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ロシア紀行(1)ウラジオストックへ


新潟空港を離陸し、日本海上空へ

新潟空港を離陸して、一路ウラジオストックを目指して上昇中。機体の後は弥彦山。

あっという間に佐渡上空へ

あっという間に佐渡島上空へ。機体は大好きなBeechjet 400A。

左旋回をしながらウラジオストック空港に向かう。左に日本海が見える。

左旋回をしながらウラジオストック空港への着陸態勢にはいる。海は日本海。

もうすぐ着陸。ロシア国内にはじめて入る。

まもなくロシア国内へのはじめての着陸。これからが紀行のはじまりだ。

■何となく飛ぶ気にならなかった国へ

 ほんとうに長い間FSで飛んでいるが、飛んでみたいとは一度もおもったことのない国、それがロシアだった。今でも、どうにも好きになれない国である。主義主張が嫌いだとかではないのだが、体質的に合わない。それで、あまり近づかなかった。トルストイ全集も読み、ドストエスキーの大半の本も読んでいるが、作家が好きなのと国のイメージが好きなのとは別のような気がする。今まで、意識的にロシアという国は避けていたようにおもう。実際にこの国を旅行でもすれば、イメージが変わることはわかっている。しかし、そもそもが旅行で行きたいともおもわないのだからどうしようもない。こういう、もろもろの気持ちを抑えて、一度だけモスクワまで飛んでみようとおもい立った。来月10月17日にはFS2004が発売される。そうするとFS2002で飛ぶこともしばらくはなくなるかもしれないという切羽詰った気持ちもあり、最後に飛んでみようという気持ちになったのかもしれない。

 2003/09/23(火)秋分の日、朝8:35に新潟空港からBeechjet 400Aで離陸した。ロシアの日本海側の玄関口ウラジオストックまでのおよそ1時間半ほどのフライトである。小型ジェット機を利用することにしたのは、空港の滑走路が短いことを想定してのことである。新潟空港はわたしが小学校6年のときに修学旅行で行き、はじめて空港というところを見た場所でもある。おぼろげながらその頃のことを覚えている。現在では、立派な空港になっていることだろう。離陸して、すぐに右旋回をしてコースを北西方向へ向けると、すぐに佐渡島が見えてきた。新潟県側には弥彦山も見えて、この夏に車で日本海の海岸線を走ったのがなつかしい。自動操縦に切り替えると、ほぼ27000ftの高度を保ちながら、直線状にウラジオストックを目指して、飛行をつづけてゆく。佐渡島もあっという間に通過すると、もう日本海の海原だけが広がっている。日本海には島はない。日本沿岸には多少はあるが、そこを離れると、もう何もない。海の成り立ちが沼のようなものだから、すり鉢状になっていて島のできる要素がないのだ。飛んでいると正直単調でもある。

 1時間ほど飛んで、大陸が見えてきた。本当に近いのだなと感じた。ウラジオストック空港への着陸は北西側から進入するため、少し大回りに左旋回してから滑走路を目指す。滑走路を正面にすると、入り江と日本海が見える。予想したように、滑走路はあまり長くない。小型ジェット機にして正解だった。今回は、新しいこの機体で飛んでいるため、自動操縦のまま着陸をしてみることにした。幸いILS(Instrument Landing System)が設置されているから、楽に降りられるだろう。徐々に滑走路が近づいてきて無事着地。すぐに自動操縦を解除して、エンジン逆噴射。ブレーキング。滑走路を3分の2ほど滑走して停止した。はじめてのロシアへの飛行は、1時間20分で終わった(9:55着陸)。時間がたっぷりあれば、一気にモスクワ辺りまで飛べるのだが、せっかくの機会なので、シベリア鉄道沿いに3・4回くらいで飛んでいこうかと予定を組んでいる。

■人力飛行機の新記録

 毎年楽しみにしている琵琶湖での「鳥人間コンテスト」で、今年とうとう35kmというとてつもない記録が生まれた。日大の人力飛行機研究会の学生さんたちが打ち立てた。東北大学の機体もこれに今一歩というすばらしい記録を立てた。今年は、ライト兄弟がエンジン飛行機で大空に舞い上がって、ちょうど100年目を迎える年である。エンジンを使った飛行機の進歩の早さには目を見張るものがあるが、不可能といわれていた「人力飛行機」の夢を追いつづけ、この大記録を達成した若者に大きな拍手を送りたい。

 いつもこの番組をテレビで見ているのだが、機会があればぜひ現地に行って、生の飛行を見てみたいとおもっている。飛行機が大空に舞い上がるあの瞬間は、もう喩えようもないほどすてきだ。人力飛行機であれ、プロペラ機、ジェット機、戦闘機であれ、あの離陸の瞬間に人は大地をはなれ、鳥になる。無事降りてこれるかはわからないが、飛んでいるときのあの何ともいいようのない浮遊感、生きているうちに飛行機に乗れてよかったなー、とついおもってしまう。たしかに、「墜落」は怖いが、舞い上がらないものに「墜落」はない。あの恐怖感があるから、無事着地できたときの喜びもある。重力とバランスをとりながらの微妙な舞い。そういうところが、飛行機のおもしろいところだとおもう。

 人力でもこれだけの距離を飛べることがわかったのだから、今後の記録の伸びは予想もつかない。ただ、人力では高度が上がらないという限界もあるため、どれだけの距離飛べるのかは、平坦地(湖上なども)の地理的条件に大きく左右されるだろう。来年のコンテストがまた楽しみである。

 2003/09/27 (土) 17:36:26

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