十二年目の映像 







本のデータ
年月日 1997年3月19日
書店 新潮文庫
著者 帚木蓬生
題名 十二年目の映像
ジャンル サスペンス
本の出所 購入






時計台の攻防を闘争に加わっていた学生が撮影していた。そのフィルムは紛失したことになっている。放送局の運用課に勤める主人公は、自分が駄目になっていくことを自覚していた。恋人がドラマに出演することになり、そのドラマが学生闘争をあつかった社会派ドラマであることを知る。シナリオ原案を書いた槍居は主人公の兄と同年代であり、また学生闘争に実際に関わっていたこともあった。槍居と飲んだ時から、彼は十二年を経てもくすぶっている学生闘争に巻き込まれていく。

テレビ局の内情と学生闘争の二つが核であるサスペンスである。どちらも知らない世界なので、これを読んでわかった気になってはいけないとは思う。しかし、個人的には、説得力と重厚な重みのある一冊で、何度か読み返してしまった。

女優である恋人と主人公の逢瀬(古くさい言い方だけどそんなイメージだった)が、主人公の心の変化を映し、恋人もそれを悟っていくのがやるせなくて美しかったと思う。






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