聖戦ヴァンデ(上・下)
本のデータ
| 年月日 |
1998年03月23日 |
| 書店 |
角川書店 |
| 著者 |
藤本ひとみ |
| ジャンル |
小説 |
| 本の出所 |
図書館 |
フランス革命への知識は国王の処刑で終わっている。その後、ロベスピエールが死に、ナポレオンが現れて、ルイ・フィリップが即位したような気がするだけだ。たぶん、随分長期間混乱していたのだろうということだけが予想される。だから、ヴァンデといわれても全然ぴんとこないし、読み終わっても史実だということが消化できていない。
ウイーンの密使で登場したアンリを主人公に、ヴァンデ戦争を描く物語である。国王が処刑され、任務を失って失意の中で故郷にたどり着いたアンリを待ち受けていたものは、自らへの処刑命令だった。自殺を図ったが村人に助けられ、ルイ十七世を即位させるためのヴァンデ戦争に巻き込まれていく。まとまりを欠く軍の人間模様や、かつて一緒に戦ったニコラとの友情が切ない。
恋愛や完全無欠の主人公たちが、物語の華やかさを作るのではないというのがわかる物語でした。物語はどんどん絶望的な展開になっていくというのに、それでも読むのをやめさせない魅力がありました。よく考えると、アンリやニコラ、カトリノーなどの性格は出来過ぎだと思うし、ロベスピエールやサンジュスト、ジュリアンの性格は危なすぎるとも思うのですが、とにかく惹きこまれてしまいました。藤本さんの小説とはすごく相性がいいようです。
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