| 年月日 | 1997年9月10日 |
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| 書店 | 角川文庫 |
| 著者 | 立原正秋 |
| ジャンル | 小説 |
| 本の出所 | 古本屋で購入 |
「海岸道路」とよく似た話でした。特に主人公にもっとも縁がある女性の性格がそっくりです。設定はもちろん違いますけれど。一見、大和撫子風だけれど、実はすごい行動力と迫力があって、浮気性な男を簡単に尻に引いてしまう手管にはほれぼれします。打算的ってわけじゃないところがますますすごいです。
舞台は鎌倉。里子は、夫が催している興味を持てない仮装パーティで、痩男の面をつけた木刀造りの青年北之庄と出会う。主人公はこの北之庄であり、女好きで人騒がせな友人真田と彼の周囲の多数の女性が大人になる過程を描く青春小説である。
有名な石原慎太郎の「太陽がくれた季節」と、同じ時代背景と似たような人々を描いているというが、退廃や平和に対するいらだちが乾いた感じの文体で書いてあり、その時代を知らない私には同じ時代とはとても思えない。個人的には働かない人間は好きではないのだけれど、この小説の登場人物があまりにもひょうひょうとしているので、不快感がない。