王の闇







本のデータ
年月日 1997年11月11日
書店 文芸春秋
著者 沢木耕太郎
ジャンル ルポルタージュ
本の出所 図書館






頂点を極めた人間がその後どうなったかを描く短編集です。輪島や瀬古などお馴染みの人物も登場します。

ボクシングを見ない私が、現役の姿を知る人物は瀬古さんしか登場しませんでした。と、言っても輪島やフレイザーの名前はもちろん知っていますけれど。もちろん、読んでいて一番印象深かったのは瀬古さんの話です。瀬古さんを初めてテレビで見たときの衝撃は忘れられません。日本人が世界のレベルで戦っているのを見たのも初めてでした。2番手くらいでクールに走り抜き、ラストスパートで一位に躍り出るという瀬古の走りには子供ながら痺れました。実は宗兄弟の方が好きだったのですが。オリンピックでは一体どうしたんだ?という怒りもありました。けれど、それは野次馬の発想でしたなかったのだなあと、思います。あと、フレイザーを訪ねる話は、一瞬の夏(上・下)にも少し出てきて、実はどの本にあるのだろうと思っていたので、見つけられて嬉しかったです。

王座に立った人間というのは、ただ羨望されるだけの存在ではなくて、それゆえの苦悩があるのだということが淡々と書かれていて、平凡の幸せを改めて認識しました。





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