム(全米ビルボード・ジャズアルバムチャート6位)。ジャズ、ソウル、ファンク、ブルースの要素を融合し、ギル・スコット・ヘロンのソウルフルなヴォーカルと詩の朗読またはラップの原型のような語り(スポークン・ワード)、ブライアン・ジャクソンのエレクトリック/アコースティック・ピアノとジャズ風のアレンジをフィーチュアしたソウル・ジャズ、ジャズ・ファンクの名盤。「The Bottle」(全米ビルボード・R&Bチャート15位)はアルコール依存の問題を扱ったジャズ・ファンクのヒット曲で、カリビアン・ビートとブライアン・ジャクソンのフルート・ソロが印象的。「H2Ogate Blues」はウォーターゲート事件とニクソン政権を皮肉ったジャズ・ポエトリー
 Kogun秋吉敏子=ルー・タバキン・ビッグ・バンド/孤軍 (1974)

秋吉敏子(穐吉敏子)は、1956-1959年にバークリー音楽院に留学後、米国を拠点として活動する日本人女性ジャズピアニスト・作曲家・アレンジャー。フルート奏者・テナーサックス奏者のルー・タバキンとの双頭オーケストラによる最初の録音。デューク・エリントンのようなビッグバンド・ジャズ。和楽器や能の謡(うたい)を導入したタイトル曲「孤軍」は、ビッグバンド・ジャズに日本の伝統芸能の要素を採り入れた記念碑的な作品
 TimelessJohn Abercrombie/Timeless (1974)

ジム・ホールに影響された和声感覚とジョン・マクラフリンのような超絶技巧で知られるアメリカ合衆国のジャズギタリスト、ジョン・アバークロンビー(John Abercrombie)の初リーダー作(ECM)。ジョン・アバークロンビー(guitar)、マハビシュヌ・オーケストラに在籍していたチェコスロバキア出身のキーボーディスト、ヤン・ハマー(Hammond organ, piano, synthesizer)、マイルス・デイヴィスのバンドに参加していたドラマーのジャック・ディジョネット(drums)のトリオによる、ジャズロック/プログレ風のフュージョン。静謐さを湛えた抒情的で耽美的な音。プロデュースはマンフレート・アイヒャー
 ExpansionsLonnie Liston Smith & the Cosmic Echoes/Expansions (1974)

ファラオ・サンダース(Pharoah Sanders)やマイルス・デイヴィス(Miles Davis)との共演で知られるアメリカ合衆国のジャズ・キーボーディスト、ロニー・リストン・スミス(Lonnie Liston Smith)の第3リーダー作(Flying Dutchman)。ロニーのエレクトリックピアノ、エレクトリックキーボード、アコースティックピアノにフルート、アフリカン・パーカッション、ロニーの弟のドナルド・スミス(Donald Smith)のヴォーカルを含む、クールで洗練された音のスピリチュアルなフュージョン/ジャズ・ファンク。ジャズ・ファンクの名曲として有名なタイトル曲「Expansions」は1990年代にクラブシーンでレア・グルーヴとして再評価され、リヴァイヴァル・ヒットとなった。「Peace」はホレス・シルヴァー(Horace Silver)の曲のカヴァー。ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)やファラオ・サンダースなどのフュージョン/ジャズ・ファンクを好む方におすすめ
 Bright Size LifePat Metheny/Bright Size Life (1975)

アメリカ合衆国のジャズギタリスト、パット・メセニー(Pat Metheny)の初リーダー作(ECM)。パット・メセニー(6弦ギター、12弦エレキギター)、ジャコ・パストリアス(フレットレス・ベース)、ボブ・モーゼス(ds)のトリオ編成。パットの流麗で透明な音色のギターとジャコの超絶技巧フレットレス・ベースによる、清涼感あふれるフュージョン。抒情的なメロディー。ジャコ・パストリアスの最初期の録音の一つ。最後の曲「Round Trip/Broadway Blues」はオーネット・コールマン(Ornette Coleman)のカヴァーで、それ以外はパット・メセニーのオリジナル曲。プロデュースはマンフレート・アイヒャー
 Pat Metheny GroupPat Metheny Group/Pat Metheny Group (1978)

ギタリストのパット・メセニーとキーボード奏者のライル・メイズ(p、synths、autoharp)を中心とするフュージョン・バンドの第1作。爽やかで透明感あふれるイージー・リスニング寄りのフュージョン・サウンド。メロディックで抒情的な楽曲。「San Lorenzo」、「Phase Dance」、「Jaco」収録
 Still Life (Talking)Pat Metheny Group/Still Life (Talking) (1987)

パット・メセニー(g)とライル・メイズ(p、key)を中心とするグループによる、ヴォイスやパーカッションを多用したブラジル風味のポップなクロスオーヴァー・ジャズ。かなり気持ち良い音
 Question and AnswerPat Metheny w/Dave Holland & Roy Haynes/Question and Answer (1989)

