白い巨塔
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本のデータ 年月日 1997年1月23日 書店 新潮社 著者 山崎豊子 題名 白い巨塔 ジャンル 小説 本の出所 S市立S図書館
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物語は、教授選から始まります。主人公の財前は、大学病院の優秀な外科医で並々ならぬ野心を持っています。財力のある家に養子にとして入り、まずは教授の座を狙うのです。しかし、雑誌記事をきっかけに退官寸前の機嫌を損ねてしまい、それは、東教授退官後の教授の椅子をめぐって、財力対権力の争いと発展していくのです。この教授選のところでは、財前と東教授の性格はなかなかつかみにくく、読んでいる者としては決着の予想が難しいのです。
誤診は、たぶん無くなることがない問題だと思います。仮に、自分がその場に居合わせても、よほどのことがなければわからないでしょう。初めて招かれた国際学会に夢中になっている間に、財前は普段なら考えられない誤診をして、その患者を死なせてしまいます。彼の横柄な態度を信頼できなかった患者の家族は、何か適切でない治療をされていたのではないかと疑いを抱きます。また、再三、その患者のことで忠告をした好敵手の里見、そして、患者の受持医である柳原もそれに気づいてしまうのです。特に柳原は、財前に逆らえないばかりにむざむざ患者を死なせてしまった罪の意識に終始怯えることになります。
帰国後の財前を待っていたのは、医事裁判でした。この裁判で、患者というのは本当に弱い立場なのだと思わずにはいられません。高度な技術を持つ医師の医療裁判だけに、裁判に負けた場合医師に過大な負担がかかるおそれもあり、多数の医師は財前が裁判に負けることを望まないのです。また、患者側として裁判に関わった里見をはじめとする医師たちには圧力がかかり、医療の知識のない弁護士も何を訴えるかさえなかなか決められず、一家の働き手を失った患者の家族は貧窮します。登場人物は、良心と自身の立場との狭間で動揺します。
最初はテレビドラマで見ました。と、言っても、膵臓の手術シーンと最後の部分しか記憶にありませんでしたが、間違いないと思います。テレビの印象は当時の私には強烈で、思い出す度に、今でもわけのわからない恐怖に襲われます。
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