ぬばたま







本のデータ
年月日 1997年8月23日
書店 日本経済新聞社
著者 藤堂志津子
ジャンル 小説
本の出所 図書館








ちょうど、「本の雑誌血風録」とか「逃亡」とかと、同じくらいの時期に本が出て、おまけに同じ藤堂さんの「嘘(まだ読んでない)」の発行とも重なって、後回しにしていたら、なーんと図書館で発見してしまいました。ラッキー。

今流行の不倫ネタ、それも藤堂さんのキャラクターにありがちな結婚願望がないから恋人に妻子持ちを選ぶ女性が主人公。そんなわけで、あんまり新鮮味がないなあと思いながら読み進めました。こういう先入観があると楽しくないから、駄目だ!と自分に言い聞かせてたんだけど効きめなしでした。「ぬばたま」とは、ある人物一色それも他の色に染まる余地のない黒一色という意味でしょうか?(辞書を引け!辞書を!)

5年前に突然、「女に子供ができた。」と突然恋人に別れを告げられたヒロインは、その後淡く穏やかな不倫関係に心を癒やされます。しかし、結婚の夢を微かに持ってしまった恋人の態度の変化にいら立ち、同時期にかつての恋人と偶然再会します。心を開けないことの悲喜劇が淡々と語られている興味深い小説です。藤堂さんの小説に多いモチーフがほとんどで新鮮味がないなんて馬鹿にして読んでいたら、思いっきり結末に驚いてしまいました。やっぱり好きな作家は信じることにします。





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