風の果て(上・下)







本のデータ
年月日 1997年5月15日
書店 文春文庫
著者 藤沢周平
ジャンル 時代小説
本の出所 古本屋で購入








うーん、やっぱり、いいなあ。デジカメ購入で懐が大変涼しい私には、例え古本でも痛いぞ!という感じなんですけれど、買ってよかった。

家老職にある桑山又左衛門のもとに、かつての道場での友からの果たし状が届く。同じ部屋住みの身分から、桑山は家老にのぼりつめ、野瀬は相変わらずの部屋住みの身分である。野瀬の屈折した心の現れであろうかと、桑山はいぶかしむが、過去を振り返っていくうちに自分の中にも存在した暗さに気づいていく。2人を含む道場の5人の仲間の運命と性質が対象的に描かれている。

権力を手にし、それを充分に駆使するのはきれい事ではすまない。また、権力はほぼ例外なく誰をも酔わせる力がある。権力を駆使しないとしても、使おうと思えば使えるという気分が自分の心を大きなものに変えるという部分に納得してしまった。それは、お金を使わないという状態と、使えない状態の違いにも、よく似ているとも思う。




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