2002/03/17 (Sun) You Are The Top −今宵の君−
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突然の死を遂げた歌手の七回忌を記念して、彼女の為の曲を作ることになった作詞家と作
曲家。数々のヒット曲を作り出してきた名コンビだが、お調子者ではしゃぎ屋の作詞家に、気難しい作曲家は苛立つ。思い出を振り返るうちに、作詞家は、死んだ歌手と自分の秘密を打ち明け始めるのだが…。

初日寸前に鹿賀丈史病気降板というアクシデントにみまわれた舞台ですが、不満に感じることもなく楽しめました。

三谷幸喜の舞台の特徴の一つとして「舞台が密室」と言うことが上げられます。場面転換がない舞台が多い(らしい)ということです。
で、今回の舞台は「夜のリハーサル室」。
そこで死んだ歌手への二人の思いが語られていくのがストーリーの主軸ですが、その周囲に見え隠れする、作曲家と作詞家の互いへの愛憎にもじーんときます。

途中、これが鹿賀丈史だったらどうだったんだろう?と想像してみたのですが、なんだかうまく思い浮かばないくらいに、代役の浅野さんが役にピタリとはまっていました。
鹿賀丈史だったら全然違う雰囲気になっていたんでしょうね。たぶんもっと濃い…と言うか、くどい…と言うか、そんな感じかなあ?
要領がいいんだか悪いんだかわからない、熱いんだか醒めているんだかわからない、プライドが高くてナイーブな作曲家を、浅野さんは淡々と演じていました。ま、個人的に自然体の演技は好きですしね(=妙にテンションの高い、早口泣き叫び系演技が駄目)。
となると、はしゃぎ屋の作詞家のハイテンション演技はどうよ?となりますが、泣き叫んでいなかったから大丈夫。ま、最初、ちょっと引きましたが。
しかし、市村さんの役のあのテンションはどの辺でトーンダウンするんだろう?と思っていたら、最後までハイテンションでぶっ飛ばしていました。なんだか異次元生物を見た気持ちです…
戸田恵子さんは、二人の男から見た全く別の印象の一人の女を演じ分けた最初のシーンに圧倒されました。それにしても、いつ見てもさっそうとしてカッコイイわ。

ラストの歌になだれ込むと途端に、浅野さんが困惑気味に、所在なさげに、歌につきあっている風なのが微笑ましかったです。そりゃあ、そこまで鹿賀さんの代わりはできないよね。ちなみに会場で販売していたCDは、鹿賀丈史の歌声です。


作詞家 杉田吾郎:市村正親、作曲家 前野仁:浅野和之、女 笹目にしき:戸田恵子
作:演:三谷幸喜 作曲:井上陽水

<世田谷パブリックシアター PM7:00〜9:20 休憩0分>