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バンクーバー沖での着艦訓練


バンクーバー沖の空母ニミッツ級で発艦を待つF/A-18E

バンクーバー沖の空母ニミッツ級で発艦を待つF/A-18E

発艦後、空母の後方に回り込む。エアーブレーキで高度を調整する。

発艦後、空母の後方へ回りこみに入る。エアーブレーキでスピードと高度を調整する。

空母の後方に回り込み、これより着艦態勢に入る。

空母の後方に回り込み、これより着艦態勢に入る。西日がまぶしい。

着艦直前。夕闇せまる空母の甲板はきれいだ。

着艦直前、緊張の一瞬。夕闇迫る空母の甲板はきれいだ。

■毎晩つづく着艦訓練

 タイのプーケット西南沖で繰り返していた航空母艦ニミッツへの着艦訓練もほぼ終了した。100%とまではいかないが、それに近い確率で着艦もできるようになった。ただ、毎回同じ場所で訓練をしていたため、地理的に空母の捕獲などが比較的かんたんにできるようになったことも事実だ。そこで、新たにカナダのBritish Columbia州にあるバンクーバー沖合いと内陸に入ったオカナガン湖にニミッツ級の空母2隻をシーナリで入れた。今度はここを拠点にして、訓練をつづけている。FSでの長い飛行歴の中でも空母への「着艦」にはまったのは、これがはじめてだ。「F/A-18E&F Super Hornet」というすばらしい機体を作って頂いた「Team FS KBT」さんたちには、感謝の言葉もない。この機体を入れてから、空母での発艦・着艦というスリリングな訓練を楽しんでみようという気持ちになったのだから、ありがたいことである。空母を使った訓練は、以前からできたのだが、飛行機に今ひとつ満足できるものがなくて、あまり乗り気にならなかった。やはり、空母専用の充実した機体がないとその気にならないみたいだ、わたしの場合は。

 おもったとおり、地形や風景が変わったら、それまでほぼ確実に着艦できたのが、一気に確率50%くらいに半減してしまった。バンクーバー沖合いでは、空母のある位置は太平洋に連なるふつうの海洋なので、高度の表示どおりに飛べるのだが、もう一つのオカナガン湖の停泊する空母への着艦は、最初戸惑った。この湖の海抜が1200ftあるために、HUDに表示される高度どおりに飛んでいたら、失敗がつづいた。頭で計算して高度をとっても、なかなか操縦が付いてきてくれないのだ。周囲も山に囲まれており、狭い谷筋に入り込んで飛ぶので、けっこうむずかしい。しかし、それも毎晩飛んでいたら、何とか慣れて着艦できるようになってきた。そして、その訓練にもめどが立ったところで、このバンクーバー沖合いの空母への着艦訓練に入ることにした。仕事で疲れて帰っても、少なくても3回くらいは飛ぶようにしていた。ここしばらくは、通常の空港での訓練はほとんどしていない。空母の甲板の高さは海面から70ftほどだ。メートル単位だと約21mほどだからちょっとしたビルの高さほどある。しかし、飛行機から見ると、海面すれすれに飛ぶ感じになるため、周囲の建物などが見える通常の空港への着陸とはまったくちがう。何度も飛んでいてわかってきたのだが、空母へ着艦するときは着艦の瞬間に機首上げはいらないということだ。これをやると返って、オーバーランしてしまう。甲板に対してほぼ水平か、それより突っ込む感じで着艦するとうまくアレスティング・ケーブル(着艦フックをひっかけるワイアー)にかかる。着艦速度も実際の機体では130ktsくらいということだが、FS内では失速の速度が140ktsほどに設定されているので、あまりに落とすと、失速して甲板下に突き刺さってしまう。わたしの場合は、どうも平均して160ktsほどで着艦している。この着艦訓練を十分にしていると、通常の空港への着陸は本当に簡単に感じてしまう。どんなにきわどい態勢になっていても、それなりに着陸までもっていけるようになる。やはり、空母への着艦は、相当に高度な技術だと実感させられる。

 以前にも書いたが、お酒を飲んでほろ酔い気分でやると、まず失敗する。どういうわけかはよくわからないし、わたしの場合しか知らないのだから、一般化はできないだろうが、どうも車の運転と同じなのだろう。わたしの場合は、高度計の見方が甘くなり、高度を低めに取ってしまうようだ。その結果、甲板の下に突き刺さる。本当にあと7ftほどのちがいでも、FSは許してくれない。いつもアバウトで通しているわたしも、このときばかりは指示されるメーターの値に忠実に従うしかない。いつも夜の同じ時間帯に飛んでいるため、カナダのこの辺は19:00過ぎなのだが、まだ陽は落ちていない。夕闇迫る海面を見ながら、日々訓練をしている。おそらく今夜も飛ぶのだろう。

■頭上を飛ぶ実機を参考に

 先週は「梅雨の中休み」か、晴天がつづいた。それもあって、毎日帰宅時には一駅前から歩いて帰っていた。そのときに、ほぼ毎日のように、前々回に紹介した「F/A-18F Super Hornet」(空母キティー・ホークの艦載機)が、厚木基地での訓練のために飛んでいた。2機編隊であの特徴的な飛行機音を立てて、相模川上空を北に向かい、米陸軍座間キャンプ上空から右旋回して厚木基地上空へ、それからもう一度基地の近くを低空で一巡後、基地の滑走路の北側から着陸していた。こういうのを眺めている人は、だれもいない。わたしのように道端にたたずんで、飛行機を眺めている人など、いるはずもない。この周辺では、飛行機の飛ばない日などないのだから、もう日常の一コマでしかない。大体、空を見上げている人などもほぼいない。わたしは、飛行機が飛んでくると、条件反射的にすぐに空を見上げてしまう。ま、病気である。どんな飛行機でもまず見る。すぐに気になるのだ。もう、治らない重い病気にちがいない。飛行機を見ながら、飛行コースの取り方、旋回するときのバンク角の取り方などをわかる範囲でチェックしておく。それを覚えておいて、FSで飛ぶときにも同じようにやってみる。そうすると、FSでの旋回では、実際の飛行機よりもバンク角を大きめに取らないと、実際の飛行機と同じような飛行ルートは取れないこともわかった。実際の飛行機は、それほどバンク角を大きく取っていなくても、意外に小さく旋回できるのがわかる。こういうことは、シミュレーションではなかなか気づかないことかもしれない。でも、実際の飛行のようすを見ていると、FSで飛ぶときにも大変参考になる。本物の飛び方なのだから、当たり前ではあるが、実際に身近で飛行機の飛び方を見れるのは幸せだとおもっている。わたしの実家のある会津では、飛行機は高空を飛ぶだけだ。わたしがどうして厚木基地の周囲をうろつくように住んでいるのかは、これでおわかりだとおもう。

 早いもので、4月に新学期がはじまり、もう3ヶ月近くが経とうとしている。日々の仕事に追われ、なかなかゆっくりとFSで飛ぶ時間も取れない。毎晩のように飛んではいるが、時間的には本当にちょっとだけだ。このところ「着艦訓練」ばかりやっているが、それも時間的にそれしかできないというが実状だ。帰宅してから寝るまでに3時間前後しか時間のないわたしには、それが精一杯ともいえる。早朝に起きるが、その時間帯にパソコンを起動することはまずない。夜のわずかの時間を何とかやりくりして飛びつづける日々が本当は充実しているのかもしれないのだが。「小人閑居して、不善をなす」と論語にもいう。夜更かしできないわたしには、こういう生活が一番安定しているのだろう。

 2004/06/20 (日) 9:25:13

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