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フレッツISDNへ


■フレッツISDNはおいしい

 今や、ADSLを使ったブロードバンド時代に入っており、「ISDN」などは過去の遺物的な印象を受けてしまいそうです。でも、私は未だにこの「ISDN」のダイアルアップ接続でけっこう手軽にインターネットを楽しんでいます。そんな私も、やはり人の子。「そろそろフレッツADSLにでもしようかな?」とちょっと弱気になっていたところに、友人(=パソコン師匠)の一言。「ADSLはちょっと距離があると減衰がありすぎて、返ってISDNの方が安定しているよ。そういえば、フレッツにしたの話してなかったっけ?」おいおい、聞いてないよ、それは。何と彼は住んでいるマンションが接続部に光ケーブルを使っているため、ADSLは使えない”みじめ”な環境にあったのですが、考えてみれば、ADSLなど光ケーブルによる超高速通信へ移行するまでの「つなぎ」でしかないので、彼の方が断然有利な位置にいるのです。私も「Bフレッツ」が私の居住地をカバーしたらすぐに導入しようと考えていました。それまでの「つなぎ」があればなーと考えていたら、彼の話から「フレッツISDN」は速度こそADSLに劣るものの常時接続で料金も低額で定額(?)であり、移行もすごく楽(手続きだけで後はこちらのパソコンの設定を少し変えるだけ)との話で、すぐに乗った!となってしまいました。

 彼との電話の翌日、早速NTT東日本のホームページから「フレッツISDN」への移行を頼みました。何通かメールが来て、7/24の午後に工事(と言っても、電話局内の切り替えだけ)で、その日の夕方には使えるとの嬉しい返事。待ちましたね〜、久しぶりに。それが、じつは昨日のこと。仕事を終えて、自宅に戻ると、さっそくパソコンの設定を変えました。そして、一旦TA(ターミナルアダプタ)の電源を切って、再セットアップしてから、「フレッツISDN」に接続してみました。ほんの1・2秒で接続!速い!今度はブラウザを起動して接続。これもたちまち接続。速い!メーラーも設定を少し変更して、接続。これまた速い!最後にFTPでホームページのおいてあるサーバーにアクセス。めちゃ速い!誰も使っていないような速さである。「フレッツISDN」はベストエフォート型(できるだけ最速がでるよう努力します型)ですが、みなさんがADSLに行ってしまっているせいか、こちらはほとんど北海道の高速道路状態みたいです。何と言ってもいくらつないでも料金は2520円(マイラインも利用して)なので、まるで夢のよう。2年前に「インターネット接続は料金が高い!」と文句を書いたのが申し訳ないような低額で定額。これで、「Bフレッツ」までのつなぎは完璧だと一人微笑んでしまいました。私の場合、ネットサーフィンなどしないため、それほどの高速を必要とはしないので、これで十分な速さなのです。いずれ、光ケーブルが来れば、ADSLなど全く問題にならない速さが来るわけですから、こういう「待ちの姿勢」があってもいいのだろうと思うのです。

 またしても、おいしい情報を得て、既存の設備であっという間に常時接続にしてしまったわけですが、カミさんなどには見かけ上何の変化もないのですから、説明するだけ無駄と言うもの。ただ「電話代少しやすくなるみたいだよ」と言ったら喜んでくれました。これは、私も正直嬉しいことです。このすばらしい環境も、みんなが「ADSL、ADSL…」となびいてくれているおかげとちょっと皮肉っぽく思ってみたりするのです。「フレッツISDNはおいしい」ですよ。まだ、ISDNで頑張っている方おられたら、あなたにはぜひこの素敵な世界をお勧めします。

■ADSLは苦肉の策(物理的な観点から)

 ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line=非対称デジタル加入者線)というのは、ふつうの電話線と同じケーブル(メタルケーブル)を利用した、高周波数での通信です。非対称というのは、受信(下りという)するときの速度と送信(上りという)するときの速度が同じでない(こういうのを、対称でない=非対称という)ことを表しています。電話で話すときには音を波として考えると、おおよそ4000Hz(1秒間に4000回の振動をする…山と谷で1振動)までの振動数(周波数ともいう)を利用して音声通話を伝達しています。これが、ADSLでは26万Hzから100万Hzという非常に高い周波数帯を利用して、通信するのです。波の性質から考えると、周波数が高くなると逆に波長(1振動の長さ)が短くなるのです。そうすると、波が通ってゆく通り道になる金属の中の原子による散乱も多くなり、通信の波が弱まってしまいます。これを「減衰」といいます。受信のときに速いのは、インターネット側が少し高度の高い湖と考えるとそこから流れ出てくる水道みたいなアナロジー(これは正確な表現ではないから注意は必要です)で考えるとわかりやすいでしょう。そうすると、送信はどうしても遅くなるのはすぐにわかりますね。そうです、送信は仕事が必要なのです。これが非対称になる理由です。また、非対称にすることによって、電気信号の波の干渉を防ぐ理由もあります。

 同じメタル線(銅線)を違う周波数帯で使うのは、ISDNでも同じです。ISDNはちょうど音声通話とADSLの中間に当たる周波数帯を利用しています。ISDNとADSLはこの周波数帯が一部重なるために共用はできないのです。ADSLは超高周波帯を利用していますから、上記のように、減衰も激しく、距離があまり伸ばせないのです。その他のノイズにも非常に敏感なのもこの減衰の原因になるためです。理論的にはもっと上の周波数帯でも通信は可能ですが、この減衰が原因して、実用上は現在のADSLの辺りが限度と考えられます。もちろん超伝導現象などを利用すればまた違ったことになりますが…。ということは、ADSLはギリギリの状態で使われているということです。これ以上の周波数帯はメタルケーブルを使う限りでは限界に近いというわけです。現在のADSLは収容局からの距離がほぼ3kmほどで、実用上はこれくらいが限度です。これ以上の速度を出すためには、この距離はますます短くなります。実際には、3kmというのもあくまでも…の話で、場所によっては1.5kmほどで減衰してしまう例も多く報告されています。どうも、この技術にはかなり無理をしているという印象が拭い去れないですね。

 これを打破するには、光(電磁波)そのものを通信に使えれば、理論上の周波数帯の制限はなくなります。どこでも、好きな周波数帯を利用できます。光を減衰しないで送ることはむずかしいです。ですから、光の全反射を利用した光ファイバの利用はとてつもない大容量・超高速(何と言っても光速ですから)の通信を可能にするというので、その技術への移行(もうすでに基幹の光ファイバは施設されている)が急がれているのです。FTTH(Fiber To The Home)といわれている技術がそれです。上で述べた「Bフレッツ」というのがそれにあたります。ですから、ISDNやADSLというのは、じつは「つなぎ」の技術だと言われる所以がここにあるのです。ここまで来て、「光ファイバなんてわたしゃ知らないよ」などというお方もおられると思います。でも、「胃カメラ」の話は聞いたことあるでしょう。あのチューブの中に入っているのがそれです。私の仕事場である、物理準備室にもこの光ファイバは実物があります。シャープペンの芯みたいな透明な糸状のものです。これが、いずれは今の電話線と同じように身近にあふれる時代がくるでしょう。いや、もう来ているのです。10年前は想像もできなかった現在の「携帯電話」のことを考えてみてください。あと、10年後インターネットの世界はどうなっているのか、およそ想像を超えているのはわかりますよね。技術は人間の思惑を超えて変わってゆきます。いいも悪いもないのです。その辺の変化を人間の力で何とか抑えられないかという人は、技術というものの本質が全くわかっていないのでしょうね。技術って怖いものです。

 2002/07/25(木) 10:48

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