パット・メセニー(g)、デイヴ・ホランド(b)、ロイ・ヘインズ(ds)のギタートリオによるコンテンポラリーなクロスオーヴァー・ジャズの秀作(Geffen)。9曲中5曲がメセニーのオリジナルで、マイルス・デイヴィスの「Solar」、ジェローム・カーンの「All the Things You Are」、ウィラード・ロビンソンの「Old Folks」といったスタンダード曲も収録。「Law Years」はオーネット・コールマンの曲。緊密にまとまったアンサンブル。スローテンポで抒情的なメロディーの和み系バラードとアップテンポのアドリブの両方が堪能できる。タイトル曲「Question and Answer」はワルツ風の佳曲。「All the Things You Are」は異様に速い演奏
 Jaco PastoriusJaco Pastorius/Jaco Pastorius (1975)

音楽シーンに多大な影響を与えた名ベーシスト、ジャコ・パストリアスの1stソロ。フレットレス・エレクトリックベースの超絶技巧とハーモニクス奏法による革新的な音。ハービー・ハンコック(p、key)、ウェイン・ショーター(ss)、サム&デイヴ(vo)他豪華メンバー参加
 Word of MouthJaco Pastorius/Word of Mouth (1981)

米国のジャズベーシスト・作編曲家、ジャコ・パストリアスがウェザー・リポート在籍中に発表した2ndソロアルバム。ハービー・ハンコック(p、key)、ウェイン・ショーター(ss)、トゥーツ・シールマンス(hca)他参加のビッグバンドによるカテゴライズ不能のユニークなフュージョン・サウンド。ベースの超絶技巧だけではなく、ジャコの作曲と管弦楽アレンジの力量を前面に押し出した作品。「Crisis」はフリージャズ風。「Chromatic Fantasy」はJ.S.バッハの「半音階的幻想曲とフーガ ニ短調」(BWV903)が原曲。「Blackbird」はザ・ビートルズのカヴァー。「Word of Mouth」はディストーション・ベースによるジャズロック風の曲
 InvitationJaco Pastorius/Invitation (1982)

ハーモニクス奏法の多用や速弾きの超絶技巧などのフレットレス・エレクトリック・ベースの革新的な演奏で知られるアメリカ合衆国のジャズベーシスト・作編曲家、ジャコ・パストリアスの「ワード・オブ・マウス・ビッグ・バンド」(Word of Mouth Big Band)による1983年発売のアルバム(Warner Bros. Records)。1982年の来日時のオーレックス・ジャズ・フェスティバルでのライヴ録音アルバム「Twins」I & II(1982年)から抜粋・編集したコンピレーション。フュージョン風のビッグバンド・ジャズ。ギル・エヴァンス・オーケストラ的なアレンジ。「Soul Intro/The Chicken」はファンキーな名演。デューク・エリントンの「Sophisticated Lady」はトゥーツ・シールマンスのソウルフルなハーモニカをフィーチュア。ジョン・コルトレーンの「Giant Steps」ではオセロ・モリノーがサックスのパートをスティールドラムで演奏。バスター・ブラウンのR&B曲「Fannie Mae」ではジャコのヴォーカルが聴ける
 The Aura Will PrevailGeorge Duke/The Aura Will Prevail (1975)

1960年代以降にジャズとポピュラー音楽の双方の分野で活動したアメリカ合衆国のキーボード奏者・作曲家・歌手・プロデューサー、ジョージ・デューク(George Duke)がフランク・ザッパ(Frank Zappa)とザ・マザーズ・オブ・インヴェンション(The Mothers of Invention)と活動を共にしていた頃の1975年にリリースした初期の傑作(MPS)。ジョージ・デュークのエレクトリックピアノとアナログシンセ、ヴォーカルをフィーチュアし、ジャズ、ロック、ソウル、ファンク、ラテン(ブラジリアン)の要素を混合した、ポップ志向のエレクトロなフュージョン。ピッチベンドを多用したアナログシンセ(Arp Odyssey, Mini Moog)のソウルフルな歌わせ方が印象的。インストゥルメンタルのジャズロック曲「Echidna's Arf」はフランク・ザッパ&ザ・マザーズの曲のカヴァー。ソウル・バラード「Uncle Remus」はフランク・ザッパとジョージ・デュークの共作
 Chiasma山下洋輔トリオ/キアズマ (1975)

山下洋輔トリオの「キアズマ」。日本のジャズピアニスト、山下洋輔(p)と坂田明(as)、森山威男(ds)によるベースレス・トリオ。プロレスや格闘技のような肉体的な攻撃性を前面に出したアヴァンギャルドなフリー・ジャズ。セシル・テイラーに少し似ているがテイラーより暴力的。1975年、ドイツのハイデルベルグ・ジャズ・フェスティバルでのライヴ録音
 Heavy WeatherWeather Report/Heavy Weather (1976)

ジョー・ザヴィヌル(key)とウェイン・ショーター(sax)が率いるフュージョン・ジャズ・バンド。ジャコ・パストリアス(b)正式加入後のベストセラー・アルバム。ポップ指向の音。ジャコのメロディアスでハーモニックなフレットレスベースがかっこいい
 Romantic WarriorReturn to Forever/Romantic Warrior (1976)

ジャズ・キーボード奏者のチック・コリアを中心とするジャズロック・バンド、リターン・トゥ・フォーエヴァーのポピュラーなヒット作。中世をテーマにしたコンセプト・アルバム。ポップ志向のジャズロック。メンバーはチック・コリア(p、el-p、オルガン、モーグ・シンセ)、スタンリー・クラーク(b)、レニー・ホワイト(ds)、アル・ディメオラ(g)
 School DaysStanley Clarke/School Days (1976)

