私も組織の人間ですから







本のデータ
年月日 1997年1月14日
書店 角川書店
著者 吉村達也
題名 私も組織の人間ですから
ジャンル ミステリー(短編)
本の出所 S市立S図書館






それは経費で落とそうにつられて借りました。言いたいことや本の趣旨はたぶん同じではないでしょうか?本の表紙も装丁もそっくりだし。そんなわけで今回は各短編に対してちょっとずつ書きたいと思います。

社長、お言葉ですがでは、正義感が強く純粋で融通の利かない部下のために、完全自己中心の社長と彼に忠実な総務部長が追いつめられていきます。凝り固まった信念はどうも本物のサラリーマンだった頃の自分を思い出します。うーむ。私は便利屋だったに違いありません。もっと上司に迷惑かけてしまえばよかったかなあ。十分迷惑してたとは思うけれど。そんなわけで全国の上司様方、気を付けて下さいね。

私も組織の人間ですからでは、トカゲの尻尾きり用の人事に気弱な人間を当てたため、その人が過労死したところから話は始まります。主人公はその後釜に据えられてしまうのですが、部長の肩書きで娘の結婚を迎えたいというささやかな願いのために逃げられなくなってしまいます。しかし、うまくやらなければ、警察沙汰になって会社はクビ、娘は破談となってしまうかもしれません。そんな緊迫した雰囲気の中で主人公は、やはりうまくやれず破滅してしまいます。その後主人公を巻き込んだ上司たちも一緒に破滅するのが救いでしょうか。この主人公には同情します。

右の者、勤続二十年を表彰するは、順調に勤続二十周年を迎え、急に長期休暇をもらえるようになった人間が、ふらっと悪女にだまされてしまう話です。人間誰しも歳をとってこのまま終わると考えたくない時がありますが、主人公はそこにつけこまれてしまうのです。私だったら、そのまま平穏無事に終わればいいやなんて考えてしまうだろうけれど。

黒岩は三人おりますが、これはどこかで聞いたセリフだなあと思ったら、前の会社にはやっぱり三人名字の同じ女性がいたのです。まさか社長にこんな目的が………。あるわけないか。

政治改革殺人事件は、同族会社の社長親子が社内の派閥を押さえるために、ある流言を流して改革派の尻尾をつかむお話です。これに出てくる三浦さんには私の身辺に現れて欲しくないなあ。うっかり返事できないじゃないですか。

ふとこれを書いていて気づいたのですが、どうも私は真ん中の話が気に入ったようです。







読んだ本1997へ