聖なる湖







本のデータ
年月日 1997年1月31日
書店 新潮社
著者 藤堂志津子
題名 聖なる湖
ジャンル 小説
本の出所 古本屋で購入






自立した女性の愛と性を描く短編集です。こういう話は男性の視点からだと棘を感じてしまうし、女性の視点からでも肩肘はっているのが感じられて肌寒くなってしまうことが多いのですが、これは淡々としていてすんなり読めました。

聖なる湖、琥珀、雪おんなの主人公は、世間でいう「魔性の女」でしょう。読んでいくうちに、彼女たちの中の純粋さが伝わってきて、その寂しさに同調してしまいました。

もう一人のあなた、ラブソング、少女像では、男運がなくて平凡な幸せには縁がない女性が描かれています。彼女たちのあきらめにも似た強さが痛々しいです。

乙女の祈りは、結婚するためにお見合いを次々と繰り返す女性が出てきます。生活力がなさそうで、いまだに乙女心が健在なのが、他の主人公と違っています。滑稽だけれど、悲しい彼女たちはこれからどうなっていくのでしょうか?

第三者が、一番気に入った話です。主人公の義弟が不倫を清算しなければならなくなります。それに、主人公とその夫の過去が重なります。また、何年かたっても読み返したいと思いました。









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