チック・コリアのフュージョンバンド、リターン・トゥ・フォーエヴァーに在籍していた名ベーシスト、スタンリー・クラークの4枚目のリーダー作。ポップ志向のファンキーなフュージョン/クロスオーヴァージャズ。エレクトリック/アコースティック・ベースの超絶技巧。スティーヴ・ガッド(ds)、レイモンド・ゴメス(g)、ジョージ・デューク(key)、デヴィッド・サンシャス(key)、ジョン・マクラフリン(g)他参加
 Breezin'George Benson/Breezin' (1976)

米国のジャズ・ギタリスト、ポピュラー歌手のジョージ・ベンソンのヒット作(全米ポップアルバムチャート1位)。R&B寄りのポップなフュージョン/クロスオーヴァージャズ。タイトル曲「Breezin'」はボビー・ウォマックの曲をカヴァーしたインスト曲。ヒット曲「This Masquerade」はレオン・ラッセルの曲をカヴァーしたヴォーカル曲。プロデュースはトミー・リピューマ。オーケストラのアレンジ・指揮はクラウス・オーガマン
 Caliente!Gato Barbieri/Caliente! (1976)

アルゼンチン出身のジャズ・テナーサックス奏者、ガトー・バルビエリの1976年のアルバム(A&M)。イージーリスニング寄りのスムーズなラテン・ジャズ。洗練されたアレンジのストリングス・オーケストラと通俗的な泣きの哀愁メロディーが印象的。サンタナ(Santana)の「Europa (Earth's Cry Heaven's Smile)」(「哀愁のヨーロッパ」)とマーヴィン・ゲイの「I Want You」のカヴァー収録。レニー・ホワイト(ds)、エリック・ゲイル(g)、デイヴィッド・スピノザ(g)、エムトゥーメイ(perc)他参加。プロデュースはA&Mのハーブ・アルパート。オケのアレンジと指揮はジェイ・チャッタウェイ
 Elegant GypsyAl Di Meola/Elegant Gypsy (1976-1977)

チック・コリアのバンド、リターン・トゥ・フォーエヴァーに在籍していた米国のジャズ・ギタリスト、アル・ディ・メオラの第2リーダー作。ロック/ラテン寄りのフュージョン。速弾きエレクトリック・ギターの超絶技巧。3曲目の「Mediterranean Sundance」(地中海の舞踏)はスペインのフラメンコ・ギターの名手、パコ・デ・ルシアとのアコースティック・ギターのデュエット。ヤン・ハマー(key)、アンソニー・ジャクソン(el-b)、レニー・ホワイト(ds)、スティーヴ・ガッド(ds)他参加。ハードロック、プログレの愛好者にもおすすめ
 European Tour 1977The Carla Bley Band/European Tour 1977 (1977)

1960年代のフリージャズ運動の重要人物で、チャーリー・ヘイデンの「Liberation Music Orchestra」(1969年)にもピアニスト、アレンジャーとして参加していたアメリカのジャズ・ピアニスト/作曲家、カーラ・ブレイの10人編成のレギュラーバンドのデビューアルバム(Watt/ECM)。ミュンヘンでのスタジオ録音。辛辣で嘲笑的なユーモアに満ちあふれた、実験的かつポップ志向のビッグバンド・ジャズ。メンバーはマイク・マントラー(tp)、元ソフト・マシーンのエルトン・ディーン(as)とヒュー・ホッパー(b)、ゲイリー・ウィンド(ts)、ラズウェル・ラッド(tb)、アンドリュー・シリル(ds)他。聴きどころは、短調に移調されて物悲しい葬送曲のようになったアメリカ合衆国国歌「星条旗」とその他の国歌にカーラ・ブレイの過去の楽曲を組み合わせた最後の19分の曲、「Spangled Banner Minor and Other Patriotic Songs」
Good!HubrisRichie Beirach/Hubris (1977)

1947年ニューヨーク市生まれのアメリカ合衆国のジャズピアニスト・作曲家、リッチー・バイラークの1stソロアルバム(ECM)。透徹した美しさ、洗練された和音、硬質な音色、物憂げな感覚とビル・エヴァンス(Bill Evans)的な抒情性が特徴のピアノソロ。クラシック(ロマン派、印象派、現代音楽)とフリー・インプロヴィゼーションの要素も含んでいる。全曲バイラークのオリジナル。特に1曲目「Sunday Song」の美しいメロディーが印象的。プロデュースはマンフレート・アイヒャー。クラシックのピアノ曲やビル・エヴァンス、キース・ジャレット(Keith Jarrett)、ポール・ブレイ(Paul Bley)を好む方におすすめ
 ElmRichie Beirach/Elm (1979)

