カストラート
本のデータ
| 年月日 |
1998年06月06日 |
| 書店 |
新潮文庫 |
| 著者 |
A・コルビオ |
| ジャンル |
小説? |
| 本の出所 |
古本屋で購入 |
この映画は見たかったのですが、ちょっと怖そうだなと躊躇っているうちに上映が終わってしまいました(こんなのばっかり)。もともと、映画は目と神経を異常に消耗するので、見たいような見たくないようなアンビバレンツな存在なのです。では、本の方はというと、なかなか買う決心がつかないうちに忘れていたら、古本屋にあったので買いました。思えば、高野史緒の本にはまったきっかけは、この本のことが頭にあったからなので、こっちも読まないと罰当たりなのかも。
最高のカストラートと言われるファリネッリと天才ヘンデルと兄との歪んだ関係が、バロック全盛の時代を背景に描かれ、また似非クラシックファンの私には音楽史的にも興味深い話でした。父として男としてではなく、音楽のためだけに生きることとなったファリネッリのあまりにも深刻な音楽への悩みというのが病的で痛々しく、それが歌(または演奏)と曲、どちらがより絶対的に音楽的な存在かという気分が悪くなるほど不毛な葛藤につながったりして、なかなか味わい深いものがあります。
また、本筋とは関係ないのですが、ソルフェージュなどが、カストラートによって編み出されたというようなエピソードもあって、雑学的な面からも楽しめました。
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