| 年月日 | 1997年11月7日 |
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| 書店 | 文春文庫 |
| 著者 | 坂東眞砂子 |
| ジャンル | 伝奇小説 |
| 本の出所 | 古本屋で購入 |
怖い本が嫌いなのに、最近なんとなく買ってしまうように坂東眞砂子さん第四弾です。これはたぶん今までで一番おもしろかったです。作風に慣れたせいもあるのでしょうが……。
三種の神器のやたの鏡の関する伝説と、蛇神の伝説がベースにある伝奇小説です。婚約者とともに帰郷したヒロインが、姉と姉の産みの母の自殺に関わった蛇の文様の古鏡を発見し、だんだん心が変化していく様子がおもしろいです。また、今回は登場人物に考古学者や神主など、伝承に詳しいものが加わり、そういう視点もあります。最後のオチはきっと坂東さんの癖なのかもしれませんが、とても後味が悪くて、いい味だしています。ハッピーエンド好きの私でもなんとか納得できる乾いた感じ(こういうのを諸行無常というのか)に救いがあります。
坂東さんの小説は、ハッピーエンドはないんでしょうかねえ。今回はヒロインの性格に諦観とか穏やかさというのがなくて、パンドラっぽかったです。ラストにはあんまり希望はないけれど。