2002/04/20 (Sat) チャーリー・ガール
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こなれてきたのでしょうか?役を手中にしたのでしょうか?余裕が出てきたのでしょうか?
大変よろしかったです。
特に主役二人の声が出るようになっていたし、芝居(心情)もわかりやすくなっていたように思います。こればかりはリピーターゆえの理解度かもしれませんが。
でもジョーがチャーリーに告白するラストシーンは、ジョーのうじうじ優柔不断っぷりが確かにわかりやすくなっていました。諦めの良さはまだ納得いきかねるけど。
フィオーナ姉さんの禿げフェチも、わかりやすくなっていたように思います。ニコラスに対する「なんだフッサフサ」という台詞は前はなかったと思うのよね。

さて、なんとなしにお話のバランスが悪いなあ、というのが初見時一番の不満だったわけですが、これは、役者の問題(4月6日分感想で記述済み)以上に、お話の構造に、特にジョーの造形または扱いに問題があるのではと思いました。
タイトルが「チャーリー・ガール」だし、主演:愛華みれ、というのが大きくうたわれていたので、チャーリーが主役だろうと思っていたのですが、どうも違うのではなかろうか?と。
確かにキャストの最初には、チャーリー役の愛華みれさんのお名前があるのですが、見ていて「あれ?」。CD(ロンドン版)のライナーノートを眺めて「おや?」なのであります。
「これって、ジョーが主役のドラマなんじゃない?」と。
実際、その視点で再構成すると、話はとてもスッキリわかりやすくなってくるのです。おやおや。

思いついて、ナンバーのカウントなんかもしてみました。

歌いっぷり
ソロDuet(お相手)コーラス付きナンバー
ジョー2「Charlie Girl」
 「My Favourite Occupation」
2「I'ates Money」(ウェンライン)
 「You Never Know What You Can Do」(伯爵夫人)
1「Fish&Chips」
チャーリー2「Bells Will Ring」
 「Like Love」
なし1.5
「I Love Him,I Love Him」
0.5は歌なしダンスナンバーをカウント
ジャック2「What's the Magic?」
 「That's It」
1「What would I get from being Married?」(コナー夫人)
コナー夫人なし2「What would I get from being Married?」(ジャック)
 「Let's Do a Deal」(伯爵夫人)

「The Party of a Lifetime」
伯爵夫人2「Let's Do a Deal」(コナー夫人)
 「You Never Know What You Can Do」(ジョー)
ニコラスなし1「I'ates Money」(ジョー)


この通りの結果……。
どう見たって主役はジョー。
ただし今回のソロの聞かせっぷりという点では、ジョーよりジャック・コナーの方がうわてだと思います。
影(?)ダンサー従えてのソロでしたし、鈴木さんは歌が上手い。
ジョーは「Fish&Chips」で大逆転というところでしょうか。
女性陣では、チャーリーより存在感抜群の森公美子さんの方が印象に残っています。これはまあ、当然か。歌の技量も大違いだし。
ともあれ、チャーリーではなく、彼女をはさんだジョーとジャックを中心に話を組み立てればストーリーがぼやけなくて済んだのではないか?という気がしてなりません。
でも、愛華みれ退団後初主演作ですからね〜〜
そういうことなんですね〜〜

そして、ジョー&ジャックで再構成してみると、なぜか脳裏をちらついて仕方なかった「ミー&マイ・ガール(Mと表記)」との共通点・相違点もわかりやすくなるようです。
・まず、男主人公が女主人公を好きでたまらないという設定が共通しています。ただ、Mは両思いだけど、Cは片思いです。
・男主人公が労働者階級育ちなのも同じ。
Mはビルが生まれが貴族で育ちが下町。恋人サリーは下町産まれ下町育ち。Cはジョーが産まれも育ちも労働者階級。恋するチャーリーが貴族。
ここから、Mは階級差に気づいたサリーが身を引く形に進み、Cはジョーが諦める。
・人間模様は結構違うように思います。Cでは、伯爵夫人も元はコーラスガールなので、産まれながらの貴族は、一応三人娘だけです。でもこの三人も貴族のイメージが薄いですね。Mは逆に、貴族でない人物がサリーと弁護士だけのような?そしていい意味での貴族らしい人物にも不足していません。公爵夫人マリアは貴族の鑑でありましょう。
・舞台が貴族のお屋敷というのは共通しているけど、維持費に困って館を観光客に開放しているあたり「チャーリーガール(C)」は現代的です。
・コーラスのみのナンバーがどちらにもありますが、Mは1幕に使用人コーラス、2幕に招待客コーラス。Cは、1幕にガイド&観光客コーラス、2幕にパーティー招待客コーラス。
・楽しさ全開の大ナンバーは、Cはジョーによる「Fish&Chips」。Mはビルとサリー主導による「ランベスウォーク」。どちらもパーティーシーンで歌われます。
・最後に3組のカップルができあがるのも同じ。