1947年ニューヨーク市生まれのアメリカ合衆国のジャズピアニスト・作曲家、リッチー・バイラークの1979年のアルバム(ECM)。リッチー・バイラーク(p)、ジョージ・ムラーツ(b)、ジャック・ディジョネット(ds)のトリオによる霊妙で耽美的なピアノジャズ。クラシカル・ピアノの素養に基づいた端正なタッチと多調的で複雑な和声感覚。硬質で透明感のある響き。抒情的なバラードとフリー・インプロヴィゼーションの双方に加えて白熱したインタープレイも楽しめる。タイトル曲「Elm」はスタンダード曲「Autumn Leaves」を下敷きにした抒情的で美しい佳曲。全曲バイラークのオリジナル。プロデュースはマンフレート・アイヒャー。ビル・エヴァンスやクラシカル・ピアノ(印象派など)、いわゆる「ECMサウンド」を好む方におすすめ
 Tales of Captain BlackJames Blood Ulmer/Tales of Captain Black (1978)

アメリカのジャズギタリスト、ジェイムズ・ブラッド・ウルマー(James Blood Ulmer)の初リーダー作。オーネット・コールマン(Ornette Coleman)のハーモロディクス理論をベースにしたブルージーなフリー・ファンク。ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)風のギタープレイ。オーネット・コールマン(as)、ジャマラディ−ン・タクマ(el-b)、オーネット・コールマンの息子のデナード・コールマン(ds)参加
 Are You Glad to Be in America?James Blood Ulmer/Are You Glad to Be in America? (1980)

オーネット・コールマン(Ornette Coleman)からハーモロディクス理論(ハーモニー、リズム、メロディーを等価に扱う音楽様式)を継承したアメリカ合衆国のジャズギタリスト、ジェイムズ・ブラッド・ウルマー(James Blood Ulmer)の1980年のアルバム。イギリスのインディーズレーベル、Rough Tradeより発売。ジャズ、ロック、ファンクの要素を含む、パンク/ニューウェイヴ寄りでアフリカ音楽への原点回帰的なアヴァンギャルド・ジャズ。変則チューニングによる変態的なギター。2曲のファンク曲、「Jazz is the Teacher (Funk the Preacher)」と「Are You Glad to Be in America?」でウルマーのヴォーカルが聴ける。1995年に日本のDIWレコードからリミックス盤CDが発売されている
 Larry CarltonLarry Carlton/Larry Carlton (1978)

1948年カリフォルニア州トーランス生まれのアメリカ合衆国のジャズギタリスト、ラリー・カールトンの3rdアルバム(Warner Bros.)。邦題は「夜の彷徨(さまよい)」。1970年代フュージョン/スムーズジャズの名盤の一つ。セミアコースティック・エレクトリック・ギター、ギブソンES-335のサステイン(音の持続)が長く甘美な音色を生かした、アダルト・コンテンポラリー寄りの爽快な音楽。ロックバンド、TOTOのジェフ・ポーカロ(drums)、グレッグ・マティソン(keyboards)、ブラジルのパーカッショニスト、パウリーニョ・ダ・コスタ(percussion)を含むバンド編成による演奏。「Room 335」はスティーリー・ダン(Steely Dan)のヒット曲「Peg」にインスパイアされた有名なフュージョン曲。「Where Did You Come From」と「I Apologize」ではカールトンのヴォーカルも聴ける。「Nite Crawler」はザ・クルセイダーズ(The Crusaders)時代にカールトンが作曲した曲。プロデュース・アレンジはラリー・カールトン
 Susto菊地雅章/ススト (1980/1981)

エルヴィン・ジョーンズ・グループやギル・エヴァンス・オーケストラへの参加で知られる日本のジャズピアニスト・キーボード奏者(1939年東京生まれ、1973年以降はニューヨークを拠点に活動)、菊地雅章のソロアルバム(Sony)。「On the Corner」(1972年)等の1970年代前半の電化マイルスの影響が強い、グルーヴ感あふれるフュージョン/エレクトリック・ファンク。電気楽器(エレクトリックピアノ、エレキギター他)やシンセ、複合パーカッションを使用した、クールで洗練された音。「CIRCLE/LINE」は変拍子(7/8)による曲。「GUMBO」はレゲエのリズムによる曲。参加ミュージシャンは日野皓正(cornet, bolivian flute)、スティーヴ・グロスマン(soprano/tenor saxophone)、デイブ・リーブマン(soprano/tenor saxophone, alto flute)他。1990年代以降の日本のクラブミュージックシーンで再評価された1枚
 The Ways of FreedomSergey Kuryokhin/The Ways of Freedom (1981)

1980年代初頭にロックバンド「アクウェリアム」(Aquarium)に参加し、自身の演劇的な音楽パフォーマンス集団「ポップ・メハニカ」(Pop-Mekhanika/Pop Mechanics)での活動(1985年以降)でも知られるロシアの前衛ミュージシャン/ピアニスト、セルゲイ・クリョーヒン(Sergey Kuryokhin)の初期のソロ・アルバム(Leo Records、UK)。ピアノ・ソロによるアヴァンギャルドなフリージャズ。テープの早回しのような超高速の演奏を含む。セシル・テイラー(Cecil Taylor)のようなパーカッシヴなタッチ
 Full MoonLarsen-Feiten Band/Full Moon (1982)

