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お江戸ものの楽しみ(つづき)


2050年は江戸時代…衝撃のシミュレーション

 つい、先月(98年10月)に本屋で見つけ、買ったその日に一気に読んでしまった。ソフトSFというような内容の本であるが、著者の予想は当たるような気がする。日本はもう繁栄の山は上り詰めてしまった。現在進行中の「不況」はもう回復する見込みはないと私は思う。というより、もう「祭りは終わった」のだろう。これからは、静かに日本の歴史的・地理的・資源的な面を考慮した「大人の社会」を目指していくべきなのだろう。この小さな日本という場所が、世界の経済の重責を担うというのは(英国の例があるが、あれはほとんど西欧の一部でほとんど地理的な隔たりもないから、同列視できない)ちょっと無理があるようだと感じてきた。日本の長期的なあり方を考えると、中流国として質素に生活するのが国家戦略としてもいいのではないかと常々考えてきた。この著者の考える「2050年」(もうその時代には私は生きてはいないだろうが…)に、共感を覚えるのは私だけではあるまい。背伸びをしすぎると、疲れるのは何も個人だけではない。国家自体にも背伸びがいいはずはないだろう。この本を読んで、決してそのように考えている人が、少数派ではないことを実感した。本屋さんで見か けたら、ぜひ購入して読んで頂きたい。

 内容とは関係ないが、この本の「あとがき」を読んで驚いてしまった。私が、10年以上も前に中国語を教えて頂いていた黄成武先生の名がそこに書いてあったからである。もう、10年近くもお会いしていないが、著者が中国語の原点で『水滸伝』を習っている方が偶然にも黄先生だったのだ。いやはや、世の中とは実に奇妙なところである。今でも手元にある黄先生の録音テープ…。中国語ともずいぶんご無沙汰してしまっているが、また始めてみるかという気持ちが少しずつ出てきている。まったく不思議な気持ちになる…。

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