2000/03/27 (Mon) 第31回 俳優祭
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これもここに入れていいものなのか……(笑)
でも「感想文」コーナーだしな。日記に書くには長くなりそうなので、細かいあれこれをここに書くことにします。
俳優祭とは、日本俳優協会(歌舞伎+新派の役者さんの団体らしい)で行っているファンサービスのお遊びです。
お遊びなので、“演目”というより“出し物”といった感じの舞台になります。
それから、今回の感想文はあからさまにお一人にミーハーしまくっていますが、笑って許して下さい。
たぬき会 清元「保名」・長唄「勧進帳」
役者さん達の唄や演奏の出し物です。個人ではなく、原則として合奏。
んんん、勉強しているとはいえ、やっぱり彼らは役者であって演奏のプロじゃあないのよね、と思う出来映え(^_^;
観客も日頃から歌舞伎を見慣れているから、調子がはずれればわかるわけで、おもわず笑いが出てしまうあたりは正直です。
だって、不勉強なわたしでも「あれえ?ひどいはずれ方だよ」とわかるくらいなんだもの。
要するに
趣味の発表会
と思えばいいわけですね、これは。
「○○ちゃん、がんばって!」の世界なんだ。愛嬌、愛嬌♪
で、「保名」では吉右衛門の唄を聞いてしまいました!
あーとーはー覚えていない〜〜(笑)
三味線はかなりひどかったような気がするなあ。
プロがお一人助っ人に入っていたらしいんですが、助っ人がいるということ自体、「まずいよ、このままじゃ」となったせいじゃないかと……(笑)
そして「勧進帳」には、仁左衛門サマの三味線が…!
しかも!(なんと言う言葉を使えばいいのかわからないのでちょいと変だけど…)リード三味線だ!
ううう、弾くお姿の様になることといったらもう……奥の座敷に飾っておきたい!!
<座敷があればね
雪のしんしんと降る夜に炬燵に入って旦那の弾く三味線に耳を傾けつつ熱燗を……という妄想爆発です。
(いや、わたしは飲めないんだけどこの場合は熱燗が似合いでしょう)
唄は段四郎もよかったけど、なんと言っても我當。一人だけ声量と通りが違う。お兄ちゃん凄いです。
鼓はしばしば失笑がもれていたけど、比較的八十助が頑張っていましたね。
あ、三味線軍団ですが、仁左衛門サマに目がくらんでたとはいえ、客席から笑いがなかったことは確かです。
「豪華船春賑」
ごうかせんはるのにぎわい
1時間の模擬店タイムです。
学園祭のノリですよね。
しかしこれって役者の人気が如実に表れるので、残酷かもしれないなあ。
わたしはここで、仁左衛門サマのにぎり寿司コーナーに駆けつけ、念願の
握手
を果たしたのでした。(握手はもれなくしてくれるわけじゃないし、前回は勇気がなくて手を出せなかったのさ)
ちなみに、にぎり寿司と言ったって役者さんが握るのではなく、出来合の折を手渡してくれるだけよ。
それでもってこのお寿司がちっとも美味しくない割に高いんだけど、自分だけに向けてくれる一瞬の笑顔代なんだから文句を言ってはいけません(^^)
時間にもよると思うんですが、この寿司コーナーが長蛇の列なのに比べて、周囲のお店は閑散としていました。
みんなお寿司を買った後に寄るから仕方ないんでしょうけど、それにしても人気の差がねえ……
あと、吉右衛門が担当の、幹部役者の携帯ストラップ&プリクラ販売店ももの凄い人でした。
朝の銀座線ラッシュより凄かった……お年寄りなんかあれをかき分けるのは絶対に無理です。
仁左衛門のがあれば、たとえ携帯を持っていなくたってわたしも並んだのですが、なかったのでこれは横目に見てパス。
菊五郎の所や、猿之助軍団の若手がいる所も混んでいましたね。
それからタイタニック写真撮影コーナーというのがあって、若手売れっ子とタイタニックのポーズで写真を撮れるのですが、これもきっと混んでいたんでしょうね。昼の部は右近だったのでちょっと興味はあったものの、人数制限があるのでハナから行きませんでした。
宗十郎が病欠でいないので、あとは適当に流して見て回り、客席へ戻りました。
お楽しみ抽選会……は、くじ運のないわたしには縁がないということで、書くこともなし(笑)
「鯛多二九波濤泡」
たいたにっくなみまのうたかた
>『タイタニック』
さあ、お楽しみのお芝居だ!(学芸会のようなお芝居だけど〜〜笑)
原案は公募で、当選したのは中村京蔵のものだそうです。
演出に猿之助が加わっているのを見た途端、ちょっと安心しました。時々、内容がない上に破綻しすぎという、お遊びにしても「ヲイヲイ」な舞台なことがありますから。遊びでも出来不出来があるんですよね。
さて今回のは題名からわかるようにあの映画「タイタニック」のパロディです。
舞台を「菅原伝授」の世界に持ってきて、船は遣唐船という設定です。
お嬢様は菅原道真の娘の刈谷姫(尾上菊之助)、ディカプリオの役は孔雀丸という名前(市川染五郎)。
わたしは映画を見ていないのでよくわからないのですが、ディカプリオには親友がくっついていたのでしょうか?