ニール・ラーセン(key)とバズ・フェイトン(g、vo)を中心とするアメリカのフュージョン・バンド、ラーセン=フェイトン・バンド(Larsen-Feiten Band)の2ndアルバム(Warner Bros.)。フュージョン寄りのアダルト・コンテンポラリー。ミッドテンポのファンキーなラテン系のリズム、キャッチーでメロウなメロディーライン、ハモンド・オルガンの使用、ギターとのユニゾンで奏されるメインフレーズが特徴のポップな音。全8曲中4曲がバズ・フェイトンのヴォーカル入り。プロデュースはトミー・リピューマ。R&B寄りのスムーズジャズやスティーリー・ダン(Steely Dan)などを好む方におすすめ
 Black Codes (From the Underground)Wynton Marsalis/Black Codes (From the Underground) (1985)

1980年代以降にジャズ/クラシックの分野で活躍しているアメリカ合衆国のトランペット奏者、作曲家、バンドリーダー、ウィントン・マルサリスの1985年のアルバム(Columbia)。兄のブランフォード・マルサリス(ts/ss)、ケニー・カークランド(p)、チャーネット・モフェット(b)、ジェフ・"テイン"・ワッツ(ds)とのクインテットによる録音。グラミー賞2部門(最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム賞(個人またはグループ)と最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・ソロ賞)を受賞した有名作であり、ウィントンが1970年代以降のフュージョンの波に抗して1950/1960年代の伝統的なアコースティック・ジャズを復権させた頃の代表作の一つ。1960年代後半の前フュージョン期のマイルス・デイヴィス・クインテットを模したようなモーダルでモダニズム志向の音
 Magic TouchStanley Jordan/Magic Touch (1985)

ギターを鍵盤楽器のように使って2つの完全に独立した声部(旋律と伴奏)を同時に演奏する両手タッピング奏法(タッチ・テクニーク)で知られるアメリカ合衆国のジャズ・ギタリスト、スタンリー・ジョーダンのデビューアルバム(Blue Note)。ジョーダンのタッピング奏法の超絶技巧をフィーチュアしたフュージョン/イージーリスニング寄りのギタージャズ。ビルボードのジャズアルバムチャートで51週に渡って1位を記録したヒット作。オリジナル4曲とカヴァー6曲を収録。カヴァーはビートルズの「Eleanor Rigby」、マイルス・デイヴィスの「Freddie Freeloader」、セロニアス・モンクの「Round Midnight」、マイケル・ジャクソンの「The Lady in My Life」(ロッド・テンパートン作)、ジミ・ヘンドリックスの「Angel」、サド・ジョーンズの「A Child Is Born」。ギターソロ曲の他、ベース・ドラム・パーカッション・キーボードの伴奏付きの曲もある。プロデュースはアル・ディ・メオラ
 Power of ThreeMichel Petrucciani/Power of Three (1986)

フランスのジャズ・ピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニとジム・ホール(g)、ウェイン・ショーター(ss、ts)による、1986年7月14日、モントルー・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ録音(Blue Note)。ビル・エヴァンスの影響が色濃い、ロマンティックでリリカルなスタイル。粒立ちの細かいタッチ、強力なドライヴ感、現代的な和声。最後の曲「Bimini」はジム・ホール作曲のカリプソ曲。ビル・エヴァンスとジム・ホールの名盤「Undercurrent」を好む方におすすめ。DVD版もあります
 World ExpansionSteve Coleman and Five Elements/World Expansion (1986)

アルトサックス奏者でブルックリンのM-BASE(Macro-Basic Array of Structured Extemporization/構造化された即興のマクロ的な基本配列)派の創立者、スティーヴ・コールマンの初期録音。JMTレーベルでの2作目。エレキギター、エレキベース、ヴォーカルをフィーチュアしたポップ志向の変拍子ファンク。リズムは複雑だけど聴きやすい
 Michael BreckerMichael Brecker/Michael Brecker (1987)

卓越したテクニックで知られ、ジョン・コルトレーン以降、最も影響力のあったテナーサックス奏者と目されるアメリカのジャズサックス奏者、マイケル・ブレッカーの初リーダー作(Impulse!)。パット・メセニー(g)、ケニー・ カークランド(key)、チャーリー・ヘイデン(b)、ジャック・ディジョネット(ds)とのクインテットによる演奏。マイケル・ブレッカーのテナーサックスとEWI(イーウィ=エリクトリック・ウィンド・インストゥルメント。管楽器型シンセ、ウィンド・シンセサイザーの一機種)をフィーチュアした、フュージョン寄りのコンテンポラリー・ジャズ
Good!News for LuluJohn Zorn, George Lewis, Bill Frisell/News for Lulu (1987)

ピアノやベース、ドラムを排したジョン・ゾーン(as)、ジョージ・ルイス(tb)、ビル・フリゼール(g)のトリオによる、1950年代後半のブルーノートのハードバップの曲(ケニー・ドーハム、ハンク・モブレー、ソニー・クラーク、フレディ・レッド)のユニークで現代的な解釈。濃縮された簡潔な演奏。緊密なアンサンブル。ディキシーランド・ジャズのようなアヴァンギャルド/フリージャズのような奇妙な音楽
 Spy Vs. Spy: The Music of Ornette ColemanJohn Zorn/Spy Vs. Spy: The Music of Ornette Coleman (1988)

