| 年月日 | 1997年9月23日 |
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| 書店 | 読売新聞社 |
| 著者 | 乃南アサ |
| ジャンル | 小説 |
| 本の出所 | 図書館 |
登校拒否や非行の民間の更正施設を舞台に、経営者や子供達を淡々と描いた小説です。もろに私好みです。特にミステリーやサスペンス仕立てではありません。
特に考え込んでしまったのは、鈴木るりという登場人物です。人のせいにしてばかりで、決して自分は変わろうとせず、結局そのままの状態で施設から出ていきます。いつとは言わないけれど、私もまさにこの状態だったことがあります。全然周囲に問題がないわけじゃなくても、結局なんとかなるのは自分だけだということが、理解できないという不幸。誠意を持って接している川又や木村牧師の言葉は、全く彼女に届きません。この話は、立ち直れた子も居れば立ち直れない子もいるところ、そして経営者としての川又の立場や家族との間に挟まれた葛藤や子供を投げたしたくなる衝動がリアルだと思います。本当に内情を知っている方には、きっと別の言い分があるのだろうとは思いますが、個人的には良心的で好きな小説だと思いました。