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空のシルクロード紀行(7)カシュガルへ


ホータンの空港を離陸し、これよりカシュガルまで向かう。

ホータン空港を離陸し、これよりカシュガル向けて出発。後方は崑崙山脈。

タクラマカン砂漠西域をのんびりと飛行するBaron58

タクラマカン砂漠西域をのんびりと飛行するBaron58。まだまだ砂漠はつづく。

カシュガルの空港へ無事着陸。前方には7000m級の高峰がつづく。

カシュガル空港へ無事着陸。左前方には7000m級の高峰がそびえている。

■中国最西端の地へ

 毎週土曜日の午前中は、できる限りFS2004で飛行することにしている。金曜日の夜は、飲み会に出かけることも多いが、土曜日の午前中は極力用事を入れないようにしているのもそのためだ。部活動指導などがあれば仕方ないが、それ以外はこの飛行を楽しみにしている。

 2004年の元旦も静かに明けて、新年度2004年の空の旅は、定例の土曜日ではじまった。2004/01/03(土)、年末にタクラマカン砂漠を横断して、ホータン(和田)まで飛んできていた。中国国内では残すところ、最西端カシュガルまで飛ぶのが残っている。ホータンからカシュガル(喀什)までは、距離的にもそれほどではなく、しかも西域南道に沿って飛行するとカシュガルまで着けるので、のんびりとマニュアルでの操縦で飛んでみることにした。使う機体は、飛び慣れた「Baron58」である。ホータンの海抜高度が4672ftで目的地のカシュガルが4500ftある。約1400mほどもある。高原状になっている土地なので、飛行高度は10000ftぐらいのところを飛べば、眺めもいいだろうと考えた。

 2004/01/03(土)11:45、いつもよりは遅いが、ホータン空港を離陸した。進路左側には崑崙(こんろん)山脈が東西に延びている。FSNavigatorのマップで進路を確定すると、高度10000ftで水平飛行へ。方角と高度だけロックした。自動操縦ではないが、こうしておけば、多少のずれは生じてもほぼ同じ状態で飛べる。機体の下は、タクラマカン砂漠の西域がまだまだつづく。南道に当たるか細い道路らしきものも見える。ジェット機で飛べば、ほんの1時間もかからないだろうが、このフライトだけはどうしてもプロペラ機でのんびりと飛びたかった。ちょうど、この日までは職場も完全封鎖。とくに仕事もないし、家のものもみんなのんびり寝ている。起きているのは、受験生の娘とわたしくらいである。こういう時間ほど、のんびりと飛ぶには絶好の条件なのだ。あっちこっちの景色を楽しみ、途中でちょっと休みを入れてコーヒーなど飲む。昼食もとらないので、そのまま飛行をつづける。やっぱり自分で操縦桿を握って飛ぶのは最高である。気流の流れで、飛行機は微妙に流されているのが実感できる。高度も緩やかな上下動をしている。1時間ほど飛んで、ようやく行程の半分ほど。あと1時間はかかる。静かな部屋に飛行機のエンジン音とパソコンの静かな音だけが響いている。じつに幸せな気分だ。

 延々とつづいていた砂漠に次第に緑地のような点々を多くなりはじめると、目的地カシュガルが近づいてきていることを教えてくれる。マップで確認するともう間近だ。東西に延びるカシュガル空港の滑走路に進入するために、一旦北上してちょうど滑走路からの延長上に位置する点で左旋回。無事インターセプトする。あとは、すこしずつスロットルを絞ってゆくと、自然に高度がゆっくりと下がりはじめ、いよいよ着陸の態勢にはいる。相対高度は5500ftほどなので、あまり急がずともゆったりと着陸できる。この機体は毎晩飛んでいるものなので、どんな態勢でも着陸は可能だ。ただし、何事も油断は禁物。きっちりと操縦する。滑走路が近づいてきて、本当にほんわかと着地。ほとんどブレーキングもせずに無事停止した。時間は13:40になっていた。ほぼ2時間の飛行であった。新しい年を迎えて、はじめての長い飛行だったが、いい飛行であった。

■シルクロードはローマまで?

 「シルクロード」というのは、一体どこからどこまでのことをいうのか?というのは、じつは決まっていない。日本の常識では「京都→北京→西安(長安)→敦煌→(西域南路・北路)→カシュガル→サマルカンド→マシュハド→テヘラン→イスタンブール→?」なのかな。いろんな本やネット上でも調べたが、イスタンブールのあとにギリシャを経てローマまでつづいていると解釈しているものも多かった。どれが定説なのかはよくわからない。そんなことを地理学者や歴史家にまかせておきたい。わたしの感覚では、どうもイスタンブールを越せば、そこはキリスト教の世界、すなわち西欧と呼ばれる地であり、その接点まで飛べば、シルクロードは終点だと考えている。そこは、もう何度も飛んだところなので、今回の紀行では回る予定はない。夕焼けに染まるイスタンブールへ着陸できればとおもっている。そこが、まさに西洋と東洋の接点であったことはまちがいのないところだから。

 やってみた方ならすぐにわかってくれるとおもうが、こういうバーチャルな飛行の旅をしていると、不思議な錯覚にとらわれる。実際には行ってもいないのに、意識の中ではその旅をしているような気分になる。そして、「今度はあそこまでか、けっこう疲れそうだなー」などと普段の生活の中でも無意識に考えていることがある。意識のどこかに「自分は旅に出ている」というような感覚が生まれるのだから、何ともいいようのない気持ちだ。飛びながら、その地に関係する本で調べたり、本屋さんに行っても無意識にそういう本を見ているなどということはよくある。どうしてだかは自分でもわからない。「たかがゲームでないか」といわれれば、まさにその通りだ。けれど、わたしには「現実とゲームはちがう」という考えに組しない。現実だってよく考えてみれば、ほとんどゲームに近い。勉強、遊び、仕事、恋愛、政治・経済等々みんなそうじゃないのかな?ゲームを侮らずにそれなりに付き合ってみれば、楽しみながら得るものも多いようにおもう。

 以前にもどっかに書いたけれど、FSを使っていろんな場所へ飛んでみると、地理や歴史の勉強などなどけっこう楽しく学べる。別に勉強するつもりなどなくても、飛んでみると自然に知りたくなるものだ。こういう方法は、時間的にスケジュールの決まっている学校などの勉強には適さないが、個人的に学ぶにはおもしろい方法でもある。難点といえば、FSの操作を覚えるだけで、相当の時間を食ってしまうという点で(初心者ではとても飛べない)、これさえクリアすれば、それなりに楽しめるのではないか。このシルクロードの旅でも何度も地図で調べたりするため、頭にはしっかり途中のどうでもいい地名まで滲みこんでしまった。図と地名とFSでの飛行という三位一体になった行動で覚えてしまうのだろう。他人には薦める気はないが、興味のある方はぜひFSで飛んでみてはいかがかな。FSでの旅への1つのキッカケになれば、とてもうれしい。

 2004/01/25 (日) 11:14:21

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