米国の前衛サックス奏者、ジョン・ゾーンがフリージャズの先駆者、オーネット・コールマンの曲17曲をハードコア・パンク風の解釈で演奏した作品。2サックス、2ドラムとベース(ジョン・ゾーン(as)、ティム・バーン(as)、ジョーイ・バロン(ds)、マイケル・ヴァッチャー(ds)、マーク・ドレッサー(b))による高速、高密度の演奏。ジョン・ゾーンのネイキッド・シティ(Naked City)やノイジーなロックを好む方におすすめ
 Hand JiveJohn Scofield/Hand Jive (1993)

ジャズ・ギタリストのジョン・スコフィールドのソロ。レギュラー・グループのラリー・ゴールディングス(p、org)、デニス・アーウィン(b)、ビル・ステュワート(ds)、ドン・エイリアス(perc)にアルトサックス奏者のエディ・ハリスを加えた編成。ファンキーなソウル・ジャズ。歪んだ音のブルージーなギターが気持ちいい
 Blue Light 'Til DawnCassandra Wilson/Blue Light 'Til Dawn (1993)

1980年代〜1990年代前半にスティーヴ・コールマン(Steve Coleman)率いるM-Base Collectiveに参加し、その後のソロ活動で広く知られる、1955年ミシシッピ州ジャクソン生まれのアメリカ合衆国のジャズ歌手・シンガーソングライター、カサンドラ・ウィルソン(Cassandra Wilson)のブルーノート・レーベルでの初アルバム。独特のスモーキーな低音ヴォイスによるヴォーカルとパーカッシヴなアフリカン・リズムが印象的な、ブルース寄りのアコースティックな音。ジーン・デ・ポール(Gene de Paul)作曲のスタンダード曲「You Don't Know What Love Is」、ロバート・ジョンソン(Robert Johnson)のカントリー・ブルース2曲(「Come on in My Kitchen」「Hellhound on My Trail」)、チャールス・ブラウン(Charles Brown)のR&B「Tell Me You'll Wait for Me」、ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)の「Black Crow」、ヴァン・モリソン(Van Morrison)の「Tupelo Honey」、アン・ピーブルズ(Ann Peebles)の「I Can't Stand the Rain」のカヴァーを含む
 Wow大西順子トリオ/WOW (1993)

1967年京都生まれの日本人女性ジャズピニスト、大西順子のデビューアルバム(EMI Music Japan)。ボストンのバークリー音楽大学を卒業し、ニューヨークを拠点にベティ・カーター、ジョー・ヘンダーソン、ジャッキー・マクリーン、ミンガス・ダイナスティ等と共演後、本作を録音。本作は日本国内でアコースティック・ジャズのアルバムとしては異例の5万枚の売り上げを記録した。ピアノ・ベース・ドラムスのトリオ編成。重厚でゴリゴリとしたタッチと中低音の多用が特徴の、スウィンギーなポストバップ風の演奏。「THE JUNGULAR」は「ジャングル・サウンド」と呼ばれたデューク・エリントンのビッグバンド演奏にインスパイアされたオリジナル曲。「ROCKIN' IN RHYTHM」はデューク・エリントンの曲。「BRILLIANT CORNERS」はセロニアス・モンクの有名曲。「NATURE BOY」はナット・キング・コールのヒット曲として知られるエデン・アーベ作曲のポップ・バラード。「BROADWAY BLUES」はオーネット・コールマンの曲
Good!God says I can't dance(ゴッド・セッズ・アイ・キャント・ダンス)Tipographica(ティポグラフィカ)/God says I can't dance(ゴッド・セッズ・アイ・キャント・ダンス) (1996)

今堀恒雄(ギター、コンポーズ)、菊地成孔(サックス)他によって1986年に結成されたバンド、ティポグラフィカの2ndスタジオ録音アルバム。1996年にポニーキャニオンから発売。ギター、ベース、ドラム、サックス、トロンボーン、キーボード、木琴他のバンド演奏によるインストゥルメンタル・ジャズロック/プログレッシヴ・ジャズ。アフリカ音楽にインスパイアされ、リズムの「訛り・揺らぎ」に焦点を当てた、細分化されたビートによる独特の奇妙なグルーヴと、構築度の高いポップでユーモラスな楽曲が特徴。フランク・ザッパ(Frank Zappa)やマザーズ(The Mothers)の作品に非常に近い音楽。全曲の作曲・編曲・プロデュースは今堀恒雄。ジャズロックの即興演奏のような部分を含む曲もあるが、演奏の大部分は厳密にスコアに従っている。ザッパ/マザーズを好む方は必聴。2009年にHQCD(ハイ・クオリティCD)仕様で再発されている
Good!Note Bleu: Best of the Blue Note Years 1998-2005Medeski Martin & Wood/Note Bleu: Best of the Blue Note Years 1998-2005 (2006/1998-2005)

