桜を恋う人







本のデータ
年月日 1997年6月8日
書店 集英社文庫
著者 渡辺一枝
ジャンル ノンフィクション
本の出所 購入








戦争中に満州に渡り、そのまま中国国籍を取って、国際的な架け橋となる道を選んだ岩間典夫さんの数奇な一生を描いた本です。

ユン・チアンのワイルド・スワンを読むまで、地理的にも歴史的にも近い国である中国の現代に興味はなかった。また、知ろうとしなかった。中国残留孤児についても深く考えたことはなかった。解説には、この本を書くに当たり、満州生まれの渡辺一枝さんにとっては自分探しにもなったのではということが書かれていた。岩間さんは、産業を切り開き、オロチョンという民族の指導者的立場でもあったとのことで、文革では自分が築き上げたものをどんどん取り上げられ、どこまでも日本人であるが故に完全に中国人になりきれない孤独を抱えている。「富士の桜なら、自分が暮らす地でも花を咲かせられると思う」という言葉が印象的だった。「総統の防具」以来、久々のお薦め本です。








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