よろずや平四郎活人剣(上・下)
本のデータ
| 年月日 |
1998年01月05日 |
| 書店 |
文春文庫 |
| 著者 |
藤沢周平 |
| ジャンル |
時代小説 |
| 本の出所 |
古本屋で購入 |
いつもと違う古本屋に行ったら、見つけてしまったので買ってきました。いくら渋好みの私でもあんまり読む気のしない地味な題名だったので、ずっと後回しにしていたのですが、読み始めたらあっという間に読んでしまいました。
立派な家柄だけれど、当主が冷や飯ぐらいの女中に生ませた末っ子である神名平四郎は、仲間と道場をやることになったのを幸い、市井の暮らしに飛び込む。しかし、道場をやるためのお金は仲間の一人明石に持ち逃げされ、寺子屋をやる北見と違ってもともと職のない平四郎は、たちまち暮らしに窮することになった。そこで思いついたのが、仲裁屋という職業であった。北見に立派な看板を書いてもらい、早速仕事を始めるが、世の中そううまくはいかず、北見や再会してなお金を払わない明石の紹介でしか仕事にありつけない。
だんだん、仕事が軌道にのってくるのと同時に、兄からの用心棒仕事(これは無料)や、かつての婚約者早苗との再会などの身辺の変化や、北見の過去が明らかになったりと、連作短編集でありながら、続いて展開している話がいくつかあり、楽しい小説でした。道場仲間である見かけは立派だが詐欺師の明石と、貧相な見かけだが頑固で立派な人格でイライラするくらい人のいい北見、あと平四郎本人の対照的な性格がなかなか笑えます。
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