単に好みの音楽じゃなかっただけなのでしょうか?これを確認するために、わたしはソンドハイム作品を見に行く必要を感じています(09/02)
この宿題を果たすためが半分。残りの半分は演出宮本亜門という点に惹かれて見てきました。
で、その結果はと言うと「この音楽は平気だな……」
ソンドハイム賞を取った作曲家と、ソンドハイム本人は違うということなのか、ミュージカルとしてのレベルが違うということなのか、さてなんだろう?
(観劇記録を整理していたら〜データじゃなくてチラシ・チケットを〜1999年に見た「カンパニー」もソンドハイム作品だったことを発見!これも音楽に文句はなかった気がする)
さて宿題は片づいたから、作品について。
内容を一言で言うならば「黒船もの」です。
黒船の訪れによって変えられてしまった個人の人生。変わっていく日本。
どうやったって、せつない系になります。
好みから言うと幕末ものはどうも苦手な方なのですが、意外と面白かったし、出演者のレベルの高さに瞠目しました。
何より、ミュージカルになってるよ〜という喜びが!(笑)
・音楽の扱いがBGMになっていないし、とってつけてもいない
・踊っていなくても身体の動きが音楽にのっている
今回強く感じたのはこの2点です。
ミュージカルという表現方法の、形だけをなぞって「ミュージカル○○○○」と呼んでしまうカンチガイ演出家って少なくないです。
亜門さんの舞台ではそれがないので安心。
ミュージカルじゃない時は、きちんとそうとわかる区別をしているものね。
(もちろん他にも、音楽をふんだんに使って役者が歌ってしまう舞台だけどミュージカルと名乗らない、分別を持った舞台もちゃんとあります)
ちょっと横道にそれかけました。
「踊っていなくても身体の動きが音楽にのっている」なんですが、ただ歩いているだけなのに音楽と一体化しているのがわかる。
ぴしりと正座して、微動…はしてるけど…ほとんど身体を動かさないのに、その身体に音楽が流れているのがわかる。
これに感動しました。
そしてそれができてしまう出演者も見事だと思います。
パンフレットを見たところ、今回の出演者はミュージカル畑とオペラ畑の混合だったようですが、とにかく歌のレベルが高い高い。
時代物なので刀を扱うシーンも少なくないのですが、これもチャンバラゴッコに見えなくて良かった。
和物の所作も、きっとオーディションの基準の一つだったんでしょうね。
進行役にあたるのが、浪曲畑の国本武春さん。
人選というか、このタイプの方をこのポジションに持ってきたのって◎だと思います。クッションの役目になっていて緊張感を和らげてくれていました。
基本的にシリアスなストーリーだし、メインになる人物像も真面目だから、時代に翻弄される姿を見せ続けられていると息苦しくなりそうなんです。
笑える場面もあるんだけど、やっぱり緊張感とか悲愴感がそこはかとなくバックに流れているので、見ている方も緊張して肩凝ってしまいそう。だけど国本武春さんの存在が、笑いや泣きとは別の緩急をつけていたように感じられました。
舞台慣れという点では、どことな〜くぎこちなさを感じたのですが、他の役者さんとはまとう空気が何か違っていて、だからクッションのように感じたんでしょうね。
国本武春さんがいなかったら、終演時には身体がガチガチにこわばっていたかもしれません。
面白い、面白くないとは別に、緊張を強いる作品というのはありますから。
作品と言えば、外国人の作の和物なのに違和感が少なかったです。
ソンドハイムが親日家だからなのか、演出家がおかしなところを容赦なく直したのか、そのあたりはわたしには不明なのですが。
初演では歌舞伎の手法を用いた形で上演されたとのことですが、今回は顔の塗りの点では“素”です。一部、年配女性の役は男性が担当しましたが、若い女性は女優が演じました。
日本で下手に歌舞伎の手法なんか使ってもおかしなことになるだけだものね。自然に見ることが出来てよかったです。
逆に黒船でやってくる異人の描き方はだいぶ戯画化されていたのですが、日本人のわたしには、当時の人にはきっとこんな風に見えていたんだろうなと納得できます。
要するに「鬼」のラインなんですが、これは逆に外国人が見たらどう感じるんだろう?とか、オリジナルの舞台ではどんな演出だったんだろう?などと気になりました。
どうにもこうにも「変〜〜!」とむずがゆかったのは、将軍についてだけでした。
江戸時代の将軍は世襲制で、老中から将軍になったりしないのよ〜〜アベって名前の将軍はやめて〜〜! という感じかな。
帝は許容範囲内でした(天皇家は日本人にも謎だと思うし)
亜門さんの演出でこの作品を見ることが出来て、幸いでした。
下手したら「つまんない話」に分類して終わりだったかもしれませんから。
出演:国本武春(ナレーター) 佐山陽規(将軍の母) 治田敦 酒本朗 本田修司(香山弥左衛門) 堂ノ脇恭子
春芳 越智則英 大島宇三郎 広田勇司 小鈴まさ記(ジョン万次郎) 斎藤桐人 粟田麗 山田麻由
坂本朗(安部) 園岡新太郎 今拓哉 村上勧次朗 岡田誠
演出・振り付け:宮本亜門、作曲・作詞:スティーブン・ソンドハイム、台本:ジョン・ワイドマン
新国立劇場の情報ページ
<新国立劇場・小劇場 PM1:00〜3:35 休憩15分>
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