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「教師」の休みは多いの?


休み比べ
「教師(教員)」の休みは一般社会の常識ではとても多いように考えられているようです。私自身、学校の教員になる前は「休みが多くてよさそうだな」と思っていましたから。民間の会社に勤めているふつうの「サラリーマン」と比較すると、感覚的には別に考えなくても「休みの多いのは教員」と簡単に結論が出てしまいそうです。でも、実際に比較してみると、果たしてどうなんでしょう?

そこで、今年(1998年)を例に1年間の休みを比較してみようと、カレンダーを持って来て日数を数えてみました。比較するにあたり、「教員」は夏休み・冬休み・春休みをすべて休んだことにして、一方「民間のサラリーマン」の方は完全週休2日とし、カレンダーの通りに祝日は休みということにして日数を数えてみたのです。なお、お盆休みは3日、ゴールデンウィークには休日以外に4日、年末年始には12/29〜1/3まで休みと考えてみました。

結果はどうだと思いますか?
単純な日数の足し算ですから、電卓片手に合計を求めれば答えは出てきます。
さて、私の計算では次のように日数が出てきました。

「教員」…138日(公立の場合)
「民間のサラリーマン」…127日

という風になりました。これを見ると、確かに「教員」の方が10日前後休みが多いことがわかります。なるほど、常識通りではないか!と思われる人が多いことと想像されます。これを見てあなたはどのように感じられたでしょうか?

教員の休みの実態

それでは、教員の休みは実際にはどうなっているのでしょう?日数を数えるときに、「教員」の方はいわゆる「長期休業」をすべて休んだとして、数えてみたわけです。実情ではそれはなかなかむずかしいことです(まあ、中にはそういう人もいることはありますが…)。私個人の例では、長期休業(合計60日位)の半分は仕事に行っています。そうすると、平均すると年間110日位休むことになります。

私は比較的休暇の取り易い「神奈川」に在籍していますから、こんな風に単純にカレンダーで計算してみたのですが、これは日本国内では珍しい方です。他の県ではこんなわけには行かないようです。長期休業中も何だかんだと仕事を作っては学校へ来なければいけないようにしているようです。私は、最近では「運動部」の部活動顧問(名前だけでなく、実際に活動している)をしておりませんから、月2回の土曜日と通常の日曜日、それと祝日はカレンダー通り休んでいますが、若い教員だとほとんどが運動部関係の顧問になりますから、それらの休日は対外試合などで休みがどんどん少なくなっていきます。私も教員になった当時は、それこそ1年間に「休みが20日」なんていうことはごくふつうにありました。現在でも、運動部をもたれている教員だと実情はこれに近いと思います。

最近、中学校や高校で「部活動」が活動中止(休部)になることが増えているようです。私の子供の通う学校でも現にそういうことがあります。それより何より、私が自分の職場で顧問に名を連ねている「ソフトテニス部」は部員がいないため、休部状態にあります。硬式テニス部はちゃんと活動しています。話をもとに戻すと、どうして休部の運動部が増えて来ているかは、多分みなさん理由はご存知ですよね。そうです、「若い教員」が全然学校に来ないからです。採用がほとんどないのですから、来るわけないのです。採用されてももう30歳に手が届くなんてことは当たり前になっています。大学から即「教員」というのはもう昔の話になっているようです。運動部をもって生徒と対等にやっていける若さをもった教員がほとんどいなくなりつつあるのです。それと、活動の激しい部活ほど当然「休み」は返上ですから、できれば避けたくなるのは人情です。手当てもほとんど「雀の涙」程度(陰で何か悪いことでもしていなければ)ですから、正直なところは「ボランティア」精神でやっているようなものなのです。現役でやっておられる教員の人は、こんな事を表立って言うことはないと思いますが 、家庭などを犠牲にしてやっている人も多いことを話しておきたいと思います。

長期休業(夏休み・冬休み・春休み)への感想

いろいろなことを言われながらも、やはり「教員」になってよかったと思うのは、これらの休みに入る前日(つまり終業式の日)の解放感を感じるときです。明日から休みなんだと思うと、たとえ補習などが予定されていても、本当に気分が楽になるのは教員の中で私だけでしょうか?「これがあるから、教員をやっていられる」と私は考えています。用事で学校に行っても、校舎の中はガラーンとして外から部活動の生徒の声だけが聞こえる。物理室で一人でノンビリと仕事をするこのときが、私のもっとも好きな日々です。生徒に授業をしながら、いろいろな仕事をするときとは、明らかに違った雰囲気なのです。一人でやりたいと思っていた実験をしたり、パソコンに向かって次の学期に教える内容の計画を立てたり、そういうノンビリした時間が持てるのは、やはり教員だからと言えるかもしれません。でも、「人に何かを教えた」経験(それも1日とかのレベルでなく1年を通して)をお持ちの人なら、わかると思うのですが、こういう「充電」の時間がないととても教えることはできないのも本当だと思うのです。

そうしたことを考えながら、「休み」の日数を数えたとき、単純に「休みが多いから楽だ」とは言えないような気がするのです。休まないで仕事をすることが必ずしもいいことだとはとても思えません。やはり適度の「休暇」と意欲的に取り組める「仕事」がうまく調和して始めて、毎日を元気に送れると、私は考えます。「仕事」がないのも寂しいものですし…。
(1998/01/25)

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