絶対音感
本のデータ
| 年月日 |
1998年06月07日 |
| 書店 |
小学館 |
| 著者 |
最相葉月 |
| ジャンル |
ノン・フィクション |
| 本の出所 |
借りる |
例え趣味だとしても音楽をかじった者にとっては、絶対音感というのは気になる存在だと思います。そして、それが天才であり運と努力が後押しするプロの音楽家の神秘性を感じされるものでもあります。個人的には、何の音がドだとかレだとかわかることは、どうでもいいんですけれど、フレットがないヴァイオリンやウードなどを弾きこなす人の耳には深い憧れがあります。
この本で言う絶対音感とは二つの意味があります。私が憧れていたのは音の高低の微細な部分を聞き分ける力、けれどいろいろ問題視されているのは440ヘルツの音がラとか認識する方の力でした。それでも便利かなと読みすすめていくうちに、国によってラが何ヘルツかは微妙に異なり、またその決まりでは年々高い音がラと認識される傾向があるとも書かれていて、それだったら音楽の素人には全然必要ないなあと思いました。そして、なくてよかったと安心していると、今度は今の学校の音楽教育にも触れていて、問題だらけの教育を受けた自分の音楽に関する感覚に自信がなくなりました。絶対音感というものを尊ぶという傾向が、まさか自分にも関わってくる問題とは思わなかったので、ショックでした。またもっとも好きで身近な楽器であるピアノの音階の決め方が妥協に基づくものだという記述にも打ちのめされたような気がしました。
個人的な結論としては、音楽を楽しむには(仕事にするんじゃない場合)、いい耳よりも音楽を好きだという心の方が大切だなあと。音楽やいい耳への神秘性をいろいろな面から考えることができたので、読んでよかったなと思いました。
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