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新潟県中越地震の被災地を飛ぶ


新潟空港から離陸して、これより小千谷方面に向かうBaron58

新潟空港から離陸して、これより小千谷方面に向かうBaron58

大きな被害を受けた長岡市街地上空を低空で飛ぶ。

大きな被害を受けた長岡市街地上空を低空で飛ぶ。

小千谷市上空、この周辺が今回の大地震の震源地だ。余震はまだつづいている。

小千谷市上空、この周辺が今回の大地震の震源地だ。余震はまだつづいている。

帰途、被災地を振り返る。左翼下が長岡市、後方に小千谷市とつづく。

帰途、被災地を振り返る。左翼下が長岡市、後方に小千谷市とつづく。

■まさか、こんな大地震だったとは…

 昨夕、自宅で娘とTVを見ているときに、地震が来た。それほど大きな地震とは感じなかったが、ほどなくTVの地震情報で震源は新潟の中越地方であること、震度が6強だったのと、故郷の会津でも震度5だったこともあり、気になりだした。そのあとすぐに、また地震があり、これは尋常でないと判断。会津の姉のところやカミさんの実家にも電話を入れてみた。なかなか通じなかったが、何とか通じて、ようすを訊いた。かなりの揺れだったようだ。18:30過ぎにも地震があり、そのあとは、TVのニュースは地震一色になったことは、みなさんもご存知の通りである。それまで、台風23号の被害の報道などがメインだったニュースは、一転して地震報道だけに変わってしまった。まさに、マスコミの変身の早さには舌を巻いてしまう。すでに夜だったために、被害の状況などはくわしいことがわからずにいた。ニュースでも、あちこちの役所などに電話で確認しているのが報道されていたが、どの話も具体的な確認作業がなされていないために、単なる推測だけで終わっていた。

 今朝(2004/10/24 (日) )になって、状況がわかるにつれて、相当などころでない被害が出ているのがわかってきた。道路網が至るところ寸断されており、救援物資の搬入もおもうように進んでいないようだ。新幹線も創業以来はじめて脱線するという事態になった。中越地方はお天気がよかったせいか、空からの確認作業も進んでいる。そうしたら、想像以上の被害が出ており、今現在でも(2004/10/24 (日) 13:28)、死者数やケガ人の数は時々刻々増えている。交通網の寸断は予想以上で、今のところ、新潟の中越地方へ入る道路はほとんど寸断されている状況だ。無理に行くためには、福島県の郡山→会津→新潟周りで行くしかないみたいだ。震源地の真上にあたる小千谷市は何度も通ったことがあり、町筋もけっこう記憶にある。あの街が今、大変なことになっているとおもうと、とても他人事とはおもえない。直下型の地震であったため、すごい揺れになったみたいだ。大都市部での地震ではなかったために、被害的には少なくおもえるが、もしこれと同じ規模の地震が大都市部で起こったら、大変なことになっていただろう。地震の規模としては、阪神淡路大震災を上回るほどのものだったことが、徐々にわかってきている。

 こんなときにのんびりとFSで飛んでいるというのも、ちょっと気がひけるが、せめて被災地のようすを確認するために、飛んでみることにした。2004/10/24 (日) 9:40頃、新潟空港からBaron58で離陸した。地形がよくわかるように低空(2500ft)ほどで小千谷市方面に飛んでみた。信濃川を上流に向けて飛ぶ形で、長岡市、小千谷市へと飛んだ。つい今ほど(2004/10/24 (日) 14:23)にも震度5強の余震があったようで、TVのNHK放送で報じている。飛行機やヘリコプターからの映像では、このFSで飛んでいるのとかなり似た光景が見られた。あちこちに山肌が崩れ落ちているようで、さらなる被害が心配されている。まさか、これほどの大地震が予想もつかない空白地帯で起きたことに、わたし自身もショックを受けている。

 最近の研究では、「月の引力が強いときに、地震のキッカケになる可能性がある」という報告がある。昨日、地震が起こってすぐに空を見たら、月がちょうど真南に位置していた。太陽ー地球ー月のどういう位置関係でおこるのかは、明確ではないが、確かに月の引力と太陽の引力が微妙に重なったときに、地震のキッカケになりうる可能性はあり得ることだろう。これだけの大地震になってみると、普段どれだけ防災訓練などしてもほとんど無意味だということをつくづく感じさせられる。

■地震は予知できない

 先ごろあった紀伊半島沖の地震のときもそうだったが、何か地震計は傾斜計などを海底などに設置して、常時観測していると「地震予知」ができるみたいことをいう地震学者がいる。かとおもうと、地震は予知することなどできない、とする地震学者もいる。同じ地震を研究する学者の間にも諸説紛々あり、どちらもそれなりの言い分があるようだ。自分たちの研究している分野への予算の分配に預かるためには、地震学者にも「地震予知はできません」というようなことをはっきりといえる状況にない。どうしても、「予算さえあれば、地震予知がきっとできるだろう」というのを前面に押し出して、予算獲得に走る。しかし、はっきり言ってしまえば、これからどんな計測機器の発展などがあったとしても、地震の発生をあらかじめ、非常な精度で予知することは、将来にわたってありえないと断言してもいいだろう。近年、あちこちでご覧になられている海底のプレートの潜り込みによる岩盤の跳ね返りによる大地震発生のメカニズムは、あくまでもモデルであって、なんら確定的な証拠など何もないのが現実である。地震がおこってから、地震学者がそのメカニズムとして後付説明を行うための、一つの便法である。

 地震のような地下の岩盤のカタストロフィックな崩壊現象は、いつどこでどのようにして発生するのかを、あらかじめ知ること(予知)は、そのカオス的な性格もあって、まずできないとかんがえたほうが、妥当である。FM電波が遠くで受診できたときに云々とか、地震雲がどうとか、月の色が異常だったとか、いろいろな現象を上げることが多いが、いずれも後付けの話しである。地震が起きてから、あとで何かをいうのは、だれだってできる。そんなものは、実際に地震が起きて、災害に見舞われている人たちには、何の慰めにもならない。それより、今飲む水、今食べる食料、寒さをしのぐ毛布、安心してできる簡易トイレ、そして、気持ちを置きつかせるお風呂などなど、それこそ、近隣の県などから大至急運搬すべきなのだ。余震がつづいていることや交通網が寸断されていることもあって、これら緊急のことが遅遅として進んでいない。昨夜のきょうだから、そう簡単にできることではないが、きょうもまもなく日が暮れる。まだ冬ではないとはいえ、次第に冷え込みも出てきている。建物の中で過ごすには、余りに余震が多すぎるようだし、今夜も被災者の方々はきびしい夜を過ごすことになるのだろう。何もしてあげられないもどかしさを感じてしまう。

 一日も早い復旧を願うのみである。多くの亡くなった方々の冥福を祈るのみ。

 2004/10/24 (日) 15:12

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