この舞台では土龍丸(中村翫雀)という若者と二人組でした。
この土龍丸が愛嬌があって良かったです。黒の丸眼鏡がかわいらしいんだ。
一日2回やるだけのこのお芝居は、本舞台でまだ大きな役があまり付かない若手が中心です。
これは台詞覚えの問題もあると思います(笑)幹部は本業の舞台で忙しいし、年配の方が多いですからねえ……
堂々とカンニングペーパー読んでた方もいらっしゃいました(^_^;
とりあえず前半部は「タイタニック」のストーリーに沿っているのでしょう。
例の「僕を信じて、目を閉じて」「空を飛んでいるわ!」<見ていないけどこのシーンは知っている>もありました。
その後あたりからがたぶん違ってきているのかな?
土龍丸は実ハ船の中をちょろちょろしている子ネズミの親だったり、船が沈没後に二人は竜宮城に流れ着き、竜王に片方だけ生き返らせてもらうということになったりと、もはやタイタニックの影はなし(と思われます)。
特に竜宮城のシーンになると“いつもの俳優祭”の出し物で、被りもの、女装(は、しなれてるだろうけど今回は洋装)、悪のり、の半仮装大会です。
この、次から次へと出てくる幹部・主力俳優扮する変な人物達が、姫と若者のどちらを生き返らせるべきか論じ合う、という設定なんだけど、まあ、暮れの紅白の応援合戦みたいなもので瞬間芸(というより笑い)の披露ですね。
原案の京蔵もこのあたりで「本物の勘定奉行」として出てきました。<CMで「勘定奉行」をやっているかららしい
しかし圧巻は菊五郎でした。
扮するは、つんつるてんの着物を着たガングロ娘。ただし履いているのは高下駄という姿で、ミニスカートのガングロコギャル4人を従え、モーニング娘の曲を踊ったんです。(あの4人は音羽屋の弟子だよな?)
そのインパクトときたら、それまでお姫様らしく座し、目上の方々の悪ふざけをニコニコ笑いながら見ていた息子の菊之助が、ショックのあまり(のように見えた(^^))、床に手をついて呆然としていたという……
その後の台詞で「わが父のあまりの姿が情けなく……」とアドリブかましていたしなあ(笑)
昼の部だったし、たぶん幹部達のあのシーンはぶっつけ本番みたいだから、何も知らずに初めて見て大ショックだったんでしょう。
かわいそうだけど、でも可笑しかった(^^)
きっとあのあと、ちょっぴり親子の断絶があったに違いない
ところでパンフレットでこのシーンは、幹部の名前が書いてあって役柄の所は「?」になっていたのです。
そしてそこには仁左衛門サマのお名前も……
次から次へと変なのが出てくるのに大笑いしながらも、わたしはだんだん心配になってきていましたよ。
ま、まさか、仁左衛門サマもおかしな格好をなさるのかしら…?
見たいような、見たくないような…いや、見たくないけどぉ〜てなものです。
あの人は出てきた。この人も終わった。
あとは?
残る中堅大御所は、松島屋だけ?
ちょっとドキドキしていると、ついにご登場!!!
ああ、よかった。先にビーチボールがついた棒を操る
ただの青衣
だ!
(正確に言うと水色の衣装の黒衣ですね)
仮装した誰かと誰か(もう忘れている)の間でボールを動かすだけの役でした。
まあ、仁左衛門が変な仮装するとは思えないものねーーー。
良かったような、
ちょっと残念なような(^^)
この舞台は、大筋はもちろん「タイタニック」なんですが、さらに歌舞伎の演目のパロディにもなっています。
前提からして「菅原伝授」だし、場面場面で色々な作品を紛れ込ませてあります。
二人の若者が船に乗り込むにあたってパスポートがなく、「乗せてくれ」「いや駄目だ」とやりあう所は「俊寛」、子ネズミを見つけた土龍丸の告白シーンは「狐忠信」という具合です。
元のシーンがわかるのもあれば、パロディだってことはわかるけど作品名がでてこないとか様々でした。
パロディって受け手の知識土台を問われますね。元がわからないとどう崩しているかもわからないから面白さ半減です。悔しいなあ。
船の出航を見送る悪人がいて、これは本来宗十郎の役だったのですが、前述の通り病欠ゆえ段四郎が代役。
この場面もなんのパロディになっているのかわからず残念でした。
きっと宗十郎ならもっとふざけてやってくれたんだろうけど、元がわからないから、どうふざけたかの想像もつかないしな<まあ想像しても仕方ないんですけどね
このタイタニックの浄瑠璃は竹本葵太夫。義太夫の作曲も葵太夫です。
結構ノリノリでしたね、葵太夫(^^)
もちろん台本通りなのでしょうが、猿之助に「葵さん、葵さん、あなたまでそんな悪のりしないで」とか声をかけられてました。
それから子ネズミのシーンでは三味線による「ミッキーマウスのテーマ」を聞いてしまいました!
♪ペッケ、ペッケ、ペッケ、ペッケ、ペッケペッケペン♪て感じ。
これもちょっとくらっと来ましたね(^_^;
<歌舞伎座 昼の部PM0〜4>
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