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降格志願


■朝日新聞の記事から

 2002/04/04の朝日新聞夕刊に次のような興味ある記事が載っていた。

<校長・教頭はつらいよ>…東京都教育庁 19人、教壇に復帰

 管理職の重荷に耐えられない校長や教頭のために、東京都教育庁が初めて導入した「本人希望による降任制度」で校長と教頭計19人が4月から一般職員に戻ることになった。健康上の理由や教員指導の難しさを訴える声が多かった。

<記事本文>

 同庁は昨年5月、個人の能力と意欲に応じた任用をするために、教頭以上の管理職が自ら希望すれば降任できる制度をつくった。申し込みは随時で、小中高の校長、教頭の計約4600人のうち、都立高校長1人と小学校教頭7人、中学校教頭7人、高校教頭4人が降任の希望を出した。
 管理職経験は1年から12年だった。管理職の心的負担で体調がすぐれなくなったケースや、「児童生徒を教えるのはよいが、教員の指導は不向き」と適性のなさを認めたケースもあったという。
 同庁はこれまで、希望者には分限処分の形で降任を認めていたが、年に数人程度だった。新制度の導入が処分の形でなくなり、希望者が増えたとみられる。同庁は「思ったより多かった」と話している。
 ただ、個人的資質だけでなく、管理職の負担が全体的に増えているとの指摘もある。ある都立高校長は「管理職が教員を評価する人事考課制度の導入などで、教員の人間関係や指導に苦労が増えた」と語る。

 2002/08/30(金) 10:53

■無能レベルを避けるために

 上記の記事を読んで、すぐに「ピーターの法則」からの見事な回避法であると感心した。おそらく、この制度を考えた人は、この法則のことをきちんと認識していた人であったことだろう。一度昇格すると階段をはずされてしまうように、もとの状態に安心して戻れないところに、「ピーターの法則」が必然的に働いてしまうという問題があった。これを、本人の希望によって、安心して元の仕事にもどれる(有能レベルに)という制度ができたことは、不本意で昇格してしまった人、やってみたら自分には合っていない仕事だと気づいた人などを救うことになる。それだけでなく、これから昇格する人にも「やってみて、ダメだったら、元にもどれるんだ」という安心感を与えるものになる。これは、今までにない画期的な制度で、この制度を階層社会全体に導入することは、各自が「有能レベル」を保つためにもとても有意義であると思う。こういう制度は、悪用されることなく、その最初の意義を保った形で広がってくれることを望むものである。

 2002/08/30(金) 11:12

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