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空のシルクロード紀行(10)アンカラへ


テヘランのメヘラバッド空港を離陸し、アンカラをめざすANA 747-400

テヘランのメハラバッド国際空港を離陸し、これよりアンカラを目指すANA Boeing747-400

雪に閉ざされたウルミエ湖上空を飛ぶ。山間地は寒そうだ。

雪に閉ざされたイラン北西端のウルミエ湖上空を飛ぶ。寒そうだ。

まもなくアンカラのエッセンボガ空港だ。緊張する着陸はすぐだ。

まもなくアンカラのエッセンボガ空港だ。着陸に向けて緊張が走る。

■トルコへの長い空

 イランの首都テヘランは緯度はほぼ東京と同じくらいであるが、海抜が4000ft(約1200m)もあり、この時期は冬が厳しそうであった(FS2004の世界ではあるが…)。そのテヘランからは途中イラクのバグダッドかアルメニアのエレバンのどちらかへ寄ろうかなと考えていた。しかし、仕事が忙しいのと、この先何の用事が入るかわからないから、一気にトルコのアンカラまで飛んでしまったほうがいいのかも知れないと判断。時間的にはかかるがおもい切って飛ぶことにした。

 2004/02/07(土)の9:20、フライトプランなどの設定を終えて、久しぶりに大型ジェット旅客機ANA Boeing747-400でテヘランのマハラバッド国際空港を離陸した。しばらく直線的に上昇をつづけ、高度6000ftで自動操縦に切り替えた。フライトプランでは、2時間10分ほどの飛行になる。それなりの高さの山脈がつづいているので、高度はどんどんあげて、最終的には35000ftまで上昇してから巡航に入った。速度は290kts(=マッハ0.83)である。この高度で、ほとんど雪山が連なる山間部上空を飛んでゆく。途中、今や渇水状態で年々その面積を縮めつつあるといわれている「カスピ海」の近くを通るので、進行右側に見えるかなと期待していたが、飛行コースがやや離れていたみたいで、残念ながら見えずに通過してしまった。10:00近くに前方の雪の中にぽっかりと湖のようなものが見えはじめた。徐々に近づいていくと、相当に大きな湖であった。これがイラン北西端にある「ウルミエ湖」である。標高が高いせいか、周辺はすべて雪で、その中に静かに水をたたえていた。このあと、すぐにトルコ国内に入ると、今度は「バン湖」といわれる湖が見えたが、これはコースの関係で、その上空は通らないまま通過。これだけの雪があると、おそらくトルコの首都アンカラ(海抜3120ftほどある)でも、雪景色になっている可能性がある。こればかりは、飛んで行かないとわからないが、どんな風景になっているのかを楽しみに飛び続ける。今回のフライトは長い。

 今回の飛行コースはトルコの中央山岳地帯の上を飛ぶので、黒海などの海は期待できない。ただ、個人的なイメージでは、トルコあたりはけっこう温暖な気候ではないのか?とおもい込んでいた。飛行機の進行とともに、雪も減るだろうと予想していたら、予想は裏切られた。離陸後2時間ほど経って、アンカラのエッセンボガ空港が近づいてきても、雪の景色は変わらなかった。雪の滑走路へ着陸かと緊張が走る。Boeing747は大きな機体であり、しかも速度は相当に速いため、着陸時の速度も170ktsほどで落ちる。だから、あまり速度を落としすぎると失速するし、かといって速すぎると滑走路をオーバーランして壊滅的なダメージを受けてしまう。そこで、今回は自動操縦に完全にまかせて着陸までやってみることにした。手動ではなかなかむずかしい機体である。空港が近づいてきていよいよ長い飛行も終わりに近づいた。高度5000ftほどでギアダウン。速度が落ちてきたところで、次はフラップを全開する。機体が一時的にググーと上昇するが、すぐに落ち着く。大きな機体が左旋回に入り、滑走路を正面に捉える。スナップの最後がそのときのものだ。POSKYのデリケートな機体なので、ほぼ実際の機体と同じ特性を示す。滑走路がどんどん近づいてきて、緊張する。着地したらすぐに自動操縦解除。エンジン逆噴射とやることは多い。高度がゆるやかに下がり、まもなく着地。11:33だった。すぐに「Z」キーを押して手動へ。そして「F2」キーを押し続けて逆噴射。これらは左手で。右手で、ジョイスティックのブレーキングを断続的にかけながら、徐々に減速してゆく。滑走路の中央近くに誘導路へそのまま入り、あとはタキシングをしながら、ターミナルまで飛行機を移動した。久しぶりに2時間13分もの長い飛行だった。あと、残り1回で最終地点イスタンブールだ。

