2000/11/04 (Sat) メトロに乗って
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音楽座の新作。いい舞台でした。

原作は浅田次郎の同名の小説です。
原作を読むことなく見に行きました。
思わず涙ぐむ舞台ですが、しこりとして残るような苦々しさはほとんどありません。
「夢から醒めた夢」を見て涙ぐむのにちょっと似ていますね。
思いやりの美しさに胸が締めつけられる感じかな。
ちょっと「これは黙阿弥ものですかい?」と思うような部分もありましたが、決着の付け方はもちろん黙阿弥ものとは異なりました(ホッとした)。

沢木順さんは、病気代役で加わった舞台だったわけですが、とてもよく役柄にあっていました。
明るくて、おおらかで、根性ある男です。
まるで最初からあててキャスティングしたように思えたけど、当初の役者さんはどんな感じだったのでしょうね?
毬谷友子さんは以前別の舞台で見た時に期待はずれだなぁと思っていましたが、今回はよかったです。
石川禅さんの役は、その個性がどうもはっきりしなかったです。
平凡な人間と言えば言えるんだろうけど、こういう人物は舞台だと印象が薄くなるだけなんですね。
小説だと設定や環境が異常なほど、主人公は平凡な個性を持ってくる必要があるし、そうしないと話のバランスが崩れる物ですが。
(それとも石川さんの造形が甘かったのだろうか?)

美術は朝倉摂。階段とや坂を含む円形の壁を回転することで色々な場面を作り出していました。場面転換がとてもスムースでいいです。またとてもシックで、戦中戦後のどの時代に行ってもうまくあっていました。

音楽座は劇団四季に似た上品さがありますが、より硬質なイメージが強いような気がします。四季よりよほど“人間ドラマ”を題材にしていると思うんですけど、なぜか印象は硬質。

軽部みち子:毬谷友子、小沼真次:石川禅、アムール:沢木順、お時:福麻むつ美

<ル テアトル銀座 PM1:00〜3:55 休憩15分>
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