1991年に結成されたアメリカ合衆国のジャズ・ファンク・トリオ、メデスキ、マーティン&ウッド(Medeski Martin & Wood)がブルーノートからリリースした5枚のアルバムから15曲を選出して収録した編集盤(Blue Note)。ジョン・メデスキ(keyboards)、ビリー・マーティン(drums, percussion)、クリス・ウッド(bass)のトリオ編成。ジョン・メデスキのハモンドオルガンをフィーチュアしたグルーヴ重視のジャズ・ファンク。ジャム・バンド的な即興演奏と、ヒップホップ、ダブ、フュージョン、ロック、前衛音楽などの導入によるジャンルを超えた音楽性が特徴。ボーナストラック3曲とボーナスDVD付きのDeluxe Editionもあります。狭義のジャズファンよりもファンク、ロック、エレクトロニカなどを好む方におすすめ
 PlayMike Stern/Play (1999)

アメリカ合衆国のジャズギタリスト、マイク・スターンの1999年のリーダー作(Atlantic)。正統的なジャズにファンクやロックの語法も加えたコンテンポラリーなギタージャズ。マイク・スターン(g)と彼のグループのメンバー、ベン・ペロウスキー(ds)、リンカーン・ゴーインズ(b)、ボブ・マラック(ts)、ジム・ビアード(key)による演奏。マイク・スターンは3曲でジョン・スコフィールド(g)、4曲でビル・フリゼール(g)と共演。デニス・チェンバースが3曲でドラムを叩いている。タイトル曲「Play」はスターンとスコフィールドが共演したジャズ曲。「Blue Tone」はスターンとフリゼールによる抒情的で雄大なバラード。「Tipatina's」はかっこいいファンク曲。「Link」はスピード感のあるジャズロック/フュージョン風。全曲マイク・スターンのオリジナル。プロデュースはジム・ビアード
Good!Elegiac CycleBrad Mehldau/Elegiac Cycle (1999)

アメリカ合衆国のジャズピアノ奏者、ブラッド・メルドーの初のソロピアノ・アルバム(Warner Bros.)。「哀歌」を主題にしたオリジナル曲集。右手と左手がそれぞれ別の旋律を弾く対位法的な奏法が特徴の、クラシカル/現代音楽寄りのピアノジャズ。J.S.バッハやブラームス、ショパン等のピアノ曲に似ている。陰鬱で詩的な雰囲気。微妙なニュアンスと柔和な響きに富んだ繊細なタッチ。クラシックのピアノ曲やキース・ジャレットのピアノソロを好む方におすすめ
Good!MirakleDerek Bailey, Jamaaladeen Tacuma, Calvin Weston/Mirakle (2000)

フリー・インプロヴィゼーション/フリー・ミュージックの第一人者として知られる英国の前衛ギタリスト、デレク・ベイリー(g)が、オーネット・コールマンのプライム・タイムやジェイムズ・ブラッド・ウルマーのリズム隊だった2人、ジャマラディ−ン・タクマ(b)、カルヴィン・ウェストン(ds)と組んだトリオ演奏。タクマは元ゴールデン・パロミノス、ウェストンは元ラウンジ・リザーズにもいた人。ベイリーの「non-idiomatic」(非慣用的)で予測不可能なインプロヴィゼーションとヘヴィーなフリー・ファンクのリズムのスリリングな饗宴。ジョン・ゾーンのTzadikレーベルからの発売
 AlasNoAxisJim Black/AlasNoAxis (2000)

1990年代以降にニューヨークのアヴァンギャルド・ジャズ/インプロヴァイズド・ミュージック・シーンで活動しているアメリカ合衆国のジャズドラマー、ジム・ブラックの初リーダー作(Winter & Winter)。クリス・スピード(tenor saxophone, clarinet)、スクーリ・スヴェリソン(electric bass)、アイスランドのギタリスト、ヒルマー・イエンソン(electric guitar)を含むグループによる演奏。フリージャズ、ソニック・ユース(Sonic Youth)等のノイズ/エクスペリメンタル・ロック、トータス(Tortoise)やシガー・ロス(Sigur Rós)等のポストロックに影響された、全体としてはポストロック寄りの音。変拍子を多用。ソロの即興演奏よりもアンサンブルやテクスチャ、アンビエントな音響を重視。ジャズファンよりもエクスペリメンタル・ロックやプログレ、ポストロックを好む方におすすめ
 Blues DreamBill Frisell/Blues Dream (2001)

ジャズ・ギタリスト、ビル・フリゼールの2001年のリーダー作。ビル・フリゼール(エレクトリック/アコースティック・ギター)、グレッグ・ライズ(スティール/スライド・ギター)、ディヴィッド・ピルチ(b)、ケニー・ウォルセン(ds)のクァルテットに3管(tp、as、tb)を加えた編成。アメリカの伝統的なブルース、カントリーをベースにした、奇妙に歪んだ音風景。ゆったりとした包み込むような音。ジャズ的な要素は殆どなし
 The Ozell Tapes: The Official BootlegMarcus Miller/The Ozell Tapes: The Official Bootleg (2002/2003)

