| 年月日 | 1998年04月12日 |
|---|---|
| 書店 | 文芸春秋 |
| 著者 | 藤本ひとみ |
| ジャンル | 小説 |
| 本の出所 | 図書館 |
サド侯爵を裁判形式で描く小説です。何人かの人間が同じ出来事について語るという形式が、おもしろいです。この小説の背景にもフランス革命やその前後の貴族の生活習慣などが関与していて、ルネッサンス気分からフランス革命気分に移行しつつある自分の移り気がなんだか安直です。
サド侯爵という名前から、もっとどろどろしていて、エロチックで濃い小説を想像して、藤本ひとみさんのものでも読む気はしなかったのですが、文章が思ったより清潔な感触だったのでさくさく読めました。そもそも耽美や官能の雰囲気のある小説に対しては好き嫌いがはっきりわかれる理由が作者の欲求不満が比較的読みとりやすいからなのですが、小説中にも似たような意味に取れるセリフがあってちょっと痛快でした。