| 年月日 | 1997年7月30日 |
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| 書店 | 新潮文庫 |
| 著者 | 住井すゑ |
| ジャンル | 小説 |
| 本の出所 | 古本屋で購入 |
戦死の公報を受け墓まで立てた夫がシベリアから帰ってきた時、家を守るためと言い寄られた義父との間に子を成していた。不倫の烙印を押され、義母や実の妹をはじめ村の人々からも冷たい仕打ちを受けながら、それでも力強く生きていくゆみという女性を描いた小説である。
少し前、トレンディ・ドラマではかっこいい女性が受けていたけれど、この小説のヒロインはドラマに出てくるどの女性よりもかっこいいと思う。最先端の職業に就いたり、ファッショナブルな服装をしたり、洗練されたインテリアの中に住んだり、昔の常識を覆すばかりが、かっこいい生き方では絶対にないと思うし、そういう価値観しか持てない人たちが悲しい。読み終わっても、ゆみの「人も運も頼まずに、どこまでも自分の働きで生きていきて生きたいんだよ。」という素朴な言葉が、ずぅんと胸に響いたままである。