■妻に指摘されて

 わたしの自宅の上空を民間の飛行機が多数通るようになっている、と妻にいわれて、驚いた。例によって、FSをしているとき、地図の中に日本国内の航空地図がはさまっているを彼女が見つけたのだ。「これ何?」「飛行機の飛ぶルートを描いた地図だよ」「でも、この辺の上空を通るのは描いてないよ」「どれどれ、あれ?本当だな…、これ古いのだから、多分路線が変わったんだよ…」「ふーん、そうなんだ。以前はこんなに飛行機飛んでなかったよね」。そういわれてみると、記憶ではたしかにこんなに民間機が飛んでいたような印象がない。ジェット気流の関係で、季節によって飛行ルートが変わることはある。しかし、慢性的に飛行機が飛んでいるのを最近実感する。ということは、我が家の上空は、定期便の飛行ルートにもうなっているのだろうか。今ほど、ネットで調べてみたが、どうもわからない。イカロス出版で昨年7月に出した『フライトナビ』\1429を見れば、これはすぐにわかるだろうから、明日本屋さんへ注文してこよう。こういう疑問は、あまり飛行機に凝っていない人のほうが、意外に気づくことなのかもしれないな。

 いつも帰宅時には、相鉄の海老名駅から45分ほどかけて徒歩で帰る(あまり詳しく書くと、自宅がバレるか?)。丹沢山系に沈む夕日を見ながら、のんびりと歩いて帰るときが何ともいえず、いい気持ちになる。今は冬なので、たしかに寒い。でも、歩き始めると、10分ほどで身体はポカポカ。財布はカラカラ。関東地方は冬場は乾燥した日々がつづくため、ほぼ毎日歩くことになる。別に、健康のためとかで歩いているわけではないが、これがあると、帰宅してからのビールの1缶がじつにうまい。2月に入り、花粉症のわたしの鼻はたしかにわずかの花粉を感じつつあるが、まったく気にしていない。花粉症もつらいが、この手のアレルギーは逃げてばかりいると、返って症状が重くなるので、どんどん外で花粉を浴びまくるに限る。荒療治である。不思議なもので、一時ひどい症状があった時期があるが、こうして歩くようになってから、それほど重症になることがなくなったように感じる。わたしの感じていることが本当かどうかは確信はないので、やってみて返ってひどくなったなどと文句をいわれても、わたしにはどうしようもないが。自分で工夫するのが一番だろう。

 話しがそれたが、妻(とかふつうはいわない。いつもカミさん)にはFSでも相当に迷惑はかけている。そのカミさんが(と急に表現が変わる)、今朝「はい、これ」とチョコレートの入っている大きな箱をくれた。「そうだ!きょうはバレンタインか、あ、あ、ありがとう」くれるのはカミさんだけだ。娘たちからは何の音沙汰もない。もちろん、職場でよくもらった「義理チョコ」は今や過去の話だ。チョコレートはあまり好きなものではないが、気持ちはありがたい。何でも「形」が大切だ。気持ちなど目で見えるわけでもなし、聖人君主以外は「形」できちんと示すのが一番わかりやすくていい。よって、わたしは今朝はすこぶる機嫌がよかった。「好きだ」とか「愛してる」とか歯の浮くようなことばを決して口にすることのない古武士的なわたしには、「ありがとう」は最大の感謝のことばである。いつか年老いて、そういう浮ついたことばを吐くかもしれないが、そのときは、わたしの死期も近いことであろう。FSでいつも騒音公害を出して迷惑をかけているので、今度の「ホワイトデー」には、かならず形でお返しするつもりでいる。

 2004/02/14 (土) 18:11:07

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