臨床殺人







本のデータ
年月日 1997年1月9日
書店 角川書店
著者 ハリー・スタイン
題名 臨床殺人
ジャンル メディカル・サスペンス
本の出所






があまりにも自信満々で薦めるので熱意に負けて読むことにしました。

癌の特効薬開発に関わったエリート医師が、陰謀に巻き込まれていくといったストーリーでしたが、隙だらけの主人公にはらはらさせられ通しでした。父親との確執が上司との関係に投影されて冷静になれなかったり、エリートっぽい言動が知らず知らずのうちに周囲の反感を買ったり、簡単に人を信用して痛い目にあったりと頼りないのです。結局、新薬は見込みがあっても主人公の手に負える代物ではありませんでした。

新薬はナチス時代のドイツとの関わりがあって実は過去に完成されているのです。過去の開発日記が小説のあちこちに太字で書かれていて、読んでいる方としてはますます不安になっていくのです。

この小説に書かれている患者の状況は、日本の現場とは全然違っていました。舞台が特殊な施設だったせいもあるのでしょうけれど、告知されて、治療内容についてかなりつっこんだ説明をされて、試験段階の治療を受けるという選択も時には可能です。これは恵まれていると同時に過酷なことだと思います。

蛇足ですけれど、彼の恋人はなかなか魅力的でした。グラマーなイタリア美人という設定になんかむっとしたのですけれど、性格が気に入ったのでよしとしました。そんなのは私の知ったことではないですけれどね。







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