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空のシルクロード紀行(5)ウルムチへ


蘭州を飛び立つとほどなくタクラマカン砂漠の東端に出る。

蘭州の空港を飛び立ち、タクラマカン砂漠の東端を飛行するLearjet45

天山山脈の上を飛ぶ、白峰の向こうにタクラマカン砂漠が広がる。

雪におおわれた天山山脈の上を飛ぶ、白峰の向こうにはタクラマカン砂漠が広がる

着陸のやりなおしで、慎重に滑走路へ向かう

着陸のやり直しで、慎重に高度を落としながら雪の滑走路へ向かう

■ようやくシルクロードの本道へ

 蘭州まで飛んできて、少しずつシルクロードらしい雰囲気がでてきた。高度は次第に上がり、高地へと進んできたことは感じられる。まだ、砂漠が現れていないのだけが、少し物足りない。でも、今回の飛行できっとそれも見れるだろう。もう明日が終業式という2003/12/23(火)天皇誕生日に、かなり距離はあるが、一気に蘭州から天山北路にあるウルムチ(烏魯木斉)まで飛んでみることにした。

 蘭州のZhongchuan空港を14:45に離陸した。機体は安定度の高いLearjet45。滑走路が短くても安心して飛べる小型ビジネスジェット機である。離陸してしばらくすると、山並みのむこうに砂漠が見えはじめた。タクラマカン砂漠である。この辺が、東端にあたるのだろう。そこをかすめるようにして、北西に延びる山並みに沿って飛ぶ。この連なりに夏でも雪を抱く高峰の天山山脈がある。きょうのコースは、タクラマカン砂漠の北に位置する天山山脈の北を走るシルクロードの天山北路という道筋にあるウルムチというところまでの飛行だ。シルクロードにはいろいろなコースがある。タクラマカン砂漠の南端沿いに走る「西域南路」、タクラマカン砂漠の北端沿いに走る「西域北路=天山南路」、そして今回飛んでいる「天山北路」などである。道は時代時代でさまざまに変化してきたのだろう。飛びつづけていると、雪を抱いた山々が長くつづいている。天山山脈である。めざすウルムチはこの山脈の北側に位置しており、高度は2125ftほどである。空港の名前は「Diwopu」という。天山の上を飛んでいると、左に広大なタクラマカン砂漠を、右に雪におおわれた草原をずっと見ている状態がつづく。今回、いつものように自動操縦で飛行しているが、めずらしく景色を見るためにほとんど操縦席(ま、たんなるパソコンの前)を立たなかった。それほど、この景色をみたかった。

 飛んで2時間近くが経った頃、めざすウルムチの空港が近づいてきた。飛行機の高度が徐々に下がりだし、雪の山々を左に見ながら下降してゆく。フライトプランにはきちんど高度も入っているので、自動的に滑走路の高度にあわせた高さまで持って行ってくれるはず…。なのだが、どうも高度の下がり方がにぶい。滑走路が見えてきても、高度が高すぎるような気がした。こういう経験は前にも何度かしているので、直感的にわかった。すぐに自動操縦を切り、手動で強引に着陸することも可能であったが、高度がありすぎて無謀な着陸になる。ここは一旦滑走路上を飛びすぎてから、滑走路の反対側から再度アプローチするのが賢明だと判断した。そのままにしていると、おもった通り、滑走路上をかなりの高度を保ったまま通過。自動操縦を切り、手動でそのまま10NMほど進み、そこで反転して、再度のアプローチをする。高度は4500ftほどを保っていたので、着陸には最適だ。今度は、滑走路をさきほどの反対側から見据えて、徐々に近づいていく。ギア・フラップを下げた状態であったので、速度だけをきちんと押さえながら、滑走路に進入してゆく。そして、きれいに着地。17:10であった。そのまま誘導路からターミナルへ。あとはのんびりと飛行機を移動させて、久しぶりの長い飛行を終えた。まさにシルクロードのど真ん中へ入ってきたことを感じた。

■Microsoft社ハード部門より撤退!

 FSとは関係のないような話題であるが、じつはそうではない。わたしがFSを飛ばすときに使っている操縦桿(ジョイスティック)はMicrosoft社のSideWinder Force Feedback2というものであるが(職場で使っているのは、これの初代のもの)、これが最近ではほとんど手に入らないという嘆きがあちこちから聞こえて来る。それもそのはずである。Microsoft社は2003年6月30日に「今後、ハード部門からは完全に撤退する」ことを正式に表明したからだ。もう、この機種は製造されなくなってしまったのだ。だから、これから手に入れるとしたら、お店に在庫で残っているものか、オークションなどで出てくるものを買うしかなくなった。ゲーム機の「X−BOX」もまもなく生産中止になるだろう。いくら巨大なソフト市場を席巻しているMicrosoft社でもハード部門では素人である。それを知らずして、ハード部門に手を出したのは、大きな失敗であったのだろう。ただ、わたしが使っているジョイスティックは、FSをやるには最適に作られている(FS自体がMicrosoft社製だからあたり前だが)ので、やはりこれが消えてしまうのはさびしい。もっていない人には、「まぼろしのジョイスティック」になってしまう。

 このジョイスティックは、Force Feedback機能がついているため、機体の車輪・フラップを出したり格納したりするときや、着陸時の衝撃、エルロンの動き、ラダーの動きなど手にわかる感触があり、なかなかの優れものである。その他のFSもののソフトでも(CFS、CFS2、CFS3などなど)、機銃を打ったり、ミサイルを発射したときなどの衝撃をかなりリアルに体験させてくれる。これが、1つのジョイスティックにまとめられているのだから、機能的にはすごいと感心しながら使っている。これが、生産中止になってしまったのだから、探し回っている人も多いこととおもう。一時は、どのソフトショップにもあたり前に売られていたが、いざなくなってみると貴重なものを失ったような気がする。「X−BOX」のような余計なハードはいらないけれど、こういう機器は何とか残しておいてほしかったが、やはり採算が合わなかったのかもしれない。FS関係の需要はわたしたちFSファンがおもっているほどは、大きくないのだろう。FSをはじめてやる人に聞くと、ゲームとしてはFSはけっこうむずかしすぎるのだそうだ。ほとんどの人は、まず1回ででめげてしまう。パソコン上でとはいえ、飛行機を飛ばすことは容易ではないことがわかる。脱落してしまった人はとてつもなく多いと想像する。

 Microsoft社はもともとソフトの会社だから、ハード部門への進出にはちょっと無理があったのかもしれない。ソフト部門の発想がそのままハード部門で通じるわけではないからだ。逆もまた真なりで、ハード部門で培った手法が、ソフト部門でもそのまま通じるわけではない。この両部門ともに栄華を極めることは、今や世界最大の会社ともいえるMicrosoft社でもかなわなかったということは、大きな教訓を残してくれているように、わたしにはおもえる。これは商売だけでなく、いろんな分野でいえることのような気がする。今回の撤退で、今後新しいドライバ類の供給の心配もあるが、これはしばらくはつづけてくれるとおもう。しかし、FSにかぎった話しだけでも、Windows XPとジョイスティックの不具合などはよく耳にする。XPとFSで使う機器の乖離が次第に進んでゆく可能性は大きいので、何とかこの互換性だけはMicrosoft社にお願いしておきたい。サポート事業は大切な仕事である。

 2004/01/04 (日) 12:02:29

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