殺意







本のデータ
年月日 1997年4月30日
書店 双葉社
著者 乃南アサ
ジャンル
本の出所 図書館








ある一人の平凡な男が、殺人者となっていく過程を裁判の過程と過去、現在を通して語っていくという小説です。裁判が絡むので、その方面の文面が苦手な私は苦戦してしまいました。

思考の中で、ふと投げられた言葉に自分をあてはめようとすることがあります。そういう言葉で表現されるあり方を望まないとしても。裁判、そして精神鑑定の中で、男は、誰も自分を理解できないことに気づき、同時に別れた妻が彼の変化を感じ取っていたことに驚く。親友に対する器が一杯にならなければ、殺人者という芽を自分の心に発見することはなかったのだろうか。

殺人者という自分を認めて、その生き方を肯定することが、自分やその周囲の人から遠い意識であることを無意識に祈ってしまう。






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