1959年ニューヨーク市ブルックリン生まれのアメリカ合衆国のジャズ/フュージョン・ベーシスト、マルチプレイヤー、作曲家、プロデューサーで、エレクトリックベースの超絶技巧で有名なマーカス・ミラー(Marcus Miller)のライヴ録音(CD2枚組、16トラック、2003年発売)。2002年のワールドツアー中にミニ・ディスクに録音された音源を収録(公式海賊盤)。ベースだけが音量が大きくて音のバランスは悪いが、マーカス・ミラーのスラップ奏法やタッピング奏法を含むエレクトリックベース(1977年製のフェンダー・ジャズベース)の超絶ソロをたっぷりフィーチュアしたファンキーなジャズファンク/フュージョンのバンド演奏が楽しめる。マーカスはフレットレスベース、バスクラリネット、ソプラノサックス、キーボードも演奏。レイラ・ハサウェイがスペシャル・ゲスト・ヴォーカリストとして参加。「So What」(マイルス・デイヴィス作曲)、「Lonnie's Lament」(ジョン・コルトレーン作曲)、「I Loves You Porgy」(ジョージ・ガーシュウィン作曲)、「Burning Down the House」(トーキング・ヘッズの曲)、「Killing Me Softly」(チャールズ・フォックス作曲)他収録
 Another Mind上原ひろみ/Another Mind (2002)

ピアノの超絶技巧(高速運指)とエネルギッシュなライヴ・パフォーマンス、ユニークなメロディー・センスで知られる、静岡県出身、アメリカ合衆国在住のジャズピアニスト、上原ひろみ(海外では「Hiromi」名義で活動)が、バークリー音楽大学在学中に録音し、米国Telarcレーベルから発売されたデビュー・アルバム。ピアノ・エレキベース・ドラムスのトリオ編成にアルトサックス、エレキギター、電子キーボードを加えた、プログレッシヴ・ロック寄りのフュージョン。全曲の作曲・編曲は上原ひろみ。ニューヨークのアヴァター・スタジオCでのデジタル (DSD) によるライヴ録音。プロデュースはリチャード・エヴァンズ(ジャズベーシスト)とアーマッド・ジャマル(ジャズピアニスト)。チック・コリア(Chick Corea)、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)、キング・クリムゾン(King Crimson)を好む方におすすめ
 Fellini JazzEnrico Pieranunzi/Fellini Jazz (2003)

ビル・エヴァンスやマッコイ・タイナーに影響を受けたイタリアのジャズピアニストで欧州ジャズの巨匠の1人、エンリコ・ピエラヌンツィの2003年のアルバム(CamJazz)。フェデリコ・フェリーニの映画音楽をストレートなジャズ(ポスト・バップ、モダン・クリエイティヴ)にアレンジした抒情的で美しい作品。ケニー・ホィーラー(tp, frh)、クリス・ポッター(ss, ts)、エンリコ・ピエラヌンツィ(p)、チャーリー・ヘイデン(b)、ポール・モチアン(ds)の5人編成。ニーノ・ロータ作の6曲(「青春群像」「崖」「フェリーニのアマルコルド」「甘い生活」「道」「カビリアの夜」)、ルイス・バカロフ作の1曲(「女の都」)、オリジナル2曲を収録
 Suspicious Activity?The Bad Plus/Suspicious Activity? (2005)

2000年にイーサン・アイヴァーソン(p)、リード・アンダーソン(b)、ディヴィッド・キング(ds)の3人によって結成されたアメリカ合衆国のジャズ・トリオ、ザ・バッド・プラス(The Bad Plus)の4thアルバム(Columbia)。ポストバップの語法をベースにしたアコースティックなピアノトリオだが、前衛ジャズ、クラシック・ピアノ、オルタナ系ロックの要素を混合した、メロディックでポップ志向の音。「O.G. (Original Gentleman)」はエルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)に捧げた曲。「(Theme From) Chariots of Fire」は映画「炎のランナー」の主題歌(ヴァンゲリス作曲)のカヴァー。プロデュースはチャド・ブレイク(有名なロック畑のプロデューサー・エンジニアで、ラテン・プレイボーイズ(Latin Playboys)のメンバーとしても知られる)とザ・バッド・プラス。オリジナルの米国盤CDはコンピュータ・セキュリティ上のリスクがあるXCP(Extended Copy Protection)を使用したコピープロテクトCDなので注意が必要。日本盤はボーナストラック1曲(クイーン(Queen)の「We Are the Champions」のカヴァー)を含む通常のCD
Good!The LineKneebody/The Line (2013)

2001年にカリフォルニア州サンタモニカで結成された、ジャズ・ファンク・ロック・電子音楽に影響された実験的な器楽アンサンブルで知られるアメリカ合衆国のバンド、ニーボディ(Kneebody)の4thアルバム(Concord)。メンバーはアダム・ベンジャミン(Fender Rhodes, synthesizers)、シェイン・エンズリー(trumpet, effects)、ケヴィー・ラステガー(electric bass, electric guitar)、ベン・ウェンデル(tenor saxophone, effects)、ネイト・ウッド(drums)の5人。伝統的なジャズの即興演奏を含んでいるが、ファズベースやエレクトリックピアノのディストーションなどのエフェクトを多用したエレクトロニカのような音色を持ち、ソフト・マシーン(Soft Machine)等の1960年代後半〜1970年代のジャズロックやプログレッシヴ・ロック、トータス(Tortoise)等の1990年代以降のポストロックの影響を感じさせる音楽。ソロの即興演奏よりもアンサンブルやテクスチャ重視の室内楽的な演奏




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