さようならウサギ(T・U)
本のデータ
| 年月日 |
1998年05月22日 |
| 書店 |
新潮社 |
| 著者 |
J・アップダイク |
| ジャンル |
文学 |
| 本の出所 |
図書館 |
最近、昔読んだ本の恩義をすっかり忘れて、文学なんてふざけるなとか思い上がったことを考えていたんですが、なんとこのウサギシリーズも文学なのだそうです。私にしては、随分じっくりつき合った本なので、たぶんここ数年でもっとも印象深い作品の一つになると思います。四作のシリーズのうち、最初はなんか好きになれないけれど続きが気になるという感覚で読み続け、最後にこういう作品っていいなと素直に思えるようになりました。本当に不思議な本です。特に人生の見本にしたい登場人物もいないし、出てくる人がほとんど全て、ちょうど鬱気味だった私の神経を逆撫でするような行動をとるというのに、最後にはなんだか愛しいような気がしました。
ウサギも57歳。フロリダで隠居して暮らすつもりが、息子のネルソンが麻薬中毒となり、ブルーワーに戻ることになる。資格を取り、未知のビジネスの世界に飛び込もうとする妻のジャニス、麻薬中毒から立ち直るネルソン、家族の絆を取り戻していくプルーとその子供たち。家族愛とか、人間の成熟とか、人生のピークとかいろいろ考えさせられました。
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