【日替わりアドリブ?コーナー】
・コナーさんちのジャックさん、略してジャック・コナーさんの初登場シーンで舞台袖にはけて行く時、お世話係のワシントンに「僕の勝負パンツを出しておいて」と言うのですが、これが日によって赤だったりピンクだったり色指定なかったり。
・ニコラス・ウェインライトを執事として雇うことを承知させた後(だと思ったけど)ジョーがはけている時に、何やら長めの格言みたいなものを言います。が、これ、意味不明。元の脚本だともっと意味不明だった模様。いっそカットしてしまえばいいのに……
・二人の未亡人が苦しんでいる二日酔いに効くヨガをニコラスが二人の未亡人に伝授する場面。ポーズで固まってしまったコナー夫人をニコラスが起こそうとするんだけど大変で、素でこぼしていました。そして舞台袖への去り際にも捨て台詞を(日に日に重くなる、等)
・パーティーの四阿場面。チャーリーに迫るジャックにやきもきしたジョーは、嘘の呼出電話を取り次ぎます。この電話がどこからかかってきたのか(温泉地だの、ローカルな地名を言う)
・ジョーがチャーリーのドレスを調達する約束をして、その意味に気がついた場面。ニコラスが慰めるように言う格言と、それへのジョーのリアクション
・パーティーでジョーに押し出されたチャーリーは若い紳士達に囲まれます。移動しながら言う台詞
・パーティーシーンでのランジェリーダンス後の写真撮影で、三姉妹が最前列に並ぶ時。なにげにチャーリーがお姉さんたちで遊んでいます(後半のみのアドリブらしい)
・ランジェリーダンス後に、コナー夫人がフィオーナを連れてはけていきます。このシーンでコナー夫人が「あんたには素敵なハゲを紹介してあげるから。ほらあそこに」と、客席またはオーケストラボックスを指す。
オーケストラボックスにのホルン(だったと思う)奏者が見事なハゲで、この人が入っている時は必ずご指名。いない時は客席を適当に指さしていました

【毎回楽しみだったツボポイント】
・ジョーがニコラスの持つ風船を割りまくる場面で、必死で1個だけ風船を逃がすニコラス
・飼育員に、パンダが妊娠したことを聞かされて「パンダは雄よ!」と叫びながら三輪車で去る伯爵夫人
・娘たちとの結婚を迫るコナー夫人と息子ジャックが掛け合いで歌う場面。歌もうまい二人で聴き応えがあるのだけど、ベッドにひっくり返りながら歌い続けるモリクミさんが凄い!
・お姉さまズによる、館巡りツァー。クネクネとポーズを取りながらガイドするお姉さまズと、疲労困憊している観光客
・ジョーが石像にキスする場面。妙にカワイイです
・二人の未亡人が苦しんでいる二日酔いに効くヨガをニコラスが二人の未亡人に伝授する場面。コナー夫人を支えるニコラスは日を追う事に素で辛そう
・ジョーの二日酔い対策は、バロップ(ビール)を飲むこと。コナー夫人に言われて、ピッチャーで持ってくると、コナー夫人が息もつかずに一気飲みします。客席もざわつくほどの飲みっぷりで、ジョーも毎回のことなのに唖然としている風
・ジョーとニコラスの掛け合いの歌「I'ates Money」。特に、「自分で稼げばいい」との意味合いの歌詞のところで、手をタンタンッと叩くのがとてもツボ、なぜかツボ
・パーティーの四阿場面。シャンペンを持ってきたジョーが、チャーリーに迫るジャックを見つけ、その頭にコルクをぶつけます。このタイミングが絶妙!
・パーティーもたけなわだがチャーリーの貸衣装を返す時間が来てしまい、彼女は衆人環視の中、さっさとドレスを脱いで返します。この時のジョーのうろたえっぷり。
そして、刺激されたかのようにゲストの令嬢達もドレスを脱いで踊り出すのですが、脱いだドレスを押しつけられた男性客が右往左往するのが笑えます
・ハドウェル伯爵夫人がジョーを励ます場面のデュエット。絶対にチャーリーよりお似合いだってば

<帝国劇場 PM5〜7:55 休憩30分>

<後半二回目:4月28日PM5〜>